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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服201415573 | 審決 | 商標 |
不服201417591 | 審決 | 商標 |
不服2015650045 | 審決 | 商標 |
不服2014650014 | 審決 | 商標 |
不服201219738 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W30 |
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管理番号 | 1324938 |
審判番号 | 不服2016-5892 |
総通号数 | 207 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-03-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-04-20 |
確定日 | 2017-01-10 |
事件の表示 | 商願2015-42435拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「日本富士山油条」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成27年5月1日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同年10月9日受付の手続補正書により、第30類「油条」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『日本富士山油条』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『日本富士山』の文字部分は、『静岡・山梨両県の境にそびえる日本第一の高山』程の意味合いを表し、『油条』の文字部分は、『小麦粉をこねて細長くして油で揚げたもの』程の意味合いを表すものである。そして、『富士山』は、世界文化遺産に認定され、我が国有数の観光地として知られているおり、一般に観光地(その周辺地域を含む。)においては、土産物用等の各種商品の包装箱、包装紙等に当該観光地の名称を、その商品の産地、販売地として表示することが普通に行われている実情があり、富士山についても、当該地及びその周辺地域で生産、販売されている各種商品について、『富士山』の名称を付して『富士山○○(商品)』のように使用している実情がある。また、食料品を取り扱う業界において、富士山をモチーフにした商品について、例えば『富士山チョコレート』、『富士山メロンパン』のように、『富士山○○(商品)』の文字が使用されている。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が『日本の富士山及びその周辺地域で製造又は販売されている油条(小麦粉をこねて細長くして油で揚げたもの)、日本の富士山をモチーフにした油条(小麦粉をこねて細長くして油で揚げたもの)』程の意味合いを認識するにとどまり、単に商品の産地、販売地、品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、「日本富士山油条」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「日本」の文字部分は、「わが国の国号」を表示するものであり、「富士山」の文字部分は、「静岡・山梨両県の境にそびえる日本第一の高山。」を表示するものであり、「油条」の文字部分は、本願の指定商品であり、「小麦粉をこねて細長くして油で揚げたもの」を表示するものである(いずれも「広辞苑第六版」岩波書店発行)。 そして、「富士山」は、その周辺地域を含め登山客をはじめとした多数の観光客が訪れる地域であるばかりではなく、「富士山」にちなんで、地域の名称に「富士」の文字を有する地名が周辺地域のみならず、日本各地に存在し、さらには、芸術等の文化分野においても、枚挙に遑がないほど多数取り上げられているなど、我が国を代表する山であり、我が国の国民であれば誰もが知っているといえるほど、一般に広く知られたものである。 さらに、多数の観光客が訪れる有名な観光地においては、観光客向けに土産物が製造、販売され、当該商品には地域の名称が使用されているものであり、「富士山」についても、原審で提示した事実に加え、以下の事実が認められる。 ア 「金多留満」のウェブサイトに、店舗の紹介として「明治44年創業、富士河口湖町の和菓子専門店。」及び「富士山羊羹」の商品の紹介において、「商品一覧」の見出しの下、「【富士山羊羹】甘さを控えた、北海道産厳選小豆使用の抹茶風味羊羹」との記載がある。 (http://www.kindaruma.co.jp/SHOP/215877/373773/list.html) イ 「富士山本舗」のウェブサイトに、ページ右上部に「富士山土産・山梨土産の通販 キャラクターグッズからお菓子まで 富士山にまつわるアイテムを豊富に取り揃えています!」及び商品の見出しに「富士山まんじゅう 9個入り」との記載がある。 (http://www.fujisanhonpo.jp/item/SM-1006-1/) ウ 「YAHOO!JAPANショッピング」のウェブサイトにおいて、「世界のお土産屋さん」の見出しの下、「静岡のお土産★おみやげを気にせず旅を満喫!」及び「関東 お土産 富士山チョコレートクランチ 4,990円以上で送料無料」との記載がある。 (http://store.shopping.yahoo.co.jp/e-omiyage/202000670.html) エ 「土井製菓株式会社」のウェブサイトにおいて、ページ最上部に「土井の田舎草もち・富士山さぶれなど伊豆・箱根・富士など静岡県の郷土銘菓を製造販売。郷土菓子の開発・試作・販売は静岡県土井製菓まで。」との記載があり、「取扱商品一覧」の見出しの下、「富士山チョコクランチ」及び「富士山ビスケット」との記載がある。 (http://www.doi-seika.co.jp/list3.html#11) オ 「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「わかふじ」の見出しの下、「富士山土産 静岡県・・・【富士山おみやげ】富士山フィナンシェ8個入り」との記載がある。 (http://item.rakuten.co.jp/wakafuji/14949/) 上記アないしオのとおり、富士山の周辺地域で土産物を製造、販売する業者及び富士山の土産物を取り扱う業者が、本願の指定商品と類似する商品といえる「菓子」に「富士山」の文字と商品名を組み合わせてなる表示を一般に使用している実情がある。 してみると、「富士山」の文字と商品名を結合してなる表示は、それが商品に使用された場合、「富士山やその周辺地域で製造、販売されている商品」であることを容易に把握、理解させるといえるものである。 また、本願商標は、その構成中に「日本富士山」と表してなるもので、「富士山」の文字のみではないものの、「富士山」は「日本」、すなわち、我が国を代表する山であるから、「日本富士山」の文字に接する看者は、「富士山」であることの意味を超えて、他の意味合いを認識するとは考え難いものである。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「富士山及び富士山周辺地域で製造、販売されている油条」であること、すなわち、商品の産地、販売地を認識するにすぎないものといわなければならない。 したがって、本願商標は、商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)請求人の主張について 請求人は、原査定の主たる拒絶の理由が、富士山が世界遺産に登録されたこと及び商標法第3条第1項第3号は過去の登録例をもって本願商標における判断の基準とすることは適当ではないことであるから、富士山の周知性は、世界文化遺産に登録された前後において変わるものではないし、また、原査定は、「富士山」の文字を構成の一部に有する本願商標が過去の登録例の判断と異なることについて説明をしていない。それのみならず、本願商標は、「日本富士山」であり、単なる「富士山」とは異なるもので、世界遺産の名称についても、「白神山地」及び「屋久島 ロール」が登録されている旨主張する。 しかしながら、「富士山」は、上記(1)のとおり、世界文化遺産の登録にかかわらず、我が国の国民であれば誰もが知っているものであり、これに「日本」の文字を冠したからといって、その認識が異なるものではなく、土産物としての菓子の取引の実情に照らすならば、本願商標は、「富士山及び富士山周辺地域で製造、販売されている油条」であることを一般に認識させるものであるといわなければならない。また、請求人が挙げる過去の登録例については、「富士山」の文字及び世界遺産の名称を使用している商標という意味では共通するとはいえるものの、該登録例は、本願商標とはその構成態様を異にするものや本願の指定商品とは類似しない商品の分野における登録であるなど、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性を判断する上で、同列には論ずることができないものといわなければならない。 したがって、請求人の主張は採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2016-09-30 |
結審通知日 | 2016-10-21 |
審決日 | 2016-11-02 |
出願番号 | 商願2015-42435(T2015-42435) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(W30)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 早川 真規子 |
特許庁審判長 |
青木 博文 |
特許庁審判官 |
原田 信彦 高橋 幸志 |
商標の称呼 | ニッポンフジサンユジョー、ニッポンフジヤマユジョー、フジサンユジョー、フジヤマユジョー、フジサン、フジヤマ |
代理人 | 伊藤 將夫 |
代理人 | 小林 弓子 |