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審決分類 審判 判定 その他 属する(申立て成立) W0942
管理番号 1323765 
判定請求番号 判定2016-600046 
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標判定公報 
発行日 2017-02-24 
種別 判定 
2016-09-08 
確定日 2017-01-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第5704605号商標の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 被請求人が商品「電子計算機用プログラム」及び役務「アプリケーションサービスプロバイダーによる電子計算機用プログラムの提供」について使用するイ号標章は、登録第5704605号商標の商標権の効力の範囲に属する。
理由 1 本件商標
登録第5704605号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「Lockon」の欧文字と、「ロックオン」の片仮名を2段に横書きしてなり、平成26年3月10日登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「電子計算機用プログラムの提供」を含む、第9類、第16類、第35類、第37類、第38類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として同年9月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 イ号標章
被請求人が商品「電子計算機用プログラム」及び役務「アプリケーションサービスプロバイダーによる電子計算機用プログラムの提供」に使用する標章として、請求人が示したイ号標章は、別掲2のとおり、「株式会社ロックオン」の文字を赤色で横書きした構成からなるものである。

3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の判定を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第28号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)判定請求の理由の要点
本件商標は、上段に「Lockon」の欧文字と、その下段に「ロックオン」の片仮名とを二段併記してなるものであり、当該構成文字に照応して、「ロックオン」の称呼及び「標的を定める(こと)」等の観念を生ずる。
これに対し、イ号標章は、濃い赤色でゴシック体風の文字で横書きされた「株式会社ロックオン」からなるものであり、当該標章からは「カブシキガイシャロックオン」の称呼のみならず、その要部である「ロックオン」の文字部分から生じる「ロックオン」の称呼も生じるものであり、また、イ号標章は、その要部である「ロックオン」の文字部分から生じる「標的を定める(こと)」等の観念を生ずるものである。
よって、両標章は、「ロックオン」の称呼及び「標的を定める(こと)」等の観念を共通にする類似の標章である。
また、本件商標に係る指定商品及び指定役務中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「電子計算機用プログラムの提供」は、イ号標章の使用商品「電子計算機用プログラム」及び使用役務「アプリケーションサービスプロバイダーによる電子計算機用プログラムの提供」と、それぞれ同一又は類似の商品・役務である。
(2)判定請求の必要性
請求人は、本件商標及び登録第4839624号商標(甲1、甲2)の商標権者であるが、被請求人が、役務「アプリケーションサービスプロバイダーによる電子計算機用プログラムの提供」等に、イ号標章を使用していること等について、被請求人に対し、前記商標登録の商標権を侵害する旨の警告書及び通知書を、それぞれ、平成26年10月1日付け及び同年11月27日付けで送付した。しかしながら、被請求人はイ号標章の使用を中止せずにそのままイ号標章の使用を継続していたため、その後、請求人は、同28年6月27日付けで、本件商標等の商標権侵害を理由として、被請求人による被請求人使用商品・役務についてのイ号標章等の使用の差止を求める旨の訴訟を提起し(大阪地方裁判所平成28年(ワ)第6268号)、被請求人から平成28年7月20日付けで答弁書が提出されているところである。
そこで、請求人としては、前記商標登録の商標権の効力の範囲について専門的知識をもって中立的立場から判断される判定を特許庁に求める次第である。
(3)イ号標章の説明
被請求人は、遅くとも、2014年(平成26年)5月より、イ号標章を、被請求人に係るアプリケーションサービスプロバイダー(ASP)による広告効果測定用等の電子計算機用プログラムの提供、及びECサイト構築用の電子計算機用プログラム(以下「被請求人使用商品・役務」という。)の内容を紹介する被請求人のホームページの製品・サービス(事業内容)のページの左上の箇所に、赤色のL字様の図形商標及び「Impact On The World」の文字からなるスローガン商標と共に、被請求人使用商品・役務の出所を表示する標章として使用しており(甲3)、その後も継続して使用し、現在に至っている(甲4)。
なお、被請求人使用商品・役務には、別途、「AD EBiS」、「THREe」、「EC-CUBE」等の個別商標も使用されているものではあるが(甲4)、イ号標章は、いわば、被請求人使用商品・役務に係るハウスマークとして、それらの商品・役務の出所を表示する機能を有する標章として需要者等に認識されるものである。このことは、例えば、飲料等の商品商標の場合に、当該商品に係る個別商標とは別に、当該飲料の包装容器の上部等に各社のコーポレートロゴがハウスマーク的に使用されていることが多いが、それらのコーポレートロゴが、当該商品の個別商標と共に、商品の出所を表示する標章として機能し、そのように認識されていることと同様である。とりわけ、ASPサービスのような、インターネットを通じて提供されるサービスを利用する需要者が、当該サービスの内容を確認するにあたって、提供している事業者のホームページにアクセスした際に、当該ホームページ左上の箇所に表示されている標章を当該サービスの出所を表示しているものであると認識するのは、至って当然のことである。
また、イ号標章は、上述の被請求人のホームページの事業内容のページの他にも、上記個別商標「AD EBiS」、「THREe」、「EC-CUBE」等に係る被請求人使用商品・役務についての宣伝広告等を内容とするニュース(プレスリリース)のページの左上にも同様に使用されている(甲28)。上記被請求人のホームページのプレスリリースのページにおいては、例えば、被請求人商品・役務中の「EC-CUBE」に係る商品・役務の販売促進に関連するセミナー・個別相談会の案内も掲載されているが、当該案内の左箇所にも大きくイ号標章が使用されている(甲28)。
したがって、イ号標章は、被請求人使用商品・役務に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為に使用されており、イ号標章の使用は、商標法第2条第3項第8号にいう標章の「使用」に該当する。
(4)本件商標の使用
請求人は、2001年4月頃から請求人のホームページを通じて提供を開始したASPサービスプロバイダーによる電子計算機プログラムの提供サービスに係る商標であり、本件商標に係る当該サービスは、現在まで継続して提供している(甲5の1、2)。
(5)イ号標章が商標権の効力の範囲に属するとの説明
ア 標章の対比
本件商標は、上段に「Lockon」の欧文字と、その下段に「ロックオン」の片仮名とを二段併記してなるものであり、当該構成文字に照応して、「ロックオン」の称呼及び「標的を定める(こと)」等の観念を生ずる。
これに対し、イ号標章は、濃い赤色でゴシック体風の文字で横書きされた「株式会社ロックオン」からなるものであり、当該標章からは「カブシキガイシャロックオン」の称呼のみならず、その要部である「ロックオン」の文字部分から生じる「ロックオン」の称呼も生じるものであり、また、イ号標章は、その要部である「ロックオン」の文字部分から生じる「標的を定める(こと)」等の観念を生ずるものである。
よって、両標章は、「ロックオン」の称呼及び「標的を定める(こと)」等の観念を共通にする類似の標章である。
(ア)「株式会社」の文字の有無と商標の類否について
上述のように、イ号標章は「株式会社ロックオン」の文字からなるものであるが、このように、標章の構成文字中に「株式会社」の文字を含む標章は、その残りの文字部分が要部として認識され、当該文字部分から生じる称呼と同一又は類似の称呼が生じる商標とは類似である。このことは、「株式会社」の文字の有無に係る商標の類否に関する特許庁における多数の審決例等からも、本件商標とイ号標章が類似する標章であることは明らかである。
(イ)商標法第26条第1項第1号非該当性について
上述のように、イ号標章は、本件商標と類似するものであるが、イ号標章に係る使用態様は、以下のとおり、商標法第26条第1項第1号にいう「自己の名称を普通に用いられる方法で表示する商標」には該当しないものである。
まず、株式会社の名称が、自他商品役務識別機能を有する商標として、その株式会社の名称から「株式会社」を除いた部分と同一の称呼が生じる登録商標の指定商品・役務と同一・類似の商品・役務に使用された場合、当然に需要者・取引者の混乱を生じ、商標法の法目的の一つである取引秩序の維持を乱すものであることは自明であるが、商標法第26条第1項第1号では、「自己の名称を普通に用いられる方法で表示する商標」には商標権の効力が及ばないとして、当該商標を「普通に用いられる方法で表示する」場合には、株式会社の名称の商標としての使用が、例外的に認められているところである。
この点に関しては、東京高等裁判所における判決(平成11年(ネ)第1428号)においても、「商標法26条1項1号に規定されている『自己の氏名若しくは名称(中略)を普通に用いられる方法で表示する商標』は、商標権の効力を及ぼすことが適当でないものとして例外的に使用が許されるものであるから、その表示方法は、殊更に出所表示機能を企図するものであってはならないと解するのが相当である。」(甲21)として、上記主張と同趣旨の判断がなされているところである。
そこで、イ号標章が、「普通に用いられる方法で表示する商標」に該当するか否か、殊更に出所表示機能を企図するものでないか否か、について検討する。
イ号標章は、上述のように、被請求人のホームページの左上に使用されているものであるが、一般に、商品・役務の内容を説明しているホームページ左上の箇所は、当該ホームページにアクセスする需要者の注意を最もひきやすい場所の一つであるといえ、当該ホームページで紹介されているサービスの需要者にとっては、そこに表示されている商標は、個別のサービスマークのハウスマークとして認識されるものと考えられ、当然に出所表示機能を有するものである。
ホームページ左上に使用されている標章が、サービスの出所を表示するものとして認識される点については、被請求人と請求人間における上記訴訟とは別の訴訟(大阪地方裁判所平成28年(ワ)第5249号)において、原告である被請求人自らが、その訴状において、「一般にホームページ左上には、ホームページのタイトルや役務の名称が掲載される。被告の別紙1の各ホームページを一般人が見る時には、被告が提供する被告サービスの名称や出所が『Lock on』であると理解する。つまり被告は『Lock on』を被告サービスの商標として使用している。」のように述べていることからも、被請求人も自認しているところである。
ホームページ左上の箇所は、企業の名称が「普通に用いられる方法」で表示される箇所などではなく、むしろ、商品・役務の出所表示機能を企図して、当該企業のコーポレートロゴ等のハウスマークが使用されている箇所である。コーポレートロゴ等のハウスマークは、商品・役務の出所表示機能を発揮する最たるものであることは論を待たないところである。
以下、上記主張を裏付ける証拠として、情報通信分野において上場している企業のホームページ左上に使用されている商標がどのようなものであるかを検討する。なお、これらの企業のホームページは、いずれも、請求人からのイ号標章の使用中止の要請に対して、被請求人が、平成26年8月27日付け回答書に添付して、イ号標章の使用が「普通に用いられる方法で表示する商標」であるとの主張の根拠として、請求人に送付してきたものである(甲22)。
しかしながら、これら各社のホームページ左上部分に使用されている商標を精査するも、当該企業の名称が普通に用いられている方法で表示されている例は皆無である。その多数は、当該企業の略称からなるコーポレートロゴが、単独で又は図形と共に使用されているものであり、当該企業の名称が使用されている場合でも、それらは、普通に用いられる方法での使用ではなく、当該企業の略称からなるコーポレートロゴや図形商標と組み合わせて使用されている。このことからも、需要者の注意を最もひきやすい場所の一つであるホームページ左上の箇所は、一般に、各企業が自社の商品・役務の出所を示すためにコーポレートロゴ等を使用している箇所であり、そこに使用されている商標が、殊更に出所表示機能を企図しているものであることは明らかである。よって、そのような出所表示機能を有する商標を表示する場所であると考えられるホームページ左上に使用されているイ号標章が、商標法第26条第1項第1号に規定されている「自己の名称を普通に用いられる方法で使用する商標」には該当しないことは明白である。ホームページ左上の箇所に企業の名称を使用する場合は、関連役務等について商標登録を行なった上で使用するか、少なくとも、関連役務等について他者の類似の登録商標が存在しないことを大前提として使用されるべきものであると考えられる。
この点について付言すると、請求人からの指摘があるまでは、被請求人は、イ号標章が使用されている箇所に、被請求人の略称である「LOCKON」の口ゴを使用していたという経緯があり(甲23)、請求人からの商標権侵害の指摘があってはじめて、そのロゴの代わりに、イ号標章を使用し始め、当該イ号標章の使用が、商標法第26条第1項第1号の規定により問題がない使用である旨の主張をしているところである。このことは、そもそもイ号標章が使用されているホームページ左上の箇所に、自己の名称を使用する必然性などなかったことを被請求人自ら認めていることに他ならない。
一般に、企業のホームページには、会社概要のページがあり、需要者が、ホームページで紹介されている商品・サービスを製造・販売又は提供している会社の名称を知りたい場合は、会社概要のページを参照することにより、容易に当該商品・サービスの製造者・販売者又は提供者の名称等の情報を得ることができ、これによって、商標法第26条第1項第1号の法目的は十分達成できるものと考えられるところである。したがって、他者の登録商標と類似する会社の名称を、殊更需要者の注意を最もひきやすい場所の一つであるホームページ左上の箇所に例外的に使用することを許す必然性は認められない。このような、被請求人の名称を使用する必然性のない箇所におけるイ号標章の使用が、商標権の効力を及ぼすことが適当でないものとして例外的に使用が許されるものであるとは到底認められない。
さらに、上述のように、ホームページ左上の箇所に企業の名称が使用されている場合は、当該企業の略称からなるコーポレートロゴか図形商標と共に組み合わせて使用されており、この点については、イ号標章も同様に、被請求人の登録商標である赤色のL字様の図形商標(甲24、甲25)とスローガン商標「Impact On The World」(甲26、甲27)と共に組み合わせて使用されており、これらの登録商標が出所表示機能を有し需要者の注意を引くことは必定であることから、それらの登録商標と共に組み合わせてホームページ左上で使用されているイ号標章は、当然に出所表示機能を発揮しているものといえる。
イ 商品及び役務の対比
本件商標にかかる指定商品・役務中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「電子計算機用プログラムの提供」は、イ号標章の使用商品「電子計算機用プログラム」及び使用役務「アプリケーションサービスプロバイダーによる電子計算機用プログラムの提供」と、それぞれ同一又は類似の商品・役務である。
(6)むすび
以上のとおり、イ号標章は本件商標と類似する標章であり、その使用商品・役務も本件商標に係る指定商品・役務と同一又は類似の商品・役務であるから、被請求人が使用商品「電子計算機用プログラム」及び使用役務「アプリケーションサービスプロバイダーによる電子計算機用プログラムの提供」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。

4 被請求人の答弁
被請求人は、本判定請求に対し、何ら答弁していない。

5 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、「Lockon」の欧文字と、「ロックオン」の片仮名を2段に横書きしてなるものであり、「Lockon」及び「ロックオン」の文字は、共に「レーダーによる目標の自動追尾」の意味を有するものである。
してみると、本件商標からは、「ロックオン」の称呼を生じ、「レーダーによる目標の自動追尾」の観念が生じるものである。
(2)イ号標章
イ号標章は、別掲2のとおり、「株式会社ロックオン」の文字を赤色で横書きした構成よりなるものである。
そして、構成中の「株式会社」の文字部分は、法人の組織形態を表したものであるから、当該部分は自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
そうすると、イ号標章において、自他商品・役務の識別標識として機能し得る要部は、「ロックオン」の文字部分であるといえ、当該文字部分も独立して自他商品・役務の識別標識として認識し、取引に資するものというべきである。
してみれば、イ号標章は、その要部である「ロックオン」の文字部分に相応して「ロックオン」の称呼を生じ、「レーダーによる目標の自動追尾」の観念を生じるものである。
(3)本件商標とイ号標章の類否について
本件商標とイ号標章は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであるから、両者は、外観において、全体構成としては相違するが、本件商標構成中の「ロックオン」の文字部分とイ号標章の要部である「ロックオン」の文字部分については、同じ綴りの片仮名を書したものであるから、当該文字部分においては外観上近似したものといえる。
そして、称呼においては、両者はいずれも「ロックオン」の称呼を生じるものであり、観念においても「レーダーによる目標の自動追尾」の観念を共通にするものであるから、外観、称呼及び観念を総合して全体的に考察すると、両者は類似するものである。
(4)イ号標章の使用態様について
甲第3号証及び甲第4号証における、被請求人のホームページの左上に、使用されているイ号標章は、文字自体が看者の注意をひく赤色文字で書されているばかりでなく、イ号標章の下段に企業スローガンらしき「Impact On The World」の欧文字を灰色で小さく併記し、その左側には前記2段に書された文字の高さに合わせるように、赤色で角が鋭角のL字様の図形が配されているところ、このような表示方法は、自己の名称を普通に用いられる方法で表示するにとどまらず、当該ホームページにおいて掲載される自己の業務に係る商品・役務の出所表示機能としての使用態様といえる。
(5)イ号標章の使用商品及び使用役務について
被請求人のホームページである甲第3号証及び甲第4号証には、被請求人の提供する製品・サービスが複数掲載されており、その中で「アドエビス(AD EBiS)」と称する製品・サービスについて、甲第3号証に「広告効果測定システム『アドエビス』」のタイトルの下、「広告効果測定システム『アドエビス』は、ネット広告の出稿額から得られる効果を測定します。(中略)2004年に発売開始以降、6,000件(2013年7月現在)を超える企業に導入され、広告効果測定ツールベンダーとしてトップシェアを誇ります。」の説明があることから、被請求人は広告効果を測定するための「電子計算機プログラム」の商品を販売していると認められる。
また、「EC-CUBE」と称する製品・サービスについて、甲第3号証に「日本発ECオープンプラットフォーム『EC-CUBE』」のタイトルの下、「新しいECサイト構築方法として、オープンソースECパッケージ『EC-CUBE』を提供しています。2006年の提供開始以降、数多くのサイトに導入され、新しいECサイトを構築手法としてのポジションを確立するに至っています。」の説明及び甲第4号証に「商流プラットフォーム」の項目の右側に「日本発ECオープンプラットフォーム『EC-CUBE(イーシーキューブ)』」のタイトルの下、「APS型の手軽さと低価格に加えて、開発型の柔軟性をあわせもつ、ECサイトの新しい構築手法 ※独立法人情報処理推進機構『第3回オープンソースソフトウェア活用ビジネス実態調査』による」の説明があることから、被請求人はASP(アプリケーションサービスプロバイダー)としてEC(電子商取引)用ウェブサイト作成のための「アプリケーションサービスプロバイダーによる電子計算機用プログラムの提供」の役務の提供を行っていると認められる。
そして、上記のとおり、該商品及び役務を広告する被請求人ホームページに、イ号標章を、出所表示機能を発揮する態様で表示しているのであるから、イ号標章の使用商品及び使用役務は、「電子計算機プログラム」及び「アプリケーションサービスプロバイダーによる電子計算機用プログラムの提供」といえる。
(6)本件商標の指定商品及び指定役務とイ号標章の使用商品及び使用役務との類否について
本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「電子計算機プログラムの提供」は、イ号標章の使用商品「電子計算機プログラム」及び使用役務「アプリケーションサービスプロバイダーによる電子計算機用プログラムの提供」と、同一又は類似の商品又は役務である。
(7)まとめ
以上のとおり、イ号標章は、本件商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務について、本件商標と類似の商標を使用するものであるから、被請求人が商品「電子計算機プログラム」及び役務「アプリケーションサービスプロバイダーによる電子計算機用プログラムの提供」に使用するイ号標章は、登録第5704605号商標の商標権の効力の範囲に属する。
よって、結論のとおり判定する。
別掲 別掲1 本件商標


別記2 イ号商標 (色彩については原本参照)

判定日 2017-01-10 
出願番号 商願2014-18064(T2014-18064) 
審決分類 T 1 2・ 9- YA (W0942)
最終処分 成立  
前審関与審査官 矢澤 一幸 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 小松 里美
田中 幸一
登録日 2014-09-26 
登録番号 商標登録第5704605号(T5704605) 
商標の称呼 ロックオン、ロッコン 
代理人 柳野 隆生 
代理人 大西 裕人 
代理人 木村 圭二郎 
代理人 松井 亮行 

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