ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W1825 審判 全部申立て 登録を維持 W1825 審判 全部申立て 登録を維持 W1825 |
---|---|
管理番号 | 1323756 |
異議申立番号 | 異議2016-900182 |
総通号数 | 206 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2017-02-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-07-13 |
確定日 | 2017-01-11 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5837329号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5837329号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5837329号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「レロゼルドゥーテ」の片仮名と、「Les Rose」及び「REDOUTE」の欧文字とを三段に書してなり、平成27年6月3日に登録出願、第18類「皮革製包装用容器,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」を指定商品として、同28年1月15日に登録査定、同年4月8日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1785307号商標(以下「引用商標1」という。)は、「LA REDOUTE」の欧文字を書してなり、昭和58年6月23日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年6月25日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成18年11月8日に、指定商品を、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (2)国際登録第471825号商標(以下「引用商標2」という。)は、「La Redoute」の欧文字を書してなり、2003年(平成15年)8月11日に国際商標登録出願(事後指定)、第16類「Paper, cardboard, boxes of paper, coasters of paper, patterns of paper for making clothes, face towels of paper, table napkins of paper, blinds of paper, playing cards of paper; printed matter, newspapers and periodicals, books; bookbinding material; photographs; stationery, adhesive materials (for stationery purposes); artists' supplies; paintbrushes; typewriters and office articles (except furniture); instructional or teaching material (except apparatus); printers' type; printing blocks, mail-order catalogues.」、第25類「Clothes, including boots, shoes and slippers.」、第35類「Advertising, business management and consultancy.」及び第38類「Communications.」を指定商品及び指定役務として、平成17年1月28日に設定登録され、その後、同25年1月10日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 (3)国際登録第880226号商標(以下「引用商標3」という。)は、「LA REDOUTE」の欧文字を書してなり、2006年(平成18年)3月20日に国際商標登録出願、第18類「Leather and imitation leather, articles made thereof not included in other classes, skins, hides, trunks and suitcases; umbrellas, parasols and walking sticks, whips, harness and saddlery.」を指定商品として、平成19年3月30日に設定登録され、その後、同28年7月14日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 なお、引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは、以下「引用商標」という。 3 登録異議申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号に基づき、取り消されるべきものであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 (1)引用商標との比較 引用商標の「LA」はフランス語において女性名詞に付される定冠詞であり、本件商標と引用商標とが抵触する第18類及び第25類の商品はいわゆるファッション関係の商品であって、そのファッションの本場がフランスであるため、この分野の取引者・需要者はフランス語に精通している。 一方、簡易迅速に行われる取引においては往々にして商標中の冠詞を省略して商標が称呼されることがある。 以上のことからして、引用商標に接した取引者、需要者は「LA」の部分が定冠詞であることを理解でき、その結果、取引の実情に沿って「REDOUTE」の文字部分のみをもって「ルドゥート」と称呼されるものとなる。 これに対して、本件商標はローマ字「Les Rose」と「REDOUTE」とが段を異にして記載され、しかも、そのローマ字の書体も相違している。 そのため、本件商標においては「Les Rose」と「REDOUTE」とが明らかに分離できるため、取引においては「REDOUTE」のみを捉えられて、この部分をもって「ルドゥート」と称呼されるものとなる。 (2)むすび 以上述べたことから明らかなように、本件商標と引用商標とは「ルドゥート」の称呼を共通にする称呼上類似の商標である。 そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似ものであることは明らかである。 また、引用商標はいずれも本件商標の先願先登録の商標である。 したがって、本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号に該当するにもかかわらず登録された違法なものである。 4 当審の判断 (1)本件商標 本件商標は、別掲のとおり、「レロゼルドゥーテ」の片仮名と、「Les Rose」及び「REDOUTE」の欧文字とを三段に書してなるところ、その構成中、中段の「Les Rose」と下段の「REDOUTE」は、異なる書体で表されてはいるものの、上段の「レロゼルドゥーテ」の片仮名部分は中段及び下段の欧文字部分を一連一体とした文字部分として、その読みを特定したものと無理なく認識されるものであるから、本件商標の構成中の上記の欧文字部分は、一連一体のものとして看取されるものとみるのが相当である。 そして、その構成中の「Les Rose」の文字部分は、「バラ」の意味を有するフランス語であり、また、「REDOUTE」の文字部分も、「分派稜堡、角面堡、方形堡」等を意味するフランス語(いずれも株式会社小学館「小学館ローベル仏和大辞典」)であるが、該「REDOUTE」の語は、我が国において親しまれた語とはいえず、これに接する需要者は、「Les Rose REDOUTE」の文字部分全体をもって、特定の意味合いを有しない一種の造語を表したものと認識するというのが相当である。 そうすると、本件商標は、その構成文字の全体に相応して、「レロゼルドゥーテ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標 引用商標は、上記2のとおり、「LA REDOUTE」又は「La Redoute」の欧文字からなるところ、「LA」及び「La」の文字はフランス語の定冠詞であり、また、「REDOUTE」及び「Redoute」の文字は「分派稜堡、角面堡、方形堡」等の意味を有するフランス語であるが、該語は、我が国において親しまれた語とはいえず、これに接する需要者は、該文字部分について、特定の意味合いを有しない一種の造語を表したものと認識するというのが相当である。 なお、引用商標を称呼する場合には、その構成文字に応じて、全体をフランス語読みするのが自然であるから、引用商標からは「ラルドゥート」の称呼を生じるものである。 そうすると、引用商標は、「LA REDOUTE」又は「La Redoute」の文字に相応して、「ラルドゥート」の称呼を生じるものであり、また、その構成文字全体からは、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標の類否について検討するに、本件商標と引用商標とは、外観においては、上記(1)及び(2)の構成からなるところ、その全体の構成において、顕著な差異を有するものであるから、両商標は、外観上、明確に区別できるものである。 次に、称呼においては、本件商標からは、「レロゼルドゥーテ」の称呼を生じるものであり、引用商標からは、「ラルドゥート」の称呼を生じるところ、その構成音、音数などが明らかに相違するものであるから、両商標は、称呼上、明確に聴別できるものである。 そして、観念においては、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両商標は、観念上、比較することができず、相紛れるおそれがあるとはいえない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても十分に区別することができる非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(本件商標) |
異議決定日 | 2016-12-28 |
出願番号 | 商願2015-56602(T2015-56602) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W1825)
T 1 651・ 263- Y (W1825) T 1 651・ 262- Y (W1825) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大塚 順子 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 木住野 勝也 |
登録日 | 2016-04-08 |
登録番号 | 商標登録第5837329号(T5837329) |
権利者 | 株式会社るいす |
商標の称呼 | レロゼルドゥーテ、レロゼ、ルドゥーテ、ロゼ、ローズ |
代理人 | 田島 壽 |
代理人 | 青木 篤 |