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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1323750 
異議申立番号 異議2016-900092 
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-02-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-04-15 
確定日 2017-01-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5819569号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5819569号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5819569号商標(以下「本件商標」という。)は,「APPLE WATCH」の文字を標準文字で表してなり,出願時の願書に記載した第9類,第10類,第14類及び第44類の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,2014年(平成26年)3月11日にトリニダード・トバゴ共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成26年9月9日に登録出願,同27年5月28日及び同年11月10日提出の手続補正書をもって指定商品及び指定役務を補正し,第9類,第10類,第14類,第28類,第41類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年12月21日に登録査定され,同28年1月15日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標(以下「引用商標」という。)は,「APPLE WATCH」の文字を標準文字で表してなり,願書に記載した第9類,第35類,第38類,第41類及び第42類の商品及び役務を指定商品及び指定役務とするものであって,平成26年9月10日に登録出願された商願2014-76292に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同27年3月20日に登録出願された商願2015-25213について,その出願に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同年9月22日に登録出願されたもの(商願2015-91669)である。
なお,職権調査によれば,上記に係る商願2014-76292,商願2015-25213及び商願2015-91669は,平成27年3月25日,同年11月6日及び平成28年4月27日に,その出願が却下されているものである。

3 登録異議の申立ての理由
登録異議の申立ての理由は要旨次のとおりである。
本件商標に係る登録出願(以下「本件出願」という。)についての平成27年5月28日及び同年11月10日提出の手続補正書をもってした補正はいずれも要旨を変更するものであるから,本件出願は,商標法第9条の4の規定により,平成27年11月10日にしたものとみなされる。
他方,引用商標に係る商願2015-91669及びこれから派生する出願分割に係る新たな商標登録出願(商願2016-28348及び商願2016-101768)は,もとの登録出願の時である平成26年9月10日にしたものとみなされる。
そして,本件商標と先願に係る引用商標は同一又は類似の商標であり,本件商標の指定商品及び指定役務中「第9類 全指定商品」と引用商標の指定商品及び指定役務は同一又は類似のものであるから,本件商標の指定商品及び指定役務中「第9類 全指定商品」についての登録は,商標法第8条第1項に違反し,同法第43条の2第1号に該当する。

4 当審の判断
(1)申立人は,前記3のとおり,本件出願についての平成27年5月28日及び同年11月10日提出の手続補正書をもってした補正が,願書に記載した指定商品又は指定役務の要旨を変更するものであることを前提とした上で,本件商標の指定商品及び指定役務中の「第9類 全指定商品」についての登録は,商標法第8条第1項に違反してされたものであると主張しているので,その主張に係る具体的な理由の適否について,以下のアないしウのとおり検討する。
ア 申立人は,本件出願の指定商品は,平成27年5月28日提出の手続補正書において,第9類「コンピュータゲーム機,コンピュータ及び電子ゲーム,外付けのディスプレイスクリーン又はモニターと共に使用するのに適した手持ち型電子ゲーム機」が,第9類「コンピュータ用ゲームのジョイスティック,コンピュータゲーム用コントローラ」及び第28類「電子携帯用ゲーム,電子式ゲームおもちゃ(テレビジョン受信機専用のものを除く。),家庭用テレビゲーム機,外部ディスプレー画面用またはモニター用のゲーム機,テレビゲーム機並びにその部品及び附属品,携帯用液晶画面ゲーム機,電子携帯用ゲーム」に補正されているとし,この補正は,補正前の指定商品には含まれないことから,要旨の変更であると主張する。
(ア)しかしながら,願書に記載された指定商品中,第9類「コンピュータ及び電子ゲーム」は,「コンピュータを用いたゲーム及び電子式のゲーム」程の漠然とした意味合いを想起させるものであって,広範な商品を含むものといえるところ,上記商品は,少なくとも,「コンピュータ(パソコン)専用のゲーム」並びに「コンピュータによるゲームおもちゃ」及び「コンピュータによるゲーム用の遊園地用機械器具」が含まれると認められるものであり,前者が第9類,後者が第28類の商品である。
(イ)また,願書に記載された指定商品中,第9類「コンピュータゲーム機,外付けのディスプレイスクリーン又はモニターと共に使用するのに適した手持ち型電子ゲーム機」は,いずれも,第28類の商品と認められるものであり,「コンピュータによるゲームおもちゃ」及び「コンピュータによるゲーム用の遊園地用機械器具」を含むものである。
そして,願書に記載された指定商品中,第9類「コンピュータゲーム機,コンピュータ及び電子ゲーム,外付けのディスプレイスクリーン又はモニターと共に使用するのに適した手持ち型電子ゲーム機」について,第28類に補正された指定商品中,「電子携帯用ゲーム,電子式ゲームおもちゃ(テレビジョン受信機専用のものを除く。),家庭用テレビゲーム機,外部ディスプレイ用またはモニター用のゲーム機,携帯用液晶画面ゲーム機,電子携帯用ゲーム」は,いずれも「コンピュータによるゲームおもちゃ」又は「コンピュータによるゲーム用の遊園地用機械器具」に含まれるものである。
(ウ)上記(ア)及び(イ)を踏まえると,第28類に補正された指定商品中,「電子携帯用ゲーム,電子式ゲームおもちゃ(テレビジョン受信機専用のものを除く。),家庭用テレビゲーム機,外部ディスプレイ用またはモニター用のゲーム機,携帯用液晶画面ゲーム機,電子携帯用ゲーム」は,願書に記載された指定商品の要旨を変更するものではない。
(エ)次に,第28類に補正された指定商品中,「テレビゲーム機並びにその部品及び附属品」について,例えば,テレビゲーム機用コントローラは,テレビゲーム機の使用に際して必要不可欠,かつ,専ら,それのみに使用されるものであって,他の区分に属さないと認められるものであり,テレビゲーム機本体に専用コントローラ等の部品及び付属品を含めた該製品全体が,上記「コンピュータゲーム機」として取り扱われているといえる。
(オ)上記(ア),(イ)及び(エ)を踏まえると,第28類に補正された指定商品中,「テレビゲーム機並びにその部品及び附属品」は,願書に記載された指定商品の要旨を変更するものではない。
(カ)さらに,第9類に補正された指定商品中,「コンピュータ用ゲームのジョイスティック,コンピュータゲーム用コントローラ」は,いずれも,コンピューター(第9類)にのみ接続して使用するジョイスティック及びコントローラと解されるものであって,願書に記載された指定商品中,第9類「コンピュータ周辺機器」に含まれる商品と認められるから,願書に記載された指定商品の要旨を変更するものではない。
(キ)したがって,平成27年5月28日提出の手続補正書による上記補正は,願書に記載された指定商品及び指定役務の要旨を変更したものとはいえない。
イ 申立人は,平成27年5月28日提出の手続補正書において,第44類「ヘルス・フィットネス・エクササイズ及びウェルネスのモニタリング及びアセスメントサービス,ヘルス・フィットネス・エクササイズ及びウェルネスの分野における情報の提供,ヘルス・フィットネス・エクササイズ及びウェルネスに関する情報についてのウェブサイトの提供」が,第44類「医業及び健康管理に関する指導及び助言並びにこれらに関する情報の提供(ウェブサイトを介して提供されるものを含む。),健康に関する情報の提供(ウェブサイトを介して提供されるものを含む。),健康及びダイエットの指導及び助言並びにこれらに関する情報の提供(ウェブサイトを介して提供されるものを含む。)」に補正されているとし,「ヘルス・フィットネス・エクササイズ及びウェルネス」は,日本語で意味を記すと各々「健康・健康状態・運動・健康」の概念を表しており,その概念のなかに,補正後の指定役務における「医業」は含まれないから,この補正は,要旨の変更であると主張する。
しかしながら,願書に記載された指定役務には,第44類「医業,医療情報の提供」が含まれる。
そうすると,仮に「ヘルス・フィットネス・エクササイズ及びウェルネス」の概念に「医業」が含まれないとしても,平成27年5月28日提出の手続補正書による上記補正は,願書に記載された指定商品及び指定役務の要旨を変更したものとはいえない。
ウ 申立人は,本件出願の指定商品(異議申立書では「第44類」,「役務」及び「指定役務」と記載されているが,「第10類」,「商品」及び「指定商品」の誤記と思料するので,以下,読み替えて記載する。)は,平成27年11月10日提出の手続補正書において,第10類「ヘルス・フィットネス・エクササイズ及びウェルネスのセンサー・モニター及びディスプレイ」を,「医療用機械器具専用のセンサー・モニター及びディスプレイ」に補正しているとし,「ヘルス・フィットネス・エクササイズ及びウェルネス」は,日本語で意味を記すと各々「健康・健康状態・運動・健康」の概念を表しており,その概念のなかに,補正後の指定商品における「医療用機械器具専用」の概念は含まれないから,この補正は,要旨の変更であると主張する。
しかしながら,願書及び平成27年5月28日提出の手続補正書による補正後の指定商品には,第10類「医療用機械器具」が含まれる。
そして,第10類「医療用機械器具専用のセンサー・モニター及びディスプレイ」は,医療用機械器具に専用の商品であるから,上記「医療用機械器具」に含まれる商品といえる。
そうすると,平成27年11月10日提出の手続補正書による上記補正は,願書に記載された指定商品及び指定役務の要旨を変更したものとはいえない。
(2)上記のとおり,申立人が,平成27年5月28日及び同年11月10日提出の手続補正書による補正が,願書に記載された指定商品及び指定役務の要旨を変更するものであると主張する理由は,いずれも採用することができないものであるから,本件出願は,商標法第9条の4の規定により,平成27年11月10日にしたものとみなすことができないものである。
したがって,本件出願に対して,申立人の主張する引用商標に係る商願2015-91669及びこれから派生する出願分割に係る新たな商標登録出願は先願に当たるものではないから,本件異議の申立て理由をもって,本件商標の指定商品及び指定役務中,本件異議の申立てに係る指定商品についての登録が,商標法第8条第1項違反してされたものとはいえない。
なお,申立人は,平成28年7月13日付け審理の方式の申立書で,本件審理を口頭審理によるものとすることを申し立てているが,登録異議の申立てについての審理は書面審理を原則とし(商標法第43条の6),かつ,本件はそれを行わずに判断し得るので,本件審理は書面審理によるものとした。
(3)以上のとおり,本件商標の登録は,その登録異議の申立てに係る指定商品について,商標法第8条第1項に違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2016-10-27 
出願番号 商願2014-76246(T2014-76246) 
審決分類 T 1 652・ 4- Y (W09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 豊田 純一 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 堀内 仁子
根岸 克弘
登録日 2016-01-15 
登録番号 商標登録第5819569号(T5819569) 
権利者 アップル インコーポレイテッド
商標の称呼 アップルウオッチ、アップル 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 

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