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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y09
管理番号 1323691 
審判番号 取消2014-300805 
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-02-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-10-06 
確定日 2017-01-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第2456419号の1商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2456419号の1商標(以下「本件商標」という。)は、「STELLAR」の欧文字及び「ステラ」の片仮名を二段に書してなり、平成2年6月20日登録出願、第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年9月30日に設定登録された登録第2456419号について、平成10年12月10日に商標権の分割移転の登録がされたものであり、その後、指定商品の書換登録が平成15年6月18日にされ、また、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされた結果、その指定商品は、第9類「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」となったものである。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第9類「光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を、次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、本件審判請求の取消しに係る上記商品について、本件審判請求の登録前3年以内(以下「本件要証期間内」という。)に、我が国において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取消すべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証ないし乙第3号証について
乙第1号証ないし乙第3号証の日付の表示は、商品の写真を撮影した年月日の表示であり、本件商標について、本件要証期間内における使用を証明するものではない。
(2)乙第4号証の1について
乙第4号証の1には、本件商標のみが表示されて本件商標を付した商品が表示されていないものであり、また、広告チラシに掲載された商品の販売者の情報が表示されているが、この者と被請求人の関係は明らかにされていない。
したがって、乙第4号証の1は、本件商標をどのような商品に使用したのかが不明であり、審判請求に係る指定商品について使用したことを証明するものではなく、商標権者等が使用したことを証明するものではない。
(3)乙第4号証の2について
乙第4号証の2の第1頁には発行時期を推測できる表示があるが、本件商標を付した商品は表示されていない。一方、第2頁には本件商標を付したとする「双眼鏡」が表示されているが、広告チラシの発行時期に関する表示はない。また、第1頁と第2頁では、チラシ番号「002」の有無、チラシの大きさや縁の色彩が異なっている。これらのことから、乙第4号証の2は、第1頁と第2頁が一致しておらず、本件要証期間内における使用を証明するものではない。
(4)乙第4号証の3及び乙第4号証の4について
乙第4号証の3の第1頁と第2頁で発行時期に関する表示が異なっているものであり、第1頁には本件商標及び本件商標を付した商品の写真は表示されていないが、第2頁には「もれなくステラのカメラプレゼント!」と「緑色のカメラの写真」が表示されているものの、この写真から本件商標は認識できない。また、第1頁及び第2頁に表示された電話番号が異なっている。さらに、第1頁と第2頁ではチラシの大きさが若干異なっている。
また、乙第4号証の4は、発行時期に関する表示が「2014年秋号」のみであり、その発行時期は詳細に特定できないものであり、第1頁には「ステラ製双眼鏡がついてこの値段!」と「双眼鏡の写真」が表示されているが、この写真から本件商標は認識できない。第2頁には本件商標及び本件商標を付した商品の写真は表示されていない。したがって、乙第4号証の3及び乙第4号証の4は、本件要証期間内における請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用を証明するものではない。
(5)乙第4号証の5について
乙第4号証の5は、発行時期に関する表示が「2014第27号」「夏号」のみであり、その発行時期は詳細に特定できないものであり、商品の販売者に関する情報は表示されていない。
したがって、乙第4号証の5は、本件要証期間内における商標権者等の使用を証明するものではない。
(6)乙第5号証について
乙第5号証は、本件商標の使用とは無関係である。
(7)乙第6号証及び乙第7号証について
乙第6号証に表示された「V-001」「V-002」「V003-VIVA STYLE:パート2」等の記載と乙第4号証の1ないし5の関係を明らかにする証拠を被請求人は提出していない。また、「2014年1月:¥20,5000.0」「2月:¥205,000.00」等、時期及び金額の表示があるが、これらの時期及び金額の表示と乙第4号証の1ないし5の関係を明らかにする証拠を被請求人は提出していない。その他、乙第7号証ないし乙第9号証と乙第4号証の1ないし5の関係も明らかにしていない。したがって、乙第6号証ないし乙第9号証と乙第4号証の1ないし5との関係は不明であるため、乙第6号証及び乙第7号証は、本件要証期間内における請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用を証明するものではない。
(8)以上により、被請求人の主張及び証拠を総合的に判断したとしても、本件商標は継続して3年以上、商標権者、専用使用権者、通常使用権者が、請求に係る指定商品について使用していない蓋然性が非常に高いため、弁駁の趣旨と同様の審決を求める。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第11号証を提出した。
1 答弁の理由
本件商標は、以下のとおり、その指定商品中「写真機械器具(カメラ)、光学機械器具(双眼鏡、望遠鏡)」について、「ステラ」及び「STELLAR」の商標を、商標権者が、本件要証期間内に使用している。
(1)商標権者は、本件商標の指定商品中、双眼鏡、ペン型望遠鏡及び伸縮型望遠鏡に、それぞれ「STELLAR」を付している(乙1?乙3の各商品及び包装箱)。これらの行為は、本件商標の使用に当たる。
(2)商標権者は、商品販売用のチラシとして、本件商標の「ステラ」及び「STELLAR」の商標を付した天体望遠鏡、双眼鏡及びカメラを掲載した広告チラシ(乙4の1?5)を頒布している。これらの広告チラシは、商標権者の長年の取引きから作成された顧客リスト(乙5)に基づいて頒布された。
上記顧客リストに基づいて、商標権者は、例えば東京都八王子市のビバスタイルに広告チラシの作成を依頼し、ビバスタイルは、乙第4号証の1?4を印刷すると共に、前記顧客リストから任意に抽出した顧客にダイレクトメールにより頒布し、注文を取るようにした(ダイレクトメールの注文書1年間の請求書、乙6)。
(3)上記顧客リストに基づいて、商標権者は、例えば東京都豊島区の株式会社プラスワンに広告チラシのダイレクトメールを依頼し、株式会社プラスワンは株式会社アドレス・インフォメーションへ広告チラシの頒布を依頼し、更に株式会社アドレス・インフォメーションはヤマト運輸株式会社へ広告チラシの発送を依頼して、前記顧客リストから任意に抽出した顧客に広告チラシが頒布された。そのダイレクトメールを送った業務完了報告書と、頒布物の受領書が乙第7号証及び乙第8号証である。
(4)商標権者は、CS DMセンターへ上記乙第4号証の1?3等の広告チラシを前記顧客リストの一部と共に渡して広告チラシを頒布してもらい(乙9)、その注文は、その広告下欄に記載の「VINA-STYLE(ビバスタイル)」を経由して本件商標権者の代表者、宮崎へ行く。
(5)小括
以上述べたとおり、商標権者は、乙第4号証の1?3により、商標法第2条第1項第1号の商品の取引書類に標章を付したものを乙第5号証ないし乙第9号証により頒布したものである。
2 口頭審理陳述要領書及び上申書
(1)乙第10号証は、2013年8月10日付けの被請求人に宛てて送られてきた注文書であり、その注文書に「Stellar双眼鏡」の表示があるから、商品双眼鏡に「Stellar」の商標が使用されていることを示すものである。
(2)乙第10号証は、2013年8月8日付けの取引先「ハピネス」から 被請求人宛てに送られてきた注文書及び被請求人から上記取引先へ送付した納品書の控書類であり、当該取引先による証明書を添付する。したがって、その注文書及び納品書に「ステラ双眼鏡」の表示があり、双眼鏡の取引書類に「ステラ」の商標が使用されていることを示すものである。
(3)乙第10号証及び乙第11号証に記載された住所は、被請求人が営業、商品の集積・販売・発送の活動を行っている拠点である。

第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出に係る乙各号証によれば以下のとおりである。
(1)中光学有限会社からステラ有限会社(東京都文京区)宛ての「注文書」(乙10)によれば、ステラ有限会社(東京都文京区)は、平成25年8月10日に、双眼鏡「Stellar 7×50(N・Yタイプ)」(単価8000円、数量100)の注文を受けたことが認められる。
(2)乙第11号証は、ハピネスとステラ有限会社(東京都文京区)との間の「注文書」、「納品書(控)」及びハピネスによる「証明書」(平成27年7月15日付け)であるところ、これによれば、ハピネスは、平成25年8月8日に、「ステラ有限会社 宮崎様」として双眼鏡「ステラ 8×40(グリーンラバー防水)」(単価4500円、数量20)を注文し、同月11日に、上記商品がハピネスに納品されたことが認められるものであり、その代金の支払いが同日にあったことを推認し得る。
したがって、平成25年8月11日に、ステラ有限会社(東京都文京区)が、双眼鏡「ステラ」を「ハピネス」に譲渡したことを認めることができる。
(3)乙第1号証ないし乙第3号証は、平成26年12月24日に撮影された商標権者の業務に係る商品の写真であり、乙第1号証は「STELLAR」の表示がされた双眼鏡、乙第2号証は「STELLAR」の表示がされたペン型双眼鏡、乙第3号証は「STELLAR」の表示がされた伸縮型双眼鏡であって、また、商標権者の代表は、「宮崎」であると認められる(乙6、乙9)。
2 判断
上記(1)及び(2)によれば、ステラ有限会社(東京都文京区)は、ハピネスに、平成25年8月11日に双眼鏡「ステラ」を20個、販売したことが認められる。そして、平成25年8月10日に、ステラ有限会社(東京都文京区 代表者宮崎)が注文を受けた商品が「Stellar」であること、平成26年12月頃の商標権者(代表者宮崎)の業務に係る双眼鏡(乙1?乙3)には「STELLAR」の商標が付されていたこと及び被請求人の主張の全趣旨から、商標権者は、その取扱いに係る双眼鏡に「STELLAR」又は「Stellar」の商標を付していたものとみることができる。そうすると、平成25年8月11日に商標権者によって販売された双眼鏡「ステラ」には、「STELLAR」又は「Stellar」の文字(以下「使用商標」という。)が表示されていたものといえる。
してみると、商標権者は、本件要証期間内である平成25年8月頃、使用商標を付した「双眼鏡」を譲渡したことが認められるものであり、「双眼鏡」は、本件審判請求に係る指定商品中「光学機械器具」の範疇に含まれる商品である。
また、双眼鏡に表示された「STELLAR」又は「Stellar」の文字(使用商標)は、「ステラ」の称呼を生じ、「星の」の意味を有する英語であり、本件商標は、上記第1のとおり、「STELLAR」の欧文字及びその読みを表したものといえる「ステラ」の片仮名を二段に書してなり、「ステラ」の称呼及び「星の」の観念を生じるものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
3 まとめ
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-07-27 
結審通知日 2016-07-29 
審決日 2016-08-22 
出願番号 商願平2-69556 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y09)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 堀内 仁子
藤田 和美
登録日 1992-09-30 
登録番号 商標登録第2456419号の1(T2456419-1) 
商標の称呼 ステラ 
代理人 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 
代理人 蔵合 正博 
代理人 酒井 一 

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