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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服201511193 | 審決 | 商標 |
不服201813662 | 審決 | 商標 |
無効2017890086 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 全部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X31 |
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管理番号 | 1322448 |
審判番号 | 無効2016-890024 |
総通号数 | 205 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-01-27 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2016-03-29 |
確定日 | 2016-11-28 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5290581号商標の商標登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第5290581号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5290581号商標(以下「本件商標」という。)は,「シャンパンマンゴー」の文字を標準文字で表してなり,平成21年3月11日に登録出願,同年12月11日に登録査定,第31類「マンゴー」を指定商品として,同年12月25日に設定登録されたものである。 第2 請求人の主張 請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第45号証(枝番号を含む。なお,甲号証において,枝番号を有するもので,枝番号すべてを引用する場合は,枝番号の記載を省略する。)を提出した。 1 請求人の一方は,「シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会」を意味する「COMITE INTER PROFESSIONNEL DU VIN DE CHAMPAGNE」(略称「C.I.V.C.」,審決注:アクサン記号は省略した。以下同じ。)の名のもとに,フランス国シャンパーニュ地方における酒類製造業者の利益の保護を目的の一つとして設立された法人であって,もう一方は,「国立原産地・品質研究所」を意味する「INSTITUT NATIONAL DE L’ORIGINE ET DE LA QUALITE」(略称「I.N.A.O.」)であるが,2007年1月のフランスの法改正により,1935年に設立されたフランスの公法人である「アンスティテュ ナショナル デ ザペラシオン ドリジン」(「INSTITUT NATIONAL DES APPELLATION D’ORIGINE」「フランス国立原産地品質研究所」)より組織変更されたものである(以下,併せて「請求人ら」という。)。 請求人らは,フランス国内及び国外において,フランスにおける原産地統制呼称(「APPELLATlON D’ORIGINE CONTROLEE」)の保護をその活動の大きな柱の一つとして取り組んでいる。(甲2ないし甲5,甲24,甲32)。 2 本件商標は,「CHAMPAGNE」の欧文字に照応する「シャンパン」の片仮名を構成中に含んだものであるところ,「CHAMPAGNE」は,発泡性ぶどう酒の著名な原産地統制名称であって,その使用が厳格に管理・統制されているものである。 そして,本件商標は,この著名な原産地統制名称に化体した高い名声及び信用にフリーライドするものであり,これを原産地からかけ離れた特定人の商標として登録し,使用することは,厳格に管理統制されている前記原産地統制名称を稀釈化させるものである。 したがって,本件商標は,公正な取引秩序を乱し,ひいては国際信義に反するものであって,公の秩序を害するおそれがあるというべきであるから,商標法第4条第1項第7号に該当する。 第3 被請求人の答弁 被請求人は,請求人の上記主張に対し,何ら答弁していない。 第4 当審の判断 1 請求人らについて 請求人である「COMITE INTER PROFESSIONNEL DU VIN DE CHAMPAGNE」(シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会)は,フランスのシャンパーニュ地方における酒類製造業者の利益の保護を目的の一つとして設立された法人であって,請求人である「INSTITUT NATIONAL DE L’ORIGINE ET DE LA QUALITE」とともに,フランス国内及び国外において,「CHAMPAGNE(シャンパン)」の原産地統制名称を保護する等の活動をしている(主張,甲2ないし甲5,甲24,甲32)。 2 「CHAMPAGNE(シャンパン)」について (1)フランスにおける「CHAMPAGNE(シャンパン)」の名称の保護について,請求人らが提出した証拠によれば,以下のとおりである。 ア 「『CHAMPAGNE』に関するフランス国条例」(1936年6月29日:抄訳,甲6)には,「第1条:『シャンパーニュ』の原産地統制名称は・・1927年7月22日の法律の第5条によって限定された領域で生産されたぶどう酒に限って使用する権利を有する。・・・政府機関(l’Institut national des appellations d’origine)の委員会(la comite nationale des vins et eaux-de-vie)によって認定された,ヴィトリ-ル-フランソワ県の生産地で収穫されたぶどうでつくられたぶどう酒についてのみ,原産地統制名称『シャンパーニュ』を使用する権利がある。」の記載がある。 イ 「原産地統制称呼法」(1935年7月30日付デクレ:抄訳,甲7)には,「原産地統制称呼の認定 第20条-ワイン,オー・ド・ヴィ原産地名称国立委員会が設立され,これに法人格が与えられる。[国立委員会は1947年7月16日付デクレの規定に従い,ワイン,オー・ド・ヴィ原産地名称国立研究所とする。]・・・原産地名称国立研究所は名称の権利を与える生産区域を限定し,各原産地統制呼称のワイン及びオー・ド・ヴィが満たすべき諸生産条件を決定する。これらの諸条件とは,特にワインの生産区域,ブドウ品種,生産高,最低天然アルコール純度,栽培方法,醸造方法,蒸留方法に関するものである。」の記載がある。 ウ 「フランス国農事法典」(抄訳,甲9)には,「農事法典第3章 原産地名称国立研究所/L641-5条」に,「原産地名称国立研究所は,法人格を有する公立行政機関である。」の記載と,その内訳についての記載がある。 エ 「新版 世界の酒事典」(1982年5月20日,株式会社柴田書店発行,甲14)の「シャンパン」(Champagne)の項(228頁)には,「フランスのシャンパーニュ地方でつくられているスパークリング・ワイン。正式の名称をバン・ド・シャンパーニュ(Vin de Champagne)という。世界の各地で,各種のスパークリング・ワインがつくられているが,このうちシャンパンと呼ばれるものは,フランスのシャンパーニュ地方,特にプルミュール・ゾーン(ランス山とマルヌ谷との一等地),ドゥジェーム・ゾーン(マルヌ県のうち一等地以外の村落群)産のスパークリング・ワインにかぎると1911年の法律で定められている。」の記載がある。 オ 「明治屋酒類辞典 改訂版」(昭和63年8月1日,株式会社明治屋本社発行,甲15)の「Champagne(仏)(英)シャンパン」の項(201,202頁)には,「フランスの古い州の名『シャンパーニュ』をとってワインの名に用いたものである。現在『統制された名称』であって,何ら形容詞を付けないで単に『シャンパーニュ』と称する資格を有するのは,マルヌ県の一定地域のブドウを原料にし,その地域内で,『シャンパン法』でつくった『白』スパークリング・ワインである。最高生産量にも制限があって,それを越えた部分には形容詞がつく。」との記載があり,「統制名称」(209?211頁)には,「シャンパンは,詳しくは『ヴァン・ド・シャンパーニュ』であるが,『シャンパーニュ』という地名を名乗るには資格がいる。1908年(明治41年)初めて法律ができて,『シャンパーニュ』という名称が『法律上指定された』名となった。・・・要するにシャンパンの条件は 1)シャンパン地区の生産であること。2)シャンパン法(ビン内で後発酵を行い,発生したガスをビン内に封じ込める)で製造したものであること。3)白ワインであること。・・・4)その年度の最高の生産高に制限があること,の4条件を具えなければならない。・・・戦前,わが国でもシャンパンの名称を乱用した歴史があるが,敗戦の結果,サンフランシスコ講和条約の効果として,マドリッド協定に加入を余儀なくされ,以来フランスの国内法を尊重している。」の記載がある。 カ 「はじめてのシャンパン&シェリー」(1999年,株式会社宙出版発行,甲32)の「シャンパンの定義」の項(22頁)には,「シャンパンというと,発泡性ワインの代名詞のようなイメージがありますが,正確には,フランスのシャンパーニュ地方で伝統的な醸造法を用いて造られた発泡性ワインのみを指します。シャンパンの規定は,フランスのワイン法(AOC)で細かく定められています。シャンパーニュ地方で栽培されたブドウを用いること,伝統的なシャンパーニュ方式で製造すること,製造の全工程を指定地域内で行うことなど,さまざまな条件を満たすことが義務付けられています。ほかの国や地域で,シャンパンと同様の製法を用いた発泡性ワインが造られたとしても,それをシャンパンと呼ぶことはできないのです。」の記載がある。 キ 「1985年,制定50周年を迎える原産地統制名称(AOC)」(1985年,フランス食品振興会(SOPEXA)発行のパンフレット)(主張,甲36)に,「原産地統制名称とワインおよびオー・ド・ヴィ原産地名称国立研究所(INAO)は1935年7月30日に設立されました。」との記載があり,また,INAOの職務として「AOCワインおよびオー・ド・ヴィの承認を行う。」,「原産地名称ワインを発生し得る災害から保護する。」との記載があり,「2番目の任務は必然的に以下の事項に向けられます。」として,その一つに,「フランス国内外を問わず,不正と偽造行為に対する戦い。」の記載がある。 ク 「フランス原産地統制名称の国際的保護のためのINAOのアクションに関するメモ」(1994年11月28日付け,訳文,甲37)に,フランス政府機関であるINAOが原産地統制名称の保護のために起こしたアクションに関して,例えば,「フランスに限らず外国においても常にその名称について権利のない製品を流通させるための,原産地統制名称の使用に異議を申し立ててきた。」,「INAOは名称の著名性の悪用とも戦っている。」の記載がある。 (2)前記(1)の事実によれば,「CHAMPAGNE(シャンパン)」は,フランスの原産地統制名称法による原産地統制名称であって,ヴィトリ-ル-フランソワ県の生産地で収穫されたぶどうでつくられたぶどう酒についてのみ,「CHAMPAGNE(シャンパン)」の原産地統制名称を使用する権利がある。 すなわち,フランスにおいては,1908年(明治41年)に,「CHAMPAGNE」という名称が法律上指定され,その後,発泡性ぶどう酒(スパークリングワイン)の表記法が定められた。そして,1935年(昭和10年)に,優れた産地のぶどう酒を保護・管理することを目的として,原産地統制名称法(AOC)が制定され,政府機関であるフランス国立原産地品質研究所(現,国立原産地・品質研究所,I.N.A.O)により運用されている。 原産地統制名称ぶどう酒は,原産地,品質,最低アルコール含有度,最大収穫量,醸造法等の様々な基準に合うように製造されなければならず,その基準に合格して初めて原産地統制名称を使用することができ,厳格な品質維持が要求されている。原産地統制名称は,産地の名称を法律に基づいて管理し,生産者を保護することを第一の目標とし,また名称の使用に対する厳しい規制は,消費者に対して品質を保証するものとなっている。 このように,「CHAMPAGNE」(シャンパン)は,1935年(昭和10年)に制定された法律等に基づき,政府機関であるI.N.A.Oの運用のもと,厳格な基準に合致した発泡性ぶどう酒にのみ許された原産地統制名称である。 3 我が国における「CHAMPAGNE」及び「シャンパン」の表示の著名性について (1)請求人の提出した証拠によれば,前掲のほか,以下の事実がある。 ア 辞書,事典類 (ア)「コンサイスカタカナ語辞典」(1996年10月1日,株式会社三省堂発行:甲12)の「シャンパン」[champagne]の項に,「発泡ワインの1種,フランス北東部シャンパーニュ地方産の美酒。」の記載がある。 (イ)「広辞苑 第6版」(2008年1月11日,株式会社岩波書店発行:甲13)の「シャンパン」(champagne)の項に,「発泡性の白葡萄酒。厳密にはフランス北東部シャンパーニュ地方産のものを指す。」の記載がある。 (ウ)「新版 世界の酒事典」(1982年5月20日,株式会社柴田書店発行:甲14)の「シャンパン」(Champagne)の項に,「フランスのシャンパーニュ地方でつくられているスパークリング・ワイン。・・・このうちシャンパンと呼ばれるものは,フランスのシャンパーニュ地方,特にプルミュール・ゾーン(ランス山とマルヌ谷との一等地),ドゥジェーム・ゾーン(マルヌ県のうち一等地以外の村落群)産のスパークリング・ワインにかぎると1911年の法律で定められている。」の記載がある。 (エ)「洋酒小事典」(昭和56年6月15日,株式会社柴田書店発行:甲17)の「シャンペン Champagne」の項に,「フランスのシャンパーニュ地方でつくられているスパークリング・ワインの総称。」の記載がある。 イ 雑誌等 (ア)「ワイン紀行」(1991年9月25日,株式会社文藝春秋発行:甲16)の「シャンパーニュの村」の項に,シャンパンの歴史及び製造過程等についての記載がある。 (イ)「フランスのワインとスピリッツ」(1987年,フランス食品振興会発行,甲18)の「シャンパーニュ(CHAMPAGNE)」の項(26,27頁)に,シャンパーニュ地方,シャンパンの歴史及び製造過程等についての記載がある。 (ウ)「料理王国1月号別冊(季刊ワイン王国 NO.5)」(2000年1月20日,株式会社料理王国社発行:甲24)の「シャンパン味わいの多様性チャート」の項に,「・・・シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(CIVC)がまとめているすべての醸造元の数は5200にものぼる。委員会は,シャンパン消費量上位10カ国に外国事務所をおいて,『シャンパンと呼べるのは,シャンパーニュ地方産スパークリングだけ』ということを訴えてきたが,’93年頃から『5200の醸造元があれば5200様のシャンパンがある』ということもアピールするようになった。」の記載がある。 (エ)「The 一流品 決定版」(1986?1989年,読売新聞社発行:甲26)には,「スパークリングワイン,発泡性で炭酸ガスを多量に含んだワインである。いちばん有名なのがシャンパン。フランスではマルヌ,オーブ,エーヌ,セーヌ・エ・マルヌ四県のぶどう畑でとれたものを原料にしたものだけをほんとうのシャンパンと証明している。」などの記載がある。 (オ)その他,「世界の名酒事典」(株式会社講談社発行:甲25),「家庭画報特選 Made in EUROPE ヨーロッパの一流品 女性版」(昭和57年11月1日,株式会社世界文化社発行:甲27),「家庭画報編女性版 世界の特選品」(株式会社世界文化社発行:甲28)においても,シャンパンがフランスのシャンパーニュ地方で作られるスパークリング・ワインであり,その歴史や製造過程などについて詳しく記載され,また,「男の一流品大図鑑」(株式会社講談社発行:甲29ないし甲31)にも,シャンパンについて掲載されている。 さらに,「はじめてのシャンパン&シェリー」(甲32)の「一目で分かるシャンパンのデータ」の項目(132頁)には,フランスからの総出荷量は,1993年が22909万本(1本当たりの容量は750ml,以下同じ。),1998年が29246万本であって,この間ゆるやかに上昇を続けている旨の記載があること,1998年におけるフランスからの国別出荷量において,上位10カ国のうち,我が国への出荷量は,イギリス,ドイツ,アメリカ,ベルギー,スイス,イタリアに次いで298万本であること,等の記載がある。 ウ 新聞 (ア)1989年(平成元年)1月5日付け日本経済新聞(甲33の1)に,「シャンパン(産地)」の見出しの下に,「シャンパンはフランス・シャンパーニュ地方で造られたスパークリングワイン(発泡酒)のこと。」の記載がある。 (イ)1989年(平成元年)6月13日付け日本経済新聞(甲33の2)には,「シャンパン人気急上昇-発泡性ワイン,輸入量5割増(アーバンNOW)」の見出しの下に,「現在ではフランスの原産地名称国立研究所(INAO)により,『シャンパン』と名のれるのはその“生誕地”シャンパーニュ地方の発泡性ワインのみと規定されている。」の記載がある。 (ウ)1990年(平成2年)11月16日付け朝日新聞(甲33の5)に,「商品の外国地名使用ご用心(素顔のウルグアイ・ラウンド)」の見出しの下に,「祝賀パーティーの乾杯に欠かせないシャンパンといっても,厳密には『シャンパン』と『スパークリング(発泡性)ワイン』の区別がある。・・前者はフランスのシャンパーニュ地方産,後者はそれ以外の国や地域で醸造されたものをさす。」の記載がある。 (エ)1991年(平成3年)4月27日付け朝日新聞(甲33の6)に,「スパークリングワイン 手ごろな値段で楽しめる(カタログ)」の見出しの下に,「シャンパンはシャンパーニュ地方で,瓶内発酵法によってつくるなど,法律で基準が細かく決まっており,この地方以外でつくられるスパークリングワインをシャンパンと呼ぶのは禁止されている。」の記載がある。 (オ)その他の新聞においても,シャンパンがフランスのシャンパーニュ地方で作られるスパークリング・ワインであり,その歴史や製造過程などについての記載がある(甲33の3,4及び7)。 (2)前記(1)の事実によれば,「CHAMPAGNE(シャンパン)」の文字は,フランス北東部のシャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒を意味する語であって,生産地域,製法,生産量など所定の条件を備えたぶどう酒についてだけ使用できるフランスの原産地統制名称として,発泡性ぶどう酒を代表するほど世界的に著名であり,我が国においても,数多くの辞書,事典,書籍,雑誌及び新聞等において「シャンパン」についての説明等がされている。 これらの事実を総合すると,我が国において,「CHAMPAGNE」及び「シャンパン」の表示は,「フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒」を意味するものとして,一般需要者の間に広く知られていることが認められる。 4 商標法第4条第1項第7号該当性について 本件商標は,「シャンパンマンゴー」の文字からなるところ,その指定商品は「マンゴー」であるから,「シャンパン」の文字部分が要部であって,該文字は,上記のとおり,「フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒」を意味するものとして,周知著名であり,当該表示には多大な顧客吸引力が備わっていることに照らすと,本件商標からは,「シャンパンマンゴー」のみならず「シャンパン」という称呼及び観念も生ずるということができる。 そして,請求人らは,「CHAMPAGNE(シャンパン)」の表示が有する上記のような周知著名性や信頼性を損なわないよう,シャンパーニュ地方のぶどう生産者やぶどう酒製造業者を厳格に管理・統制し,厳格な品質管理・品質統制を行ってきた。このような,請求人らを始めとするシャンパーニュ地方のぶどう生産者やぶどう酒製造業者らの努力により,「CHAMPAGNE(シャンパン)」の表示の周知著名性が蓄積・維持され,それに伴って高い名声,信用,評判が形成されているものであり,「CHAMPAGNE(シャンパン)」という表示は,シャンパーニュ地方のみならず,フランス及びフランス国民の文化的所産というべきものになっている。 また,「CHAMPAGNE」及び「シャンパン」という表示は,我が国においても,ぶどう酒という商品分野に限られることなく一般消費者に対しても高い顧客吸引力が化体するに至っていることが認められる。 以上のような,本件商標の構成,「CHAMPAGNE(シャンパン)」の表示がフランスにおいて有する意義や重要性及び我が国における周知著名性等を総合考慮すると,本件商標をその指定商品に使用することは,フランスのシャンパーニュ地方における酒類製造業者の利益を代表する請求人らのみならず,法律により「CHAMPAGNE」の名声,信用,評判を保護してきたフランス国民の国民感情を害し,我が国とフランスの友好関係にも影響を及ぼしかねないものであり,国際信義に反するものといわざるを得ない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。 5 むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第7号に違反してされたものであるから,同法第46条第1項第1号により無効とすべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2016-09-30 |
結審通知日 | 2016-10-05 |
審決日 | 2016-10-18 |
出願番号 | 商願2009-17509(T2009-17509) |
審決分類 |
T
1
11・
22-
Z
(X31)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小松 孝 |
特許庁審判長 |
青木 博文 |
特許庁審判官 |
板谷 玲子 田中 亨子 |
登録日 | 2009-12-25 |
登録番号 | 商標登録第5290581号(T5290581) |
商標の称呼 | シャンパンマンゴー、シャンパン |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 阪田 至彦 |
代理人 | 阪田 至彦 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 池田 万美 |
代理人 | 佐藤 俊司 |
代理人 | 池田 万美 |
代理人 | 佐藤 俊司 |