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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W24
審判 全部申立て  登録を維持 W24
審判 全部申立て  登録を維持 W24
審判 全部申立て  登録を維持 W24
管理番号 1321433 
異議申立番号 異議2016-900071 
総通号数 204 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-03-22 
確定日 2016-10-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第5813370号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5813370号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5813370号商標(以下「本件商標」という。)は,「PARSONS XTREME」の欧文字を標準文字で表してなり,2014年9月23日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,平成27年2月10日に登録出願,第24類「ゴルフ用タオル,タオル」を指定商品として,同年5月29日に登録査定,同年12月18日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は,次のとおり(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)であり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
1 引用商標1
商標の構成 PERSON’S
登録番号 商標登録第2698083号
登録出願日 平成2年6月18日
設定登録日 平成6年10月31日
指定商品 第5類,第16類,第20類,第21類,第22類,第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
2 引用商標2
商標の構成 パーソンズ
登録番号 商標登録第2183496号
登録出願日 昭和62年10月2日
設定登録日 平成元年10月31日
指定商品 第5類,第9類,第10類,第16類,第17類,第20類,第21類,第22類,第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

第3 登録異議申立ての理由
本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)引用商標の著名性について
引用商標1の「PERSON’S」及び引用商標2の「パーソンズ」は,被服,履物,かばん類,布製身の回り品について申立人に係るものとして著名である。また,ゴルフ用品を含むスポーツウェア,運動用具についても少なくとも相当の周知性を有しているものである。
(2)類似性及び出所の混同について
ア 本件商標について
本件商標「PARSONS XTREME」は,著名商標である引用商標1の「PERSON’S」と類似性の強い「PARSONS」という語を含んでいるものである。
本件商標の構成中,「XTREME」の部分は,「極端な」,「究極の」という意味の「EXTREME」の英単語の略語・俗語であり,特にファッション・スポーツ・運動用具の分野においては「グレード(等級)の高い」といった意味合いで頻繁に使用されており,商品の品質を表示するものとして需要者・取引者において認識されるから,出所表示の機能を果たさない部分である。
したがって,本件商標の要部は,冒頭に配置された,著名商標である引用商標と類似性の高い「PARSONS」の部分であり,当該要部の称呼は「パーソンズ」である。
イ 本件商標と引用商標の指定商品の関係について
引用商標は,いずれも本件商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
ウ 商標の比較
本件商標の要部である「PARSONS」部分と引用商標1の「PERSON’S」及び引用商標2の「パーソンズ」については,少なくとも被服や布製身の回り品の分野において,「パーソンズ」といえば,申立人に係る引用商標を想起させ,申立人に係る出所として認識されるものである。
そして,「PARSONS」と「PERSON’S」とは,いずれも称呼が「パーソンズ」で同一である。また,「PARSONS」と「PERSON’S」とは,2文字目の「A」と「E」に相違を有するが,「PARSON」の語は日本人にはなじみの薄い英単語でありその語自体からは特定の観念を生じ得ず,称呼が同一である上に2文字目で区別しにくく,そもそも「PARSON」と「PERSON」は一般人をして互いに混同して誤字することが多い単語であるため,この相違点が類似性に与える影響は非常に小さいものである。「’」の部分についても同様に,両者とも称呼が同一であることから,その著名性により申立人を想起させることになり,外観上の相違部分が類似性に与える影響は称呼に比して小さく,両者は類似する。
また,本件商標の「PARSONS」部分と引用商標2の「パーソンズ」については,称呼が同一であり,互いに類似する商標であることは明白である。
したがって,本件商標は,引用商標と類似する。
エ 小括
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標1の「PERSON’S」及び引用商標2の「パーソンズ」の著名性及び本件商標と引用商標の類似性などは,上記1で述べたとおりである。
(2)出所の混同について
本件商標を見た取引者・需要者は,著名商標である引用商標1の「PERSON’S」と類似性の高い「PARSONS」という語を含んでいること,「XTREME」の部分については,「究極の」又は「グレードの高い」といった意味を想起させることから,「PARSONS」の部分を要部として把握し,「PARSONS」(パーソンズ)の高級ラインといった意味を想起させるものである。
すなわち,本件商標を見た取引者・需要者は,申立人がブランド内の高級ラインである「PARSONS XTREME」という商品の販売を開始したかのように誤解・混同する可能性が非常に高いものである。
(3)小括
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
ア 本件商標は,「PARSONS XTREME」の欧文字を標準文字によりまとまりよく表してなるものであり,その構成文字全体から生じる「パーソンズエクストリーム」の称呼も淀みなく一連に称呼し得るものである。
そして,本件商標を構成する「PARSONS」及び「XTREME」の各文字は,特定の語義を有しない造語といえるものであるから,本件商標は,構成全体として特定の観念を生じない。
なお,申立人は,本件商標の構成中,「XTREME」の文字が,「極端な,究極の」の意味を有する英単語「EXTREME」の略語・俗語であり(甲21),出所表示機能を有しないから,本件商標の要部は「PARSONS」である旨主張するが,我が国における本件商標に係る需要者が,「XTREME」の文字に接した場合,英単語「EXTREME」の略語・俗語として,一般に認識するものとは認められない。
よって,申立人の上記主張は採用することができない。
(2)引用商標について
ア 引用商標1
引用商標1は,「PERSON’S」の文字よりなるところ,その構成は,「人の」を意味する「person’s」と認められるから,「パーソンズ」の称呼及び「人の」の観念が生じる。
イ 引用商標2
引用商標2は,「パーソンズ」の文字よりなり,「パーソンズ」の称呼が生じ,特定の意味合い有しない一種の造語として把握されるものであって,特定の観念は生じない。
(3)本件商標と引用商標との類否について
ア 外観
(ア)本件商標と引用商標1の対比
本件商標は,「PARSONS XTREME」の欧文字を一連に表してなるのに対し,引用商標1は,「PERSON’S」の欧文字からなるから,その構成文字数及び「XTREME」の文字の有無における明らかな相違により,外観上相紛れるおそれはない。
(イ)本件商標と引用商標2の対比
本件商標は,「PARSONS XTREME」の欧文字を一連に表してなるのに対し,引用商標2は,「パーソンズ」の片仮名からなるから,その構成文字数及び「XTREME」の文字の有無における明らかな相違により,外観上相紛れるおそれはない。
(ウ)したがって,本件商標と引用商標1及び2とは,外観において類似しない。
イ 称呼
本件商標より生じる「パーソンズエクストリーム」の称呼と,引用商標より生じる「パーソンズ」の称呼とは,後半部における「エクストリーム」の音の有無に差異を有し,全体の構成音数,構成音を異にするものであるから,明瞭に聴別し得るものである。
したがって,本件商標と引用商標1及び2とは,称呼において類似しない
ウ 観念
本件商標からは,特定の観念を生じないものであるのに対し,引用商標1からは,「人の」の観念が生じるものであり,引用商標2からは,特定の観念を生じないものであるから,本件商標と引用商標1及び2とは,観念において比較することができない。
エ 小括
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知著名性について
申立人が提出した証拠及びその主張によれば,以下の事実が認められる。
申立人は,昭和54年2月に婦人服,紳士服及び子供服の製造・販売を主な事業として設立されたアパレルメーカーであり,昭和60年頃には北海道から沖縄まで日本全国に123店舗を有するに至ったものであり(甲4,6),引用商標1及び2を,被服,かばん類,履物などアパレル・服飾雑貨を中心とした申立人商品に使用しているものである(甲5)。そして,平成4年度には年間2億円以上の広告宣伝費をかけていることが認められるものであり(甲7),平成22年5月27日付け日本繊維新聞には,「PERSON’S」が国内の有力ブランドとして一覧に掲載された(甲11)。
申立人は,その後も売上げを順調に拡大し,「PERSON’S」(パーソンズ)ブランドの認知に伴い,平成元年頃から,時計メーカーやハンカチメーカーなど,他業種のメーカーを介して同ブランドのライセンス商品の販売を始め,取扱商品も多角化し,平成23年度のライセンスブランドとしての総売上高が171億円に上り(甲5,8,9,15,19),平成27年6月現在で,ライセンシーの総数は国内で60社を超え,全商品販売数量は年間で1000万個に及んでいる(甲5)。また,株式会社矢野経済研究所による平成23年度ライセンスブランド総売上高ランキングでは,「PERSON’S」(パーソンズ)ブランドは11位に位置している(甲5,19)。
さらに,申立人は,ゴルフバッグ及びゴルフグローブ等のゴルフ用品のほか,スポーツウェアについても,「PERSON’S」ブランドに係るライセンス許諾を行った(甲5,18)。
以上によれば,引用商標1の「PERSON’S」及び引用商標2の「パーソンズ」は,申立人又は同人と業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品を表示するものとして,本件商標の登録出願日前より,被服,かばん類,履物などアパレルの分野において相当程度に周知著名であると認められる。
(2)出所の混同について
前記(1)のとおり,引用商標は,申立人又は同人と業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品を表示するものとして,本件商標の登録出願日前から,アパレル分野において周知著名であったものと認められる。
しかしながら,前記1のとおり,本件商標は,引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。
そうすると,本件商標に接する取引者,需要者が,本件商標から引用商標を想起又は連想することはないというべきであるから,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,申立人又は同人と業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標と認めることはできない。
(3)小括
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2016-10-05 
出願番号 商願2015-12131(T2015-12131) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W24)
T 1 651・ 261- Y (W24)
T 1 651・ 263- Y (W24)
T 1 651・ 262- Y (W24)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小松 里美 
特許庁審判長 堀内 仁子
特許庁審判官 田村 正明
平澤 芳行
登録日 2015-12-18 
登録番号 商標登録第5813370号(T5813370) 
権利者 パーソンズ エクストリーム ゴルフ エルエルシー
商標の称呼 パーソンズエクストリーム、パーソンズエックストリーム、パーソンズ、エクストリーム、エックストリーム 
代理人 高橋 友和 
代理人 網野 誠彦 
代理人 高橋 雅和 
代理人 高橋 剛 
代理人 網野 友康 

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