ポートフォリオ機能
| ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
| 既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード
|
| 審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W05 |
|---|---|
| 管理番号 | 1321426 |
| 異議申立番号 | 異議2015-900395 |
| 総通号数 | 204 |
| 発行国 | 日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 | 商標決定公報 |
| 発行日 | 2016-12-22 |
| 種別 | 異議の決定 |
| 異議申立日 | 2015-12-22 |
| 確定日 | 2016-10-11 |
| 異議申立件数 | 1 |
| 事件の表示 | 登録第5793514号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
| 結論 | 登録第5793514号商標の商標登録を維持する。 |
| 理由 |
1 本件商標 本件登録第5793514号商標(以下「本件商標」という。)は,「NERIUMRX」の欧文字を標準文字により表してなり,平成27年2月16日に登録出願,同年8月26日に登録査定され,第5類「医療用クリーム剤,医療用ローション剤,医薬用軟膏,医療用ジェル剤,医薬用収れん剤,ピーリング用皮膚用剤,肌の医療用洗浄剤,肌の疾患の治療及び予防のための薬剤,薬剤(医薬用のもの)」を指定商品として,同年9月18日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第44号証を提出した。 (以下「甲第○号証」の表示は,「甲○」と簡略する。) (1)商標法第4条第1項第19号について ア 申立人について 申立人は,2011年に米国のテキサス州にて設立され,主な業務内容は,画期的な製品を独自の販売戦略で市場に提供する関係性マーケティングであって,当該マーケティングに基づいて販売されたアンチエイジングクリーム「NeｒiｕmAD」(甲3)は,2011年8月の販売開始から1年間で1億米ドルという記録的な売上高を達成した。 申立人独自の販売戦略とは,申立人製品を販売するにあたり,従来型の宣伝広告(テレビやラジオ,広告用掲示板)ではなく,口コミを使った連鎖販売取引を利用するというもので,申立人は,申立人の販売組織に属するブランドパートナーが申立人製品について知人と話しをすること,その知人が申立人製品を購入すること,に対してブランドパートナーに報酬を支払う。この戦略の狙いは,その知人が申立人製品の愛用者となり更に別の知人に申立人製品を薦める,という販売行動を繰り返すことで,申立人製品の愛用者を増やすことにあり,申立人のこの戦略は,ソーシャルネットワーキングサービスが身近な存在となっていることとあいまって功を奏し,申立人製品の爆発的な売上を導いた。 申立人は,法人設立から4年足らずの間に年間収益4億米ドルを達成した(甲4)。年間収益4億米ドルというのは,化粧品等の分野における米国企業収益ランキング(2015年)で30位に入る(甲7)。このランキングの上位には,日本でも馴染みの深い企業の名前が連なっていることからも,申立人のビジネスが,大成功をおさめていることが分かる。 申立人ビジネスに関する報道記事として,以下の記事を提出する。 (ア)2015年8月付け 1979年創刊の月刊ビジネス雑誌「インク.」が発行する「急成長している会社500」(2015年)にて,一般消費者向け商品・サービス部門にて1位を獲得し,総合順位は12位に入ったことを示す記事(甲8) (イ)2014年7月付け 月刊雑誌「ハッピ」の米国企業収益ランキング50(2014年)で40位にランクインしたことを示す記事(甲9) (ウ)2014年3月付け 世界有数の経済誌であるフォーブスの電子版に申立人の創業者であるジェフ・オルソン氏のインタビューが掲載された記事(甲10) (エ)申立人が2014年ビズコンペティションのベスト賞を受賞した際に,ピーアールウェブにて掲載された2014年12月付の記事(甲11) 以上からは,申立人の急成長ぶりは多くの注目を集め続けており数々の報道・受賞の対象になっていること,それは少なくとも本件商標の出願日前にあたる2014年から始まって2015年の間も続いていること,これらの記事の中で申立人を指し示すものとして「NERIUM」の表記がたびたび使用されていることが分かる。加えて,甲2の左上に示すとおり,申立人のホームページ上では「NERIUM」の文字が「INTERNATIONAL」に比べて格段に大きく表示されている事実を考慮すると,本件商標の出願時及び登録査定時に「NERIUM」といえば申立人を表すものとして,米国の需要者の間で広く知られていたという結論は無理なく導かれるものと考える。 イ 「NERIUM」商標について (ア)申立人製品の概要 申立人は,2011年8月にアンチエイジングクリーム「NeｒiｕmAD」(甲3)を発売した後,2013年には「NeｒiｕmAD Daｙ Cｒeam」(甲12)を,2014年には「NeｒiｕmFiｒm」(甲13)を発売した。最新の申立人製品については,申立人ホームページ参照(甲14)。 まず,全ての申立人製品には「NERIUM」の商標が冠されている。甲3及び甲12からは,申立人製品の外箱及び容器の中央に大きく表示された「NeｒiｕmAD」が,その構成及び色彩から「Neｒiｕm」と「AD」に分断されやすい態様であることが分かる。同様に,甲13からは「NeｒiｕmFiｒm」が,「Neｒiｕm」と「Fiｒm」に分断されやすい態様であること,さらに甲14からは,申立人製品の容器中央に「NERIUM」が大きく表示されていることが分かる。 ところで,化粧品の分野では,ひとつのブランドの下で,化粧水や乳液等の種類別あるいは顔用や身体用などの用途別に複数の製品がシリーズとして販売されていることがよくある。 このような化粧品業界におけるシリーズ製品の取引実情に従えば,甲3,甲12ないし甲14に示す一連の申立人製品が「NERIUM」シリーズ製品として需要者の間に認識されているという事実は想像に難くない。 (イ)「NERIUM」商標の周知著名性 上述したように,甲4が示すとおり申立人の年間収益は2011年の設立当初より年々伸びており,2014年には年間収益4億米ドルを記録していること,また,甲7が示すとおりこの4億米ドルは化粧品分野における米国企業収益ランキングの30位に該当することを考慮すると,全ての申立人製品に冠する商標「NERIUM」は,米国の需要者の間で,申立人製品を表すものとして広く認識されていると考えて然るべきである。この事実を更に裏付けるものとして,申立人製品についての報道記事・ブログや著名人がソーシャルメディアを通じて化粧品を友人や家族に販売する直接販売ビジネスに関する記事などが掲載されている(甲15ないし甲18)。 甲15が示すとおり,本件商標の出願前にあたる2014年ないし2015年1月までの間に申立人製品がテレビ番組に取り上げられた回数は8回に及ぶ。また,セレブリティに関するゴシップ記事を取り扱う週刊誌「ライフ＆スタイル」には,2014年4月の掲載を皮切りに複数回取り上げられており,アンチエイジング効果を有する申立人製品「NeｒiｕmAD」の主要なターゲットは中年から高年の女性層にあたると考えるところ,週刊誌への複数回の掲載は,ターゲットへの周知に直接つながる効果が期待できる。甲16からは,比較的影響力のある複数の著名人が申立人製品の宣伝広告に協力しているところ,申立人製品が好意的に受け止められ,高い評価を受けている様子がうかがえる。 以上から,本件商標の出願時及び登録査定時に,「NERIUM」が申立人及び申立人製品を表す商標として,少なくとも米国の需要者の間で広く知られていたという事実は明らかである。 ウ 本件商標「NERIUMRX」について 「RX」が処方箋を意味する記号であること(甲19),米国の薬局では「RX」が処方箋を意味するものとして普通に使用されている様子がうかがえる(甲20ないし甲24)。日本では,複数の英和辞典において「RX」が「処方箋」を意味する英単語として記載されている事実がある(甲25ないし甲28)。また,小学館のデジタル大辞泉及び三省堂の大辞林(甲29),日研メディカルケアの業界用語辞典(甲30)にも,「RX」が処方箋を意味する用語として記載がある。さらに,2013年3月10日発行の,皮膚科専門医による薬の使用方法に関する書籍のタイトル「抗ヒスタミン薬達人の処方箋Rｘ」に「Rｘ」が使用されていること(甲31),2014年に行われた学会の名称として「RX TO OTC SWITCH SUMMIT」(処方薬から一般用医薬品への転換を考える学会)が使用されていること(甲32)を考慮すると,少なくとも製薬・医療に関する一定の知識・経験を有している需要者の間では,「RX」が「処方箋」あるいは「処方箋薬」を意味する用語として,普通に認識されていると考えられる。 上記事実を本件商標に照らし合わせてみると,本件商標の指定商品は第5類のいわゆる薬剤分野において登録されているところ,その需要者が本件商標「NERIUMRX」に接した場合,「NERIUM」と「RX」に分断した上で,「NERIUM」を強く支配的な印象を与える部分として認識すると考えるのが妥当である。 本件商標からは「ネリウムアアルエックス」の他に「ネリウム」の称呼が生じるところ,米国の需要者の間で広く知られている申立人商標「NERIUM」とは,称呼「ネリウム」を共通にする類似の商標と判断されて然るべきである。 エ 不正の目的 本件商標の出願日以前より,本件商標の権利者であるネリウム バイオテクノロジー,インク(以下「本件商標権者」という。)と申立人との間には取引関係があった。具体的には,本件商標権者の子会社であるネリウム スキンケア,インコーポレイテッド(以下「ネリウムスキンケア」という。)は,外部委託業者として,申立人製品の包装・充填を請け負っており,本件商標権者はその子会社の業務を保証する立場にあった(甲38ないし甲40)。 ここから,申立人と本件商標権者との間には取引関係があったこと,甲38が示す契約の日(2011年4月6日)から甲40が示す2015年10月の時点まで当該取引関係は継続していること,また,包装を請け負うという業務の特性上,本件商標権者は申立人製品に付される商標をいち早く知り得る立場にあったということが分かる。 本件商標権者は,日本のみならず複数の国において,申立人に無断で「NERIUM」に関する商標を出願している。一例を上げると,本件商標権者は,申立人に無断で,2011年4月25日付けにて商標「NERIUM」を米国で出願した(甲41)。甲38が示す契約日(2011年4月6日)と出願日の近さを考えると,本件商標権者が申立人製品に関する商標名・販売計画等を知ることが出来る立場を利用した上で,当該米国出願を行ったことは明らかである。当該米国出願に対しては,現在,申立人が異議を申し立てている。日本及び米国同様,欧州共同体でも申立人は本件商標権者による「NERIUM」商標出願に対して異議を申し立てている(甲42)。 本件商標権者の目的は,本件商標権者の子会社であるネリウムスキンケアが現在請け負っている申立人製品の充填・包装業務を独占することにあると推測される。申立人は,複数の外部委託業者を使用しており,現在の本件商標権利者の立場は,そのひとつにすぎない。 オ まとめ 本件商標の出願時及び登録査定時,少なくとも米国の一般需要者の間では「NERIUM」が申立人及び申立人製品を表す商標として広く認識されていたこと,「NERIUM」商標と本件商標は称呼「ネリウム」を共通にする類似商標であること,申立人と本件商標権者との間には継続した取引関係があり本件商標権者は本件商標出願時に「NERIUM」商標の周知著名性を十分に認識していたと推測されること,本件商標権者は複数の国で「NERIUM」に関する商標を申立人に無断で出願していることなどを考慮すると,本件商標権者は,独占的に仕事を請け負うための交渉材料のひとつとして,本件商標を出願し,設定登録を受けたものと考えざるを得ない。 以上から,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであり,当該登録は取り消されるべきである。 (2)その他 ア 申立人による申立人商標「NERIUM」の積極的な管理 申立人は,ウォッチングサービスを利用し,第三者による「NERIUM」関連の出願を監視している。また,申立人は,世界中にブランドパートナーと呼ばれる販売員を数万人擁しているところ,「NERIUM」関連商標の不正な使用を身近に監視することができる。ブランドパートナーは,商標の使用に関する合意書によって統括されており,不正使用については申立人より警告書が送付される。参考までに,申立人が元ブランドパートナーの不正使用に対して送った警告書の写しを提出する(甲43)。 イ 申立人商標の各国登録状況 全世界における申立人の商標出願・登録件数は計397件に及んでいる。その中から,一例として12件の登録証写しを提出する(甲44)。 (3)結語 本件商標は,商標法第第4条第1項第19号に違反して登録されたものであるから,取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)「NERIUM」標章の周知性について ア 事実認定 申立人提出に係る甲各号証及び申立人の主張によれば,以下の事実が認められる。 (ア)甲4は申立人のホームページの写しと認められるところ,申立人は,その名称を「ネリウム インターナショナル エルエルシー」とし,2011年に米国テキサス州で設立された。申立人の主張によれば,アンチエイジングクリームを同年8月より販売を開始し,開始から1年間で1億米ドルの売上を記録した。そして,申立人は,「Age-Defｙning Nighｔ Cｒeam」を設立当初より販売しているところ,2013年には,「Age-Defｙning Daｙ Cｒeam」を新たな商品に加え,年間収益が2億米ドル,2014年には年間収益が4億米ドルに達している。 (イ)甲12及び甲14によれば,申立人の「Age-Defｙning Nighｔ Cｒeam」及び「Age-Defｙning Daｙ Cｒeam」は,その商品の包装容器に「NERIUM」及び「Neｒiｕm」の欧文字が商品の中央部分に目立つように横書きされており,これらがインターネットを通じて販売されている(以下,当該商品を「NERIUM商品」という。)。 (ウ)NERIUM商品が,雑誌,テレビ及びブログ等の媒体を通じて複数回紹介がされたこと(甲15)及び複数の著名人により宣伝広告がされていること(甲16)が,申立人のホームページで紹介されている。 (エ)また,2015年9月号の雑誌「COSMOPOLITAN」には,著名人が友人や家族に直接化粧品を販売する記事の中で,その化粧品の1つとしてNERIUM商品が紹介され(甲17),同年7月号の雑誌「ESSENCE」で「31DAYS OF BLACK BEAUTY」と称する記事の中で,多数の化粧品の中の1つとしてNERIUM商品が取り上げられている(甲18)。 (オ)申立人は,マルコン賞,ベストインビズ賞及びスティーヴィー賞等をはじめとして,複数の賞を受賞(甲6)しており,雑誌「haｐｐi」では上位50社のうち,2014年7月号で40位(甲9)及び2015年7月号では30位(甲7)に位置しており,雑誌「Inc.500」では12位に位置している(甲8)。 イ 判断 上記アにおいて認定した事実によれば,申立人は,「Age-Defｙning Nighｔ Cｒeam」及び「Age-Defｙning Daｙ Cｒeam」と称する化粧品に「NERIUM」(「Neｒiｕm」の表示を含む。)の標章を使用し,主にインターネットを通じて販売していることが認められる。そして,申立人は,設立4年程度で,商品の売上が年間収益4億米ドルに達する企業にまで成長し,この実績が評価され,米国内で複数の賞を受賞していることが認められる。また,申立人の取扱いに係る化粧品は,雑誌,テレビ及びブログ等で取り上げられている例が認められる。 しかしながら,申立人の取扱いに係る「NERIUM」の標章が使用された化粧品について,米国内における販売数や流通先等は明らかにされていないし,各メディアで取り上げられた例については,いずれも該化粧品が1回取り上げられたにすぎないものであり,雑誌やテレビ等を通じて継続的に宣伝広告を行っている事実は認められない。また,米国内における受賞歴については,これが需要者の認識に基づくものであるのか,また,これが需要者の認識にどの程度の影響を与えるものであるのか,いずれも明らかではないし,企業ランキングの順位については,上位に位置する企業との年間収益を比較すると大きな開きがあるばかりか,申立人の順位が需要者の認識に対しどれだけの影響があるのか明らかではない。 そうすると,申立人は,「NERIUM」の標章を自己の販売する化粧品に使用し,該化粧品がある程度注目を集めているとはいえるものの,「NERIUM」の標章が,申立人の取扱いに係る商品を表すものとして,米国において,需要者の間で広く知られた商標であるということはできない。 (2)商標法第4条第1項第19号該当性について ア 本件商標について 本件商標は,「NERIUMRX」の欧文字を横書きしてなるところ,その構成は同じ書体及び大きさで,等間隔にまとまりよく一体に表されており,該欧文字は,辞書等に載録されている成語とは認められないものであるから,その構成全体をもって,一体不可分の特定の意味合いを想起させない造語とみるのが相当である。 そうすると,本件商標は,その構成文字に相応して「ネリウムアアルエックス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 なお,申立人は,「RX」が,本件商標の指定商品との関係において,「処方箋」又は「処方製薬」を意味する用語として,普通に認識されているから,「NERIUM」と「RX」が分断され,「NERIUM」の文字部分から「ネリウム」の称呼をも生じる旨主張する。 しかしながら,本件商標は,上述のとおり,まとまりよく一体に表された構成からなり,「ネリウムアアルエックス」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものであるから,「RX」の文字部分が「処方箋」等の意味を有し,本件商標に係る指定商品との関係において,識別力が弱い部分であるといえるとしても,これに接する取引者,需要者が,「RX」の文字部分を捨象し,「NERIUM」の文字部分のみをもって,取引に資するとはいい難いものである。 イ 「NERIUM」標章について 「NERIUM」標章は,「NERIUM」の欧文字で表してなるところ,該欧文字は,辞書等に載録されている成語とは認められないものであるから,直ちに特定の読み及び意味を生じるとはいえないものである。 そうすると,「NERIUM」標章は,その構成文字を我が国で最も親しまれた外国語である英語の読みに倣い「ネリウム」と称呼し,特定の観念は生じないというのが相当である。 ウ 本件商標と「NERIUM」標章との類否について 本件商標と「NERIUM」標章について比較すると,外観においては,「NERIUM」の欧文字を共通にするものであるが,本件商標は「NERIUMRX」であるから,判然と区別し得るものである。 そして,称呼においては,本件商標より生じる「ネリウムアアルエックス」の称呼と「NERIUM」標章より生じる「ネリウム」の称呼とは,「ネリウム」の音を共通にするものの,全体の音の数が異なることから,それぞれを一連に称呼するときは,明らかに聴別し得るものである。 また,観念においては,本件商標と「NERIUM」標章とは,いずれも特定の観念を生じるものではないことから,比較し得ないものである。 そうすると,本件商標と「NERIUM」標章とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるといわなければならない。 エ 小括 上記(1)のとおり,申立人の提出に係る証拠によっては,「NERIUM」標章が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されているとまでは認めることはできないものである。 また,上記アないしウのとおり,本件商標は,「NERIUM」標章と非類似の商標である。 そうすると,本件商標は,商標法第4条第1項第19号所定のほかの要件に論及するまでもなく,同号に該当しない。 (3)まとめ 以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
| 異議決定日 | 2016-09-30 |
| 出願番号 | 商願2015-13512(T2015-13512) |
| 審決分類 |
T
1
651・
222-
Y
(W05)
|
| 最終処分 | 維持 |
| 前審関与審査官 | 小川 敏 |
| 特許庁審判長 |
青木 博文 |
| 特許庁審判官 |
高橋 幸志 原田 信彦 |
| 登録日 | 2015-09-18 |
| 登録番号 | 商標登録第5793514号(T5793514) |
| 権利者 | ネリウム バイオテクノロジー、インク. |
| 商標の称呼 | ネリウムアアルエックス、ネリアムアアルエックス |
| 代理人 | 武田 勝弘 |
| 代理人 | 特許業務法人 丸山国際特許事務所 |