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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z29
管理番号 1320266 
審判番号 取消2015-300523 
総通号数 203 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-11-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-07-09 
確定日 2016-09-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第4538193号の1の1商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4538193号の1の1商標(以下「本件商標」という。)は、「大吉」の文字を標準文字で表してなり、平成12年9月29日に登録出願、第29類ないし第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年1月25日に設定登録され、その後、第29類「食肉,肉製品」について登録を取り消すとの商標権一部取消し審判の確定登録及び商標権の分割移転があった結果、第29類「食用魚介類(生きているものを除く。),加工水産物,ハムサラダ,ポテトサラダ,マカロニサラダ,その他のサラダ,その他の加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,乾燥卵,液卵,冷凍卵,茄で卵,卵焼き,スクランブルエッグ,その他の加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,ミートソース,その他のパスタソース,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,卵どうふ,食用卵殻粉を主材とする粉状・液状又はタブレット状の加工食品」並びに第31類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とするものであり、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、平成27年7月29日である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第29類「加工水産物」については、その登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、第29類「加工水産物」について、継続して3年以上日本国内において使用していない。また、本件商標について専用使用権者は存在せず(甲1)、また通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。
したがって、本件商標は、その指定商品中、第29類「加工水産物」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品につき使用されていないものである。

なお、請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標の通常使用権者である株式会社大吉(旧社名:株式会社食品技術研究所、本店所在地:福岡市博多区井相田二丁目6番8号)(乙1)は、本件審判請求の予告登録日前3年以内の平成24年7月29日から同27年7月28日までの期間(以下「要証期間」という。)に、本件審判に係る指定商品「加工水産物」について本件商標を使用している。
(1)使用に係る商標及び商品
株式会社大吉(以下「大吉社」という。)は、平成17年2月9日の設立であるが、同社は元々、明治25年創業の博多海産物問屋「いないし」(株式会社稲石)が、(小売店や食品会社ではなく)一般消費者向けの直販業務を専門に行うためにグループ会社として設立したものである(乙2)。
大吉社が販売する商品は主に、辛子明太子、蟹、紅鮭であり、特に辛子明太子については、本件審判の請求に係る指定商品「加工水産物」の範ちゅうに属する商品である。
乙第3号証は、大吉社が平成24年ないし同26年(2012年?2014年)に顧客からの発注を受けて、辛子明太子等を納品した際に発行した納品書及び請求書の写しである。記載のとおり、納品者は「株式会社食品技術研究所」(大吉社の当時の社名。以下、「株式会社食品技術研究所」を「食品技術研究所」という場合がある。)、その住所表記は「福岡市博多区井相田2-6-8」、また、社名表示の左横には本件商標と実質的に同一の「大吉」の表示があり、品名にも「辛子明太子」等の記載、日付についても「2012年12月18日」(乙3の1)等の記載がある。よって、大吉社(旧社名:食品技術研究所)が、本件商標を、要証期間内に「加工水産物」について使用していたことは明白である。
乙第4号証は、顧客であるA氏から依頼を受け、大吉社より送付した2014年4月18日付け請求書、カタログ及び送付メールである。また、品目には「加工水産物」の範ちゅうに含まれる「ギンダラみりん」、「ちりめん」が記載されている。
以上のことより、本件商標と社会通念上同一とみられる商標「大吉」を、納品書、請求書、カタログ等に表示し、頒布することは、商標法第2条第3項第8号に規定する「商品若しくは役務に関する広告・・・取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布する・・・行為」に該当し、商標の使用にあたる。
(2)使用者(通常使用権者)
ア 前権利者について
甲第1号証の商標登録原簿のとおり、平成18年12月20日より同21年5月までB氏が権利者であった。
B氏は、大吉社(旧社名:食品技術研究所)の設立発起人であり(乙5)、当時から代表取締役を務めていた(乙6)。したがって、大吉社は、B氏から本件商標についての黙示の使用許諾があったことは明らかである。なお、B氏と大吉社との間で特に書面による使用許諾契約書は作成していない。
イ 現権利者について
現権利者のC氏は、前権利者であるB氏の子であり(乙7)、父であるB氏が平成21年に死去したため、本件商標権を相続、商標権の移転登録をしたものである(甲1)。
本件商標「大吉」は、非常に縁起が良く財産価値の高いであろう名前であるため、B氏の意向により吉本家の名義で権利を維持していく一方、大吉社のより一層の発展のために、少なくとも大吉社の販売商品である辛子明太子等の加工水産物については、大吉社に本件商標の使用の許諾を継続していく方針となった。当然のことながら、B氏の死去の後もこの方針は貫かれ、現権利者であるC氏も、故人である父の意思に基づき、依然として大吉社との従来からの家族的繋がりを維持し、現在でも大吉社に本件商標の使用許諾をしているものである。
ちなみに、そのような家族間の人的信頼関係は継続しており、また、商標権についての通常使用権の設定は登録をその効力要件とするものではないことから、使用許諾契約等の正式な契約を結ぶ必要性を感じず、現在でもC氏と大吉社との間では使用権の契約を結んでいない。
以上のように、現権利者と大吉社との間には、本件商標の通常使用権についての黙示の使用許諾が存在するのは明らかであるが、念のため、現権利者のC氏が商標権者になった平成21年以来現在まで、C氏が大吉社に本件商標の使用許諾を与えている旨の陳述書を乙第8号証として提出する。
ウ 使用者についてのまとめ
以上のことから、実際に本件商標を使用している大吉社が、本件商標の通常使用権者であることは明らかである。
2 まとめ
以上のことから、本件商標の通常使用権者が、要証期間内に日本国内において、本件商標を取消請求に係る指定商品「加工水産物」について使用していたことは、明らかな事実である。
よって、本件審判請求には理由がないから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきでない。

第4 当審の判断
1 被請求人は、通常使用権者が、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を本件審判の請求に係る指定商品「加工水産物」について使用している旨主張し、乙各号証を提出している。
2 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、次のとおり判断できる。
(1)本件商標の使用について
乙第4号証の1葉目は、2014年(平成26年)4月18日付けで食品技術研究所と「(株)丸惣」が連名でA氏へ送付したメールであり、請求書他資料一式を送付すること及び今後は当メールアドレス宛てに注文してほしい旨の記載があり、添付ファイル6件として、「2014年大吉カタログNo1」ないし「同No3」、「2014年大吉特別価格表」、「2014年大吉カタログ注文書」及び「A氏請求書」の記載がある。
同号証の3葉目ないし5葉目は、商品カタログであり、いずれも、下段に赤字の「大吉」の文字の記載があり、また、カタログの内容として、「商品名:ギンダラみりん・・・ギンダラをみりんその他の調味料でおいしく味付けしました。」、「商品名:ちりめん(国内産上干)・・・国内産のカタクチイワシの上干ものだけを使用しています。」などの記載とそれぞれ商品番号や価格などの記載があり、商品の写真が掲載されている。
同号証の6葉目は、「ご注文書」(注文用紙)であるところ、下段に赤字の「大吉」の文字とその右側に「株式会社食品技術研究所」の記載がある。
同号証の7葉目は、食品技術研究所の「平成26年度 お得意先向大吉商品特別販売価格表」であるところ、上段に赤字の「大吉」の文字とその右側に「株式会社食品技術研究所」の記載があり、その下に、品名(「ギンダラみりん」、「ちりめん(国内産上干)」など)、特別販売価格、通常販売価格などが記載された価格表が掲載されている。
同号証の8葉目は、2014年4月18日付けの食品技術研究所からA氏宛の請求書であるところ、上段に、赤字の「大吉」の文字とその右側に「株式会社食品技術研究所」の記載があり、請求書の内容として、品名に「ギンダラみりん」、「ちりめん(国内産上干)」などの記載と金額などの記載がある。
これらのことからすると、食品技術研究所は、2014年において、「ギンダラの加工品」や「ちりめん」を販売しており、顧客A氏に対して、2014年4月18日付けで、2014年の商品カタログ、注文書及び価格表並びに2014年4月18日付け請求書をメールにて送付したと認められる。
そして、「ギンダラの加工品」や「ちりめん」は、本件審判の請求に係る指定商品「加工水産物」に含まれる商品である。
また、上記のカタログ、注文書、価格表及び請求書には、赤字の「大吉」の文字が記載されているところ、該文字は、本件商標と色彩を異にするものの、本件商標と同じ「大吉」の文字からなるものであるから、これらのカタログ、注文書、価格表及び請求書には、本件商標と社会通念上同一の商標が付されていたということができる。
以上のことからすると、食品技術研究所は、2014年4月18日に加工水産物に含まれる「ギンダラの加工品」や「ちりめん」に関する広告、価格表及び取引書類に本件商標と社会通念上同一の商標を付して顧客に頒布したといえ、そして、2014年4月18日は要証期間内である。
(2)本件商標の使用者について
食品技術研究所は、平成17年2月9日に設立された食品の加工・販売等を目的とする会社であり、代表取締役は「B氏」であり(乙6)、平成27年7月4日に商号を「株式会社大吉」に変更した(乙1)。代表取締役「B氏」は、食品技術研究所発起人でもあった(乙5)。
そして、本件商標の商標登録原簿によれば、本件商標の権利者については、平成18年12月20日にB氏に移転登録され、同21年5月13日にC氏に一般承継により移転登録されているところ、本件商標の権利者であるC氏は、上記「B氏」の子であり(乙7)、「B氏が黙示ではあるが、食品技術研究所に本件商標の使用、とりわけ、加工水産物についての使用を許諾していたこと、及びC氏は本件商標を相続した平成21年以降も、本件商標の使用について、食品技術研究所(現大吉社)に継続して許諾を与えている。」旨、陳述している(乙8)。
これらのことからすると、本件商標の商標権者(B氏及びC氏)は、食品技術研究所に対し、その設立時(平成17年2月9日)から継続して本件商標の使用を許諾していたといえる。
したがって、食品技術研究所は、本件商標の通常使用権者であると認められる。
(3)上記(1)及び(2)からすれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間内である2014年(平成26年)4月18日に、本件審判の請求に係る指定商品「加工水産物」に含まれる「ギンダラの加工品」や「ちりめん」に関する広告、価格表及び取引書類に本件商標と社会通念上同一の商標を付して頒布したといえ、当該行為は、商標法第2条第3項第8号に該当するものである。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、要証期間内に日本国内において、通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していたことを証明したと認められる。
したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-07-14 
結審通知日 2016-07-19 
審決日 2016-08-01 
出願番号 商願2000-112429(T2000-112429) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z29)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 吉野 晃弘 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 原田 信彦
土井 敬子
登録日 2002-01-25 
登録番号 商標登録第4538193号の1の1(T4538193-1-1) 
商標の称呼 ダイキチ、オーヨシ、ダイキツ 
代理人 高橋 孝仁 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
代理人 宮永 栄 
代理人 柴田 泰子 
代理人 松本 秀治 
代理人 田畑 浩美 
代理人 西村 雅子 
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