• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W30
管理番号 1319373 
異議申立番号 異議2015-900207 
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-10-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-06-22 
確定日 2016-09-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5751157号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5751157号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5751157号商標(以下「本件商標」という。)は、「HERO酢醤油」の文字を標準文字で表してなり、平成26年11月26日に登録出願、第30類「酢醤油」を指定商品として、同27年2月25日に登録査定され、同年3月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標が商標法第8条第1項に該当するとして引用する国際登録第1249975号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2014年9月16日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2015年(平成27年)2月23日に国際商標登録出願され、第30類「sauces」のほか、第5類、第29類及び第30類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年7月8日に設定登録され、有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標の登録は、商標法第8条第1項に違反してされたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

4 本件商標に対する取消理由
商標権者に対して、平成28年3月15日付けで通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。
(1)商標法第8条第1項について
商標法第8条第1項は、「同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について異なつた日に二以上の商標登録出願があつたときは、最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる。」と規定しているので、以下、各要件について検討する。
(2)指定商品の類否について
本件商標の指定商品は上記1のとおり第30類「酢醤油」であり、引用商標の指定商品は上記2のとおり第30類「sauces」を含むものである。
そして、両者の指定商品「酢醤油」と「sauces」は、いずれも調味料の範ちゅうに属する商品であって、その販売場所、用途及び需要者等を共通にする類似の商品と認められる。
(3)商標の類否について
ア 本件商標は、上記1のとおり「HERO酢醤油」の文字からなり、その構成中「酢醤油」の文字部分は本件商標の指定商品の普通名称であって出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められるから、「HERO」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
そして、該「HERO」の文字部分は、該文字に相応し「ヒーロー」の称呼、「英雄」の観念を生じるものである。
イ 引用商標は、別掲のとおり紺色の木の葉状の図形内に、やや図案化されているが、容易に「Hero」の文字と認識される文字を白抜きして表してなるものであるから、該文字に相応し「ヒーロー」の称呼及び「英雄」の観念を生じるものである。
ウ そこで、本件商標の構成中「HERO」の文字部分と引用商標とを比較すると、両者は外観において、書体や大文字表記と小文字表記に差異があるものの、「HERO(Hero)」の綴りを共通にするものであり、「ヒーロー」の称呼及び「英雄」の観念を同じくするものである。
そうすると、本件商標の構成中「HERO」の文字部分と引用商標とは、外観において共通性を有し、称呼及び観念が同一であることから、両者は相紛らわしい類似のものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標と引用商標とは、類似の商標といわなければならない。
(4)最先の出願人について
本件商標は、上記1のとおり平成26年11月26日に登録出願されたものであり、引用商標は、上記2のとおり2014年(平成26年)9月16日にした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し国際商標登録出願されたものであって、同主張が認められたものであるから、本件商標よりも引用商標が先願と認められる。
そうすると、引用商標に係る商標登録出願人が最先の商標登録出願人といわなければならず、かつ、同人と本件商標に係る商標登録出願人(商標権者)とは同一人ではない。
(5)まとめ
以上のとおりであるから、本件商標は、同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について異なった日に二以上の商標登録出願があったときに、最先の商標登録出願人でない者(商標権者)が商標登録を受けたものといわざるを得ず、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものである。

5 商標権者の意見
本件商標について、上記4の取消理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者は、何ら意見を述べていない。

6 当審の判断
本件商標についてした上記4の取消理由は、妥当なものと認められるものであり、引用商標は、上記2のとおり、平成28年7月8日に設定登録され、有効に存続しているものである。
したがって、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標)(色彩は原本参照。)




異議決定日 2016-07-29 
出願番号 商願2014-99536(T2014-99536) 
審決分類 T 1 651・ 4- Z (W30)
最終処分 取消  
前審関与審査官 守屋 友宏 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 原田 信彦
土井 敬子
登録日 2015-03-20 
登録番号 商標登録第5751157号(T5751157) 
権利者 株式会社HERO’S
商標の称呼 ヒーロースジョーユ、ヒーロー 
代理人 橋本 良樹 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 幡 茂良 
代理人 吉田 親司 
代理人 小出 俊實 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ