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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X14
管理番号 1319247 
審判番号 取消2015-300088 
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-10-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-02-10 
確定日 2016-08-15 
事件の表示 上記当事者間の登録第5425250号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
登録第5425250号商標(以下「本件商標」という。)は,「DancingAngel 天使の舞」の文字を横書きしてなり,平成23年1月31日に登録出願,第14類「根付」を指定商品として,同年7月15日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
なお,本件審判請求の登録日は,平成27年2月25日である。

第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,審判請求書,審判事件弁駁書,平成27年9月1日付け,同年12月2日付け及び同28年4月19日付けの上申書において,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は,本件審判請求の登録前3年以内(平成24年2月25日から同27年2月24日,以下「要証期間内」という。)に,継続して日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが,その指定商品について,本件商標を使用していない。
ア 本件商標の使用者
被請求人は,履歴事項全部証明書(乙4(枝番を含む。なお,以下,乙号証について,特に断らない限り,証拠番号に枝番号を含む。))を提出するが,これを鑑みても,「本件商標権者の代表者の指示のもと,被請求人の取締役である長田昌子氏が『YAHOO!JAPAN』のオークションサイト(以下「ヤフーオークションサイト」という。)に出品した。」という事実は客観的に証明することはできない。すなわち,本件商標を使用したと主張する時点において,長田昌子氏が本件商標権者より使用の許諾を受けた正当な使用者であること等が不明である。
さらに,被請求人が提出するヤフーオークションサイトの画面(乙3)が出品者しか閲覧できないものであるとの証拠はない。
そして,その出品者が本件商標権者の代表者,あるいは長田昌子氏であることの証拠は何ら提出されていない。
イ 使用商品及び使用の時期
被請求人が提出するヤフーオークションサイトの画面(乙3)に示されている画像及び商品と,本件商標権者の関係が不明であるとともに,当該画面における「開始日時」及び「終了日時」には日付と時間が記載されているのみであり,「年」が不明である。また,画像ファイルの日付はフリーソフトウェア等で容易に改変できるので,登録商標の使用証拠として認めるべきものでない。
さらに,被請求人が提出するヤフーオークションサイトの画面(乙3)に示されている画面において,画像のプロパティを提示しているが,当該プロパティが実際にヤフーオークションサイトに掲載された画像のプロパティであることを客観的に証明する資料はない。
2 まとめ
以上のとおり,被請求人が提出した証拠は,本件商標を指定商品に使用したことを客観的に証明できるものでなく,このような証拠をもって登録商標の使用証拠として認めるのであれば,不使用取消し審判の制度を有名無実化するものである。
したがって,本件商標は,商標法第50条第1項の規定により,その登録を取消されるべきである。

第3 被請求人の主張
被請求人は,結論と同旨の審決を求めると答弁し,審判事件答弁書,平成27年8月18日付けの口頭審理陳述要領書,同年10月1日付け及び同28年1月27日付けの上申書並びに同年3月25日付けの回答書において,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。
1 本件商標の使用の事実
ア 本件商標の使用者
「長田昌子」は,被請求人の取締役であり(乙4),被請求人の代表者の指示のもと,ヤフーオークションサイトの出品者として登録し(乙1),出品を行った(乙3)。
乙第6号証は,被請求人が意匠権者となっている意匠登録文献の写しである。当該登録意匠の意匠権者は被請求人,その代表者及び長田昌子の3者である。
被請求人は,ヤフーオークションサイトに法人の出品資格がないため出品できず,出品経験がある長田昌子が本意匠権者を代表して出品した。
乙第3号証は,ヤフーオークションサイトの出品者しか閲覧できない画面であり,そこに出品された商品は意匠で保護されたものである。同商品を出品できるのは,意匠権者の代表で出品した「長田昌子」にほかならない。
したがって,ヤフーオークションサイトの出品者の画面(乙3)には,「長田昌子」又はそれに関連する記載はないが,意匠権者の代表として「長田昌子」が出品したものであることが証明される。
イ 使用に係る商品及び商標
乙第2号証は,ヤフーオークションサイトに掲載した画像の写真であり,当該写真には本件審判請求に係る指定商品「根付」の写真及び本件商標が記載されている。
ウ 使用時期
乙第3号証は,ヤフーオークションサイトの出品者の画面であり,当該画面に出品者の表示がないのは,出品者以外の人のヤフーオークションサイトの画面には,出品者情報が表示されるが,出品者自身の画面には自分の情報は表示されない。出品者名が表示されていないのは,当該画面が出品者自身の画面である証である。
そして,乙第3号証には,「出品開始日時」「出品終了日時」が記載されている。
乙第3号証の「プロパティ」欄に表示された「作成日時」「更新日時」「アクセス日」に関しては,同じコンピューター内でのファイルのコピー,あるいは異なるコンピューター間でファイルの移動を行った場合など,日時が書き換えられ「作成日時」が「更新日時」よりも後になる現象は周知の事実である。仮にフリーソフト等で加工したのであれば,わざわざ誤解を招くような修正をすることは通常考えられない。
2 むすび
以上のとおり,本件商標は,要証期間内に日本国内において通常使用権者により指定商品「根付」について使用していることが明らかである。

第4 当審の判断
1 使用の事実について
証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は,ヤフーオークションサイトの登録情報であって,「Yahoo! JAPAN ID 登録情報」の見出しの下,「Yahoo! JAPAN ID」の項に「omigoto4too」の記載,さらに,「氏名・住所情報」の見出しの下,「姓(氏名)」の項に「長田」及び「名(氏名)」の項に「昌子」の記載がある。
(2)乙3号証のその3は,ヤフーオークションサイトの出品時の画面であって,「★ハンドメイド 天然石ストラップ アクアオーラー★ 新品」及び「オークション>アクセサリー,時計>ハンドメイド>アクセサリー(女性用)>その他」の見出しの下,「このオークションは終了しています」及び「オークションは終了しましたが,落札者はいません。この商品を再出品することができます。」の記載がある。そして,当該画面の「商品情報」の項の左上に,3つの薄ピンク色の半透明な球を直列に繋ぎ,上から2番目と3番目の球の接する部分を囲むように,同じ大きさと色の球が左右及び前面に組み合わされ,その上端につり下げ可能なひもを有し,その下端には小さな透明な球を3つずつ繋げたものを配した商品(なお,商品の裏側は確認できない。)(以下「使用商品」という。)とともに,その右下に「DancingAngel 天使の舞」の文字を記載した写真が掲載されている。さらに,「詳細情報」として,「個数」の項に「1」,「開始時の価格」の項に「980円」,「開始日時」の項に「4月1日22時50分」及び「終了日時」の項に「4月8日22時50分」の記載がある。
そして,被請求人は,平成27年9月15日の口頭審理において,乙第3号証の画像情報は,2012年に,ヤフーオークションサイトの実際の取引を確認する画面を出品時又は終了時画像ファイルとして保存したもので,当該ファイルのプロパティ情報の更新日時の日付が画像ファイルとして保存した日時であると陳述した(第1回口頭審理調書)。
(3)乙3号証のその4は,ヤフーオークションサイトの出品時の画面を保存した画像内容とその画像情報(プロパティ情報)を左右2つのウィンドウで表したものであるところ,「7.bmp-Windows フォトビューアー」の見出しを有する左側のウィンドウ中には,上記(2)のヤフーオークションサイトの出品時の画面と同じ画像が掲載されている。「7.bmpのプロパティ」の見出しを有する右側のウィンドウ中には,「7.bmp」の記載,「ファイルの種類」の項に「BMPファイル(.bmp)」,「プログラム」の項に「Windows フォトビューアー」,「作成日時」の項に「2013年12月9日 23:21:55」及び「更新日時」の項に「2012年4月8日 22:51:26」の記載がある。
(4)乙第4号証は,被請求人の「履歴事項全部証明書」であるところ,「商号」の欄に被請求人名である「クロスト株式会社」の記載及び「役員に関する事項」の欄に「取締役 長田昌子」及び「代表取締役 石黒洋」の記載がある。
(5)乙第6号証は,「意匠公報」であるところ,「【登録番号】」の項に「意匠登録第1432927号(D1432927)」,「【意匠に係る物品】」の項に「身の回り品用携帯ストラップ」,「【意匠権者】」の「【氏名又は名称】」の項に被請求人名,「石黒 洋」及び「長田 昌子」の記載,及び「【意匠に係る物品の説明】」の項に「本物品は携帯電話,カメラ,かばん等の携帯用品に取り付けて使用するストラップである。」の記載とともに,3つの球を直列に繋ぎ,上から2番目と3番目の球の接する部分を囲むように,同じ大きさの球が左右及び前面に組み合わされ,その上端に紐状の輪を記載した図面が掲載されている。
2 判断
(1)使用の事実について
ア 乙3号証のその4に表された,左側のウィンドウのヤフーオークションサイトの出品時の画面を保存した画像の見出しが「7.bmp-Windows フォトビューアー」であり,その右側のウィンドウの画像情報(プロパティ情報)には「7.bmpのプロパティ」の見出し及び見出しの下に「7.bmp」の記載が有り,両ウィンドウのファイル名の表示とみられる「7.bmp」が共通していることから,右側のウィンドウは,左側のウィンドウの画像情報(プロパティ情報)を示しているといえる。
そして,左側のウィンドウの画像情報(プロパティ情報)に記載の「更新日時」の項の「2012年4月8日 22:51:26」の記載と,左側のウィンドウのヤフーオークションサイトの出品時の画面に掲載された「終了日時」の項に「4月8日22時50分」の記載は,月日が一致し,時刻もほぼ同じであること及び上記1(2)の平成27年9月15日の口頭審理において被請求人がした,乙第3号証の画像情報は,2012年に,ヤフーオークションサイトの実際の取引を確認する画面を出品時又は終了時画像ファイルとして保存したもので,当該ファイルのプロパティ情報の更新日時の日付が画像ファイルとして保存した日時であるとの陳述から,左側のウィンドウのヤフーオークションサイトの出品時の画面は,オークションの出品終了直後である「2012年4月8日 22:51:26」に画像ファイルとして保存されたものと推認することができる。
そうすると,乙3号証のその4に表された,左側のウィンドウのヤフーオークションサイトの出品時の画面と,乙3号証のその3は,ヤフーオークションサイトの出品時の画面とが同じであることから,乙3号証のその3のヤフーオークションサイトの出品時の画面に係るオークションへの出品は,2012年(平成24年)4月1日から同月8日に行われたものといえる。
これより,2012年(平成24年)4月1日から同月8日の間に,使用商品について,その右下に「DancingAngel 天使の舞」の文字(以下「使用商標」という。)を記載した写真は,商品名「ハンドメイドの天然石ストラップ」として,ヤフーオークションサイトにおいて販売を目的として掲載されたことが認められる。
イ 被請求人は,ヤフーオークションサイトの出品時の画面(乙3 その3)は,ヤフーオークションサイトの出品者の画面であって,当該画面の内容は長田昌子氏によるものである旨主張しているところ,(ア)乙3号証のその3のヤフーオークションサイトの出品時の画面には,「オークションは終了しましたが,落札者はいません。この商品を再出品することができます。」の記載があり,この記載は出品者に向けたものと認められるから,当該画面は,ヤフーオークションサイトの出品者用の画面であるといえること,(イ)長田昌子氏は,ヤフーオークションサイトに登録したことが認められること(乙1),(ウ)被請求人が提出する意匠公報(乙6)には,「【意匠権者】」の「【氏名又は名称】」の項に被請求人と共に長田昌子氏の氏名の記載及び「【意匠に係る物品】」の項に「身の回り品用携帯ストラップ」の記載があり,さらに,当該公報に掲載されている物品の図面と使用商品とは,両者がともに「ストラップ」であって,その形状について子細においては異なるものの,上記1(2)及び(5)のとおり,その特徴を共通にするものであることを踏まえれば,被請求人とともに本意匠権者の一人である長田昌子氏が,ヤフーオークションサイトに本意匠権と特徴を共通にするストラップを出品したことについて,被請求人の主張に不自然な点はなく,乙3号証のその3のヤフーオークションサイトの出品時の画面は,長田昌子氏に係る出品時の画面であると認め得る。
ウ 以上よりすると,長田昌子氏は,商品名「ハンドメイドの天然石ストラップ」として使用商品に使用商標を付した写真を,要証期間内である2012年(平成24年)4月1日から同月8日の間に,ヤフーオークションサイトに掲載したというべきである。
なお,請求人は,被請求人が提出するヤフーオークションサイトの画面(乙3 その4)等で示されている画面の画像ファイルの日付はフリーソフトウェア等で容易に改変できるので,登録商標の使用証拠として認めるべきものでないとして,その信用性を問題視するものの,抽象的に事後的な修正の可能性を指摘するのみであり,かかる指摘のみでは,上記の認定を左右するに足りないといわざるを得ない。
(2)本件商標の使用者
長田昌子氏は,被請求人の取締役であること及び被請求人の主張からすれば,本件商標の使用について,黙示の許諾を受けている通常使用権者と認められる(乙4)。
(3)使用商品及び商品
使用商品は,ヤフーオークションサイト(乙3 その3)において,その見出し中に「ハンドメイド 天然石ストラップ」として,上記1(2)のとおりの構成よりなる商品,いわゆる携帯電話,カメラ,かばん等の携帯用品に取り付けて使用するストラップである。
本件商標の指定商品である「根付」は,「巾着(きんちゃく)・煙草入・印籠(いんろう)などを帯に挟んで提げる時,落ちないようにその紐の端につける留め具。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)であって,使用商品は,その構成中の複数の薄ピンク色の半透明な球を繋げた部分が,帯等に挟んで提げる時,落ちないように紐の端につける留め具の役割を果たし得るものであるから,使用商品は商品「根付」と同一性を有する商品とみて差し支えないものである。
(4)本件商標と使用商標との同一性について
本件商標は「DancingAngel 天使の舞」の文字を横書きしてなるところ,
使用商標は「DancingAngel 天使の舞」の文字を書してなるものであるから,使用商標は,本件商標と社会通念上同一と認められる商標であることは明らかである。
(5)小活
以上によれば,本件商標の通常使用権者は,要証期間内である平成24年4月1日から同月8日に,日本国内において,本件請求に係る指定商品「根付」に関する広告(ヤフーオークションサイトへの販売を目的とした商品の掲載)を内容とする情報に,本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付して電磁的方法により提供したものと認めるのが相当である。
そして,上記使用行為は,商標法第2条第3項第8号に該当するものと認められる。
3 まとめ
以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,通常使用権者が本件請求に係る指定商品「根付」について,本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したと認め得る。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条により,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-06-16 
結審通知日 2016-06-21 
審決日 2016-07-04 
出願番号 商願2011-9650(T2011-9650) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X14)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 早川 文宏
平澤 芳行
登録日 2011-07-15 
登録番号 商標登録第5425250号(T5425250) 
商標の称呼 ダンシングエンジェルテンシノマイ、ダンシングエンゼルテンシノマイ、ダンシングエンジェル、ダンシングエンゼル、テンシノマイ 
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