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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0344
審判 全部申立て  登録を維持 W0344
審判 全部申立て  登録を維持 W0344
審判 全部申立て  登録を維持 W0344
管理番号 1318257 
異議申立番号 異議2015-900407 
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-09-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-12-25 
確定日 2016-08-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第5796647号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5796647号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5796647号商標(以下「本件商標」という。)は、「heaven Health & Beauty」の文字を標準文字により表してなり、平成27年5月7日に登録出願、第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧用マスク,肌の保湿クリーム,その他の化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」及び第44類「エステティック美容およびエステティック美容に関するカウンセリングならびに情報の提供,美顔・脱毛・マニキュア・全身トリートメントを主とするエステティック美容,ネイルケア美容,ネイルアート,爪のカット・甘皮の処理・やすりがけ・マッサージ・パック・ネイルアートを主とする手又は足の美容,美容,理容,リラクゼーションを目的とするリフレクソロジー,リラクゼーションマッサージ,リラクゼーションを目的とするアロマテラピー,整体,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,メンタルヘルスに関する指導及び助言,栄養の指導」を指定商品及び指定役務として、同年9月15日に登録査定、同年10月2日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第25号証を提出した。
1 申立人が使用する標章及び引用商標について
(1)申立人が設立した英国法人の名称は、「Heaven Health & Beauty Ltd.」であり、申立人のサロンは、「Heaven Health & Beauty Salon」(以下、これらをまとめて「申立人使用標章」という場合がある。)である。
(2)国際登録第1087567号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類、第25類及び第44類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2012年(平成24年)5月21日に国際商標登録出願(事後指定)されたものであるが、審査において拒絶をすべき旨の査定がなされ、これを不服とする審判の請求がされたところ、平成26年9月11日付けでその請求は成り立たない旨の審決がなされ、その後、その審決が確定している。
(3)登録第5661149号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年7月2日に登録出願、第41類に属する登録原簿の記載のとおりの役務を指定役務として、平成26年4月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第5776030号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成26年11月14日に登録出願、第44類に属する登録原簿の記載のとおりの役務を指定役務として、同27年7月3日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめて「引用商標」という場合がある。
2 申立人及び申立人の商品・役務について
申立人は、25年以上のセラピスト経験を持つ英国の有名な美容セラピストである。そして、申立人が1995年8月29日に設立した英国法人の名称は「Heaven Health & Beauty Ltd.」であり(甲2)、申立人のサロンは「Heaven Health & Beauty Salon」と称している(甲7)。
申立人の顧客には、英国王室のキャサリン妃、ヴィクトリア・ベッカムやカイリー・ミノーグなどの欧米の著名な芸能人が名前を連ねており、申立人のサロンでは、「heaven/BY DEBORAH MITCHELL」に係る第3類に係る商品「マッサージクリーム,化粧水等」、第44類に係る役務「マッサージ,スキンケア,ホディケア等」や第41類に係る役務「トリートメント技術の教授」を提供している(甲8ないし甲11)。
申立人のサロンとショップは、英国のシフナルに所在する本店(甲7)をはじめ、英国、欧州、米国、中東、アジア、南米に200店舗以上ある。アジアでは、台湾、香港、中国、タイ、シンガポール、日本に店舗がある(甲12ないし甲18には、一部のサロンとショップが記載されている)。
さらに、申立人は、ビジネスの現場での優れた業績を評価する「ビジネス界のアカデミー賞」と称される、米国のスティービーアワードの「ビジネス女性大賞」を2011年に受賞したのに続き、2012年には、引用商標に係る世界に知られた化粧品「Black Label Bee Venom Mask」によって銀賞を、さらに「ヨーロッパにおける女性企業家部門」で金賞を受けている。
このように、申立人はもちろん、そのサロン並びに引用商標に係る商品及び役務は、英国のみならず、世界中で広く知られている。
3 商標法第4条第1項第10号について
美容に意識の高い読者をターゲットにした日本の雑誌「GISELe 2014年7月号」(甲23)、「CLASSY 2014年12月号」(甲24)にて、申立人が確立したトリートメント法や商品が紹介されたことは、本件商標の商標権者(以下「商標権者」という。)がその「facebook」に記載している。加えて、「FRaU(web) 2013年9月26日付け」(甲25)でも申立人の商品が紹介されている。
また、商標権者は、本件商標が他人(申立人)の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であることを、2012年の使用開始前から明確に認識した上で、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をしているといえる。
したがって、本件商標は、他人(申立人)の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用するものである。
4 商標法第4条第1項第15号について
申立人は、25年以上のセラピスト経験を有し、長年の施術や研究により、独自のセラピー技術を確立し、化粧品を開発し、申立人使用標章及び引用商標を広く使用している。
商標権者が日本のサロンを開設した2012年より前の2011年11月30日付の記事(甲10)にあるように、申立人のトリートメント施術法や化粧品はイギリスの王室や世界の女優や著名人などに支持され、申立人の施術法の訓練を受けたセラピストによる施術を受けられるサロンは世界中に存在し、「Heaven Health & Beauty」及び引用商標は、申立人と関連して広く知られている。
したがって、本件商標の指定商品・役務の分野の需要者は、本件商標がその指定商品・役務について使用された場合には、別掲2のとおりの「heaven」の文字を大きく表した下の中央に前記文字の三分の一程の大きさで「HEALTH&BEAUTY」の文字を配した標章(甲3、以下「商標権者使用標章」という。)が申立人の業務に係る商品・役務と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
5 商標法第4条第1項第7号及び同項第19号について
商標権者は、申立人が確立した施術法によるトリートメントや化粧品を日本で提供するheavenJapanの運営会社であり(甲19ないし甲21)、現代表取締役は、大内田正文氏、前代表取締役は、大内田まゆみ氏であり(甲22)、日本での最初のサロンである西麻布本店を2012年7月に開店した。前代表者であり店長である大内田まゆみ氏やheavenJapanのトリートメント施術者は、申立人の施術法を学ぶため、英国へも訪れている(甲20)。
したがって、商標権者は、heavenJapanの運営会社として、「Heaven Health & Beauty」が申立人の英国法人名の一部であり、かつ、サロン名であることを、2012年7月の使用開始前から明確に認識していたのであるから、本件商標の登録出願日前に認識していたことは明らかである。
以上のことから、商標権者は、申立人がその法人名、サロン名に係る「heaven Health & Beauty」について、第3類、第44類に係る商標権を日本において取得していないことを奇貨として、申立人に無断で本件商標を剽窃的に登録出願し登録を得たものであり、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であることは明らかである。
また、上述のとおり、本件商標や商標権者使用標章は、他人(申立人)の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的(不正の利益を得る目的等不正の目的)をもって使用するものであることは明らかである。

第3 当審の判断
1 申立人使用標章及び引用商標及びの周知著名性について
(1)申立人使用標章及び引用商標の使用状況
ア HEAVEN HEALTH & BEAUTY LIMITEDの法人情報(甲2:2016年3月31日出力)には、設立が1995年8月29日である旨の記載がある。
イ ヘヴン自由が丘店のfacebook(甲3:2016年2月1日出力)には、本件商標の登録出願日後の2015年9月30日から2016年1月13日までのヘヴン自由が丘店からのお知らせが掲載され、その5頁目には、「ヘヴン自由が丘店さんがカバー写真を変更しました。/2015年11月10日」の記載があり、6頁目には、商標権者使用標章が表示されている。
なお、ここには、引用商標及び申立人使用標章は、表示されていない。
ウ 「CONTACT US」をタイトルとするウェブページ(甲7:2016年1月20日付け)には、その内容中に、「Heaven Health & Beauty Salon」及び「Heaven Health & Beauty Ltd/13a Market Place Shifnal Shropshire TF11 9AU」の記載がある。
エ 「蜂毒マスク!??英国皇室ご用達サロン『heaven』-凛・華・麗・美・優」をタイトルとするウェブページ(甲8:2013年3月30日付け)には、商品を展示している写真の中に引用商標が表示され、「イギリスのハイエンド・スキンケアの第一人者として知られるデボラ・ミッチェル。」、「もともとは小売用の化粧品ではなく、サロン使用なのでまだまだ百貨店などでは買えませんが、どうやらサロンに行けば試せそう。」、「西麻布の小高い丘に、さりげなくあるサロンには『英国王室御用達 heaven』の文字が」の記載がある。
オ 「キャサリン妃、カミラ夫人のビューティ・アドバイスを取り入れる」をタイトルとするウェブページ(甲10:2011年11月30日 発信地:ロンドン/英国)には、「トリートメントは、ロンドンを拠点に活動するビューティスペシャリスト、デボラ・ミッチェル(Deborah Mitchell)が担当。」、「デボラはフェイスやボディのトリートメント施術を行うほか、ビューティブランド『Heaven by Deborah Mitchell』をプロデュースし、オイルやマスクなどの商品を販売している。」の記載がある。
カ 「【ドクターズコスメ(ブランド別)>ヘヴン(Heaven)】TY America?TYアメリカ?」をタイトルとするウェブページ(甲11:2016年1月20日出力)には、引用商標の表示のもと、「ロンドンのサロン『ヘイルクリニック』のオーナー、デボラ・ミッチェルが25年以上の経験を生かして開発した質の高いオーガニックスキンケアブランドです。顧客であるイギリス王室のカミラ・パーカー・ボウルズの劇的な若返りで世界的に有名なブランドになりました。」の記載があり、また、マスクや保湿クリーム等が「【ヘヴン(heaven)】」の表示のもとに説明され、商品の写真が表示されている。
キ 「salon-nishiazabu|heaven japan」及び「salon-jiyugaoka|heaven japan」のウェブページ(甲15及び甲16)には、商標権者使用標章が表示され、また、サロン紹介として、その説明及びサロンの写真中に引用商標が表示されている。
ク 「ブログ-自由が丘&富士河口湖 初上陸!」のウェブページ(甲17:2016年1月12日付け)には、商標権者使用標章及びその下に大きく「DEBUT」と三段に表示され、甲第16号証と同じ店内の写真が表示されている。
ケ 「heaven japan」のウェブページにおいて(甲19)、その一葉目には、商標権者使用標章が表示され、また、2015年1月6日付け「ヘブンジャパン(ヘヴンジャパン)」及び同13日付け「ヘヴン自由が丘店」からのお知らせが記載され、2葉目には、「heaven japanについて」として、「へヴン【heaven】はデボラ・ミッチェルにより英国で誕生しました。」の記事、及び、3葉目には、「heaven主催 Deborah Mitchell氏が来日しました!」の見出しのもと、「2012年5月にDeborah Mitchell氏が来日しました。」の記載がある。
コ ヘブンジャパンfacebook(甲20:2013年7月6日付け)には、「heavenの創設者デボラ・ミッチェルにお会いするのは約1年振り。・・・heavenの本店『Heaven Health & Beauty Ltd.』は、ロンドンから車で約2時間半のシュロップシャー州のシフナルという街にあります。」の記載がある。
サ 「マヌカハニーでスキンケア!BeeVenom(蜂毒)クリーム|サロンご紹介」のウェブページ(甲21:2016年4月2日出力)には、「Heaven西麻布本店」の見出しのもと、店内の写真には、商品が展示されている棚に引用商標が表示され、「2012年7月西麻布においてヘヴン本店開店。」の記載があり、また、2頁目の「Heavenヘヴンラビスタ富士河口湖店」の店内等には、商標権者使用標章が表示されている。
シ 「ヘブン ジャパン」をタイトルとするfacebookの記事(甲23:2014年5月28日)であり、これには、雑誌「GISELe」(2014年7月号)に、「ヘヴン/heaven」、「自由が丘店」が紹介されたことなどが記載されている。
ス 「ザ・キャサリン妃ビューティ」のウェブページ(甲25:2013年9月26日更新)には、「蜂の毒でケア」の見出しのもと、「エステサロンheaven BY DEBORAH MITCHELLの、蜂の毒入りトリートメント施術とホームケア用マスク(12)。」の記載がある。
(2)判断
上記(1)によれば、申立人は、英国の皇室御用達でスキンケアの第一人者として、英国においてある程度知られているものであって、1995年8月29日、英国のシフナルに「Heaven Health & Beauty Ltd.」を設立し、申立人が開発したクリームやマスク及びサロンの商品展示棚に、引用商標が付されていることが認められる。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠によっては、会社名として「Heaven Health & Beauty Ltd.」が存在していることが認められるものの、サロン名としての「Heaven Health & Beauty Salon」を使用している事実が見いだせず、これをもって、申立人使用標章が外国及び日本国内で広く知られているということはできない。
また、申立人の取り扱いに係る引用商標が付された化粧品は、小売用ではなくサロン使用とされるものであって、商品やサロンにおいては、「ヘヴン」及び「heaven」と表示されて紹介され、その具体的な販売に係る数量、地域、売上、広告の範囲や回数及び市場占有率等は証明されていない。
以上を総合すると、申立人使用標章及び引用商標は、甲各号証のみによっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時に申立人の取り扱いに係るサロン、引用商標に係る商品及び役務の出所を表示する商標として取引者、需要者間において広く認識されるに至っていたと認めることはできない。
2 不正の目的について
提出された証拠によれば、商標権者は、申立人の施術法によるトリートメント、クリーム等を提供するheavenJapanの運営会社であって、2012年7月に西麻布にヘヴン本店を開店し、該サロンの商品展示棚に付された引用商標は、申立人の商品を表示、販売するためのものといえる。
そして、商標権者が不正の目的を持って本件商標を使用するものであると認めるに足りる証拠は見いだせない。
3 本件商標と申立人使用標章及び引用商標との類否
(1)本件商標と申立人使用標章との類否
本件商標は、前記第1のとおり、「heaven Health & Beauty」の文字からなるところ、その構成中のそれぞれの単語は特定の意味を有するものの、これらを結合した一連の態様では、辞書等に掲載が認められず、一種の造語として認識され得るものであり、「ヘブンヘルスアンドビューティ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
他方、申立人使用標章は、「Heaven Health & Beauty Ltd.」の商号及び「Heaven Health & Beauty Salon」のサロン名であるところ、商号における「Ltd.」の文字は、「株式会社」を表す語として略称されるものであり、また、「Salon」の文字は、各施術をするビューティサロンにおいては、省略される場合も少なくないものとするのが相当であって、それぞれ「Ltd.」及び「Salon」の文字を除いた「Heaven Health & Beauty」の文字が自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を有するものといえる。
そうすると、申立人使用標章からは、「ヘブンヘルスアンドビューティ」の称呼をも生じるものといえる。
したがって、本件商標と申立人使用標章とは、大文字、小文字の違いがあるとしても、文字綴りを同じくするものであり、「ヘブンヘルスアンドビューティ」の称呼を同一にするから、両者は類似するものといえる。
(2)本件商標と引用商標との類否
本件商標は、「heaven Health & Beauty」の文字からなり、引用商標は、別掲1のとおり、「heaven」の文字(語頭の「h」及び語尾の「n」をややデザイン化し、「hea」及び「en」を密着して表している。)を大きく表した下に「BY DEBORAH MITCHELL」(横幅は、語尾の「n」の右端までである。)の文字を配してなるところ、両者は、外観において、前者が標準文字で一連に表し、後者は二段に表しているという明らかな差異を有し、その印象が異なることから、外観上、明らかに区別できるものである。
次に、本件商標は、その構成各文字が同じ書体、同じ大きさで、まとまりよく表されており、視覚上いずれかが特に強い印象を与える部分とは見て取れないものであって、一体不可分の商標として認識、把握されるとみるのが相当である。そして、該構成文字から生じると認められる「ヘブンヘルスアンドビューティ」の称呼は、無理なく一連に称呼し得るものである。
他方、引用商標は、その構成文字全体に相応して「ヘブンバイデボラミッチェル」の称呼を生じるほか、その上段と下段の文字の大きさ、書体を異にするものであって、それぞれ視覚的に分離して看取されるとするのが相当であり、大きく表された上段の「heaven」の文字に相応して「ヘブン」の称呼及び「天国」の観念を生じるものといえる。また、下段の「BY DEBORAH MITCHELL」の文字においても自他商品及び自他役務の識別標識として機能するというべきであるところ、該構成文字中「BY」の文字は、「・・・によって(製造)」等の意味を有するものであるから、省略される場合も少なくないものであって、「DEBORAH MITCHELL」の文字に相応して「デボラミッチェル」の称呼をも生じるものといえる。
してみれば、本件商標から生ずる「ヘブンヘルスアンドビューティ」の称呼と引用商標から生ずる「ヘブンバイデボラミッチェル」、「ヘブン」及び「デボラミッチェル」の称呼とは、構成音数及び音構成が相違するものであるから、音調、音感が異なり、両商標は、称呼上、明確に聴別し得るものである。
そして、観念においては、本件商標は、上記(1)のとおり、特定の観念を生じないものであって、引用商標は、少なくともその構成文字中上段に表された「heaven」の文字からは、「天国」の観念を生じ得るものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において類似するとはいえない。
以上によれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
4 商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標と引用商標とは、上記3のとおり、類似するとはいえない。
また、本件商標と申立人使用標章とは、類似するということができるとしても、前記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていたということはできないものである。
したがって、本件商標は、その指定商品及び指定役務と引用商標及び申立人使用標章の使用に係る商品及び役務の類否について論及するまでもなく、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
5 商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標と申立人使用標章が類似するものであり、また、本件商標と引用商標が類似しないものであるとしても、申立人使用標章及び引用商標は、前記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていたということはできないものである。
してみれば、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品及び役務が申立人又は同人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
なお、申立人の提出した証拠によっては、本件商標と申立人使用標章及び引用商標とが取引者、需要者において現実に出所の混同を生じている事実を認め得る具体的、客観的証左は見いだせないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
6 商標法第4条第1項第7号及び同項第19号該当性について
申立人使用標章及び引用商標は、前記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていたということはできないものである。
そして、前記2のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、商標権者が不正の目的を持って本件商標を使用するものであると認めるに足りる証拠は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くと認めるべき事情が存するものということはできず、かつ、使用商標の周知著名性へただ乗りする等、不正の目的をもって使用されるものであるということもできない。
その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標に該当すると認めるべき理由も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当しない。
7 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 引用商標




別掲2 商標権者使用標章




異議決定日 2016-07-27 
出願番号 商願2015-43118(T2015-43118) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W0344)
T 1 651・ 271- Y (W0344)
T 1 651・ 25- Y (W0344)
T 1 651・ 222- Y (W0344)
最終処分 維持 
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
清棲 保美
登録日 2015-10-02 
登録番号 商標登録第5796647号(T5796647) 
権利者 株式会社D-EX
商標の称呼 ヘブンヘルスアンドビューティ、ヘブンヘルスビューティ、ヘブンヘルス、ヘブン、ヘルスアンドビューティ、ヘルスビューティ 
代理人 名古屋国際特許業務法人 
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