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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20186893 審決 商標
異議2016900059 審決 商標
不服20196052 審決 商標
無効2016890064 審決 商標
不服20179999 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項14号 種苗法による登録名称と同一又は類似 登録しない W41
管理番号 1318141 
審判番号 不服2015-20434 
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-11-16 
確定日 2016-07-22 
事件の表示 商願2012-85150拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「元祖 日本維新の会」の文字を縦書きしてなり、第41類「技芸、スポーツ又は知識の教授,図書及び記録の供覧,美術品の展示,電子出版物の提供,通訳、翻訳,写真の撮影」を指定役務として、平成24年10月22日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『元祖 日本維新の会』の文字を表してなるところ、その構成中に、大阪府大阪市中央区島之内1-17-16に主たる事務所を置く、公益に関する非営利目的の団体である政党名を表示するものと認められる『日本維新の会』の文字を顕著に有するものである。そして、日本維新の会は、平成24年9月の発足後、同年12月に行われた衆議院選挙における比例代表選挙で、自由民主党の約1662万票に次ぐ約1226万票を獲得し(総務省報道資料別紙2<http://www.soumu.go.jp/main_content/000269498.pdf>)、自由民主党、民主党に次ぐ第3党に躍進し、その後、同政党は一度解党したものの、平成26年9月に結いの党を統合し維新の党へ党名を変更するまで存続していた。また、該『日本維新の会』の文字は、政党の名称として新聞記事やテレビジョン放送等で度々報道されていることからすれば、我が国の政党として一般に広く知られているものと認められ、同政党を表示する標章である『日本維新の会』の文字は、今なお一般に広く知られているというのが相当である。そうすると、本願商標は、公益団体である『日本維新の会』を表示する著名な標章と類似するものである。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第6号について
商標法第4条第1項第6号は、「国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であつて営利を目的としないもの又は公益に関する事業であつて営利を目的としないものを表示する標章であつて著名なものと同一又は類似の商標」とされており、これに該当する商標は、商標登録を受けることができない。
そして、商標法第4条第1項第6号の趣旨は、同号所定の公的機関、非営利公益団体及び非営利公益事業(以下「公的機関等」という。)を表示する標章であって著名なものと同一又は類似の商標が商標登録を受けると、当該商標の使用状況等によっては、公的機関等の権威や信用が損なわれたり、また、当該商標に関する業務が公的機関等に関わるものであるなどの誤解を招き、需要者・取引者に損害を与えるという弊害が生じ得ることから、そのような商標の登録を禁じることによって、上記弊害の発生を阻止し、公的機関等の権威及び信用を保持するとともに、出所混同の防止により需要者・取引者の利益を保護するものと解される。
(2)本願商標は、前記1のとおり、「元祖 日本維新の会」の文字よりなるところ、その構成中の「元祖」の文字は、やや小さく表されており、また、1文字程度の隙間をもってこれに続く「日本維新の会」の文字は、大きく表されてなるものである。
ところで、「日本維新の会」の文字については、総務省報道資料における「政党助成法に基づく政党の届出(平成26年1月1日現在)の概要」における別紙1及び別紙2の記載によれば、大阪府大阪市中央区島之内1-17-16に主たる事務所を置き、国会議員62人(衆議院53人、参議院9人)が所属する我が国の政党の名称であったことが認められる。
そして、政党としての「日本維新の会」は、平成26年9月21日に名称変更して、「維新の党」となり、さらに、同28年3月27日に、「民主党」と合併し、「民進党」の名称となっている。
(http://www.soumu.go.jp/main_content/000317150.pdf)
(http://www.soumu.go.jp/main_content/000405601.pdf)
また、上記「維新の党」からは、平成27年11月に維新の党から離党した議員が「おおさか維新の会」を結成し、政党となっている(新聞情報記事、総務省報道記事)。
( http://www.soumu.go.jp/main_content/000384139.pdf)
さらに、該「日本維新の会」は、資金面において政治資金規正法による規制を受けていることからすれば、営利を目的としないものといえ、かつ、政治資金規正法における政治団体(政治資金規正法第3条第1項)及び政党助成法における政党(政党助成法第2条)に該当することから、公益に関する団体ということができる。
そうすると、「日本維新の会」(名称)という政党は、商標法第4条第1項第6号所定の「公益に関する団体であって営利を目的としないもの」に該当する。
加えて、「日本維新の会」は、平成24年の衆議院議員総選挙及び平成25年の参議院議員通常選挙において、野党の中でも上位の票数を得ており、上記のとおり、平成26年1月1日時点において、53名の衆議院議員及び9名の参議院議員が同党に所属していることに鑑みると、前記政党を表示する「日本維新の会」の標章は、著名なものと認められる。
してみれば、「日本維新の会」の標章は、公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものといえる。
そして、拒絶査定時である平成27年8月6日(起案日)の時点において、「日本維新の会」は名称変更して「維新の党」になっていたものと認められるが、現在、存在する政党の「おおさか維新の会」とその母体となった「日本維新の会」との関係を考えるならば、「日本維新の会」の標章は、その政党の名称変更後においても、当面は、その出所の混同を防止するために、同一又は類似の商標の登録を妨げるべき事由となるべきものである。
そうすれば、本願商標は、「元祖」の文字を有するとしても、看者の注意を強く惹き、要部として印象付ける著名な「日本維新の会」の標章を、その構成中に含むものであるから、当該「日本維新の会」の標章に類似する商標と認められる。
したがって、本願商標は、公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものと同一又は類似の商標であるから、商標法第4条第1項第6号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、「『日本維新の会』なる標章は、使用されないため既に著名性を失い、かつ公益に関する団体ではないし、営利を目的としないものを表示する商標ではなく、また、本願商標である『元祖日本維新の会』と『日本維新の会』とは全く異なる商標であり、本願商標が著名なものと類似とすることはできない」旨を主張している。
しかしながら、本願商標は、「日本維新の会」の文字を要部として含むものであるから、前記著名な標章「日本維新の会」と同一又は類似の商標である。
また、「日本維新の会」の名称は、現在は名称変更されてしまったものではあるが、「日本維新の会」の標章は、その後においても、当面は、これを母体とした政党である「おおさか維新の会」が存在していることからしても、その出所の混同を防止するために、同一又は類似の商標の登録を妨げるべき事由となるものである。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
(4)むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-04-25 
結審通知日 2016-05-13 
審決日 2016-06-01 
出願番号 商願2012-85150(T2012-85150) 
審決分類 T 1 8・ 21- Z (W41)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 豊瀬 京太郎海老名 友子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
清棲 保美
商標の称呼 ガンソニッポンイシンノカイ、ニッポンイシンノカイ、ニッポンイシン、イシンノカイ、イシン 

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