• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W0944
審判 一部申立て  登録を維持 W0944
審判 一部申立て  登録を維持 W0944
管理番号 1317258 
異議申立番号 異議2016-900033 
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-08-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-02-09 
確定日 2016-07-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5809186号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5809186号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5809186号商標(以下「本件商標」という。)は,「LAAS」の欧文字を横書きしてなり,2012(平成24)年9月5日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成25年3月5日に登録出願,同27年11月16日に登録査定がされ,第9類「コンピュータソフトウェア,医療データの医療監視及び分析用コンピュータソフトウェア,体液の分析用コンピュータソフトウェア,医療専門家と患者の間の通信及びデータ転送用コンピュータソフトウェア,コンピュータハードウェア,携帯情報端末装置,電子出版物,電子応用機械器具及びその部品」及び第44類「患者の健康状態の診断及び治療のための医療サンプルの色素及び色に関する医療分析,血液分析,医療診断(検査及び分析),血液の採取及び保存,医療診断(検査及び分析)に関するコンサルティング,薬物の使用に関する検査,薬物・アルコールの存在を測定するための医療検査,医療を目的とした遺伝子検査,患者の医療記録・経過の管理,医療相談,医療情報の提供,医療スクリーニング検査,医業,診断又は治療目的の医療検査,ウェブサイトを利用した医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤」並びに第10類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同27年11月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5266941号商標(以下「引用商標」という。)は,「ラース」の片仮名と「RaaS」の欧文字を二段に横書きしてなり,平成21年2月3日に登録出願,第42類「電子計算機用プログラムの提供」を含む第35類,第42類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同21年9月18日に設定登録され,その後,商標登録の取消審判により,指定役務中,第44類「医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤」及び第42類「医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究」について取り消すべき旨の審決がされ,同27年6月11日及び同年7月6日にその確定審決の登録がされ,現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その指定商品及び指定役務中,第9類「コンピュータソフトウェア,医療データの医療監視及び分析用コンピュータソフトウェア,体液の分析用コンピュータソフトウェア,医療専門家と患者の間の通信及びデータ転送用コンピュータソフトウェア,コンピュータハードウェア,携帯情報端末装置,電子応用機械器具及びその部品」及び第44類「全指定役務」について,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,「LAAS」の欧文字を書してなるものであるから,この欧文字に相応して「ラース」の称呼を生じること明らかである。
他方,引用商標は,「RaaS」の欧文字と,その上段に読みを付した「ラース」の片仮名からなものであるから,これから「ラース」の称呼を生じるものである。
してみれば,本件商標と引用商標は,共に「ラース」の称呼を共通にする類似のものである。
本件商標と引用商標は,その指定商品又は指定役務も同一又は類似のものである。なお,類似商品・役務審査基準(発明推進協会発行)では,「第9類の『電子計算機用プログラム』は,第42類『電子計算機用プログラムの提供』に類似する。」旨備考として記載されている。
2 まとめ
したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は,「LAAS」の欧文字よりなるところ,該文字は,辞書等に掲載されていない文字であって,特定の意味合いを有しない造語といえるものである。
そうすると,本件商標は,その構成文字に相応して,一文字一文字を区切って発音する場合には,「エルエーエーエス」の称呼を生じ,また,英語読み風に一気一連に発音する場合には,「ラース」の称呼を生じるものであり,特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は,「ラース」の片仮名と「RaaS」の欧文字を二段に横書きしてなるものであるところ,上段の片仮名は下段の欧文字の読みを特定したものと看取,把握されるものというべきであり,その構成文字に相応して,「ラース」の称呼を生じるものである。
また,該文字は,特定の意味合いを有しない造語であるから,特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 外観について
本件商標と引用商標の構成は,前記(1)及び(2)のとおりであるところ,両者は,その全体の外観においては,構成文字及び態様の相違により相紛れるおそれのないことが明らかである。
また,本件商標の「LAAS」の文字部分と引用商標の構成中の「RaaS」の文字部分とを比較しても,語頭における「L」と「R」の文字の差異により,十分区別することができる。
イ 称呼について
本件商標からは,前記(1)のとおり,「エルエーエーエス」と称呼される場合と「ラース」と称呼される場合があるのに対し,引用商標からは,前記(2)のとおり,その構成中の片仮名の「ラース」は,「RaaS」の文字の読みを特定するものであるから,「ラース」の称呼が生じる。
そうすると,両者から「ラース」の称呼を生じる場合は,称呼を同じくするものであるが,本件商標から生じる「エルエーエーエス」の称呼との比較においては,構成音数,構成音の差異により,明瞭に聴別し得るものである。
ウ 観念について
本件商標と引用商標とは,いずれも特定の観念を生じないものであるから,観念上,両商標を比較することはできず,観念において相紛れるおそれのないものである。
エ 取引の実情について
本件商標の指定商品及び指定役務に係る取引又は引用商標の指定役務に係る取引において,本件登録出願時及び登録査定時に,商標の称呼のみによって取引が行われる実情があることをうかがわせる証拠の提出はない。
オ 小括
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,「ラース」の称呼を共通にする場合があるとしても,外観において明確に区別でき,観念においても相紛れるおそれはないものであって,さらに前記認定の取引の実情を総合勘案すれば,両商標は,互いに紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって,本件商標の指定商品中の「電子計算機プログラム」の範ちゅうに属する商品と引用商標の指定役務中の「電子計算機プログラムの提供」の類否について論及するまでもなく,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
2 まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,その登録異議の申立てに係る指定商品及び指定役務について,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2016-07-01 
出願番号 商願2013-15547(T2013-15547) 
審決分類 T 1 652・ 263- Y (W0944)
T 1 652・ 262- Y (W0944)
T 1 652・ 261- Y (W0944)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉田 聡一大澤 恒介山本 敦子 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 中束 としえ
平澤 芳行
登録日 2015-11-27 
登録番号 商標登録第5809186号(T5809186) 
権利者 セラノス, インコーポレイテッド
商標の称呼 エルエイエイエス、ラアス、ラース 
代理人 石川 大輔 
代理人 森下 夏樹 
代理人 山本 健策 
代理人 飯田 貴敏 
代理人 山本 秀策 
代理人 大野 浩司 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ