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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z30
管理番号 1315768 
審判番号 取消2015-300524 
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-07-09 
確定日 2016-05-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第4538193号の1の2商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4538193号の1の2商標(以下「本件商標」という。)は、「大吉」の文字を標準文字で表してなり、平成12年9月29日に登録出願、同14年1月25日に設定登録されたものであり、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、平成27年7月29日である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第30類「ぎょうざ,しゅうまい,たこ焼き,べんとう,ラビオリ,茶わん蒸し,オムレツ,スコッチエッグ,粥,ぞうすい」については、その登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、第30類「ぎょうざ,しゅうまい,たこ焼き,べんとう,ラビオリ,茶わん蒸し,オムレツ,スコッチエッグ,粥,ぞうすい」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていない。
なお、請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第11号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 はじめに
被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録日前3年(以下「要証期間」という。)内に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中の「べんとう」について、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を使用しており、請求人の主張には根拠がない。
2 商標権者による使用の態様及び各証拠について
(1)被請求人
被請求人は、飲食料品や生鮮食品等の食品を主とするスーパーマーケットを東海地方において広くチェーン展開している会社である。
(2)店舗内売り場写真1
乙第2号証の1、乙第3号証の1並びに乙第5号証の1及び2は、2014年5月ないし8月に、被請求人のマックスバリュ浜北店、福田店、静岡曲金店及び御殿場東田中店において従業員が撮影した売り場の写真である。POPや価格表示には「母の日は大吉の寿司で」、「大吉。惣菜のコラボ弁当!!母の日に和風弁当は、いかがですか?天ぷらと煮物と五目ちらしが入ってます。」、「大吉寿司」などの文言及び1パックあたりの価格などが表示され、これらの下にちらし寿し等の食品が陳列されているのが見て取れる。これらの商品が実際に販売されたことを実証すべく、被請求人会社保管、従業員の作成に係るPOSデータの写し(乙2の2、乙3の2、乙5の3)を提出する。
(3)店舗内売り場写真2
乙第4号証の1は、2014年7月12日に被請求人のマックスバリュ浜北店において従業員により撮影された売り場の写真である。POPには「土用の丑には大吉の寿司で」、「塩とレモンで食べる唐揚弁当 一押し」等の文言及び1パックあたりの価格等が表示されている。乙第4号証の2は、上記「塩とレモンで食べる唐揚弁当」と同様の商品が中央に写っている写真であり、2014年7月19日に、マックスバリュ清水町徳倉店において従業員により撮影されたものである。1パックの中に、握りずしと唐揚様の食品が入っているのが見て取れる。これらの商品が実際に販売されたことを実証すべく、被請求人保管、従業員の作成に係るPOSデータの写し(乙4の3)を提出する。
(4)広告チラシ
乙第6号証ないし乙第8号証は、広告チラシの写しであり、2014年6月ないし8月に、乙第6号証ないし乙第8号証の広告チラシそれぞれ約92万部が被請求人の約100店舗に配布された。「塩とレモンで食べるからあげ弁当」、「海鮮 富士山カップちらし」などについて、「大吉寿し」との表示がある。なお、チラシに記載された日付けと曜日から、同チラシが2014年に発行されたものであることが分かる。これらの商品が上記期間に実際に販売されたことを実証すべく、被請求人保管、従業員の作成に係るPOSデータの写し(乙6の2、乙7の2、乙8の2)を提出する。
(5)販促用ポスター
乙第9号証の1は、2015年3月に被請求人が印刷会社に発行を依頼し、同年4月の1か月間に96店舗で掲示された販促用ポスターの写しである。同ポスターの最下部には「大吉寿し」の表示があり、中段には「海鮮丼【まぐろ】」等の表示がある。全体の構成より、ポスターに掲載されている商品はいずれも「大吉寿し」において販売されていると見て取れる。乙第9号証の2は、当該ポスターを印刷会社に発注した際、印刷会社宛に送付した書類の一部であり、「展開場所/方法」の欄の「大吉売場」との記載は、乙第2号証、乙第4号証及び乙第5号証の1等の売り場で掲示されていたことを示す。
(6)商品用パック納品時に用いるラベルシール
乙第11号証の1及び2は、被請求人が、「和風弁当」、「塩とレモンで食べるからあげ弁当」等の商品用のパック容器の納品を仕入先業者から受ける際に使用しているラベルシールの写真(2015年9月8日、マックスバリュ豊田店において従業員撮影にかかるもの)であり、撮影日自体は要証期間後であるものの、2009年11月頃から継続して使用しているものである。被請求人は、同ラベルシールを事前に仕入先業者に配布しておき、仕入先業者が納品時に上記商品用のパック容器が入った段ボール箱に貼付して各店舗に持参する旨取り決めをしている(乙10)。
3 使用商標「大吉寿し」について
被請求人は、主に広告チラシにおいて、上記「塩とレモンで食べるからあげ弁当」、「海鮮 富士山カップちらし」等の各商品につき「大吉寿し」を使用するものであるが、指定商品との関係で「大吉寿し」中の「寿し」は「すし」と同義であり、本件商標の指定商品中に「すし」が含まれていること及び上記各商品が「すし」を含むものであることからすれば、「大吉寿し」中の「寿し」の文字は、商品「すし」そのものを表示するもの、すなわち商品の普通名称を表示したものとして取引者及び需要者に認識し理解されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有しないというべきである(同旨、取消2014-300378、取消2005-31504等)。
よって、本件使用商標の一である「大吉寿し」の識別標識としての要部が「大吉」の文字部分にあることは明白である。需要者及び取引者においても、「大吉寿し」を単に「大吉」と認識しうるものであり、本件商標「大吉」と「大吉寿し」とは、社会通念上同一と認められる商標である。
4 指定商品「べんとう」について
被請求人は、指定商品「すし」につき本件商標を使用したものであり、指定商品「べんとう」について本件商標を使用したものでない、との反論が一応ありうると思われるため、以下のとおり述べる。
(1)指定商品についての基準
不使用取消審判請求事件において、登録商標を現実に使用している商品が、当該登録商標の指定商品に該当するか否かは、形式的、画一的に判断すべきでなく、商品の名称や構成、販売時の広告態様、本件商品及びこれと同種の商品についての使用状況やこれらから推認される取引者及び需要者の認識、社会通念等に照らしてこれを実質的に判断すべきとされ、具体的な一つの商品が、複数の用途を有し、指定商品との関係で複数の商品に該当し得ることがあり得るとされる(知財高裁平成24年12月5日判決など)。
(2)「べんとう」が多義的であること
「べんとう」とは、「携帯用の容器に入れた食べ物で、本来は外出先で食べるための携帯用の食事であるが、近年は家庭や会食などで用いられることが多く、その種類も豊富なことで知られる。そして、『べんとう』は、米飯、パン、麺類などを主食とし、これに幾品かの副食物(おかず)が添えられるのが一般的な態様であるところ、主食はともかく、副食物に用いられる食材は様々であって、その調達や調理の方法も多岐にわたるため、専門の業者により製造される場合が多く、デパート、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの食品売場で販売されるほか、最近は製造も販売も行う弁当専門店などもでき、家庭、職場、行楽などでも気軽に楽しまれているのが実情である」(取消2001-30173)とされている。特許庁登録例においても、「すしべんとう」、「すしを主とするべんとう」、「そばを用いたべんとう」、「ぎょうざ入りのべんとう」、「めん類のべんとう」等の登録例があることに鑑みても、「べんとう」は比較的多義的な概念を有する指定商品であると理解される。
(3)被請求人における取扱い
被請求人においては、従来、「大吉部」の名称下にて、すしを主とする食品や惣菜、「和風弁当」、「塩とレモンで食べるからあげ弁当」、「海鮮 富士山カップちらし」等の商品を店舗ごとに同じ調理場で製造及び販売している(乙10)。
また、各乙号証における店舗での陳列状況及び広告チラシ等における表示態様を見ても、上記商品は全て同種の弁当や惣菜等のうちの一商品として位置づけられている。
すなわち、これら商品は、全て同じ原材料、生産部門、販売経路及び需要者において流通するものである。
(4)小括
本件で、「和風弁当」や「塩とレモンで食べるからあげ弁当」といった商品は、上記のような取引実情があることのほか、いずれも主食と副食物を併せた個別の容器詰めで製造・陳列・販売され、取引者及び需要者が「べんとう」の一として認識すると解するのが自然であるから、披請求人は、要証期間内に本件商標と実質的に同一又は社会通念上同一の「大吉寿し」の表示を指定商品「べんとう」に使用したことは明らかである。
5 本件商標「大吉」について
被請求人は、指定商品「べんとう」を含むすしを主とする食品や惣菜、上記商品等について、本件商標と社会通念上同一の商標を、登録時より継続して、売場のPOPや広告チラシ等において使用しているのみならず、取引先業者との関係においても本件商標を継続的に使用している(乙10、乙11)。なお、現在、多くの企業と同様に、被請求人においては、ペーパーレス化・デジタル化の方針が採られていることにより、注文書、納品書、物品領収書等のいわゆる取引書類は、バーコード等のラベルに代替され、一元的に管理されているから、乙第11号証のようなラベルは取引書類に含まれるものと解される。
本件商標は、既に、被請求人の上記使用によって蓄積された信用を化体するに至っているものであり、需要者及び取引者は、本件商標を被請求人の出所識別標識と認識して取引に当たっているといえる。仮に本請求により、取消対象たる指定商品について本件商標の登録が取り消されるならば、信用が化体した商標を保護しようとする商標法の趣旨に反する結果となる。
6 結語
上記のとおり、被請求人は、要証期間内に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中の「べんとう」について、本件商標及び本件商標と実質的に同一又は社会通念上同一の商標を使用している。

第4 当審の判断
被請求人は、商標権者(被請求人)が、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を本件審判の請求に係る指定商品中「べんとう」について使用している旨主張し、乙各号証を提出している。
1 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる。
(1)乙第4号証の1の写真は、一見して弁当やすしと認識される商品が陳列された売り場を撮影したものであって、そこには、「土用の丑には大吉の寿司で」(「土」の文字は一部が隠れているが該文字と推認できる。)の文字が表示されたPOP広告及び「塩とレモンで食べる唐揚弁当」の文字が表示されたPOP広告が展示されている。そして、「塩とレモンで食べる唐揚弁当」の文字が表示されたPOP広告中には、巻きずしと握りずしが添えられた弁当が表示されている。また、写真の右下には「2014/07/12」の表示がある。
(2)乙第4号証の3(1枚目)は、コンピュータの画面をプリントアウトした書面であり、そこには、「期間」の欄に「2014年07月12日(土)-2014年07月12日(土)」、「企業-1」及び「企業-2」の欄に「マックスバリュ東海」並びに「店舗」の欄に「MV浜北店」の記載があり、下段の表には、「塩とレモンで食べる唐揚弁当1パック」の欄に、販売数量及び販売金額が記載されている。
2 判断
上記1の事実からすれば、次のとおり判断できる。
(1)商標権者は、2014年7月12日に、自己の店舗であるマックスバリュ北浜店において、「塩とレモンで食べる唐揚弁当」を販売したと認められ(乙4の3)、そして、同日に、弁当やすしと認識される商品が陳列された売り場において、「塩とレモンで食べる唐揚弁当」のPOP広告があること(乙4の1)からすると、当該売り場は、商標権者のマックスバリュ北浜店であるといえる。
そうすると、商標権者は、2014年7月12日に自己の店舗の弁当やすしの売り場において、「土用の丑には大吉の寿司で」の文字が表示されたPOP広告及び「塩とレモンで食べる唐揚弁当」の文字が表示されたPOP広告を展示し、巻きずしと握りずしが添えられた「塩とレモンで食べる唐揚弁当」という商品を販売していたと認められる。
(2)POP広告を展示した2014年(平成26年)7月12日は、要証期間内である。
(3)巻きずしと握りずしが添えられた「塩とレモンで食べる唐揚弁当」は、本件請求に係る指定商品中の「べんとう」の範ちゅうに含まれるものである。
(4)「土用の丑には大吉の寿司で」の文字が表示されたPOP広告においては、その文言の意味から該表示中の「大吉」の文字が商品の出所表示と認識され、自他商品識別標識としての機能を果たしているものと判断するのが相当である。
そして、該「大吉」の文字は、上記第1のとおり「大吉」の文字からなる本件商標と構成文字を同じくするものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
(5)上記(1)ないし(4)からすれば、商標権者は、要証期間内に、商品「べんとう」に関する広告に本件商標と社会通念上同一の商標を付して展示したといえ、当該行為は、商標法第2条第3項第8号に該当するものである。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、要証期間内に日本国内において、商標権者が本件審判の請求に係る指定商品中「べんとう」について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していたことを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-03-23 
結審通知日 2016-03-25 
審決日 2016-04-07 
出願番号 商願2000-112429(T2000-112429) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z30)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 吉野 晃弘 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 土井 敬子
原田 信彦
登録日 2002-01-25 
登録番号 商標登録第4538193号の1の2(T4538193-1-2) 
商標の称呼 ダイキチ、オーヨシ、ダイキツ 
代理人 宮永 栄 
代理人 西村 雅子 
代理人 竹内 彩香 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
代理人 板岡 智子 
代理人 高橋 孝仁 
代理人 柴田 泰子 
代理人 田畑 浩美 
代理人 佐藤 勝 
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