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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y09 |
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管理番号 | 1315752 |
審判番号 | 取消2014-300808 |
総通号数 | 199 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2016-07-29 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2014-10-06 |
確定日 | 2016-05-20 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5015357号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5015357号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成17年7月21日に登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品」を含む、第9類、第16類、第41類、第42類及び第44類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同19年1月5日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録の日は、平成26年10月27日である。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を「本件商標は、請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者専用使用権又は通常使用権者のいづれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきものである。」旨述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 なお、請求人は、被請求人の答弁に対して何ら弁駁していない。 3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。 (1)被請求人は、放射線治療の進歩・発展を目的として1924年に設立された、放射線治療の専門医及びその他の専門家によって構成される米国の非営利団体である(乙1)。 被請求人は、2014年の時点において37,000人以上の専門家によって構成されており、放射線治療の分野に関する、インターネットや出版物を通じた情報の提供、技術規格の制定・標準化、教育プログラムの実施、書籍やe-ラーニング用ソフトウェア等の教材の制作・販売、基金の運営、仕事の斡旋等の活動を行っている。 本件商標は、被請求人の名称「The American College of Radiology」及びその略称「ACR」から構成されているものであり、本件商標は、被請求人のウェブサイトや、被請求人の発行する出版物やe-ラーニング用ソフトウェア等の教材において継続して使用され続けている。被請求人の活動は主に米国にて行われているが、被請求人の制定した技術規格や、被請求人の発行する出版物、教材等は日本を含む各国の放射線治療の専門家によって利用されている。 (2)審判請求人は、本件商標はその指定商品中「第9類 電子応用機械器具及びその部品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないと主張する。 しかし、被請求人は、上記の通りe-ラーニング用ソフトウェア(名称:ACRRADAR Radiology Assessment and Review)を提供している。このソフトウェアは、アップル社及びGoogle社のウェブサイトからダウンロードによって提供されるタブレット型コンピュータ等の携帯型端末用アプリケーションソフトウェアである(乙2ないし乙4)。 このソフトウェアは、ダウンロード後、11の下位専門分野の中から所望の分野に関するコンテンツが購入されることで利用可能となる(乙5)。なお、その価格は分野ごとに65?225米ドルである(乙6)。 乙第4号証に示されているように、ソフトウェアの開始画面に本件商標と同一の商標が表示されていることから、本件商標はこの商品に付されているといえる。また、請求に係る指定商品「第9類 電子応用機械器具及びその部品」は、「電子計算機用プログラム」を含む概念であるところ、出願人の提供するソフトウェアは、「電子計算機用プログラム」に相当する商品である。 さらに、当該ソフトウェアは、2014年5月から現在において、少なくとも2014年6月2日、6月20日、7月29日、9月28日、10月10日の5回、日本国内においてダウンロードされている(乙7)。このため、被請求人は、審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標に係る商品を、「電気通信回線を通じて提供」(商標法第2条第3項第2号)したといえる。 (3)以上より、本件商標は、請求に係る指定商品について、審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者によって使用されたことが明らかである。 4 当審の判断 (1)被請求人の主張及び提出した証拠によれば、以下のとおりである。 乙第2号証は、アップル社が運営する携帯端末用ソフトウェア販売サイト画面をプリントアウトしたものと認められるところ、上段中程に「開発:The American College of Radiology」の記載、左側に「カテゴリー:メディカル」、「更新:2014年6月18日」、「バージョン:1.2」及び「発売元:The American College of Radiology」の記載があり、中央に「バージョン1.2の新機能」の記載の下に、アップル社のタブレット型コンピュータにおける画面表示を「iPadスクリーンショット」として、右上に○中にRの記載(以下「○R」という。)がされた本件商標が中央に表示されたMENU画面が記載されている。 (2)上記(1)によれば、次のように認めることができる 本件商標権者(The American College of Radiology)は、アップル社が運営する携帯端末用ソフトウェア販売サイトにおいて、タブレット型コンピュータ用のソフトウェアの販売者として、その更新情報から、本件審判の請求の登録前3年以内である平成26(2014)年6月18日に掲載していたことが認められ、販売に係る該ソフトウェアの画面上にその商標として○Rを付した本件商標が表示されることを、該販売サイト中で表示し紹介していたものと認められる。 そして、これは、本件審判の請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「電子計算機用ソプログラム」についての商標法第2条第3項第8号にいう「商品に関する広告に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当するものと認められる。 (3)まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者がその請求に係る指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」について、本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用したことを証明したということができる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本件商標) |
審理終結日 | 2015-12-21 |
結審通知日 | 2015-12-25 |
審決日 | 2016-01-13 |
出願番号 | 商願2005-67228(T2005-67228) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Y09)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小俣 克巳、矢代 達雄 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
堀内 仁子 今田 三男 |
登録日 | 2007-01-05 |
登録番号 | 商標登録第5015357号(T5015357) |
商標の称呼 | エイシイアアル、アメリカンカレッジオブラジオロジー、ラジオロジー |
代理人 | 安達 友和 |
代理人 | 特許業務法人浅村特許事務所 |