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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z03
管理番号 1315719 
審判番号 取消2015-300477 
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-06-30 
確定日 2016-05-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第4536683号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4536683号商標(以下「本件商標」という。)は、「ヴィヴィ セラミド」の片仮名及び「VIVI CERAMIDE」の欧文字を2段に横書きしてなり、平成13年2月2日に登録出願、第3類「セラミドを含有するせっけん類,セラミドを含有する香料類,セラミドを含有する化粧品,セラミドを含有する歯磨き」を指定商品として、同14年1月18日に設定登録されたものであり、その後、同24年1月10日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成27年7月13日である。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標の商標権者は、日本国内において、本件商標を継続して3年以上その指定商品について使用していないし、商標登録原簿上は、本件商標に専用使用権あるいは通常使用権が設定、許諾されている事実も見当たらないことから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨述べ、その証拠方法として甲第1号証を提出した。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、審判事件答弁書において、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第20号証を提出した。
1 答弁の理由
(1)本件商標権者及び通常使用権者について
本件商標権者である黒龍堂は、株式会社日本セラミド研究所(以下「日本セラミド研究所」という。)に本件商標の使用を黙示で許諾している。日本セラミド研究所は黒龍堂の完全子会社であり、黒龍堂の代表取締役が日本セラミド研究所の代表取締役も務めている(乙2及び乙3)。
本件の使用立証に係る商品は黒龍堂が製造し、当該商品を黒龍堂から日本セラミド研究所に納入した後、日本セラミド研究所が発売している。さらに、当該商品において黒龍堂が製造販売元、日本セラミド研究所が発売元と記載されている事実(乙4ないし乙7)及び日本セラミド研究所が継続して本件商標を使用している事実(乙10ないし乙17)からも、日本セラミド研究所がその許諾に基づき本件商標を使用していることが認められる。
以上より、日本セラミド研究所は、本件商標権の通常使用権者である。
(2)使用立証に係る商品について
本件商標権者及び通常使用権者は、本件商標を「VIVI セラミドクリーム」、「VIVI セラミドしっとりローション」、「VIVI セラミドしっとりミルク」及び「VIVI セラミドふわふわウォッシュ」の4種類の商品に使用している。
ア 「VIVI セラミドクリーム」
乙第4号証は、本件商標を付した商品「VIVI セラミドクリーム」の箱包装及び容器の写真であり、当該商品はセラミドを含有するクリームであることから、本件商標権の指定商品中の「セラミドを含有する化粧品」に含まれる商品である。
イ 「VIVI セラミドしっとりローション」
乙第5号証は、本件商標を付した商品「VIVI セラミドしっとりローション」の箱包装及び容器の写真であり、当該商品はセラミドを含有するローションであることから、本件商標権の指定商品中の「セラミドを含有する化粧品」に含まれる商品である。
ウ 「VIVI セラミドしっとりミルク」
乙第6号証は、本件商標を付した商品「VIVI セラミドしっとりミルク」の箱包装及び容器の写真であり、当該商品はセラミドを含有する乳液であることから、本件商標権の指定商品中の「セラミドを含有する化粧品」に含まれる商品である。
エ 「VIVI セラミドふわふわウォッシュ」
乙第7号証は、本件商標を付した商品「VIVI セラミドふわふわウォッシュ」の箱包装及び容器の写真であり、当該商品はセラミドを含有する洗浄料・洗顔料であることから、本件商標権の指定商品中の「セラミドを含有するせっけん類,セラミドを含有する化粧品」に含まれる商品である。
(3)使用の時期と立証期間及び使用立証
本件審判は、予告登録が平成27年7月13日であることから、平成24年7月13日から平成27年7月12日まで(以下「要証期間」という。)に使用されていた事実が立証されなければならないことになる。
そこで、以下のとおり、要証期間内における商標権者及び通常使用権者による使用を証明する。
ア 本件商標権者による製造及び販売
乙第4号証ないし乙第7号証は本件商標を付した商品の写真であり、商品容器の背面ラベルにおいて黒龍堂は製造販売元と記載されていることから、黒龍堂が本件商標を付した商品の製造及び販売を行っている事実を証するものである。
乙第8号証は、要証期間中に日本セラミド研究所から黒龍堂に発行された「製品注文書」であり、黒龍堂が製品の注文を受けた事実を証するものである。製品注文書には、日付の他に、商品名・納品場所・納品指定日・注文個数・単価・金額等が記載されている。
乙第9号証は、要証期間中に黒龍堂から日本セラミド研究所に発行された「請求明細書」であり、黒龍堂から日本セラミド研究所に製品を販売した事実を証するものである。請求明細書には、日付の他に、商品名・数量・単価・金額等が記載されている。
以上により、要証期間内において、日本セラミド研究所から注文を受けた黒龍堂が使用立証に係る商品を製造し、日本セラミド研究所に販売したことが証明される。
通常使用権者による販売
(ア)乙第10号証は、日本セラミド研究所が受け付けた「商品注文書」であり、要証期間中に日本セラミド研究所が製品の注文を受けた事実を証するものである。商品注文書には、日付の他に、商品名・注文者・注文口数・単価・金額・送付方法等が記載されている。
日本セラミド研究所は、注文者からの使用立証に係る商品の発注を当該商品注文書により受け付けており、要証期間内において、日本セラミド研究所が本件商標を付した商品の注文を受けた事実を証するものである。
(イ)乙第11号証は、日本セラミド研究所から注文者に発行している「納品書」であり、要証期間中に日本セラミド研究所が注文者へ商品を納品した事実を証するものである。納品書には、日付の他に、商品名・注文者・注文口数・単価・金額・送付方法等が記載されている。
なお、注文者には捺印した納品書を発行しているが、ペーパーレス化に伴い、捺印した納品書の写しを印刷したものの保管はせず、電子データでのみ保管しているため、乙第11号証は当該電子データを印刷したものである。
また、乙第12号証は、当該商品の発送業者であるヤマト運輸株式会社から日本セラミド研究所に宛てた発送料の請求書であり、乙第13号証は、代金引換の際の金銭を精算する精算書である。乙第12号証及び乙第13号証は、要証期間中に日本セラミド研究所から注文者への納品がなされた事実を証するものであり、乙第12号証及び乙第13号証における原票No.が、商品注文書(乙10)における宅配業者間合No.と対応している。
(ウ)以上により、要証期間内において、日本セラミド研究所が本件商標を付した商品を販売したことが証明される。
通常使用権者による商品に関する広告の頒布
(ア)日本セラミド研究所は、当該商品に係るパンフレットを頒布している。乙第14号証は、要証期間前のものであるが、「VIVI セラミドふわふわウォッシュ」が発売される平成20年4月22日以前に、これを除いた使用立証に係る商品を掲載して使用していたパンフレットである。
(イ)乙第15号証は、「VIVI セラミドふわふわウォッシュ」発売後の平成20年4月22日から平成26年2月までの消費税率が5%の時期に使用していたパンフレットである。
(ウ)乙第16号証は、消費税率の8%への引き上げに伴い改訂したパンフレットであり、日本セラミド研究所による本件商標の広告への使用を証するものである。パンフレットには、商品写真・商品説明・内容物・価格及び本件商標を含む商品名が記載されている。
(エ)乙第17号証は、平成26年3月にパンフレットと同封して送付した消費税変更に伴うお知らせであり、要証期間中に日本セラミド研究所がパンフレットを頒布した事実を証するものである。
(4)本件商標と使用商標の同一性について
本件商標は、「ヴィヴィ セラミド」の片仮名文字と「VIVI CERAMIDE」の欧文字を2段に併記したものであり、以下に詳述する使用に係る商標は、「VIVICERAMIDE」(以下「使用商標」という。)の欧文字を横一連に書したものに円の図形表示を組み合わせた構成よりなる。
使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる範疇に属するものである。本件商標と使用商標を対比してみると、使用商標中の中央に円図形が配されているが、「VIVICERAMIDE」の文字は同一の書体・大きさで表されていることから外観上一体のものとして看取されるものであり、これより無理なく「ヴィヴィセラミド」又は「ビビセラミド」との本件商標と共通の称呼を生ずるものである。また、円図形は一般に用いられているデザインであり、背景的に配されているものであることから視覚的な効果として大きなものではなく、新たな称呼を生ずるものでもない。したがって、当該図形部分だけが看者に特別な印象を与えるものとはいえず、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を有しない部分である。
そうとすれば、使用商標を全体として見た時に、外観上見やすく、かつ、称呼しやすい文字部分に着目されるというのが相当であるから、使用商標中の「VIVICERAMIDE」の文字部分は、他の構成要素と切り離されて独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。 そして、使用商標中の「VIVICERAMIDE」の文字部分は、本件商標と同一の称呼及び観念を生ずることは明らかであり、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。
(5)むすび
したがって、本件商標は、本件商標権者及び通常使用権者によって、本件審判の請求の登録前3年以内において、日本国内で請求に係る指定商品中の「セラミドを含有するせっけん類,セラミドを含有する化粧品」について使用されていることが明らかである。

第4 当審の判断
1 事実認定
被請求人の主張及び提出された証拠によれば、本件商標の使用について以下のとおりである。
(1)乙第4号証及び乙第5号証は、「箱包装」及び「商品容器」の写真であるところ、該「箱包装」及び「商品容器」の正面には、いずれもゴシック体で「VIVICERAMIDE」の欧文字(「CERA」の文字部分は、黒、桃、青、茶、橙及び緑の色彩を伴う円図形が重なるように配され、該文字部分は白抜き文字で表されている。)が目立つように横書きされており、また、商品容器には、製造販売元として「(株)黒龍堂」の文字、発売元として「(株)日本セラミド研究所」の文字がある。そして、これらの商品は、「VIVIセラミドクリーム」及び「VIVIセラミドしっとりローション」と称する商品であることが認められる。
(2)乙第15号証及び乙第16号証は、「VIVIセラミドクリーム」及び「VIVIセラミドしっとりローション」等の商品の宣伝広告用のパンフレットであるところ、該パンプレット中には、乙4及び乙5の写真の商品と同一の商品等の写真とともに、「セラミド配合」の文字が中央に表されており、「VIVIセラミドしっとりローション」の商品の紹介として「優しく肌あたりの良いローションで、すぐれた保湿効果があります。」及び「VIVIセラミドクリーム」の商品の紹介として「ベタつきを抑えたセラミドたっぷりな保湿クリームです。」と記載されている。
(3)乙第8号証は、「(株)日本セラミド研究所」から仕入先である「(株)黒龍堂」に宛てた「製品注文書」であり、一方、乙第9号証は、「株式会社黒龍堂」から「(株)日本セラミド研究所」に宛てた「請求明細書」である。そして、同号証からは、以下が認められる。
ア 上記「請求注文書」及び「請求明細書」においては、「(株)日本セラミド研究所」の住所が「東京都豊島区」と、「株式会社黒龍堂」の住所が「東京都港区」と記載されていることから、当該「請求注文書」及び「請求明細書」に係る取引は、日本国内で行われたものであると認められる。
イ 乙第8号証の1葉目は、2012年8月22日付け(乙8においては「2012/8/22」と記載。以下同じ。)「製品注文書」であり、「納品指定日」には「2012/9/28」、「商品名」には「VIVIセラミドクリーム」、「注文個数」には「86」の記載がある。
そして、乙第9号証の1葉目は、2012年9月27日付け(乙9においては「年」の欄に「12」、「月」の欄に「09」及び「日」の欄に「27」と記載。以下同じ。)の「請求明細書」であり、「商品コード/品名」には「VIVIセラミドクリーム」、「数量」には「86」の記載がある。
ウ 乙第8号証の2葉目は、2012年9月27日付け「製品注文書」であり、「納品指定日」には「2013/2/1」、「商品名」には「VIVIセラミドしっとりローション」、「注文個数」には「479」の記載がある。
そして、乙第9号証の2葉目は、2013年1月30日付けの「請求明細書」であり、「商品コード/品名」には「VIVIセラミドしっとりローション」、「数量」には「479」記載がある。
2 判断
(1)使用者及び使用商標について
本件商標権者は、上記1(1)のとおり、「VIVIセラミドクリーム」及び「VIVIセラミドしっとりローション」の箱包装及び商品容器に「VIVICERAMIDE」の欧文字を付している。
そして、上記1(3)のとおり、該欧文字が付された「VIVIセラミドクリーム」及び「VIVIセラミドしっとりローション」は、要証期間内である「納品指定日」に、ともに日本国内に住所を有する本件商標権者から「(株)日本セラミド研究所」に商品の引き渡しがあったものと推認される。
(2)本件商標と使用商標の同一性について
本件商標は、「ヴィヴィ セラミド」の片仮名及び「VIVI CERAMIDE」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、上段部の片仮名は下段部の欧文字の読みを表したものと認められ、「ヴィヴィセラミド」の称呼を生じるものであり、また、その構成中の「ヴィヴィ」及び「VIVI」の文字部分が特定の語義を有しない造語といえるものであるから、本件商標は、特定の観念を生じないものである。
そして、「VIVIセラミドクリーム」及び「VIVIセラミドしっとりローション」の箱包装及び商品容器に表示された「VIVICERAMIDE」の欧文字は、本件商標の構成中の「VIVI CERAMIDE」の欧文字部分と同一の綴り字からなり、同一の称呼を生じるものであり、観念についても異なる観念を生じさせるような事情も認められないことから、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一の商標といえるものである。
(3)使用商品
「VIVICERAMIDE」の欧文字が箱包装及び商品容器に表示された「VIVIセラミドクリーム」、「VIVIセラミドしっとりローション」は、上記1(2)のとおり、これらの商品のパンフレットに「セラミド配合」との記載があることから、「セラミド」を含有する商品であるといえるものであり、同パンフレットにおける「優しく肌あたりの良いローションで、すぐれた保湿効果があります。」及び「ベタつきを抑えたセラミドたっぷりな保湿クリームです。」との記載から「化粧品」の範ちゅうに属する商品「ローション」及び「保湿クリーム」といえるものであるから、本件商標の指定商品中の「セラミドを含有する化粧品」に含まれるものと認められる。
(4)小括
以上のとおり、上記(1)ないし(3)によれば、本件商標権者は、要証期間内に、本件商標の指定商品中、「セラミドを含有する化粧品」の範ちゅうに含まれる「セラミドを含有するローション」及び「セラミドを含有する保湿クリーム」について、その包装に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付したものを、「(株)日本セラミド研究所」に引き渡したものと認められ、同行為は、商標法第2条第3項第2号に該当する「使用」と認めることができる。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、要証期間内に日本国内において本件商標権者が、本件商標の指定商品の範ちゅうに含まれる商品について、本件商標(社会通念上同一の商標)の使用をしていることを証明したと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-03-17 
結審通知日 2016-03-22 
審決日 2016-03-31 
出願番号 商願2001-8253(T2001-8253) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 伊藤 三男荻野 瑞樹 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 田中 亨子
高橋 幸志
登録日 2002-01-18 
登録番号 商標登録第4536683号(T4536683) 
商標の称呼 ビビセラミド、ビビ 
代理人 古井 かや子 
代理人 特許業務法人浅村特許事務所 
代理人 世良 和信 
代理人 土野 史隆 
代理人 川口 嘉之 

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