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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W0316212635
審判 一部申立て  登録を維持 W0316212635
審判 一部申立て  登録を維持 W0316212635
管理番号 1314573 
異議申立番号 異議2015-900331 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-06-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-10-19 
確定日 2016-05-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第5781406号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5781406号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5781406号商標(以下「本件商標」という。)は、「名古屋ランウェイ」の文字を標準文字で表してなり、平成27年2月13日に登録出願、第3類、第8類、第9類、第14類、第15類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第26類、第28類、第35類、第38類、第41類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同27年6月11日に登録査定、同年7月24日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)。
(1)登録第4949663号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ランウェイ」の片仮名を上段に、「RUNWAY」の欧文字を下段に、それぞれ横書きしてなり、平成17年8月29日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年4月28日に設定登録されたものである。
(2)登録第5765036号商標(以下「引用商標2」という。)は、「RUNWAY」の欧文字を上段に、「ランウェイ」の片仮名を下段に、それぞれ横書きしてなり、平成26年10月29日に登録出願、第3類、第4類、第10類、第16類、第21類、第26類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同27年5月22日に設定登録されたものである。

3 申立て理由の要旨
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第3類「全指定商品」、第16類「紙類,紙製テーブルナプキン,紙製タオル,紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,文房具類,写真アルバム,写真,写真立て」、第21類「台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),化粧用具,ろうそく消し,ろうそく立て」、第26類「頭飾品,電気式ヘアカーラー,ヘアカーラー(電気式のものを除く。),テープ,リボン,ボタン類」及び第35類「広告,ファッションショーの企画・運営(販売促進のためのもの),ファッショングッズの販売に関する情報の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」については、商標法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 称呼の類否について
本件商標は、標準文字をもって、漢字「名古屋」と片仮名文字「ランウェイ」の文字を一連に横書きした構成からなるものであり、その構成文字に相応して「ナゴヤランウェイ」の称呼を生ずる。
そして、本件商標は、全体として特定の意味を形成するに至っているとは認められず、語義においては一連の語とは認められない。また、「名古屋」と「ランウェイ」の両文字は、漢字と片仮名文字で表示しており、視覚上分離して把握される。さらに、構成文字全体から生ずる「ナゴヤランウェイ」の称呼は構成音数も多く冗長であることから、「ナゴヤ」「ランウェイ」のように区切って発音されるとみるのが相当であり、一気一連には称呼し得ないものである。加えて、本件商標の構成中「名古屋」の文字は、愛知県の県庁所在地である「名古屋市」の地名を意味するものである。「名古屋市」は、中京圏の中枢都市であり、中部地方の政治・経済・文化・交通の中枢である。よって、「名古屋」の文字が商品又は役務の標識として使用された場合、商標中に含まれる地名の文字部分は、一般に商品の産地、販売地ないしは店舗の所在地を表示したものと認識される場合が多い。そうすると、本件商標に接した取引者、需要者は、本件商標「名古屋ランウェイ」のうち「名古屋」の表示は指定商品・役務との関係において自他商品役務識別機能を発揮しない表示であるから、本件商標の「ランウェイ」の表示が自他商品役務識別機能を発揮する商標の要部であるとの認識に立ち、自他商品役務識別機能を発揮しない表示「名古屋」の称呼「ナゴヤ」を省略し「ランウェイ」なる称呼をも認識するものである。
以上のとおり、本件商標は、「ナゴヤランウェイ」及び「ランウェイ」の称呼が生ずる。
一方、引用商標1は「ランウェイ」及び「RUNWAY」の文字を二段に表示する構成からなり、引用商標2は「RUNWAY」及び「ランウェイ」の文字を二段に表示する構成からなるところ、いずれもその構成文字に相応して「ランウェイ」の称呼が生ずる。
そこで、本件商標の称呼「ランウェイ」と引用商標の称呼「ランウェイ」とを比較すると同一の称呼である。
よって、本件商標と引用商標とは類似する商標である。
イ 観念の類否について
本件商標は、要部である「ランウェイ」の表示から「滑走路」、「花道」等の観念を認識するものである。
一方、引用商標は、その構成文字から「滑走路」、「花道」等の観念が生じるものである。
よって、本件商標の「ランウェイ」の部分と引用商標は、「滑走路」、「花道」の観念が共通するものであり、本件商標と引用商標は、その観念においても類似する。
ウ 指定商品及び指定役務の類否について
本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務とは、同一又は類似のものである。
(2)結語
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本件商標
本件商標は、「名古屋ランウェイ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、同じ書体、同じ大きさにより等間隔に、外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、また、これより生ずる「ナゴヤランウェイ」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものである。
そして、本件商標の構成中、前半の「名古屋」の文字が、「愛知県の県庁所在地」(広辞苑第六版)を意味し、また、後半の「ランウェイ」の文字が、「滑走路」等を意味する英語「runway」の音の片仮名表記(研究社新英和大辞典)であるものの、これらの文字が外観上まとまりよく一体的に表されていることから、例え、「名古屋」の文字が、指定商品の産地・販売地を表す場合があるとしても、かかる構成においては、殊更、「名古屋」の文字部分を捨象して取引に資されるというよりは、むしろその構成全体をもって不可分一体のものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そうすると、本件商標からは、その構成文字全体に相応して、「ナゴヤランウェイ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
なお、申立人は、地名を含んだ構成からなる商標が、地名の部分に自他商品・役務の識別標識としての機能を有していないものと判断した審決例を挙げ、本件も同様に判断されるべきと主張している。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比される商標について、当該判断時の取引の実情を勘案しつつ、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本件商標は、一体不可分の造語とみるのが相当であり、本件商標がその構成中に「名古屋」の文字を有することをもって申立人が挙げた審決例を直ちに本件に適用してその類否を判断することは適切とはいえず、申立人が挙げた審決例と本件とは事案を異にするものであり、上記の申立人の主張は採用することはできない。
イ 引用商標
引用商標1は、上段に「ランウェイ」の片仮名文字と下段に「RUNWAY」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、上段の片仮名文字部分は下段の欧文字部分の読みを表したものと解されるから、構成全体として「ランウェイ」の称呼、「滑走路」の観念を生ずるものである。
引用商標2は、上段に「RUNWAY」の欧文字と下段に「ランウェイ」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、下段の片仮名文字部分は上段の欧文字部分の読みを表したものと解されるから、構成全体として「ランウェイ」の称呼、「滑走路」の観念を生ずるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とは、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成であって、両商標は、いずれも構成中に「ランウェイ」の片仮名文字を有する点において共通するが、「名古屋」の漢字及び「RUNWAY」の欧文字の有無といった顕著な差異を有することからすれば、外観上、容易に区別し得るものといえる。
次に、本件商標から生ずる「ナゴヤランウェイ」の称呼と引用商標から生ずる「ランウェイ」の称呼とを対比すると、両者は、「ランウェイ」の音を共通にするが、語頭において「ナゴヤ」の音の有無という顕著な差異を有するから、両称呼は明確に聴別し得るものである。
また、本件商標からは、特定の観念が生じないのに対し、引用商標からは、「滑走路」の観念を生ずるものであるから、本件商標と引用商標とは、観念において、比較できないものであり、互いに紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない、非類似の商標である。
(2)小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)結論
以上、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品及び指定役務について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2016-05-09 
出願番号 商願2015-12950(T2015-12950) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (W0316212635)
T 1 652・ 263- Y (W0316212635)
T 1 652・ 261- Y (W0316212635)
最終処分 維持  
前審関与審査官 南 めぐみ 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 堀内 仁子
小松 里美
登録日 2015-07-24 
登録番号 商標登録第5781406号(T5781406) 
権利者 株式会社ライジングプロ・ホールディングス
商標の称呼 ナゴヤランウエイ、ナゴヤランウエー、ランウエイ、ランウエー 
代理人 中村 知公 
代理人 伊藤 孝太郎 
代理人 前田 大輔 
代理人 朝倉 美知 

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