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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W41
管理番号 1314570 
異議申立番号 異議2015-900187 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-06-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-06-11 
確定日 2016-04-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第5749106号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5749106号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第5749106号商標(以下「本件商標」という。)は,「朝日レガッタ」の文字を標準文字により表してなり,平成26年4月26日に登録出願,第41類「ボート競技会の企画・運営又は開催」を指定役務として,同27年3月2日に登録査定,同年3月13日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は商標法第4条第1項第7号,同第10号,同第11号及び同第16号に該当するものであるから,第41類「全指定役務」について,同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである旨申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第13号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第10号について
(1)本件商標の権利取得までの経緯
ア 本件商標の出願から登録までの経緯
(ア)「朝日レガッタ」の文字について考察するに,当該文字は,関西ボート連盟,株式会社朝日新聞社(以下「朝日新聞社」という。),滋賀県,滋賀県教育委員会,大津市及び大津市教育委員会(大津市教育委員会に設置されていた(旧)市民スポーツ課は,平成26年に大津市が所轄する市民部市民スポーツ課へ移管された。以下「主催団体」という場合がある。)が主催者として,毎年ゴールデンウィークに琵琶湖漕艇場で行うレガッタ競技会の名称である。そして,同競技会は,昭和23年の第1回大会から数え,今年で第68回目の開催となった歴史ある日本有数のレガッタの競技会であって,かつ,同競技会の歴史と規模は,関西地方のみならず全国のボート競技に接する取引者,需要者において相当程度知られているものである。
すなわち,「朝日レガッタ」は,主催団体が主催者として,毎年ゴールデンウィークに琵琶湖漕艇場で行うレガッタ競技会を表示するものとして,本件商標の登録出願日前から取引者,需要者の間に広く認識されているものである。
かかる文字からなる本件商標を,商標権者は,主催団体に無断で登録出願をしたところ,本件商標は上述のとおり,レガッタ競技会の名称として周知性を獲得している商標であるため,原審において商標法第4条第1項第10号に該当する旨の拒絶理由が通知された(甲3)。そして,この拒絶理由では,本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するとしながらも,商標権者が本件商標を出願し権利を取得することについて,主催団体全員が同意していることを明らかにした場合はこの限りではない旨のただし書きが付加えられた。
そこで,商標権者は,かかる拒絶理由を解消すべく,商標権者が本件商標登録出願(以下「登録出願」という。)及び権利取得をすることに異議なく同意する旨を内容とする同意書(以下「同意書」という。)への署名・捺印を求める依頼状を,申立人に対して複数回送付した(甲4の1?5)。
しかしながら,主催団体の一であり,かつ,申立人である朝日新聞社は,商標権者が本件商標を登録出願し,権利を取得することについて同意することができないため,その旨を記載した2014年10月23日付書面(甲5),2014年12月19日付書面(甲6)及び2015年2月20日付書面(甲7)を商標権者(本件商標出願人)に送付した。
また,2014年11月27日に設けられた商標権者と申立人との面接による協議においても,商標権者が本件商標を登録出願し権利を取得することについて同意できない旨の主張を行った。
これに対して,商標権者は,「関西ボート連盟の会長」,「滋賀県知事」,「滋賀県教育委員会教育長」及び「大津市長」が署名・捺印する同意書A,B,C,D(甲8の1?4)を,並びに,申立人にあっては,上記の協議前に関西ボート連盟と申立人との間で締結された「第67回朝日レガッタ」に係る覚書(以下「覚書」という。)を根拠として,全ての主催団体が商標権者による本件商標の登録出願及び権利取得に同意している旨の意見書を提出した(甲9)。
そして,当該意見書の提出により,実質的な審査期間を僅か3日にして,本件商標に対する登録査定が通知されたものである。
なお,商標権者は,前記意見書を提出するまでに,申立人からの同意を得るべく交渉中である旨を記載した上申書を5回にわたり提出している(甲10の1?5)。
(イ)商標権者による本件商標に係る特許庁への手続き,及び商標権者と申立人による交渉等の経緯
(本件登録商標の手続き及び権利取得に係る交渉経緯概要)
平成26(2014)年4月26日 本件商標の登録出願
平成26(2014)年4月28日 「第67回朝日レガッタ」の実施に係る覚書の締結
平成26(2014)年8月15日 拒絶理由通知(甲3)
平成26(2014)年9月9日 商標権者が商標権取得の同意書及び依頼状(甲4の1)を持参し,申立人が受領
平成26(2014)年9月24日 商標権者が上申書を提出(甲10の1)
平成26(2014)年9月25日 商標権者が商標権取得の同意書及び依頼状を申立人へ郵送(甲4の2)
平成26(2014)年10月15日 商標権者が商標権取得の同意書及び依頼状を申立人へ郵送(甲4の3)
平成26(2014)年10月23日 申立人が同意できない旨を記載した書面を商標権者へ郵送(甲5)
平成26(2014)年10月29日 商標権者が同意書への署名・押印の要請に係る書面を申立人へ郵送(甲4の4)
平成26(2014)年10月30日 商標権者が上申書を提出(甲10の2)
平成26(2014)年11月27日 面接による商標権者と申立人の協議
平成26(2014)年12月2日 商標権者が上申書を提出(甲10の3)
平成26(2014)年12月19日 申立人が同意できない旨の回答書を商標権者へ郵送(甲6)
平成27(2015)年1月6日 商標権者が上申書を提出(甲10の4)
平成27(2015)年2月3日 商標権者が商標権取得の同意書及び依頼状を申立人へ郵送(甲4の5)
平成27(2015)年2月16日 商標権者が上申書を提出(甲10の5)
平成27(2015)年2月20日 申立人が同意できない旨の回答書を商標権者へ郵送(甲7)
平成27(2015)年2月26日 商標権者による意見書提出(甲9)
平成27(2015)年3月2日 登録査定
イ 申立人の主張
申立人の主張,すなわち,申立人が商標権者による登録出願及び権利取得について同意できないとする理由は,以下のとおりである。
(ア)本件商標は,前記したとおり,関西ボート連盟,朝日新聞社,滋賀県,滋賀県教育委員会,大津市及び大津市教育委員会(大津市教育委員会に設置されていた(旧)市民スポーツ課は,平成26年に大津市が所轄する市民部市民スポーツ課へ移管された)が主催者として,滋賀県の琵琶湖における,レガッタ競技会の運営・開催などの役務について長年にわたり継続的に使用することにより,登録出願前から取引者,需要者の間に広く認識されているものであるところ,これが商標登録されていないことを奇貨として,商標権者が,主催団体に事前に相談もなく無断で登録出願をして権利取得したものである。
(イ)商標権者は,原審において通知された「本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する旨の拒絶理由(なお,この拒絶理由には,商標権者が本件商標を出願し権利を取得することについて,主催団体全員が同意していることを明らかにした場合はこの限りではない旨のただし書きが付加えられている。)」を解消するために,申立人が商標権者による登録出願及び権利取得について同意していない事実を充分に承知しているにも拘わらず,関西ボート連盟と申立人との間で取交された「第67回朝日レガッタ」の実施に係る覚書中の条項を引用し,主催団体の一であり,かつ,申立人たる朝日新聞社が,商標権者による登録出願及び権利取得について同意しているといった虚偽の主張をして登録を得たものである。
商標権者によるかかる行為は,剽窃的行為に他ならず,しかも,商標法第79条(詐欺の行為の罪)の趣旨に鑑みても許される行為ではなく,このような本件商標の登録を存続させておくことは,公の秩序又は善良の風俗に著しく反するものである。
(ウ)本件商標は,前記したとおり,主催団体が長年の使用により周知性を獲得したものであるところ,かかる商標が一私人に帰属することとなると,本件商標の権利帰属や使用許諾の実態の把握が困難となり,これを規制する法律も商標法上に規定されていないため,商標権の帰属によっては,歴史ある大会の継続が危ぶまれるだけでなく,本件商標に化体した信用が毀損され,それにより需要者の利益が害されるおそれがある。
(エ)本件商標は,申立人の著名な略称たる「朝日」の文字を冠した標章であるところ,申立人は,「朝日ウォーキンググランプリ」,「朝日賞」,「朝日スポーツ賞」,「朝日広告賞」,「朝日のびのび教育賞」,「IBBY朝日国際児童図書普及賞」,「朝日アマ将棋名人戦」,「朝日アマ囲碁名人戦」等様々な事業・イベントを主催しており(甲11),第41類の役務について「朝日」,「アサヒ」及び「ASAHI」を含む登録商標を数多く所有している(甲12)ところである。
かかる実情のもと,「朝日」の文字を冠した標章を,スポーツの興行の企画・運営又は開催に係る役務商標として,一私人が権利取得することは,周知著名性を有する標章「朝日」の名声にただ乗りするものであり,延いては,当該標章の希釈化を招来するおそれがある。
ウ 小括
以上のとおり,本件商標は,主催団体が開催し使用する「レガッタ競技会」を表示する名称として周知性を獲得してなるものであるところ,本件商標が権利取得(商標登録)されていないことを奇貨として,商標権者が,主催団体に無断で個人的に登録出願をし,その登録を得たものである。
また,商標権者は,本件商標に通知された商標法第4条第1項第10号に係る拒絶理由を解消すべく,申立人に繰り返し同意を求めてきたが,これに対して,申立人は,首尾一貫して本件商標の商標権者による権利取得について同意できない旨を主張しているところである。
そして,同意できないとする上記の理由は,知的財産権の保護及び商標法の精神からみて極めて妥当なものである。
一方,申立人から同意書を受領できないと判断した商標権者は,同意書に代えて,申立人との交渉開始前に申立人と関西ボート連盟とが締結した「第67回朝日レガッタ」に関する覚書をもって,これを申立人により同意を得たことの根拠とし,意見書において虚偽の主張をおこなった。
そして,商標権者により提出されている5回にわたる「上申書」提出の経緯からして,商標権者は,本件商標の商標権者による権利取得について申立人からの同意を得ることが困難であることを客観的にも推察し得ていたにも拘わらず,虚偽の主張を内容とする上記意見書の提出により,僅か3日の審査期間を経て,登録査定を受けたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性
原審の拒絶理由は以下のとおりである。
(拒絶理由)
「この商標登録出願に係る商標は,『朝日レガッタ』の文字を標準文字で表してなるものですが,これは,関西ボート連盟・朝日新聞社・滋賀県・滋賀県教育委員会・大津市・大津市教育委員会が主催者として,滋賀県の琵琶湖における,ボート競技会の運営・開催などの役務について長年使用することにより,本願商標の登録出願前から取引者,需要者の間に広く認識されている商標『朝日レガッタ』と同一又は類似する商標であって,かつ,前記役務と同一又は類似の役務に使用するものと認めます。したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第10号に該当します。ただし,出願人が本願商標を出願し権利を取得することについて,上記主催団体が同意していることを明らかにした場合はこの限りではありません。」
ところで,原審の拒絶理由通知では,「出願人が本願商標を出願し権利を取得することについて,上記主催団体が同意していることを明らかにした場合はこの限りではありません。」とのただし書(以下「但書拒絶理由」という。)があり,かかる記載に基づき商標権者は,主催団体全員が同意していることを明らかにするべく平成27年2月26日に意見書を提出している。
しかしながら,商標権者により提出された前記意見書は,商標権者が本件商標を登録出願し権利取得することについて主催団体全員が同意していることを疎明するものではない。
しかも,商標権者は,申立人が商標権者により本件商標を登録出願し権利取得することに同意していない事実を充分に承知していたにも拘わらず,虚偽の主張(意見)をするものである。
そうとすると,本件商標は,商標権者が登録出願し権利取得することについて,主催団体全員から同意を得たものとは認めることができないので,「但書拒絶理由」の要件を具備するものでなく,結果として原審において通知されている商標法第4条1項第10号に係る拒絶理由は解消されておらず,依然として商標法第4条1項第10号に該当するものである。
以上によれば,本件商標は,関西ボート連盟,朝日新聞社,滋賀県,滋賀県教育委員会,大津市及び大津市教育委員会(大津市教育委員会に設置されていた(旧)市民スポーツ課は,平成26年に大津市が所轄する市民部市民スポーツ課へ移管された)が企画・運営又は開催するレガッタ競技会を示すものとして,本件商標の登録出願日前から全国のボート競技に接する当業者及び需要者において広く認識されている商標と同一のものであり,かつ,商標権者が本件商標を登録出願し権利取得することについて,主催団体全員が同意しているものではないから,これを商標権者が「レガッタ競技会の企画・運営又は開催」と類似する役務「ボート競技会の企画・運営又は開催」に使用することは商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)平成27年2月26日付意見書の内容について
商標権者の提出に係る平成27年2月26日付意見書は,(概要)商標権者が本件商標を登録出願し権利取得することについて主催団体全員が同意している旨を意見するものである。そして,これが採用された結果,本件商標は,商標法第4条1項第10号に係る拒絶理由が解消したと判断され,登録を受けたものである。
しかしながら,商標権者の提出に係る平成27年2月26日付意見書の内容は,下記の点において事実と相違するものである。
よって,かかる意見書をもって,拒絶理由が解消したとする本件商標の原審には,大きな瑕疵がある。
そこで,下記に,商標権者の提出に係る平成27年2月26日付意見書が事実と相違するものであることを,同意見書を引用してそれぞれ具体的に説明する。
ア 「出願人(松本健次)は,ボート競技会『朝日レガッタ』の筆頭主催者である関西ボート連盟の理事長であります。」について
出願人である「松本健次」氏が関西ボート連盟の理事長であることは否定するものではないが,関西ボート連盟は,レガッタ競技会「朝日レガッタ」の筆頭主催者ではない。
これを裏付けるために,朝日新聞社によるレガッタ競技会「朝日レガッタ」に関する大会報道の実績及び大会当日の出席者(役職,人数など)等の具体的な関与について以下に説明する。
(ア)大会報道の実績
主催者であり報道機関でもある朝日新聞社は,毎年,報道体制を確保し,朝日新聞の地域面,スポーツ面及び社会面の紙面を割いてレガッタ競技会「朝日レガッタ」に係る報道を行っている。これら朝日新聞の紙面上における掲載は,毎年相当量となり,例えば,「第68回朝日レガッタ」(2015年5月3日?6日開催)の報道実績をみると,朝日新聞社大津総局と朝日新聞社大阪本社の地域報道部の記者6人が中心となって現地漕艇場で取材に当たり,26都府県の朝日新聞の地域面に大会記録や記事を掲載した(甲13の1・2)。
(イ)イベント当日の出席者(役職,人数など)及び具体的な関与
レガッタ競技会「朝日レガッタ」の開催中は,朝日新聞社の担当者一名が常時立ち会っている。そして,最終日の表彰式には,朝日新聞社の常務取締役,大阪企画事業部長(組織編成により,平成27(2015)年度より,「スポーツ戦略室長」が出席している。)及び大津総局長が出席し,いずれもプレゼンターを務めている。なお,かかる表彰式では,朝日新聞社の常務取締役,関西ボート連盟会長,滋賀県知事及び大津市長が,それぞれ主催者挨拶をしている。
すなわち,レガッタ競技会「朝日レガッタ」は,関西ボート連盟,朝日新聞社,滋賀県,滋賀県教育委員会,大津市及び大津市教育委員会(大津市教育委員会に設置されていた(旧)市民スポーツ課は,平成26年に大津市が所轄する市民部市民スポーツ課へ移管された)が共同で開催するものであり,関西ボート連盟は前記主催団体の一に過ぎない。
イ 「主催者である関西ボート連盟及び他の主催者である滋賀県,滋賀県教育委員会,大津市から,出願人が本願商標を出願し権利を取得することについて同意する旨の書類を頂いております(参照:同意書A,B,C,D)。」について
ところで,ここでいう「同意書」に署名・捺印する者は,自己(自らが代表を務める団体)の使用に係る知的財産権を他人が出願・権利取得することについて同意・許諾する権限を有する者でなければならない。
そうとすると,仮に,商標権者が意見書において提出するところの同意書A,B,C,Dの有効性が認められるとしても,主催者の一である朝日新聞社の同意を得ていないことは,下記ウのとおりであるから,これをもって,商標権者による本件商標の出願及び権利取得に同意したものとする意見書は,「但書拒絶理由」を疎明したものとはいえない。
ウ 「また,朝日新聞社とは,本願の出願日後である2014年4月28日に,『関西ボート連盟は朝日新聞社に対して,関西ボート連盟が,本催事(ボート競技会「朝日レガッタ」)を実施するために必要な一切の権利を取得していること,・・・を,それぞれ保証する。』旨の覚書を締結いたしております(参照:覚書A,B)。」について
商標権者が意見書において提出するところの覚書,すなわち「本覚書」は,平成26(2014)年5月3日から同年5月6日に開催された「第67回朝日レガッタ」に係るスポーツ催事について,関西ボート連盟と申立人が締結するものである。
ところで,本覚書は,「スポーツ催事『第67回朝日レガッタ』」を「本催事」と定義するものであるところ,意見書では「本催事」を「ボート競技会『朝日レガッタ』」と定義するものであって,意見書における意見の前提を恣意的に有利に定義するものである。
すなわち,本覚書は,「第67回朝日レガッタ」を開催するにあたり,関西ボート連盟と申立人が締結したものであって,「第67回朝日レガッタ」より過去及び将来に開催される「朝日レガッタ」に係るスポーツ催事とは無関係である。
そして,本覚書の記名・押印等が,関西ボート連盟の会長である佐藤茂雄氏であることからも,本覚書の当事者たる関西ボート連盟と商標権者「松本健次」氏が,主体の同一性を有するものでないことは,明らかであって,本覚書の内容が,商標権者と申立人との関係においても有効であると認定する如何なる要素も確認できない。
ところで,意見書において,商標権者が,商標権者による本件商標の登録出願及び権利取得について申立人から同意を得たとする根拠となる本覚書の第7条を,正確に記載すると,下記のとおりである。
第7条 本催事(スポーツ催事「第67回朝日レガッタ」)は,甲(関西ボート連盟)が自らの費用と責任において実施するものであり,乙(朝日新聞社)の甲(関西ボート連盟)に対する義務は本覚書(スポーツ催事「第67回朝日レガッタ」に関し,締結するもの)に明記されたものに限定される。甲(関西ボート連盟)は,乙(朝日新聞社)に対し,甲(関西ボート連盟)が本催事(スポーツ催事「第67回朝日レガッタ」)を実施するために必要な一切の権利を取得していること,本催事(スポーツ催事「第67回朝日レガッタ」)の実施がいかなる第三者の権利も侵害しないこと及び本催事(スポーツ催事「第67回朝日レガッタ」)の実施が関連する法令もしくは契約などに反するものはないことを,それぞれ保証する。本催事(スポーツ催事「第67回朝日レガッタ」)に関し第三者に損害が発生した場合,または,乙(朝日新聞社)に対し第三者から何らかの請求がなされた場合,甲(関西ボート連盟)が自己の責任と費用において解決するものとする。」
そこで,商標権者が平成27年2月26日付で提出する意見書において引用する,第7条中の上記下線部(以下「第7条下線部」という。)について,極めて一般的な契約書の解釈をもって,如何なる目的を果たすため規定するものであるかを以下に説明する。
第7条下線部は,
(a)「第67回朝日レガッタ」の実施にあたり必要な一切の権利を取得していること,
(b)「第67回朝日レガッタ」の実施が第三者の権利を侵害しないこと,
(c)「第67回朝日レガッタ」の実施が関連する法令もしくは契約などに反するものはないこと,
の3つの事項について,関西ボート連盟が朝日新聞社に対して表明し,保証するとするものである。
これは,いわゆる「表明・保証条項」といわれるものであって,当事者の契約締結時の「状態」「権利関係」を表明し,その内容が真実であると保証することにより,その後発生する問題について誰が責任・負担等すべきものであるかを明確にすることを目的として規定するものと解釈するのが一般的である。
そして,「表明・保証条項」は,当事者の契約締結時を基準として,契約の目的物の内容等について関連する事実の存在を表明し,その内容が真実であると保証するものである。
すなわち,第7条下線部は,通常の契約書の解釈に基づくと,本覚書締結時点において,「第67回朝日レガッタ」の実施に不可欠な「事実」や「権利関係」の存在について表明及び保証を行うことを規定するものであって,これを具体的に挙げるならば,「第67回朝日レガッタ」の実施にあたり必要な許認可を既に取得していることや,事業を請け負う業者及び管理者等との事業契約の締結がなされており,また契約締結のために必要な内部手続が履践していること等の事業契約の適法性ないし有効性を基礎づける事実があること等を表明し,保証するものである。
そこで,これを本覚書に当て嵌めると,第7条下線部は,本覚書締結時である平成26(2014)年4月28日時点において,
(a)「第67回朝日レガッタ」の実施にあたり必要な一切の権利を既に取得していること,
(b)「第67回朝日レガッタ」の実施が第三者の権利も侵害しないこと,
(c)「第67回朝日レガッタ」の実施が関連する法令もしくは契約などに反するものはないこと,
を表明し,これが真実であることを,関西ボート連盟が朝日新聞社に対して保証する目的のもと規定された条項である。
そうとすると,例えば,本件に密接に関連する上記「(a)「第67回朝日レガッタ」の実施にあたり必要な一切の権利を既に取得していること」における「実施にあたり必要な一切の権利」とは,第7条下線部の規定の趣旨及び本覚書の目的からして,関西ボート連盟が「第67回朝日レガッタ」の開催にあたり本覚書締結時において既に取得しているところの,選定事業者及び管理者等との事業契約や,競技会の開催にあたり必要な許認可等を指し示すものと解釈されるものである。
したがって,第7条下線部は,関西ボート連盟が朝日新聞社に対して,本覚書締結後,将来的に取得し得る権利についてまで,その取得を保証するものでないことはもとより,「朝日レガッタ」の文字について,「松本健次」氏が,将来的に商標権を取得することについて,朝日新聞社が同意するものでないことは,明らかである。
なお,意見書に具体的記載(意見)はないものの,商標権者は,第7条が現在もなお有効なものと推認される根拠として,本覚書第13条の後段「本覚書第7条・・・の規定は,本覚書終了後も有効に存続する。」(以下「第13条下線部」という。)部分の赤線アンダーラインをもって指摘するものである。
しかしながら,第13条下線部を上記に詳述する第7条下線部の解釈をもって繙くとすると,第13条下線部は,関西ボート連盟が本覚書締結時において既に取得している「第67回朝日レガッタ」の開催にあたり必要な一切の権利,すなわち,選定事業者及び管理者等との事業契約や,競技会の開催にあたり必要な許認可等の権利を取得していることについて,将来的にも,朝日新聞社に対して保証することを本覚書終了後も有効とする旨を規定するものである。
そうとすると,第13条下線部は,本覚書締結時において「第67回朝日レガッタ」の開催にあたり必要な一切の権利を既に取得しているという事実を,関西ボート連盟が朝日新聞社に対して,本覚書終了後も保証する旨を規定するものであるから,本覚書締結時において未だ取得していない権利についてまで,本覚書終了後もなお関西ボート連盟が朝日新聞社に対して保証することを規定するものと解釈する余地はない。
よって,第7条下線部は,関西ボート連盟が朝日新聞社に対して,本覚書締結時において既に取得している「第67回朝日レガッタ」の開催にあたり必要な一切の権利,すなわち,選定事業者及び管理者等との事業契約や,競技会の開催にあたり必要な許認可等の権利を取得していることを保証するに過ぎないものであって,第13条下線部をあわせて考慮してもなお,本覚書締結時より未来において取得し得る権利について,関西ボート連盟が朝日新聞社に対して,その権利の取得を現在においても保証するものでないことはもとより,「朝日レガッタ」の文字について,「松本健次」氏が,将来的に商標権を取得することについて,朝日新聞社が同意するものでないことは,明らかである。
エ 「即ち,関西ボート連盟(理事長,松本健次)が,ボート競技会『朝日レガッタ』に関しまして,商標登録出願をすること及び商標権を取得することを,朝日新聞社に対して保証しております。」について
本覚書は,関西ボート連盟と朝日新聞社が締結したものである。関西ボート連盟が,法人格のない団体であるとしても,本覚書の記名・押印及び同意書Aの署名・捺印はいずれも関西ボート連盟の会長である佐藤茂雄氏であり,本覚書に記載(第4条)する「第67回朝日レガッタ」の実施分担金の振込先が,「関西ボート連盟会長佐藤茂雄」名義の銀行口座であることを合わせ考慮すると,商標権者と関西ボート連盟に,主体の同一性を認めることはできない。
よって,関西ボート連盟と申立人の間で締結された本覚書のいかなる規定も,商標権者である「松本健次」氏と申立人との関係において有効なものとすることはできない。
つまり,申立人が関西ボート連盟と締結した本覚書の内容について,「松本健次」氏と申立人の関係においても有効であるとする事実は,いかなる書面,説明によっても疎明されておらず,かかる本覚書の締結により,「松本健次」氏による商標権の権利取得について申立人が同意したと解することは,到底できない。
また,既に指摘のとおり,「ボート競技会『朝日レガッタ』」については,「スポーツ催事『第67回朝日レガッタ』」の誤りである。
そして,商標権者は,「商標登録出願をすること及び商標権を取得することを,株式会社朝日新聞社に対して保証しております。」と記載(意見)するものであるが,上記ウに説示するとおり,第7条下線部は,「第67回朝日レガッタ」を開催するために必要な許認可を既に得ていることや,事業契約の適法性ないし有効性を基礎づける事実が存在すること等を,関西ボート連盟が,朝日新聞社に対して保証するものである。
そうとすると,本覚書第7条は,本覚書締結時において,未だ発生していない商標権の取得についてまで,朝日新聞社に保証することを規定するものではない。
よって,本覚書は,本覚書締結時において未だ発生していない商標権を取得することについて,関西ボート連盟が朝日新聞社に保証していたものでないことはもとより,「松本健次」氏個人が本件商標の権利取得することを申立人に保証するものでもない。
以上のとおり,本覚書は,あくまで,「第67回朝日レガッタ」の開催にかかるものであって「朝日レガッタ」の開催にかかるものではない。そして,そこでいう第7条下線部は,本覚書締結時点において,関西ボート連盟が,「第67回朝日レガッタ」の開催に不可欠な権利や事実関係が既に存在することを申立人に保証するに過ぎない条項であって,本覚書締結時点において未だ発生していない商標権の権利取得についてまで,関西ボート連盟が申立人に対して保証する旨を規定したものではない。
加えて,本覚書は,関西ボート連盟と申立人との間で締結されたものであって,「松本健次」氏と申立人の関係においても有効なものと解釈しえる余地はないものであるから,本覚書をもって,「松本健次」氏による商標権の権利の取得について申立人が同意したと解することは到底できない。
よって,商標権者の主張は,誤りである。
オ 「従いまして,全ての主催者が出願人松本健次の商標登録出願及び商標権取得に同意しております。」について
上記イないしエに詳述のとおり,仮に,商標権者が意見書において提出するところの同意書A,B,C,Dが有効であるとしても,商標権者が引用する本覚書第7条下線部の規定の趣旨はもとより,本覚書の当事者たる関西ボート連盟と,「松本健次」氏に主体の同一性が認められないのであるから,本覚書をもって,商標権者(すなわち,出願人「松本健次」氏)が本件商標を登録出願し,権利取得することについて申立人が同意するものと解釈することはできない。
また,上記のとおり,商標権者は,申立人たる朝日新聞社との複数回にわたる協議において,商標権者が本件商標を権利取得することについて申立人が同意していないことを充分に承知しているにも拘わらず,「第67回朝日レガッタ」の開催に係る本覚書の規定に託けて,申立人の同意を得ているといった虚偽の主張をするものである。
したがって,意見書中の「全ての主催団体が,出願人松本健次の商標登録出願及び商標権取得に同意した」とする商標権者の主張は,誤りであり,虚偽である。
(4)小括
以上述べたとおり,本件商標は,商標権者が登録出願及び権利取得することについて,レガッタ競技会たる「朝日レガッタ」を主催する全ての主催団体の同意を得たものでなく,拒絶理由通知書に記載する「出願人が本願商標を出願し権利を取得することについて,上記主催団体が同意していることを明らかにした場合はこの限りではありません。」との認定を疎明するものではないから,依然として商標法第4条第1項第10号に該当する。
2 商標法第4条第1項第7号について
本件商標は,「朝日レガッタ」の文字を標準文字で表してなり,第41類「ボート競技会の企画・運営又は開催」を指定役務とするところ,当該「朝日レガッタ」の文字は,関西ボート連盟・朝日新聞社・滋賀県・滋賀県教育委員会・大津市・大津市教育委員会が主催者として,滋賀県の琵琶湖における,レガッタ競技会の運営・開催などの役務について長年使用することにより,本件商標の登録出願前から取引者,需要者の間に広く認識されている商標「朝日レガッタ」と同一又は類似の商標であって,かつ,前記役務と同一又は類似する役務に使用するものであるから,かかる周知商標を他人が権利取得し,使用すると,主催団体の提供に係る商標であるかのごとく誤認混同を起こさせ,商標に化体した信用の蓄積を毀損し,延いては需要者の利益を損なうものである。
かつまた,本件商標は,主催団体の一である申立人が,本件商標の権利取得の経緯において,商標権者による本件商標の権利取得につき同意できない旨を商標権者に対して主張しているにも拘わらず,商標権者が剽窃的に権利取得したものである。
以上によれば,本件商標は,商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り,需要者の利益を保護するという商標法の目的を阻害し,公正な取引秩序を乱し,社会の一般的道徳観念に反するものであるから,商標法第4条第1項第7号に該当する。
3 商標法第4条第1項第11号について
(1)引用商標
登録番号:商標登録第5195506号(以下「引用商標」という。:甲2)
商標 :「朝日フットサルフィールド」(標準文字)
出願日 :平成20年1月18日
登録日 :平成21年1月9日
指定役務:第41類「フットサルの教授,フットサルに関するセミナーの企画・運営又は開催,フットサルの興行の企画・運営又は開催,フットサル競技のための施設の提供」
(2)理由の要点
本件商標は,「朝日レガッタ」の文字を標準文字で表してなり,第41類「ボート競技会の企画・運営又は開催」を指定役務とするところ,商標構成中後半部の「レガッタ」の文字部分は,その指定役務との関係において,「レガッタ競技」「レガッタ競技会」の意を認識し自他役務の識別標識としての機能を有しないものであるから,前半部の「朝日」の文字部分より「アサヒ」の称呼及び「朝昇る太陽。また,その光。朝の日差し。ひので。」の観念が生ずる。
一方,引用商標は,「朝日フットサルフィールド」の文字を書してなるところ,後半部の「フットサルフィールド」の文字部分は,その指定役務との関係において,「フットサル競技場」「フットサル用フィールド」の意を認識し自他役務の識別標識としての機能を有しないものであるから,前半部の「朝日」の文字部分より「アサヒ」の称呼及び「朝昇る太陽。また,その光。朝の日差し。ひので。」の観念が生ずる。
そうとすると,両商標は,「アサヒ」の称呼及び「朝昇る太陽。また,その光。朝の日差し。ひので。」の観念を共通にする類似の商標であり,かつ,両者の指定役務も互いに抵触するものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項11号に該当する。
4 商標法第4条第1項第16号について
本件商標は,「朝日レガッタ」の文字を標準文字で表してなり,第41類「ボート競技会の企画・運営又は開催」を指定役務とするところ,商標構成中後半部の「レガッタ」の文字は,その指定役務との関係において容易に「レガッタ競技」「レガッタ競技会」の意を認識するものであるから,これを例えば「レガッタ競技会の企画・運営又は開催」以外の役務に使用するときは役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるので,商標法第4条第1項第16号に該当する。

第3 本件商標に対する取消理由
商標権者に対して,平成27年10月7日付けで通知した本件商標の取消理由の要旨は,次のとおりである。
1 「朝日レガッタ」の周知性及び商標権者による本件商標の商標登録に至る経緯等について
申立人の提出した証拠及びその主張,並びに職権調査による新聞記事情報によれば,以下の事実を認めることができる(なお,アンダーラインは,合議体によるものである。)。
(1)甲第3号証は,平成26年8月15日付けの商願2014-32915に係る拒絶理由通知書の写しであり,そこには,商標登録をすることができない理由として,「この商標登録出願に係る商標は,『朝日レガッタ』の文字を標準文字で表してなるものですが,これは,関西ボート連盟・朝日新聞社・滋賀県・滋賀県教育委員会・大津市・大津市教育委員会が主催者として,滋賀県の琵琶湖における,ボート競技会の運営・開催などの役務について長年使用することにより,本願商標の登録出願前から取引者,需要者の間に広く認識されている商標『朝日レガッタ』と同一又は類似する商標であって,かつ,前記役務と同一又は類似の役務に使用するものと認めます。したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第10号に該当します。」の記載があるとともに,「ただし,出願人が本願商標を出願し権利を取得することについて,上記主催団体が同意していることを明らかにした場合はこの限りではありません。」の文言が付記されている。
(2)甲第4号証の1は,「商標権取得に関するご協力のお願い」と題する書面の写しであり,弁理士明田 莞 外1名が申立人に宛てたものであるが(作成日は不明であるが,内容中に「平成26年8月18日に特許庁より拒絶理由が通知されました。」旨の記載があることから,それ以降に作成されたものと思われる。),そこには,「『朝日レガッタ』と同一又は類似した競技名称を,他人により使用されることによって混同することを防止するために,商標登録を行い保護することにいたしました。既に,平成26年4月26日に,商標登録出願をいたしております。なお,関西ボート連盟は,法人格を有さないので出願人たる資格がないため,関西ボート連盟理事長松本健次氏が,権利取得のための出願人になっております。本出願に対しまして別紙の通り,平成26年8月18日に特許庁より拒絶理由が通知されました。その内容は,本出願が,他人の周知商標と同一又は類似であるというものです。就きましては,この拒絶理由を解消し,『朝日レガッタ』の競技名を保護するために,何卒,出願人関西ボート連盟理事長松本健次氏の商標登録出願及び権利取得に同意する旨の同意書にご署名・押印のご協力をお願い申し上げます。」の記載がある。
(3)甲第4号証の2は,平成26年9月25日付けの「商標権取得に関するご協力のお願い」と題する書面の写しであり,関西ボート連盟理事長が申立人代表取締役社長に宛てたものである。その内容は,甲第4号証の1とほぼ同じであるが,付言として,「既に,関西ボート連盟,滋賀県,滋賀県教育委員会,大津市,大津市教育委員会の各団体様から,“ご協力のお願い”について,正式に書面にてご同意をいただいておりますので,かかる事情をご賢察賜りますよう,お願い申し上げます。なお,特許庁に対する手続期間もございますので,本書面到着後2週間以内に,ご回答くださいますよう,お願い申し上げます。」の記載がある。
(4)甲第4号証の3は,平成26年10月15日付けの「“ご協力依頼”に対するご回答のお願い(再)」と題する書面の写しであり,関西ボート連盟理事長が申立人代表取締役社長に宛てたものである。そこには,「“ご協力のお願い”に対するご回答につきまして,回答期限の2週間が経過いたしましたが,未だに頂くに至っておりません。・・・(中略)・・・もし万一,貴社におかれまして,ご同意をいただけないのであれば,出願人松本健次は,滋賀県知事や大津市長等の職印を押印した同意書をいただいておりますので,上記各団体様に対して,“貴社からの同意が得られないので,商標登録できない旨”を書面にて説明する責任がございます。従いまして,上記各団体様も含めて得心のいく理由を記載した書面をいただきたくお願い申し上げます。なお,特許庁に対する手続期間もございますので,本書面到着後2週間以内に,ご回答くださいますよう,お願い申し上げます。」の記載がある。
(5)甲第4号証の4は,平成26年10月29日付けで関西ボート連盟理事長が申立人企画事業本部大阪企画事業部長に宛てた書面である。該書面は,2014年(平成26年)10月23日付け申立人からの書面(甲5)について,内容の不明な点等の指摘をしたものであり,そこには,「関西ボート連盟理事長松本健次といたしましては,本出願に関して協議することは,吝かではございません。末筆ながら,出願人松本健次が商標出願をして,商標権を取得することについて同意する旨の署名,押印をいただきたく重ねてお願い申し上げます。」の記載がある。
(6)甲第4号証の5は,平成27年2月3日付けで関西ボート連盟理事長が申立人企画事業本部 大阪企画事業部長に宛てた書面である。該書面は,2014年11月27日に面会を行い,また,2014年12月19日付け申立人からの書面(甲6)に対する,関西ボート連盟の考えを記載したものであり,そこには,「貴社以外の共同主催者である滋賀県をはじめ他の地方公共団体様も商標登録に,ご同意をなされていることをご賢察の上,たとえ貴社にとってメリットがなかったとしても,関西ボート連盟やご同意くださった滋賀県等の地方公共団体様にとってはメリットがございますので,関西ボート連盟理事長松本健次といたしましては,貴社が商標登録にご協力くださることを再度,お願いする次第でございます。色々と申し述べましたが,再度ご検討の上,出願人松本健次が商標出願を行い,商標権を取得することについて同意する旨の署名,押印をいただきたく重ねてお願い申し上げます。なお,本書面到着後2週間以内に,ご回答くださいますよう,お願い申し上げます。」の記載がある。
(7)甲第5号証は,2014年10月23日付けで申立人企画事業本部 大阪企画事業部長が関西ボート連盟理事長に宛てた書面である。該書面は,甲第4号証の1ないし3の「商標権取得に関するご協力のお願い」と題する書面等に対し,申立人の考えを記載したものであり,そこには,「貴殿が商標登録を必要と思われたご事情や目的,貴殿自らが出願をされることになった経緯等を詳しくお聞きし,そのうえで,本大会にとり,どのような形とするのが最も適切であるか,皆様とご一緒に検討させていただきたいと考えております。つきましては,まずは一度お時間をいただき,協議させていただきますようお願い申し上げます。」の記載がある。
(8)甲第6号証は,2014年12月19日付けで申立人企画事業本部 大阪企画事業部長が関西ボート連盟理事長に宛てた書面である。該書面は,11月27日の面会を受けて,本件商標の商標出願に関する申立人の考えを記載したものであり,そこには,「弊社は,松本様の,『関西ボート連盟として朝日レガッタを今後も企画,運営し,次世代にしっかり引き継ぎたい』との強いご意向を全面的に尊重します。しかし,そのために商標権取得が必要であるとは考えておりません。双方ともに権利化しないことで十分であると考えております。」の記載がある。
(9)甲第7号証は,2015年(平成27年)2月20日付けで申立人企画事業本部 大阪企画事業部長が関西ボート連盟理事長に宛てた書面である。該書面は,甲第4号証の5の書面に対し,申立人の考えを記載したものであり,そこには,「再三のご要請ではございますが,当方としての考え方は12月19日付のご連絡の通りであり,商標権取得への同意は致しかねます。」の記載がある。
(10)甲第8号証の1ないし4は,「商標登録出願及び権利取得に関する同意書」と題する書面であり,平成26年9月10日付けで関西ボート連盟会長,滋賀県知事及び滋賀県教育委員会教育長が,同年9月12日付けで大津市長が,それぞれ出願人松本健次氏に対し,商願2014-032915に関して,関西ボート連盟の理事長である出願人松本健次氏が登録出願をすること及び商標権を取得することに異議なく同意する旨の記載がある。
(11)甲第9号証は,甲第3号証の拒絶理由通知書に対する平成27年2月26日付けの意見書であり,そこには,「関西ボート連盟は株式会社朝日新聞社に対して,関西ボート連盟が,本催事(ボート競技会『朝日レガッタ』)を実施するために必要な一切の権利を取得していること,・・・を,それぞれ保証する。」旨の覚書を締結いたしております。即ち,関西ボート連盟(理事長,松本健次)が,ボート競技会『朝日レガッタ』)に関しまして,商標登録出願をすること及び商標権を取得することを,株式会社朝日新聞社に対して保証しております。そして,その覚書において,株式会社朝日新聞社は,その保証内容を,押印して承認しております。従いまして,全ての主催者が出願人松本健次の商標登録出願及び商標権取得に同意しております。よって,本願は“他人の業務に係る役務を表示する商標”ではないので,本願の拒絶理由は,解消されたものと思料いたします。」の記載がある。
(12)甲第10号証の1ないし5は,平成26年9月24日付け,同年10月30日付け,同年12月2日付け,同27年1月6日付け及び同年2月16日付けの「上申書」であり,そこには,甲第3号証の拒絶理由通知書に対する意見書提出期間の延長を求める旨の記載がある。
(13)甲第11号証は,申立人のパンフレット「朝日新聞社CSR報告書・会社案内2013 読者とともに」の写しであり,そこには,「朝日」の文字を冠した様々な事業・イベント等が記載されている。
(14)甲第12号証は,申立人所有の第41類に係る商標権一覧の写しであり,そこには,申立人を出願人とする44件の登録商標の記載がある。
(15)甲第13号証の1は,日経テレコンの新聞記事検索結果一覧表であり,そこには,「第68回朝日レガッタ(6日)/茨城県 2015/05/08 朝日新聞 朝刊 25ページ」,「第68回朝日レガッタ(6日)/東京都 2015/05/08 朝日新聞 朝刊 25ページ」,「第68回朝日レガッタ(6日)/愛知県 2015/05/08 朝日新聞 朝刊 25ページ」,「第68回朝日レガッタ(6日)/宮城県 2015/05/08 朝日新聞 朝刊 25ページ」等,「第68回朝日レガッタ」に関する,90件を超える新聞記事見出しの記載がある。
(16)甲第13号証の2は,「第68回朝日レガッタ」に係る平成27年度の朝日新聞の記事の写しであり,その中の「朝日新聞 2015年5月2日 朝刊28ページ 滋賀全県」には,「第68回朝日レガッタ(関西ボート連盟,県,県教育委員会,大津市,朝日新聞社主催)が3日,大津市玉野浦の県立琵琶湖漕艇場で始まる。6日までの4日間,21種目に496クルー,総勢1448人が出場する。今秋に国体が開催される和歌山県からの招待選手4人が参加するなど,31都府県から選手が集まる。」等の記載がある。
(17)朝日新聞の記事情報
ア 2014年5月2日の新聞記事(朝刊25頁)
「湖上の戦い,あす開幕 21種目515クルー出場へ 第67回朝日レガッタ /滋賀県」の見出しの下,「第67回朝日レガッタ(関西ボート連盟,県,県教委,大津市,大津市教委,朝日新聞社主催)が3日,大津市玉野浦の県立琵琶湖漕艇(そうてい)場(1千メートル)で開幕する。21種目に計515クルーが出場する予定で,6日まで湖上での熱戦が期待される。29都府県から参加し,クルー数は昨年より41増えた(申し込み段階)。今年から国体開催の県から招待選手を選び,長崎県から4選手が参加する。」の記載がある。
イ 2013年5月1日の新聞記事(朝刊25頁)
「湖上の勝負,あす開幕 20種目に474クルー 第66回朝日レガッタ /滋賀県」の見出しの下,「第66回朝日レガッタ(関西ボート連盟,県,県教委,大津市,大津市教委,朝日新聞社主催)が2日,大津市玉野浦の県立琵琶湖漕艇場(1千メートル)で開幕する。20種目に計474クルーが出場する予定で,5日まで熱戦が繰り広げられる。」の記載がある。
ウ 2012年4月24日の新聞記事(夕刊7頁)
「復活のオール 朝日レガッタ 来月3?6日,琵琶湖漕艇場【大阪】」の見出しの下,「2年ぶりに朝日レガッタが琵琶湖に戻ってくる。東日本大震災の影響で,昨年の大会が中止となった第65回朝日レガッタが5月3日から4日間,大津市の滋賀県立琵琶湖漕艇(そうてい)場(1千メートル)で開催される。被災地のクルーにできるだけ多く参加してもらおうと関西ボート連盟が呼びかけ,岩手・福島両県から5選手を招待。497クルー,1442人が出場する今大会の話題を紹介する。(増田啓佑)・・・/主催 関西ボート連盟,朝日新聞社,滋賀県,同教育委員会,大津市,同教育委員会/ 後援 滋賀県体育協会,大津市体育協会,朝日放送,日刊スポーツ新聞社,日本ボート協会/ 主管 滋賀県ボート協会」の記載がある。
2 商標法第4条第1項第10号該当性について
上記1によれば,滋賀県の琵琶湖漕艇場におけるボート競技会である「朝日レガッタ」は,第68回に及ぶ歴史あるボート競技会である。
そして,登録査定時においては,第67回まで開催されており,このボート競技会は,「関西ボート連盟,朝日新聞社,滋賀県,滋賀県教育委員会,大津市,大津市教育委員会」の6団体を主催者(主催団体)とするものである。
また,上記競技会の名称としての「朝日レガッタ」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)は,上記主催団体によって,「ボート競技会の企画・運営及び開催」について使用されてきたものであって,長年にわたり継続して使用されてきた結果,本件商標の登録出願時及び登録査定時には既に,「滋賀県の琵琶湖漕艇場における,ボート競技会の企画・運営及び開催の役務」を提供する主催団体の出所識別標識として,需要者の間に広く認識されていたものというのが相当である。
加えて,申立人の主張及び商標権者による本件商標の商標登録に至る経緯等を総合すると,出願人(商標権者)が本件商標を出願し権利を取得することについて,主催団体の一団体である申立人(朝日新聞社)の同意を得ていないことは明らかである。
そうすると,本件商標は,使用商標と同じ「朝日レガッタ」の文字からなるものであり,また,商標権者である出願人は,主催団体の一団体であって,その主催団体を代表する者ではないから,上記6団体によって使用されてきた使用商標との関係において,本件商標は,「他人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって,その役務又はこれに類似する役務について使用をするもの」といわなければならない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。
3 商標法第4条第1項第7号該当性について
(1)上記1によれば,以下のことが認められる。
ア 商標権者は,本件商標について平成26年4月26日付けで登録出願をしたが,同年8月15日付けで,「本願商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。」旨の拒絶理由通知書(甲3)が発せられた。
イ 上記アの拒絶理由通知書には,「出願人が本願商標を出願し権利を取得することについて,上記主催団体が同意していることを明らかにした場合はこの限りではない」旨の文言が付記されていた。
そこで,出願人(商標権者)は,この拒絶理由を解消するために,主催団体に対し,「商標権取得に関するご協力のお願い」と題する書面(甲4の1?3)をもって,出願人(商標権者)の商標登録出願及び権利取得に同意する旨の同意書に署名,押印することの協力を求めた。
ウ 上記イの出願人(関西ボート連盟理事長)からの依頼に対し,申立人を除く主催団体(関西ボート連盟会長,滋賀県知事,滋賀県教育委員会教育長,大津市長)からは,書面(「商標登録出願及び権利取得に関する同意書」)による同意があったが,申立人からは回答がなかったため,同人に対し,平成26年9月25日,同年10月15日,同年10月29日及び同27年2月3日付けの書面(甲4の2?5)にて,再三協力(同意書への署名・押印)を要請した。
エ 申立人は,出願人(関西ボート連盟理事長)からの,上記ウの平成26年9月25日及び同年10月15日付け協力依頼(甲4の2及び3)に対して,2014年(平成26年)10月23日付けの書面(甲5)により,関西ボート連盟等との協議を求めた。
オ 申立人は,出願人(関西ボート連盟理事長)に対し,2014年12月19日付けの書面(甲6)により,商標権取得が必要であるとは考えてない旨,双方ともに権利化しないことで十分であると考えている旨連絡した。
カ 申立人は,出願人(関西ボート連盟理事長)からの再三の要請に対し,2015年(平成27年)2月20日付けの書面(甲7)により,商標権取得への同意はできない旨回答した。
キ 出願人(関西ボート連盟理事長)は,上記2の(1)の拒絶理由通知書に対する応答として,平成27年2月26日付けの意見書(甲9)において,「全ての主催者が出願人松本健次の商標登録出願及び商標権取得に同意しております。よって,本願は“他人の業務に係る役務を表示する商標”ではないので,本願の拒絶理由は,解消されたものと思料いたします。」旨述べるとともに,主催団体の同意書等を提出した。
(2)商標法第4条第1項第7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」について
「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には,(ア)商標の構成自体がきょう激,卑わい,差別的又は他人に不快な印象を与えるような文字,図形,又は,当該商標を指定商品あるいは指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,あるいは,社会の一般道徳観念に反するような商標,(イ)特定の国若しくはその国民を侮辱する商標又は一般に国際信義に反する商標,(ウ)特許法以外の法律によって,その使用等が禁止されている商標等が含まれる,と解すべきである。そして,上述のように,社会の一般道徳観念に反するような場合には,ある商標をその指定役務について登録し,これを排他的に使用することが,当該商標をなす用語等につき当該商標出願人よりも,より密接な関係を有する者等の利益を害し,剽窃的行為である,と評することのできる場合も含まれ,このような商標を出願し登録する行為は,商標法第4条第1項第7号に該当するというべきである,と解される(東京高裁 平成14年(行ケ)第94号 判決言渡日平成14年7月16日)。
(3)小括
これを本件について見ると,商標権者は,上記1のとおり,主催団体が滋賀県の琵琶湖漕艇場における,ボート競技会の企画・運営及び開催などの役務に使用する「朝日レガッタ」の文字からなる商標と同一又は類似する本件商標を,主催団体に連なる全ての団体の同意又は承諾を受けずに出願し,かつ,商標権者は,申立人による本件商標の商標権取得への同意はできないことを十分知っていたにもかかわらず,「主催する全ての団体が同意している」旨の意見書(乙9)を提出し,商標登録されたものであるから,このような行為は,本件商標をその指定役務に使用する権利を専有しようとするものであって,申立人の利益を害するおそれがあり,剽窃的行為であって,公序良俗に反するものといわざるを得ない。
したがって,本件商標の登録出願の経緯には,著しく社会的妥当性を欠くものがあり,その商標登録を認めることは,公正な競業秩序を害するものであって,本件商標は,公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標というべきであるから,その登録は,商標法第4条第1項第7号に違反してされたものである。
4 まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同項第7号に違反して登録されたものであるから,その登録を取り消すべきものである。

第4 商標権者が提出した上申書及び取消理由通知に対する意見書
1 平成27年9月16日付け提出の上申書(一部抜粋)について
(1)商標法第4条第1項第10号について
ア ボート競技会「朝日レガッタ」に関して,「企画,運営,開催」を使用しているのは実質的に関西ボート連盟の単独であることについて
「ボート競技会『朝日レガッタ』の企画・運営又は開催」は,事実上,関西ボート連盟が単独で行っており,また,「ボート競技会の企画・運営又は開催」の主たる取引者・需要者である大会の出場選手,監督,コーチも「ボート競技会『朝日レガッタ』の企画・運営又は開催」は,関西ボート連盟が行ってきていることを十分に認識していることからも,ボート競技会「朝日レガッタ」は,関西ボート連盟の企画・運営・開催によって,ボート競技会として周知になったといえる。また,朝日新聞社は,実質的に周知性の獲得にも寄与せず,その実態は,主催者ではなく「協賛者」というべきものである。
商標法第4項第1項第10号の法目的は,「商標の使用をして自己の『業務にかかる役務を表示するものとして需要者の間に広く認識される』程度の信用を形成したときには,その者は不正競争防止法による場合は別として積極的に他人の使用を差し止める権利はないけれども他人の商標登録を阻止することができる」というものである。よって,その法目的に照らし合わせても,実際に業務を行っているのは関西ボート連盟であって,実際に業務を行っていない朝日新聞社を保護する法目的ではなく,そもそも「同意を要する」とする理由はない。
したがって,実質的に主催者でなく単なる「協賛者」に過ぎない朝日新聞社の同意は,そもそも不要である。
イ 覚書の有効性について
仮に,名目上の主催者である朝日新聞社の同意が必要であったとしても,平成26年4月28日に締結した覚書によって,朝日新聞社が,以下に示すように,関西ボート連盟の代表者である松本健次の商標出願およびその権利化について異議を述べたり,承諾を要することを求め得る(法的)地位・立場にないことを認めている事実に変わりはない(乙15)。
(ア)出願について
そもそも,ボート競技会「朝日レガッタ」は,実質的に,関西ボート連盟が単独で企画,運営,開催をしており,自己の業務にかかる役務を単独で出願しても,何ら問題はない。
しかも,その商標登録によって,関西ボート連盟は,今後もボート競技会「朝日レガッタ」を企画,運営,開催することができるし,ボート競技会「朝日レガッタ」に参加することを例年の目標かつ楽しみにしている全国のボート競技選手や監督,コーチの期待にも応えることができるのである。
出願及び権利化か正当であることは,名目上の共同主催者である地方公共団体の滋賀県,滋賀県教育委員会,大津市が,即座に,出願及び権利化に同意したことからも,容易に推認できる(甲8の1?4)。
(イ)異議申立て手続補正書について
a 関西ボート連盟がボート競技会「朝日レガッタ」の筆頭かつ実質的主催者であることについて
前述したように,関西ボート連盟は,実質的にボート競技会「朝日レガッタ」を単独で,企画,運営,開催を行っており,実質的には,単独主催者であって全てを取り行っており,その筆頭かつ実質的主催者であることは明白である。
また,朝日新聞社は,「大会報道実績」の証拠を多数添付しているが,その行為は,単なる取材の報道であって,ボート競技会「朝日レガッタ」の企画,運営,開催の使用の,いずれにも該当しない。
ボート競技会「朝日レガッタ」の当日の行為も,前述したように,担当者が他の運営委員と違い10時頃にやってきて,何もせずに座っているだけであり,実質的に運営にも何ら携わっていない。また,朝日新聞社の常務が行っている名目上の主催者挨拶も,その実態は単なる「来賓」の挨拶に過ぎず,ボート競技会「朝日レガッタ」の企画,運営,開催のどれにも該当しない。
b 異議申立書の手続補正書21頁(2)について
本件商標は,同意書A,B,C,Dが,有効であることはもちろんのこと,朝日新聞社とは,覚書を交わしており,その覚書の内容によって,「但書拒絶理由」を疎明している。
c 覚書について,その1(異議申立書の手続補正書22頁(3)について)
覚書におけるスポーツ催事「朝日レガッタ」が,「ボート競技会」のことを指すことに関して,関西ボート連盟は,ボート競技会以外を開催しておらず,スポーツ催事が,ボート競技会を指すことは,自明のことである。
また,松本健次は,関西ボート連盟の活動を実際に遂行している理事長であって,関西ボート連盟の理事会において,松本健次が,関西ボート連盟を代表してその「受託者」として,登録出願し商標権を取得することが承認されている。
元来,関西ボート連盟は法人格を有さないので,関西ボート連盟を代表している理事長の松本健次と関西ボート連盟とのこの「信託的関係」を前提(最高裁の判例でも是認されている手法である。乙15)としなければ,関西ボート連盟は,登録出願も商標の権利化も,何もできなくなって,著しい不利益を被ることになる。
しかも,本覚書は,契約自由の原則に基づくものであるが,覚書の内容は特段の解釈を要しない文言のとおりのものであって,「甲(関西ボート連盟)は,乙(朝日新聞社)に対し,甲が本催事(ボート競技会)を実施するために必要な一切の権利を取得していること,・・・を,それぞれ保証する。」ということを,朝日新聞社が自ら起案してこれを承認し,押印しているのである。
しかるに,朝日新聞社は,本覚書とは全く関係のない,例えばM&Aの話等を持ち出して,その覚書の内容を一方的に「表明・保証条項」と決め付けて,独自理論を展開し,「本覚書締結時において未だに取得していない権利についてまで,本覚書終了後もなお関西ボート連盟が朝日新聞社に対して保証することを規定するものとの解釈する余地はない。」と主張しているが,重要なのは「表明・保証条項」の法的性格等ではなく,本覚書締結時において,既に本件商標が朝日新聞社に帰属していないことを対外的に表明していることであって,同社の主張はこの権利帰属関係の承認を無視した,全くのすり替えの主張であって,失当であることは明らかである。
また,覚書締結時には,既に本件商標の登録出願をしており,出願すればその後登録されることは,当然のことであり,また,第13条により,「前条の定めにかかわらず,・・・また,本覚書第7条,第9条,第11条,本条(第13条),第17条の規定は,本覚書収容後も有効に存在する。」と謳われていて,将来的にもこの権利帰属関係は保証されている。
なお,本覚書の
第4条 乙は甲に対して,本催事の実施分担金として,金1,760,000円(消費税込み)を,2014年5月31日までに次の銀行口座に振り込み支払うものとする。 滋賀銀行 南郷支店 普通051321 関西ボート連盟 会長 佐藤茂雄
2.甲は,本催事の実施,本催事内容の変更,本催事の全部または一部の中止等に伴う賠償金や経費など一切の費用を負担するとともに自己の責任で処理するものとし,乙は,本催事の実施の結果,収支に赤字が生じた場合であっても,前項に定める他は何らの支払い義務は生じない。」(乙14)
という規定により,朝日新聞社は,本覚書の(保証の)利益を,既に得ており,覚書は有効に機能している。
(ウ)小括
以上のように,2014(平成26)年4月28日締結の覚書は有効であり,「関西ボート連盟は朝日新聞社に対して,関西ボート連盟が,本催事(ボート競技会『朝日レガッタ』)を実施するために必要な一切の権利を取得していること,・・・を,それぞれ保証する。」旨の覚書を締結したことによって,関西ボート連盟(理事長,松本健次)が,ボート競技会『朝日レガッタ』)に関して,登録出願をすること及び商標権を取得することを,朝日新聞社に対して表明・保証しており,その覚書において,朝日新聞社は,その条項を自ら起案しただけでなく,保証内容を,押印して承認していることに変わりはない。
ウ まとめ
以上によれば,関西ボート連盟は,実質的に,ボート競技会「朝日レガッタ」を単独で,企画,運営,開催を行っているのに対し,朝日新聞社は実質的には「協賛者」であるに止まり,主催者とはいいえず,朝日新聞社の同意はそもそも不要である。
また,仮に,名目上の共同主催者である朝日新聞社の同意が必要であったとしても,2014(平成26)年4月28日締結の覚書によって,朝日新聞社は,関西ボート連盟(理事長松本健次)に商標が帰属することを認めている。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
上述したように,ボート競技会「朝日レガッタ」の企画,運営,開催は,実質的に,関西ボート連盟が,単独で行っている。よって,法人格を有さない関西ボート連盟の代表者である理事長の松本健次が,登録出願をして,権利化しても,何ら問題がないし,関西ボート連盟の理事会においても,理事長の松本健次が出願,権利化することを承認されている(乙1,乙2,乙3)。
また,ボート競技会「朝日レガッタ」の企画,運営,開催は,実質的に,関西ボート連盟が,単独で行っている以上「当該商標出願人よりも密接な関係を有する者」は存在しないし,本件商標の商標出願及び権利化が,剽窃行為でないことは明白である。
これらのことは,地方公共団体の滋賀県,滋賀県教育委員会,大津市が,即座に出願及び権利化に同意したことでも容易に推認できる(甲8の1?4)。また,需要者,取引者であるボート競技の選手,監督,コーチ,及び大会運営に協力している様々な業者の方々は,関西ボート連盟と直接的に取引をしているので(乙5の1・2,乙6の1・2,乙7の1・2,乙8の1・2,乙10,乙11,乙12の1?3,乙13の1・2),関西ボート連盟の活動を実質的に遂行している理事長の松本健次が,本件商標を出願し,権利化しても,むしろその期待に応えるだけで,社会通念上の商道徳にも則っており,公正な商取引が保たれるのである。
また,事実上,ボート競技会「朝日レガッタ」の企画,運営,開催を,全く行わず,本件商標が自社に帰属しないことを認めている朝日新聞社に対し,関西ボート連盟や理事長の松本健次が,事前に相談すべきという法的根拠も存しない。
さらに,子々孫々まで,ボート競技会「朝日レガッタ」を続けて行きたいと切に願う関西ボート連盟には,法人格がないので,代表者(受託者)が出願人となって出願し,権利化することは,最高裁の判例でも認められた正当な手法であり,これが認められないと,実質的に単独主催者の関西ボート連盟が,法人格を有しないという理由だけで,著しい不利益を蒙ることになるし,ひいては,需要者,取引者たるボート競技の選手,監督,コーチ及び大会に協力してくれている様々な業者も不利益を蒙ることになる。
そして,関西ボート連盟は,常任理事会で決定・承認された連盟内の規則(乙4)によって,権利者の地位や権利譲渡,使用許諾について明確に定められており,理事長が,同連盟の活動と離れた一個人として,商標権を自由に扱えない規定になっているので,朝日新聞社の主張するような事態には決してならない。
以上のように,本件商標を商標権者が指定役務について使用しても,当然,国家社会の一般的利益や社会の一般的道徳的観念にも反することなく,公正な取引秩序の維持という商標法の目的にも反することはない(乙15)。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号にも該当しない。
2 平成27年11月16日付け提出の意見書について(取消理由に対する意見)
(1)本件商標の出願の前提事実について
ア ボート競技会「朝日レガッタ」について
ボート競技会である「朝日レガッタ」は,毎年ゴールデンウィーク(5月3,4,5日を中心とした4日間)に,滋賀県立琵琶湖漕艇場で開催され,全国から多数のクルー(種目は男女シングルスカルから男子エイトまで,選手の構成は中学生から高校生,大学生,実業団やマスターズ(50歳以上)まで)が参加する日本最大級の規模を誇る競技会である。すなわち,その参加クルー総数は約500,参加正選手総数は約1500名で,国内で開催される最大級のボート競技会であるので,ボート競技の選手,監督,コーチ等の大会に参加する人々にとって国内で有数の著名な大会である。その名目上は,関西ボート連盟,朝日新聞社,滋賀県,滋賀県教育委員会,大津市の5者が主催者となっている。
イ 関西ボート連盟について
関西ボート連盟は,1925(大正14)年に関西漕艇協会として創設され,その後,関西漕艇連盟に改称した後,1999(平成11)年に関西ボート連盟となり,1948(昭和23)年の第1回大会から,ボート競技会「朝日レガッタ」の企画,運営,開催を全て取り行っている筆頭かつ実質的主催者である。
ウ 権利者松本健次について
商標登録第5749106号の商標権者である松本健次は,関西ボート連盟の現理事長である。関西ボート連盟は法人格を有さないので,関西ボート連盟の連盟活動を実質的に遂行している理事長の松本健次が,関西ボート連盟の意向を受けて,その「代表」(受託者)として出願したものである。現に,査定前の2014(平成26)年8月31日(乙1),と同年11月3日の関西ボート連盟の常任理事会(乙2),及び,登録後の2015(平成27)年6月6日の関西ボート連盟の理事会において,関西ボート連盟を代表して松本健次が登録出願したこと等が確認されている(乙3)。
また,それ以前の登録後の2015(平成27)年5月8日開催の副会長正副理事長会議ならびに5月17日開催の常任理事会において,商標登録第5749106号(以下,本件商標という)の取扱いに関する規則が定められており(2015年3月13日制定として,同日に遡って施行),関西ボート連盟が法人化されるまでの間,関西ボート連盟の現役の理事長が商標権者となることが決められている(乙4)。
すなわち,松本健次は,一個人として私的な意図で出願したのではなく,法人格を有さない関西ボート連盟を代表して,その受託者として出願し,権利化したものであって,本件商標の権利者(名義人)は松本健次であっても,実質的な本件商標の権利者は,関西ボート連盟であり,両者は形式的には別に見えても,商標権者としては実質的に同一である。
エ 登録商標「朝日レガッタ」について
本件商標「朝日レガッタ」は,それぞれ,普通名詞の「朝日」と,普通名詞の「レガッタ」と,を結合した標準文字商標であり,「朝日」は,1)朝昇る太陽,朝方の日,ひので。2)稲の在来種。3)りんごの早稲種を意味する普通名詞であり(乙17),また,「レガッタ」は,ボート・スカル・ヨットなどの競技会を意味する普通名詞である(乙18)。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 覚書によって,朝日新聞社は,本件商標の出願及び権利所得を承認(同意)していることについて
(ア)事実認定について
審判官の事実認定は,本異議申立事件の最重要証拠である2014年4月28日に関西ボート連盟と朝日新聞社との間で締結された覚書(乙14)を看過した重大な事実誤認をしている。
すなわち,本覚書は,朝日新聞社が,事実認識に基づき立案(乙19の1)し,関西ボート連盟に署名,押印を迫ったものであって,2014年4月16日に朝日新聞社社員佐々木直氏から,関西ボート連盟の理事(事務局)山田博彦氏に手渡され(乙19の2),その後,朝日新聞社によって改訂された覚書(乙20の1,即ち,覚書の内容は乙14と同一。)が,同年4月24日に朝日新聞社社員佐々木直氏より関西ボート連盟の理事(事務局)山田博彦氏に対して,メールに添付されて送信されてきた。そのメールには,朝日新聞社が関西ボート連盟に対して,「関西ボート連盟が2枚を印刷すること,そして,その2枚ともに連盟印を押印して,朝日新聞社に返送すること」を指示している内容が記載されている(乙20の2)。
そして,朝日新聞社が押印して,1通を関西ボート連盟に送付してきたという経緯である(乙14)。
(イ)覚書についての意見
審判官は,「主催団体の一団体である申立人(朝日新聞社)の同意を得ていないことは明白である。」と,取消理由通知書に記載しているが,朝日新聞社は,2014年4月28日に,覚書(乙14)において,「本催事(ボート競技会「朝日レガッタ」)は,甲(関西ボート連盟)が自らの費用と責任において実施するものであり,乙(朝日新聞社)の甲に対する義務は本覚書に明記されたものに限定される。甲は乙に対し,甲が本催事を実施するために必要な一切の権利を取得していること・・・を,それぞれ保証する。」ということを承認して押印している(乙14,下線は商標権者代理人)。
よって,朝日新聞社は,関西ボート連盟が,登録出願をすること,及び商標権を取得する『地位・権利を有する』ことを承認している。しかも,この覚書は,そもそも朝日新聞社が立案して関西ボート連盟に署名及び押印を要求したものである。
しかるに,朝日新聞社は,その覚書により拘束される自己の先行行為に反して,同意書に署名,押印をしなかったのであって,朝日新聞社が,同意書に署名,押印しなかったことは,明らかに商道徳に反する信義則違反(禁反言)の行為である。さらに,そのことを理由として,異議申立を請求することも,同様に信義則違反の行為であって,社会一般の商取引の秩序を乱す不法行為である(乙15)。
なお,本覚書の
第4条 乙は甲に対して,本催事の実施分担金として,金1,760,000円(消費税込み)を,2014年5月31日までに次の銀行口座に振り込み支払うものとする。 滋賀銀行 南郷支店 普通051321 関西ボート連盟 会長 佐藤茂雄
2. 甲は,本催事の実施,本催事内容の変更,本催事の全部または一部の中止等に伴う賠償金や経費など一切の費用を負担するとともに自己の責任で処理するものとし,乙は,本催事の実施の結果,収支に赤字が生じた場合であっても,前項に定める他は何らの支払い義務は生じない。」(乙14)
という規定により,朝日新聞社は,本覚書の(保証の)利益を,既に得ており,覚書は有効に機能していることは明白である。
よって,2014(平成26)年4月28日締結の覚書によって,「関西ボート連盟は朝日新聞社に対して,関西ボート連盟が,ボート競技会『朝日レガッタ』)に関して,登録出願をして商標権を取得し得る地位・権利を有していることを,朝日新聞社に対して表明・保証しており,その覚書の条項を自ら起案した朝日新聞社は,この保証内容の前提となる地位や権利関係を十二分に認識し,押印行為によってそれを明確に承認していることに変わりはない(乙15)。
したがって,朝日新聞社は,関西ボート連盟に対して,登録出願をすること及び商標権を取得することを了承(同意)している。
(ウ)ボート競技会「朝日レガッタ」に関して,「企画,運営,開催」を使用しているのは実質的に関西ボート連盟の単独であり,朝日新聞社の同意は,そもそも不要であることについて
関西ボート連盟は,以下に示すように,ボート競技会「朝日レガッタ」において,ボート競技会の企画・運営・開催を,実際に,第1回大会から,単独で行ってきており,ボート競技会の企画・運営・開催について何も行わずに,名目上の「共同主催者」に過ぎず,周知性獲得にも貢献していない朝日新聞社の同意は,そもそも不要である。
以下に,ボート競技会「朝日レガッタ」の企画,運営,開催の実態を述べる。
a 大会の企画・運営(準備等)について
関西ボート連盟は,毎年5月のゴールデンウィークに4日間開催されるボート競技会「朝日レガッタ」を,従来から単独で,企画,運営,開催するために,前年の11月から準備を始めており,主な業務を以下に述べる。
まず,関西ボート連盟は,例年単独で,11月に,前年度のボート競技会「朝日レガッタ」を見直して,大会運営の骨子を関西ボート連盟の事務局と主管協会である滋賀県ボート協会と協議している。また,協力業者にエントリーシステムソフト及びレガッタシステムソフトの仕様打合せ及び見積り依頼をしている。なお,滋賀県ボート協会は,関西ボート連盟の加盟団体である。
12月には,大会の要項案を策定し,予算を立案している。また,大会の参加賞やポスター,プログラムの図案を検討し,見積りを行って決定し発注している(乙5の1・2,但し,納品・請求は大会前後となる。)。
翌年1月には,大会開催要項,予算,大会運営方法の決定を行い,また,大会の優勝盾,メダルを検討し,見積りを出して(乙6の1・2)発注している。また,大会のエントリーシステム,レガッタシステムの業者との打合せを行い,試作してそれを検証し,発注している。大会直前に行われる参加団体の代表者会議の会場を選定し,その利用申請をしている。さらに,後援団体(滋賀県体育協会,大津市体育協会,朝日放送株式会社,株式会社日刊スポーツ新聞西日本,公益社団法人日本ボート協会)に要請書を送付している。
2月には,関西ボート連盟のホームページから,大会の開催要項及び運営方法の公告を行っている(乙7の1・2)。また,プログラムに掲載する広告掲載の協力候補団体(宝酒造株式会社等)に広告要請書を発送している。さらに,他の名目上の主催団体に,予算,企画,運営内容を個別に説明している。そして,支援団体(パナソニック株式会社,大津警察署,水上警察等)に協力要請書を持参し個別に訪問して要請している。加えて,招待選手に出場の案内書を発送したり,東日本大震災の復興支援イベントの打合せのため,東北6県の大阪事務所を訪問しているほか,大会本部臨時電話の電話番号を確定させている。
3月には,関西ボート連盟のホームページを通じて出漕の申込みを受付けている(乙8の1・2)。また,参加団体の正式な出漕書類を郵送により受付けて,その書類のチェックと出漕料及び保険料の入金を確認している。さらに,表彰状のデザインを決定し発注し,大会期間の宿舎・食事・弁当・飲料等の手配を完了させたり,全役員に対して委嘱状・役員行動のスケジュール資料を送付し,出欠を確認している。そして,警備保障会社と大会期間の警備契約を締結し,大会会場を借上げし,会場周辺の占有申請届を提出している。
4月には,大会概要(暫定的な競漕日程・競漕順序等)を作成し,関西ボート連盟のホームページで公開し,同ホームページを通じて出漕変更願を受付けている。また,名目上の他の共同主催者への大会運営の説明会を開催し,全種目の有力クルーの予想や話題クルーの情報を提供し,朝日新聞記者には連盟理事が解説を行い,大会プログラムを発注し校正を行い印刷製本している(乙9)。さらに,地元の関係先へ協力要請の挨拶回りを行い,関西ボート連盟のホームページに大会の諸注意事項を掲載して注意喚起し,大会コースを敷設し,競漕艇の保管場所の土地の貸与申請を行い,仮設船台の運搬や設置の手続や警備保障会社への手配を行い(近隣の全トイレ施設の清掃を含む),表彰式の担当者首長等の参加要請をし,式典の司会担当の要請を滋賀県立膳所高校放送班に依頼し,来客用の駐車場の確保に加え,他の名目上の共同主催者に負担金(実質上の協賛金)の請求を行っている。
5月には,大会前日に参加団体の監督主将会議(第68回大会より,代表者会議に名称変更)を開催しており(乙10),その会議で組合せの公開抽選会を行っている。
また,大会終了後においても,同様にして,関西ボート連盟は,単独で,以下の後始末を行っている。
そして,公式記録の報告を行うとともに,後援,支援,広告,協力団体等への大会終了報告ならびにお礼の挨拶を行い,プログラムに掲載した広告企業への費用請求の手続き等の事務作業を行っている(乙11)。
さらに,5,6,7月には,関係業務委託先への支払い手続きを行っている(乙12の1?3)。
8月以降,名目上の共同主催団体を,関西ボート連盟の正副理事長が個別訪問し決算及び大会の実施報告を行っている。
このようにして,関西ボート連盟は,ボート競技会「朝日レガッタ」の企画・運営を単独で行っているが,朝日新聞社は,企画・運営について何も具体的な行為は行っていない。
b 大会当日の開催・運営について
関西ボート連盟は,ボート競技会「朝日レガッタ」の開催日の4日間も,以下に示すように,単独で運営・開催を行っている。
競漕会役員(含,補助役員)を延べ約800名(5日間,大会前日を含む。)動員して大会を運営している。その役員が大会に従事する時間は,6:30?16:30までの1日当り10時間であり,延べ約8,000時間にも達する。
競漕会役員は,各担当別に競漕会統括管理(競技進捗/棄権受付/変更許可/組合せ決定)・審判・舟艇乗務・水上監視・放送・配艇・コース管理・会場整備・競技記録・メディア対応等の業務に従事している(乙9)。
その他に,開催当日には,競技記録等の印刷物の無償配布を行い,また,競技記録等を関西ボート連盟のホームページ上に公開する(乙13の1・2)とともに,日本ボート協会や共同通信社へ競技記録を送信している。
また,会場に大会期間中,ミニFM放送局を設置し(甲13の2),表彰会場の会場設営,式典の進行を行い,競技会場の環境調査(会場水域の風向・風速・波・流速・浮遊物・うねり・雷・熱中症指数測定等)や各種イベント支援,競漕実況中継を行っている。
さらに,選手の更衣室,簡易トイレの設置,周辺全トイレとごみ箱の巡回清掃管理等だけでなく,大会終了時には会場の撤収を行い,大会全日程の競技記録の報告も行っている。
このようにして,関西ボート連盟は,ボート競技会「朝日レガッタ」の開催・運営を単独で行っているが,朝日新聞社は,運営・開催についても何も具体的な行為は行っていない。
c 指定役務「ボート競技会の企画・運営又は開催」の主たる取引者・需要者の認識について
指定役務「ボート競技会の企画・運営又は開催」の主たる取引者・需要者であるボート競技会に出場する選手・監督・コーチは,ボート競技会「朝日レガッタ」を「企画・運営又は開催」をしているものは,以下の事実,すなわち,(1) 参加要項に関して関西ボート連盟のホームページより確認すること,(2) 出場の申込を関西ボート連盟宛に郵送していること,(3) 参加チームの代表者会議を関西ボート連盟が開催していること,(4) 公開抽選会を関西ボート連盟が行っていること,(5) 大会での審判員は,関西ボート連盟に所属するボランティア又は関西ボート連盟が手配したボランティアであること,(6) 速報として競技記録が関西ボート連盟のホームページ上に記録されること,(7) 公式記録の報告が関西ボート連盟よりされていること,等から,関西ボート連盟だと認識している(乙7の1・2,乙8の1・2,乙10,乙13の1・2)。
d 朝日新聞社のボート競技会「朝日レガッタ」への関わりについて
朝日新聞社の「朝日レガッタ」への関わりは,異議申立ての手続補正書20ページから21ページに記載されているが,その引用する甲第11号証?甲第13号証の2は,ボート競技会「朝日レガッタ」の単なる新聞記事に過ぎず,しかも新聞記事は,広告行為でもないので,商標の使用に当たらないことは明白である。
また,担当者が1名常時立ち会っている旨を同手続補正書に記載しているものの,実際には大会が7:30から開始されるのに合わせて,関西ボート連盟の担当者が6:30から会場で大会の運営作業をしているにもかかわらず,朝日新聞社の担当者は10時頃に,会場に現れて,その後も任意の時間帯に座っているだけであって,ボート競技会「朝日レガッタ」の運営に何ら携わっていない。これが,関西ボート連盟関係者が確認している実情である。
さらに,朝日新聞社常務取締役が主催者挨拶を行っていることも同手続補正書に記載しているが,これも事実上,大会の名誉会長(朝日新聞社常務取締役)が,単に「来賓」の挨拶をしたに過ぎない。
以上の行為は,指定役務「ボート競技会の企画・運営又は開催」に関して,商標法第2条第3項に規定する商標の使用には該当しない。すなわち,朝日新聞社は,ボート競技会「朝日レガッタ」の「企画・運営又は開催」を何も行っていない(商標をその指定役務について使用していない)ので,実質的に主催者ではないし,また,ボート競技会「朝日レガッタ」指定役務「ボート競技会の企画・運営又は開催」に関して,(商標をその指定役務について使用していないので)実質的に周知性の獲得にも何ら寄与していない。
そして,覚書に,
「『第2条 甲(関西ボート連盟)は,自らの費用と責任で本催事の運営業務全般を実施し,本催事を安全かつ円滑に開催する責任を負う』,
及び,
第4条 乙は甲に対して,本催事の実施分担金として,金1,760,000円(消費税込み)を,2014年5月31日までに次の銀行口座に振り込み支払うものとする。滋賀銀行 南郷支店 普通051321 関西ボート連盟 会長 佐藤茂雄
2.甲は,本催事の実施,本催事内容の変更,本催事の全部または一部の中止等に伴う賠償金や経費など一切の費用を負担するとともに自己の責任で処理するものとし,乙は,本催事の実施の結果,収支に赤字が生じた場合であっても,前項に定める他は何らの支払い義務は生じない。』」
と記載されている(乙14)。これは,朝日新聞社が,金銭を税込み176万円払い,赤字になった場合の追加負担もなければ,安全面も何ら責任を持たず,開催・運営の一切を関西ボート連盟に任せているものである。この朝日新聞社の実質的な位置付けは,共同主催者ではなく,単なる協賛金176万円(税込み)を支払う「協賛者」に過ぎないことを示しており,この点は法解釈としても十分裏付けられるところである(乙15)。
また,上記の内容は2014年12月19日付け朝日新聞社企画事業本部大阪企画事業部長鈴木直哉氏から松本健次宛の書面にも「共催の具体的中身である毎年度の資金拠出や,取材態勢,紙面展開について・・・」と商標「朝日レガッタ」を指定役務「ボート競技会の企画・運営又は開催」について,何ら使用していないことを,自白している(甲6)。
e 小括
以上のとおり,「ボート競技会『朝日レガッタ』の企画・運営又は開催」は,事実上,関西ボート連盟が単独で行っており,また,「ボート競技会の企画・運営又は開催」の主たる取引者・需要者である大会の出場選手,監督,コーチも「ボート競技会『朝日レガッタ』の企画・運営又は開催」は,関西ボート連盟が行ってきていることを十分に認識していることからも,ボート競技会「朝日レガッタ」は,関西ボート連盟の企画・運営・開催によって,ボート競技会として周知になったのである。
このことは,関西ボート連盟は,他の名目上の主催者がいなくとも,単独でボート競技会「朝日レガッタ」を,企画,運営,開催することができるが,朝日新聞社等の他の名目上の主催者は,単独でボート競技会を企画,運営,開催をすることは不可能であることからもわかる。
上記のように,朝日新聞社は,実質的に周知性の獲得にも寄与せず,その実態は,主催者ではなく「協賛者」というべきものである。
商標法第4項第1項第10号の法目的は,「商標の使用をして自己の『業務にかかる役務を表示するものとして需要者の間に広く認識される』程度の信用を形成したときには,その者は不正競争防止法による場合は別として積極的に他人の使用を差し止める権利はないけれども他人の商標登録を阻止することができる」というものである。
よって,その法目的に照らし合わせても,実際に業務を行っているのは関西ボート連盟であって,実際に業務を行っていない朝日新聞社を保護する法目的ではなく,そもそも「同意を要する」とする理由はない。
したがって,実質的に主催者でなく単なる「協賛者」にすぎない朝日新聞社の同意は,そもそも不要である。
イ まとめ
以上のように,朝日新聞社は,2014(平成26)年4月28日締結の覚書によって,朝日新聞社は,関西ボート連盟(理事長松本健次)に商標が帰属することを承認(同意)している。また,その覚書に反して,同意書に署名,押印しなかったこと及び異議申立てを請求したことは,明らかに信義則違反である。
また,関西ボート連盟は,実質的に,ボート競技会「朝日レガッタ」を単独で,企画,運営,開催を行っているのに対し,朝日新聞社は実質的には「協賛者」であるにとどまり,主催者とは言い得ず,朝日新聞社の同意は,そもそも不要である。
したがって,本件商標は,査定時において,商標法第4条第1項第10号に該当していない。
(3)商標法第4条第1項第7号について
ア 事実認定について
審判官の事実認定の前提資料には,本異議申立事件の最重要証拠である2014年4月28日に関西ボート連盟と朝日新聞社との間で締結された覚書(乙14)が,欠落しており,重大な事実誤認をしている。
前記のとおり,本覚書は,朝日新聞社が立案(乙19の1)し,関西ボート連盟に署名,押印を迫ったものであって,2014年4月16日に朝日新聞社社員佐々木直氏から,関西ボート連盟の理事(事務局)山田博彦氏に手渡され(乙19の2),その後,朝日新聞社によって改訂された覚書(乙20の1,即ち,覚書の内容は乙14と同一。)が,同年4月24日に朝日新聞社社員佐々木直氏より関西ボート連盟の理事(事務局)山田博彦氏に対して,メールに添付されて送付されてきた。そのメールには,朝日新聞社が関西ボート連盟に対して,「関西ボート連盟が2枚を印刷すること,そして,その2枚ともに連盟印を押印して,朝日新聞社に返送すること」を指示している内容が記載されている(乙20の2)。そして,朝日新聞社が押印して,1通を関西ボート連盟に送付してきたものである(乙14)。
また,審判官は,取消理由通知書において,「エ 申立人は,・・・関西ボート連盟”等”との協議を求めた。」と事実認定を行っているが,朝日新聞社が2014年10月23日付けの書面(甲5)に記載した“皆様”とは,本件商標の権利者である松本健次以外の関西ボート連盟の会員(幹部役員)のことを指し示しており,”関西ボート連盟以外の団体”を示すものではないことを申し述べておく。
イ 意見について
審判官は,「『公の秩序または善良の風俗を害するおそれがある商標』には,・・・社会の一般道徳観念に反するような商標,・・・が含まれる,と解するべきである。そして,上述のように,社会の一般道徳観念に反するような場合には,ある商標をその指定役務について当該商標出願人よりも,より密接な関係を有するもの等の利益を害し,剽窃的行為である,と評することのできる場合も含まれ,このような商標を出願し登録する行為は,商標法第4条第1項第7号に該当するべきである,と解される(東京高裁平成14年(行ケ)第94号判決言渡日 平成14年7月16日)。」と取消理由通知書に記載している。
しかしながら,上記高裁の裁判例は,「当該商標をなす用語等につき当該出願人よりも,より密接な関係を有するもの」に関するものである。
本件商標は,上述したように,関西ボート連盟が,ボート競技会「朝日レガッタ」を,実質的に単独で,企画,開催,運営しているのであって,関西ボート連盟よりも「朝日レガッタ」について密接な関係を有する者は存在していない。
また,前述したように,本件商標「朝日レガッタ」は,それぞれ,普通名詞「朝日」「1)朝昇る太陽。朝方の日。ひので。2)稲の在来品種。3)リンゴの早稲種。」(乙17)と,普通名詞「レガッタ」「ボート競技会。」(乙18)と,を結合した標準文字商標である。よって,「当該出願人よりも,より密接な関係を有するもの」は存在していない。
したがって,ボート競技会「朝日レガッタ」の企画,運営,開催について,なんらの使用もせず,また周知性獲得になんらの貢献もない朝日新聞社が,「朝日レガッタ」に関して,”関西ボート連盟よりも密接な関係”にないことは明らかであり,取消理由通知書における上記高裁の裁判例の解釈を拡張もしくは間違えて適用している。
よって,本件が剽窃的行為でないことは明らかで,商標法第4条第1項第7号に該当しないことも明白である。
また,上述したように,覚書(乙14)により拘束される自己の先行行為に反して,商標登録申請に同意せず,さらに,異議申立てを請求するという朝日新聞社のこれらの行為は,明らかに,信義則(禁反言)に反し,社会一般の商道徳の秩序を乱す不法行為である。
これに対し,関西ボート連盟のボート競技会「朝日レガッタ」の企画,運営,開催する行為によって(乙5の1・2,乙6の1・2,乙7の・2,乙8の1・2,乙10,乙11,乙12の1?3,乙13の1・2),需要者又は取引者であるボート競技の選手,監督,コーチ,及び大会運営に協力している様々な業者の方々は,関西ボート連盟が,実際に単独でボート競技会「朝日レガッタ」の企画,開催,運営を行っていることを,熟知している。
よって,関西ボート連盟の活動を実質的に遂行している理事長の松本健次が,本件商標を出願し,権利化することで,引き続き安定的に「朝日レガッタ」を開催していくことができ,その需要者・取引者の期待に応えると共に,社会通念上の商道徳にも則っており,公正な商取引が保たれるのである。
このことは,地方公共団体の滋賀県,滋賀県教育委員会,大津市が,即座に出願及び権利化に同意したことでも容易に推認できる(甲8の1?4)。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号にも該当しない。
(4)まとめ
上述したように,本件商標は,商標法第4条第1項第10号にも,商標法第4条第1項第7号にも該当しないので,本件商標権は,維持決定すべきものである。

第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第10号該当について
本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するとした前記第3の取消理由は,妥当なものと認められるものである。
すなわち,前記取消理由の内容によれば,滋賀県の琵琶湖漕艇場におけるボート競技会である「朝日レガッタ」は,第68回に及ぶ歴史あるボート競技会である。
そして,登録査定時においては,第67回まで開催されており,このボート競技会は,「関西ボート連盟,朝日新聞社,滋賀県,滋賀県教育委員会,大津市,大津市教育委員会」の6団体を主催団体とするものである。
また,上記競技会の名称としての「朝日レガッタ」の文字からなる商標(使用商標)は,上記主催団体によって,「ボート競技会の企画・運営及び開催」について使用されてきたものであって,長年にわたり継続して使用されてきた結果,本件商標の登録出願時及び登録査定時には既に,「滋賀県の琵琶湖漕艇場における,ボート競技会の企画・運営及び開催の役務」を提供する主催団体の出所識別標識として,需要者の間に広く認識されていたものというのが相当である。
加えて,申立人の主張及び商標権者による本件商標の商標登録に至る経緯等を総合すると,出願人(商標権者)が本件商標を出願し権利を取得することについて,主催団体の一団体である申立人(朝日新聞社)の同意を得ていないことは明らかである。
そうすると,本件商標は,使用商標と同じ「朝日レガッタ」の文字からなるものであり,また,商標権者である出願人は,主催団体の一団体であって,その主催団体を代表する者ではないから,上記6団体によって使用されてきた使用商標との関係において,本件商標は,「他人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって,その役務又はこれに類似する役務について使用をするもの」といわなければならない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。
2 商標権者の主張について
商標権者は,意見書等において種々述べているところであるが,本件の争点は,本件商標が商標法第4条第1項第10号における「他人の」商標であるかどうかであると理解されるものである。
この点についていえば,同号の「他人」は,出願人以外の者を広く指すものであるが,具体的にどの範囲の者がここでいう「他人」に該当するかどうかは,当該商標が使用されている商品又は役務に接した需要者が,誰の業務に係る商品又は役務であることを表示するものとして当該商標を理解するかにより決められるものというのが相当である。
そこで,本件について検討すると,まず本件商標が使用されている状況に関し,本件商標は,従来より申立人(朝日新聞社)を含む6団体が主催し,現在まで68回に及んで開催されているボート競技会の名称として使用されており,この点に関して申立人及び商標権者の間に争いはない。
また,申立人は,「朝日ウォーキンググランプリ」,「朝日賞」,「朝日スポーツ賞」,「朝日広告賞」,「朝日のびのび教育賞」,「IBBY朝日国際児童図書普及賞」,「朝日アマ将棋名人戦」,「朝日アマ囲碁名人戦」等様々な事業,イベントを主催しているものである(甲11)。
そして,本件商標は,「朝日レガッタ」の文字からなる商標であり,その構成中に「朝日」の文字を含むものであって,当該「朝日」の文字からなる商標が,新聞の提供やテレビジョン放送の分野をはじめ,上記した申立人に係る様々な事業,イベントにおいて申立人を指す商標として広く使用されていることを考慮すると,本件商標の指定役務「ボート競技会の企画・運営又は開催」について本件商標に接した需要者は,申立人が少なくとも当該役務の提供主体に含まれる(一部である)と認識するものというべきである。
これに対して,商標権者は,平成27年11月16日付けの意見書などにおいて,商標権者がボート競技会「朝日レガッタ」の開催に当たって主要な役割を担っていることを縷々主張しているところであるが,しかし,それらにより申立人が「朝日レガッタ」の提供主体(に含まれる)と認識されることはあったとしても,申立人が「朝日レガッタ」の提供主体であると需要者から認識されないこととなるわけではない。
したがって,商標権者の主張は失当である。
また,商標権者は,乙第14号証に基づき,商標権者が本件商標を商標出願し,商標権を取得することを承諾していたと主張している。
しかし,乙第14号証は,「本催事(ボート競技会「朝日レガッタ」)は,甲(関西ボート連盟)が自らの費用と責任において実施するものであり・・・甲は乙に対し,甲が本催事を実施するために必要な一切の権利を取得していること・・・を・・・保証する。」とされており,その文言からは,「朝日レガッタ」の開催に当たって甲が必要な許認可を得ていることを保証するものではあっても,申立人が関西ボート連盟(又はその関係者)に対して本件商標を商標出願し,商標権を取得することを承諾する趣旨であったとは認められない。
なお,申立人は,「朝日レガッタ」の商標を保護するために商標権者に協力すべきなのではないか,ということもあり得るが,たとえその義務があったとしても,契約違反の問題に留まるのであって,商標権を誰が取得すべきか,という議論とは関係がないものである。
3 まとめ
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲
異議決定日 2016-03-14 
出願番号 商願2014-32915(T2014-32915) 
審決分類 T 1 651・ 25- Z (W41)
最終処分 取消 
前審関与審査官 吉田 聡一 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 井出 英一郎
榎本 政実
登録日 2015-03-13 
登録番号 商標登録第5749106号(T5749106) 
権利者 松本 健次
商標の称呼 アサヒレガッタ、アサヒ 
代理人 明田 佳久 
代理人 明田 莞 
代理人 特許業務法人あーく特許事務所 
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