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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W43
審判 一部申立て  登録を維持 W43
審判 一部申立て  登録を維持 W43
審判 一部申立て  登録を維持 W43
審判 一部申立て  登録を維持 W43
管理番号 1314566 
異議申立番号 異議2015-900386 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-06-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-12-18 
確定日 2016-05-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第5792497号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5792497号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5792497号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成27年4月7日に登録出願,同年8月20日に登録査定,第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),家庭用電気トースターの貸与,家庭用電子レンジの貸与,家庭用ホットプレートの貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,食器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与」を指定役務として,同年9月11日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は,別掲2のとおりの構成からなり,申立人及びその代表者が「釜飯の提供」について使用している商標(以下「引用商標」という。)である。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標はその指定役務中,第43類「飲食物の提供」(以下「申立役務」という。)について,商標法第3条第1項柱書,同法第4条第1項第7号,同第10号,同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである旨申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。
(1)申立人らと本件商標権者との関係について
本件登録異議の申立ての主たる理由は,本件商標権者の代表者と申立人の代表者が,鎌倉において,共同で「釜飯店」を始めた後,申立人及びその代表者(以下「申立人ら」という。)が使用する引用商標の使用を禁止させるために,本件商標が出願されたことによるものである。
また,引用商標は,需要者に広く知られており,本件商標が申立役務に使用された場合,申立人らの業務と混同を生ずるものである。
ア 本件商標権者と申立人らのビジネスについて
現在,本件商標権者は,鎌倉市小町において「鎌倉釜飯かまかま 本店」,藤沢市において「鎌倉釜飯・純豆腐かまかま 藤沢店」及び大阪市において「鎌倉釜飯かまかま 道頓堀店」の3つの釜飯店等を有し(甲2?甲7),申立人らは,鎌倉市小町において「鎌倉釜飯かまかま 小町店」及び「鎌倉釜飯かまかま 小町本店」の2店舗の釜飯店を経営している(甲8?甲12,以下,各店舗を順番に「本店」,「藤沢店」,「道頓堀店」,「小町店」,「小町本店」という。)。
なお,本件商標権者の代表者T氏と申立人の代表者N氏とは,友人同士であり,一緒に「Sanny株式会社」(本件商標権者)を立ち上げ,釜飯店を始めたものである。
また,本件商標権者が使用する商標(以下「商標権者使用商標」という。)は,別掲2のとおり,本件商標の円弧上にローマ字で「KAMAKURA・KAMAMESHI」を表示した構成であり,また,引用商標は,別掲2のとおりの構成(決定注:商標権者使用商標と引用商標は,同一の構成からなるものと判断した。)であり,両商標は,酷似している。
イ 現在までの経緯
本件商標権者と申立人らの関係を説明した陳述書(甲13)に示すとおり,本件商標権者の代表者T氏と申立人の代表者N氏とは,英国の大学留学時代に知り合い,時折一緒に食事をするなどの交友関係を続けていた。
N氏は,T氏から何度も「新しい仕事を一緒にやろうよ」などと誘われていたところ,平成20年頃,これを承諾して,二人で一緒に会社を設立して,出資割合に関係なく売上げを折半することで合意した。T氏が飲食店の経験があったことから,T氏を社長,N氏を専務にすることになった。
そして,N氏から,「鎌倉釜飯かまかま」の名前で釜飯店を始めることを提案して,釜飯店を始めることになった。
店のロゴマークについては,T氏とN氏で相談して,デザイナーに依頼してデザインしてもらった。T氏は,できあがったデザインの中から,N氏が実際に使用するロゴマークを選ぶようにと提案し,N氏が最終的に選択して決定した。
第1号店(本店,陳述書において「小屋」)の出店までに,N氏は240万円を出資し,平成20年8月に本店が開店した。N氏は,開店準備をしているときから,T氏から専務の肩書きの名刺を渡され,開店後はアルバイト店員からも専務と呼ばれ,T氏からも専務であることは否定されなかった。また,商工会議所の集まりにもT氏とN氏は一緒に出席し,T氏からは専務として紹介されていた。
本店の開店当初はお客がほとんど入らなかったが,徐々にお客が増え,開店から約1年後の収支が安定した頃に,N氏からT氏へ売り上げの折半について話をするようになった。
しかし,T氏からは商売が軌道に乗っていない等の理由により,N氏は月250時間以上働いていたが月に5万?6万円が支払われただけだった。
この頃から,N氏はT氏とは関係なく商売を始めたいと思うようになっていった。
平成22年頃に藤沢店の開店準備が始まり,この頃も売り上げは折半されず,N氏には月10万円が支払われるのみの状況であったが,平成23年1月に藤沢店が開店した。
藤沢店の開店の少し前頃に,N氏は,T氏に自分で新しい店を開くという話をして,T氏は「本当にやるの?」とか,「夜だけやりなよ。」などと言ったが,それ以上は口出しをしなかった。
そして,N氏は,小町店の開店準備をし,開店準備中も,T氏は新しい店の様子を見に来ており,「鎌倉釜飯 かまかま」の屋号とロゴマーク(引用商標)を使用することは承知しており,N氏からも屋号とロゴマーク(引用商標)の使用について伝えており,これらについて使用を許さない等とは言われなかった。そして,N氏は,N氏個人で営業許可をとり,平成23年6月に本店のすぐ向かいに小町店を開店させた。引用商標は,小町店のロゴマークとして,開店当初から使用され,看板,メニュー,駅看板等に使用されているものである(甲11)。
小町店の開店後も,T氏は売り上げを折半する気配がなかったので,N氏は出資金だけでも返して欲しいと伝えたが,T氏は,何度も返すと言いながら返金してくれなかった。そこで,平成23年7月に,N氏が本件商標権者の登記簿謄本を取って見たところ,取締役にN氏の名前が記載されていないことが判明した(甲3)。
申立人は,平成24年12月に小町本店を開店させた。それから,平成26年10月25日に,N氏とT氏は,居酒屋で話をし,改めてT氏に出資金を返して欲しいことを伝えた。しかし,T氏はその後も出資金を返すことはなかった。
それどころか,T氏はN氏に対し,自分が全く関わっていない小町店の売上げを半分くれないかと言った。
現在に至っては,N氏は,同氏が経営する小町店へ来店する観光客に対して,T氏が雇用するアルバイト店員から入店を妨害するなどの営業妨害を受けている状況である。
ウ 申立人らの店舗の著名性について
申立人らが経営する小町店,小町本店は,地元鎌倉の人気店として数々の雑誌等に掲載され(甲14?甲20),著名になっており,また,引用商標は,出所表示として広く知られているものである。
(2)商標法第3条第1項柱書について(甲2,甲6,甲7)
本件商標権者が有する店舗においては,本件商標とは異なる商標が使用されている。すなわち,本件商標の楕円の円弧上に沿ってローマ字「KAMAKURA・KAMAMESHI」が記載された標章(商標権者使用商標)が使用されている。この標章は,N氏が選択したものであって,「本店」の開店当時から10年近く使用されているものである。
したがって,本件商標は,使用されておらず,また近い将来使用されることに疑義がある商標であって,「自己の業務に係る商品又は役務について使用する商標」について出願されたものではない。
よって,本件商標は,商標法第3条第1項柱書の要件を具備していない。
(3)商標法第4条第1項第7号について(甲1?甲20)
上述のとおり,本件商標権者の代表者T氏と申立人の代表者N氏とは,友人同士であり,一緒に釜飯店を開店した。そして,N氏は,本店のすぐ向かいに小町店を開店させた。N氏は,T氏に開店前に自分でお店を開きたいことや,「鎌倉釜飯かまかま」の屋号及び引用商標を使用することについて伝え,T氏も小町店の準備の様子を見に来ており,T氏は,申立人らの引用商標が使用されることは当然知っていた。また,平成26年には,T氏は,N氏に対して小町店の売り上げの半分をもらいたいなどと持ちかけている。
しかし,現在では小町店への観光客の入店の妨害が行われている状況である。
したがって,本件商標は,引用商標の使用を禁止するために剽窃的に先取りして出願された商標であると推認される。
よって,本件商標は,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標に該当し,商標法第4条第1項第7号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第10号について(甲1,甲2,甲8ないし甲20)
上述のとおり,申立人らは,小町店,小町本店を経営しており,平成23年から引用商標を継続して使用している。また,両店は,数々の雑誌等に掲載されており,鎌倉の人気店として需要者の間に広く知られており,引用商標も需要者に広く知られているものである。
本件商標と引用商標は,楕円と円の相違,「KAMAKURA・KAMAMESHI」の文字の有無の相違のみであり,外観上,極めて紛らわしい商標であり,類似する。また,本件商標の申立役務と申立人らが行う「釜飯の提供」とは,類似する役務である。
したがって,本件商標が,申立役務に使用された場合,これに接する需要者は,混同を生じることは明らかである。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第15号について(甲1ないし甲20)
上述のとおり,本件商標権者は,鎌倉の地で,申立人らの代表者N氏と立ち上げた本店を経営している。
一方,申立人らは,同じ鎌倉の地で小町店,小町本店を経営し,平成23年から引用商標を継続して使用しており,引用商標は需要者に広く知られているものである。
また,本件商標と引用商標は類似する。仮に,両者が類似しない場合であっても,なんらかの関係があるものと誤信されるおそれがあるものである。
さらに,本件商標の申立役務と申立人らが行う「釜飯の提供」とは,類似する役務である。
したがって,本件商標が,申立役務に使用された場合,これに接する需要者は,混同を生じることは明らかである。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(6)商標法第4条第1項第19号について
上述のとおり,本件商標権者と申立人らの経緯があり,引用商標は,需要者に広く知られているものであり,また,本件商標と引用商標は類似する。
一方で,上記(3)のとおりの状況がある。
したがって,本件商標は,申立人らの引用商標の使用を禁止するためだけの不正の目的をもって出願されたものである。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項柱書の要件について
申立人の主張によれば,本件商標権者は,平成20年8月に,本店を開店したものであり,同人提出の証拠によれば,遅くとも2016年(平成28年)1月12日には商標権者使用商標を「釜飯の提供」について使用していることが認められる(甲5,甲6)。
そして,本件商標と商標権者使用商標とを比較すると,後者は一見して,前者の構成に「KAMAKURA・KAMAMESHI」の文字を加えたものと認識されるものであって,前者が有する識別性に影響を与えていないものといえる。
また,「釜飯の提供」は,本件商標の指定役務中の「飲食物の提供」の範ちゅうに含まれるものである。
これらに加え,一般に,商標は,その構成の一部に変更を加え,あるいは他の構成要素を併記するなどして使用されることが行われていることを考慮すれば,本件商標権者は,少なくとも本件商標の登録査定時において,申立役務について本件商標の使用をする意思があったものと判断するのが相当である。
他に,これを覆すに足る事実は見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第7号該当性について
先願主義を採用している我が国の商標法の制度趣旨及び構造からすれば,本号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ」を私的領域にまで拡大解釈することによって商標登録出願を排除することは,特段の事情のある例外的な場合を除くほか,許されないというべきである(知財高裁平成19年(行ケ)第10391号,同20年6月26日判決参照)。
そして,本件商標が本号に該当する旨の申立人の主張は,専ら本件商標権者の代表者と申立人の代表者との友人関係に不和が生じたことに起因するものであって,当事者同士の私的な問題として解決すべきものといえ,「公の秩序や善良な風俗を害する」特段の事情がある例外的な場合には該当しないものと判断するのが相当である。
そうとすれば,本件商標は,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということができない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(3)申立人らが使用をする引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,次の事実を認めることができる。
(ア)申立人らは,鎌倉市において平成23年6月に小町店,平成24年12月に小町本店を開店し,現在まで継続して釜飯の提供を行っている(甲8?甲20)。
(イ)申立人らは,少なくとも小町店においては開店当初から引用商標を店舗や看板に表示し(甲11),また,平成23年9月頃から雑誌等で引用商標と共に両店の広告を行っている(甲14ないし甲20)。
(ウ)しかしながら,申立人らの店舗における来客数,売上高など営業実績を証拠はない。
イ 上記アの事実からすれば,申立人らは,平成23年から引用商標を使用し,釜飯の提供を行っていることが認められる。
しかしながら,申立人らの店舗は2店にすぎず,雑誌等の広告は多数の店舗のうちの一つとして紹介されていること,及び申立人らの店舗の営業実績を示す証左はないことから,鎌倉は多くの観光客が訪れる街であることを考慮しても,引用商標が,本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において,申立人らの業務に係る役務(釜飯の提供)であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
なお,引用商標の外国における使用については,その事実等を確認することができないから,引用商標は,外国の需要者に広く認識されているものと認めることができない。
(4)商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標は,別掲1のとおりの構成態様からなり,引用商標は,別掲2のとおりの構成態様からなるところ,両者は,役務の出所識別標識としての機能を有するものとは認められない「KAMAKURA・KAMAMESHI」の文字の有無のほかは,略同一の構成態様からなるものであるから,類似の商標と認められ,本件商標の申立役務は,申立人が引用商標を使用する「釜飯の提供」を含むものである。
しかしながら,引用商標は,上記(3)イのとおり,申立人らの業務に係る役務(釜飯の提供)であることを表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることができない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(4)のとおり,本件商標は,引用商標と類似するものであり,また,その申立役務も引用商標を使用する役務を含むものである。
しかしながら,上記(3)イのとおり,引用商標は,申立人らの業務に係る役務(釜飯の提供)であることを表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることができないものであるから,本件商標権者が本件商標を申立役務について使用しても,これに接する取引者,需要者をして,申立らを連想又は想起させることはなく,その役務が他人(申立人ら)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(6)商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標は,上記(3)イのとおり,申立人らの業務に係る役務(釜飯の提供)であることを表示するものとして,我が国及び外国の需要者の間に広く認識されているものと認めることができない。また,申立人提出の甲各号証からは,本件商標権者が申立人らの引用商標の使用を禁止する等の目的をもって本件商標を登録出願したものとすべき証拠は見いだせない。
したがって,商標法第4条第1項第19号所定の他の要件について判断するまでもなく,本件商標は,同号に該当しない。
(7)まとめ
以上のとおり,本件商標は,その指定役務中,第43類「飲食物の提供」について,商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものではなく,また,同法第4条第1項第7号,同第10号,同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから,その登録は,同法第43条の3第4項の規定により維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 (本件商標)





別掲2 (引用商標)





異議決定日 2016-04-21 
出願番号 商願2015-32280(T2015-32280) 
審決分類 T 1 652・ 18- Y (W43)
T 1 652・ 22- Y (W43)
T 1 652・ 222- Y (W43)
T 1 652・ 271- Y (W43)
T 1 652・ 25- Y (W43)
最終処分 維持 
前審関与審査官 藤平 良二 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 中束 としえ
田中 亨子
登録日 2015-09-11 
登録番号 商標登録第5792497号(T5792497) 
権利者 Sanny株式会社
商標の称呼 カマカマ、カマケン 
代理人 吉原 省三 
代理人 吉水 容世 
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