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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W14
管理番号 1314481 
審判番号 不服2015-14847 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-08-07 
確定日 2016-04-27 
事件の表示 商願2014-108933拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「3連らせん」の文字を標準文字で表してなり、第14類に属する願書記載どおりの商品を指定商品として、平成26年12月24日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同28年1月14日付け手続補正書により、第14類「貴金属,宝玉の原石,宝玉及びその模造品,キーホルダー,銀パイプの外面にらせん形状が付されてなり、銀パイプは金パイプにらせん状に巻き付いてなり、巻きつかれた金パイプもらせん状をなしてなる身飾品,時計」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『3連らせん』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『3連』の文字は、『三つ、または3回続くこと。』を意味する語として、『らせん』の文字は、『螺の殻の線のように旋回した筋』を意味する語として、いずれも普通に使用されているものであり、インターネット情報によれば、本願の指定商品を取り扱う業界において、3連のらせん状の商品が販売されている事実が認められる。そうすると、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、『3連のらせん状の商品』であると理解するにとどまり、単に商品の形状、品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における手続の経緯
当審において、請求人に対し、平成27年12月15日付けで、別掲のとおりの内容を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとして審尋をし、期間を指定して、これに対する意見を求めた。

4 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記3の審尋に対して、要旨次のように意見を述べている。
(1)本願商標の構成中の「3」の文字は、何が3つなのか不明確であり、「連」の文字は、何が連なるのか不明確である。また、「らせん」の文字は、「2次元渦巻き形状」と「3次元ねじ形状(『3次元らせん形状』ともいう。)」の意味合いであると考えられるが、何がそのような状態となっているのか不明確である。
(2)別掲のインターネット情報のうち、「3連らせん」の語が記載されているのは、別掲(1)アのみであり、別掲(2)ア?カにおいても、「3連」、「螺旋状」、「らせん」等の個々の語の記載はあるものの、「3連らせん」の語の記載はない。
(3)別掲に挙げられている商品を「3連らせん」と表現することは、日本語として不自然であるから、本願商標が直ちにこれらの商品の形状等を表すものとはいえない。
(4)本願商標は、いまだ漠然とした意味合いを想起させるにとどまるものであり、これを補正後の指定商品に使用しても、商品の品質を具体的かつ直接的に表したものと認識、理解させるとまではいい難いものであり、むしろ、本願商標は、構成全体をもって特定の語義を有することのない一種の造語として認識されるものとみるのが相当である。

5 当審の判断
本願商標は、「3連らせん」の文字を標準文字で表してなるところ、審尋(別掲の(1))で示したとおり、その構成中、「3連」の文字は、「三つ、または3回続くこと。」の意味を有し、「らせん」の文字は、「螺の殻の線のように旋回した筋。」、「円柱面上をまわりながら軸方向に一定の速度で進んでいく時にできる渦巻状の空間曲線。」の意味を有する語である。
ところで、同じく審尋(別掲(2)ないし(4))で示したウェブサイトによれば、身飾品について、「3連」の語又は「三つかさなっていること。」の意味を有する「3重」の語と、「らせん」又は「螺旋」の語とを組み合わせて、その形状やデザインを形容している事実が認められる。
そして、これらの語で形容された商品は、身飾品という商品の性質上、個々の形状やデザインに異なる部分はあるものの、いずれも、商品の一部分あるいは全体に、3連のものがらせん状になっていたり、3回らせんが続いていたり、らせん状のものが3つあるなどの特徴を有するものである。
そうすると、「3連」の語と「らせん」の語とを結合した「3連らせん」の文字からなる本願商標が身飾品に使用されたときには、これに接する取引者、需要者は、本願商標は、その身飾品が上記の特徴を有する商品であること、すなわち、商品の形状やデザインを表したものと理解するにとどまるというのが相当である。
そして、本願商標の補正後の指定商品中、「銀パイプの外面にらせん形状が付されてなり、銀パイプは金パイプにらせん状に巻き付いてなり、巻きつかれた金パイプもらせん状をなしてなる身飾品」は、らせん状の部分を有する身飾品といえるものであるから、本願商標をこれに使用しても、本願商標は、商品の形状、デザイン、品質を表示したものと認識されるにすぎないといわざるを得ない。
なお、請求人は、別掲のインターネット情報には、「3連らせん」の文字そのものの使用が少なく、また、該情報に掲載されている商品を、「3連らせん」と表現することは、日本語として不自然であり、本願商標は、構成全体をもって特定の語義を有することのない一種の造語として認識される旨主張している。
しかしながら、出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号にいう商品の品質に該当するというには、我が国の取引者、需要者が商品の品質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるものであり、また、実際に商品の品質を表示するものとして使用されていることまでは必要としないと解される。そして、本願商標は、上記のとおり、その構成文字が有する意味合いに、別掲(2)ないし(4)の取引の実情を併せみれば、「身飾品」について使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、商品の形状、デザイン、品質を表示したものと容易に認識されるというのが相当であるから、請求人の主張を採用することはできない。
したがって、本願商標は、商品の形状、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(当審においてした審尋)
(1)本願商標は、「3連らせん」の文字を標準文字で表してなり、その構成中「3連」の文字は、「三つ、または3回続くこと。」の意味を有し、「らせん」の文字は、「螺の殻の線のように旋回した筋。」、「円柱面上をまわりながら軸方向に一定の速度で進んでいく時にできる渦巻状の空間曲線。」の意味を有する語であるところ(株式会社岩波書店発行「広辞苑第六版」の「三連」、「螺旋」及び「螺線」の項参照)、以下の(2)?(4)のウェブサイトによれば、身飾品について、3連のものがらせん状になっている商品や、3回らせんが続いている商品、らせん状のものが3つある商品などが見受けられ、これらの形状やデザインを「3連」、「3重」、「3本」、「らせん」、「螺旋」などの語で形容している事実が認められる。
そうすると、「3連」と「らせん」の語を結合した「3連らせん」の文字からなる本願商標は、その指定商品中「身飾品」に使用した場合、それに接する取引者、需要者に、その商品が、3連のものがらせん状になっている商品であったり、3回らせんが続いている商品であったり、らせん状のものが3つある商品であったりという、商品の形状やデザインを形容したものと認識されるにとどまり、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものである。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)3連のものがらせん状になっている商品
ア ハンドメイドミサンガ ギア3重らせん
(http://www.mbok.jp/item/item_469229027.html)

イ 3連サークルのらせんパーツ
(http://www.amazon.co.jp/dp/B00JN0RWSQ)

ウ 珊瑚3連チョーカー 螺旋を描く、3連の捻りが加えられた造り
(http://www.sanoya.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=157545)

エ 3連パールらせんネックレス
(http://store.ponparemall.com/girl-k/goods/n-617/)

オ ビーズポイント3連らせんパールチョーカー・ネックレス
(https://dress-ko.com/GOODSDETAIL-1438)

(3)3回らせんが続いている商品
ア K18WGジュエリー ペンダントネックレスダイヤモンド螺旋
くるくると螺旋状のモチーフにダイヤモンドが施されているダイヤネックレス
(http://store.shopping.yahoo.co.jp/horita78/22990.html)

イ 3連風デザインのブレスレットです!螺旋状になったワイヤーブレスなので、くるくると腕に巻きつけるだけ!
(http://item.rakuten.co.jp/vox/b-daf-mkb-6446/)

ウ 3連ブレスレット 3連のらせん状になったブレス
(https://kt-cs.booth.pm/items/22342)

エ シェルをらせん状に3連に繋げたバングル
小さなシェルをいくつもつなぎ合わせて3連に仕立てたデザイン
(http://shop.tokotoko.net/?pid=17172784)

オ らせん状にバングルがつらなるユニークデザイン。
このバングルは、3連で透明感のある素材を多くつかっていて、デザインもランダムに切り替わって、ボリューム感があります
(http://www.amphora.jp/product_info.php/products_id/4668)

カ コットンパール3連ブレスレット
螺旋状になっているから金具がなく着脱もスムーズです。
3連でなのにまるでつけていることを忘れてしまいそうな軽さ
(http://item.rakuten.co.jp/cadeaux/cadeaux-1502-k/)

(4)らせん状のものが3つある商品
ア らせん状にデザインされた3本のリング
(https://www.midoriya.com/goods/detail.asp?gid=100717-07&scr=list)

イ 3連らせんピアス
(http://roiduchanvre.shop-pro.jp/?pid=67655140)



審理終結日 2016-02-26 
結審通知日 2016-02-29 
審決日 2016-03-15 
出願番号 商願2014-108933(T2014-108933) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W14)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 浦崎 直之松田 訓子 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 松浦 裕紀子
田中 亨子
商標の称呼 サンレンラセン、レンラセン、ツララセン 
代理人 佐藤 富徳 

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