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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 取り消して登録 W0608
管理番号 1314474 
審判番号 不服2015-15241 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-08-14 
確定日 2016-05-19 
事件の表示 商願2014-46327拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「SNAKE EYES」の欧文字を標準文字で表してなり、第6類「ねじくぎ,ナット,ボルト,鍵,その他の金属製金具,キー」及び第8類「ねじ回し,ナットドライバー,スパナー,その他の手動工具,ハンドドリル(手持工具)用ビット,ビット(手持工具),ビット(手持工具の部品),くり抜き用ビット(手持工具用のものに限る。),その他の手動利器」を指定商品として、平成26年6月6日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、米国のゴルフスミス・インターナショナル・インコーポレイテッド(以下「ゴルフスミス社」という。)が『ゴルフ用具』等の商品に使用して本願出願前より広く需要者に認識されている商標『SNAKE EYES』と同一視される『SNAKE EYES』の欧文字を表してなるから、これを出願人が本願指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、ゴルフスミス社の商標『SNAKE EYES』を連想、想起し、ゴルフスミス社の業務に係る商品、若しくは、ゴルフスミス社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
商標法第4条第1項第15号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきでものである(最高裁平成10(行ヒ)第85号判決 平成12年7月11日第三小法廷判決)。
(2)本願商標とゴルフスミス社の「SNAKE EYES」との類似性
本願商標は、上記1のとおり、「SNAKE EYES」の欧文字を標準文字で表してなり、これより、「スネークアイズ」の称呼と「蛇(へび)の目」の観念を生じるものである。他方、原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由として引用した、ゴルフスミス社の「SNAKE EYES」の商標(以下「引用商標」という。)は、「スネークアイズ」の称呼と「蛇(へび)の目」の観念を生じるものである。
してみれば、本願商標と引用商標は外観、称呼及び観念を同じくする類似の商標といわなければならない。
(3)ゴルフスミス社の「SNAKE EYES」の著名性
引用商標は、原査定で示した事実及び当審の職権調査によれば、インターネット記事の情報において、例えば、「SNAKE EYES(スネークアイズ)のウェッジ製品一覧」及び「SNAKE EYES 幅広タイプ メンズソフトスパイクシューズ ホワイト 27.0cm」などとして、ゴルフクラブ、ゴルフシューズ、キャディーバッグ、ゴルフボール等のゴルフ用具にブランドとして使用されている事実が認められる。
しかしながら、これらの情報はいずれも、ゴルフ用具の通販サイトにおいて、多数ある販売商品の中の数点の商品として挙げられているものにすぎないものであるから、引用商標が商品「ゴルフ用具」との関係において、ゴルフスミス社の取扱いに係る商品を表示するものとして、取引者及び需要者に広く認識されているとはいい得ない。その他、本願商標の出願時及び査定時において、引用商標が、ゴルフ用具について、取引者及び需要者に広く認識されている事実を発見できなかった。
(4)本願の指定商品とゴルフスミス社の業務に係る商品との間の性質、用途又は目的における関連性について
本願の指定商品は、前記1のとおり、金属製金具や手動工具、手持工具類であるのに対し、引用商標に関する商品は、ゴルフ用具であり、商品の生産者、販売場所、品質、用途が異なるなど、それぞれの商品との関連性は強いとはいい難いものである。
(5)本願の指定商品とゴルフスミス社の業務に係る商品の取引者及び需要者の共通性について
引用商標に関する商品「ゴルフ用具」は、その主な取引者及び需要者がゴルフ用具の製造者・販売者並びにゴルフを行うスポーツ選手及び消費者であるから、本願の指定商品とは生産、流通及び小売りを異にするといえるものである。そうすると、本願の指定商品と引用商標に関する商品との取引者と需要者とが一致するとはいい難い。
(6)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(2)のとおり、本願商標と引用商標とは、類似の商標であるとしても、上記(3)のとおり、引用商標の著名性は認められないものである。また、上記(4)及び(5)のとおり、本願の指定商品と引用商標に関する商品との関連性は強いものとはいえず、取引者と需要者とが一致するとはいい難い。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者及び需要者をして、引用商標を連想又は想起するものとは認められず、その商品が、ゴルフスミス社と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2016-05-09 
出願番号 商願2014-46327(T2014-46327) 
審決分類 T 1 8・ 271- WY (W0608)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 高橋 幸志
原田 信彦
商標の称呼 スネークアイズ、スネーク、アイズ 
代理人 福田 秀幸 

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