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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X212526
管理番号 1314454 
審判番号 取消2015-300360 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-05-20 
確定日 2016-04-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第1994181号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第1994181号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第1994181号商標(以下「本件商標」という。)は,「VANCLUB」の欧文字と「バンクラブ」の片仮名とを上下2段に横書きしてなり,昭和60年4月12日に登録出願,第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同62年10月27日に設定登録されたものであり,その後,2回にわたり,商標権の存続期間の更新登録がなされ,平成19年10月3日には,指定商品を,第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」,第25類「履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」とする指定商品の書換登録がされたものである。
なお,本件審判の請求の登録日は,平成27年6月2日である。

第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,審判請求書及び審判事件弁駁書において,その理由を要旨次のように述べ,甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人が提出した乙第5号証の1,2及び3の「登録商標の使用説明書(1),(2)及び(3)」の靴箱及び靴(の写真),また,乙第10号証の「登録商標の使用説明書(7)」の納品書を含めて,全て権利者である被請求人自身により作成されたものであり,第三者による客観的な証拠又は証明等の提出は一切ない。
登録商標の不使用取消審判において,当該登録商標の使用を立証する際には,使用の事実が客観的に明らかになるように,第三者による当該登録商標の使用の証拠等の提出が不可欠であり,被請求人により作成された証拠等のみでは,被請求人により,いかようにも意図的に作成し,提出することが可能となるからである。
答弁書における主張及び証拠は,客観性に欠け,これらのみをもって本件商標の使用を認めることはできない。
(2)被請求人は,答弁書において「乙第5号証の2及び乙第5号証の3に示すとおり,紳士靴のインソールには,ローマン書体で『VAN CLUB』の欧文字が表示されている。」と主張している。
この乙第5号証の2及び3の写真を見ると,紳士靴のインソールのかかとが接する部位に,「VAN CLUB」と表記された細布を縫い付けられたものかと思われる。
この点,完全手仕上げの高級靴を除いて,昨今,機械により大量生産される靴では,商標であるブランドロゴは上記インソールに刻印されるかプリントされるのが一般的である(甲3)。
そして,上記被請求人の靴は,6,900円であり,高級靴でもないのにわざわざ手間と時間のかかる縫い付けを行っており,何とも不自然と思われ,被請求人が本件商標の使用を立証するために一品だけ生産したとしか思えない。
このことは,乙第6号証の2及び3についても同様である。
また,乙第10号証について,答弁書において「当該納品書は,被請求人が紳士靴を,会員制小売店の『ニューム(NUM)』(大阪府箕面市)へ卸売した際の納品書(取引先専用伝票)である。(中略)以上のことから,乙第5号証の1乃至第6号証の3に示す「紳士靴」が実際に流通,販売されたことが認められる。」と主張している。
一般的に,商取引においては,見積書,発注書,納品書,受領書,請求書及び領収書というように,一度の取引において,顧客と受注者の間で,複数回にわたり書類のやり取りが行われている。
例えば,見積書は顧客からの依頼内容を顧客及び受注者の双方で確認するため,発注書は顧客からの発注意思の確認のため,納品書は商品の納品を顧客及び受注者の双方で確認するため,受領書は顧客が商品を受け取った旨を確認するため,請求書は取引代金支払い請求の意思表示のため,領収書は上記代金受領の証明のためである(甲4及び甲5)。
そして,本件の場合,発注書,受領書又は領収書という相手方である顧客が発行した書類の提出があって始めて,取引が実際に行われたことを明らかにできるものである。
まして,不使用取消審判の登録商標の使用を立証するための提出書類として,被請求人が作成した納品書しか提出できないということは,この取引が実際に行われたのか否か,疑念を生じさせるものである。
(3)以上,被請求人が提出した答弁書の内容では,被請求人が主張する本件商標の使用の立証は,第三者による立証が一切なく,信憑性に欠けるものであり,本件商標が使用されているとは認められるものではない。

第3 被請求人の主張
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,と答弁し,その理由を答弁書において要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第12号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁書の理由
(1)商標の使用者
被請求人は,本件商標の使用者であって,大阪で永年,靴の製造卸業を営んでいる者である。
(2)被請求人が,本件商標を使用している事実を明らかにするため,その製造卸に係る紳士靴の取引書類,商品の写真を証拠として提出する。
ア 商品の写真(乙第5号証の1ないし乙第6号証の3)について
乙第5号証の1ないし3に示すものは,黒色の紳士靴の写真であり,乙第6号証の1ないし3に示すものは,ダークブラウン色の紳士靴の写真であって,両者の紳士靴は同品番の色違いの商品である。
乙第5号証の1及び第6号証の1に示す紳士靴の外箱には,欧文字の「VANCLUB」を,各文字の線の一部を切欠いた,いわゆる「ステンシル書体」(乙7)で横書きしたと理解されるものであり,文字の色彩は,語頭の欧文字「V」は白色で表され,第二文字の「A」の欧文字は赤色で表され,以降の文字も「赤色」と「白色」との色彩をもって交互に表されてなるもの(以下「使用商標1」という。)である。
また,第6号証の3に示す紳士靴のインソールには,横長楕円輪郭線内に使用商標1が「マルアール」のマークと共に表示されている。
乙第5号証の2及び3に示すとおり,紳士靴のインソールには,ローマン書体で「VAN CLUB」の欧文字(以下「使用商標2」という。)が表示されている。
乙第5号証の1に示す外箱には,当該靴の品番である「3333」の数字と,その下に,靴のサイズを表示した「25 1/2」(「25.5cm」の意)の数字が表示されており,さらに,靴の色を表した「黒」の文字が表示されている。
乙第5号証の3に示す靴自体にも,内側のライニングの部分に靴の型番である「3333」の数字と,そのサイズを表示した「255」(「25.5cm」の意)の数字が表示されている。
乙第6号証の1に示す靴の外箱には,当該靴の品番である「3333」の数字と,その下に,靴のサイズを表示した「25 1/2」(「25.5cm」の意)の数字が表示されており,さらに,靴の色を表しか「アドバン」の文字が表示されている。
上記「アドバン」の文字は,皮革製品業界で「アドバンティック(仕上げ)」あるいは「アドバン」の略として使用されているもので,本来は,革の加工方法の名称である(乙8及び乙9)。
被請求人は,「アドバンティック(仕上げ)」を施したダークブラウン色の本紳士靴の外箱に「アドバンス」の文字で色彩を表示し,当該紳士靴の取引書類には「DBR」(「DARK BROWN」の略)の文字を表示することで,自社の紳士靴の色を表示・識別する習わしとしている。
なお,乙第6号証の3に示す靴自体にも,内側のライニングの部分に,靴の型番である「3333」の数字と,そのサイズを表示した「255」(「25.5cm」の意)の数字が表示されている。
イ 納品書(控え)(乙第10号証)について
当該納品書は,被請求人が紳士靴を,会員制小売店舗の「ニューム(NUM)」(大阪府箕面市)へ卸売りした際の納品書(取引先専用伝票)である。
この「ニューム(NUM)」は,「大阪府箕面市船場東1-11-1」に所在し,大阪市中央区に所在の「株式会社萬栄」のグループ店舗である(乙11の1ないし3)。
該納品書の宛名は「ニューム」(大阪府箕面市船場東1-11-1)と表示されており,納入者たる取引先名として「杉原商事(株)」の文字が表示され,納入年月日として「24年12月10日」の文字が表示されている。
そして,その品名欄の一段目には,乙第5号証の1ないし3に示した靴の品番である「3333」の数字,商標名「VANCLUB」及び靴の色表示の「BL」(「BLACK」の略)の文字が表示されており,その数量欄に「3」,原価金額欄に「20700」と記載されている。
また,品名欄の二段目には,乙第6号証の1ないし3に示した靴の品番である「3333」の数字,商標名「VANCLUB」及び靴の色表示の「DBR」(「DARK BROWN」の略)の文字が表示されている。
さらに,その数量欄に「1」,原価金額欄に「6900」と記載されている。
以上のことから,乙第5号証の1ないし乙第6号証の3に示す「紳士靴」が実際に流通,販売されたことが認められる。
ウ 本件商標と使用商標1及び2との社会通念上の同一性について
本件商標は,欧文字の「VANCLUB」と,これの読みに照応する「バンクラブ」の片仮名とを上下2段に併記してなるものである。
これに対して,使用商標1又は2は,「VANCLUB」又は「VAN CLUB」の欧文字のみからなるものであるから,「バンクラブ」の片仮名が併記されていない点において本件商標と相違するものである。
ところが,商標法第50条第1項括弧書きに規定する商標登録の取消審判における「登録商標」には,いわゆる「社会通念上同一の商標」を含むものであり,「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標,平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標,外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。」と規定されている。
そこで,本件商標,使用商標1及び2についてみれば,これら商標はいずれも,欧文字部分の綴りが共通しているものであって,「CLUB(クラブ)」の文字が「社交・娯楽などの共通目的で集まった人々の団体」を意味し,他の文字と結合して一つの名称を表すものであるから,本件商標,使用商標1及び2は,いずれも,構成全体をもって「VANCLUB(バンクラブ)」なる同一団体名を表したものと認識されるものである。
さらに,本件商標と使用商標1及び2は,同一の「バンクラブ」の一連の称呼のみをもって取引に資するものである。
したがって,使用商標1及び2は,本件商標とは片仮名が併記されていない差異を有するものであっても,本件商標と同一の「VANCLUB(バンクラブ)なる団体名」の観念及び「バンクラブ」の称呼を生ずるものというべきであり,商標法第50条第1項括弧書きに規定する「平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生じる商標」に該当し,本件商標と社会通念上同一の商標とみるべきである。
エ まとめ
以上のとおり,使用商標1及び2は,本件商標とその構成文字の表現方法において異なるところがあるとしても,同一観念・称呼が生じるものであることを考慮すれば,商取引の場においては,社会通念上,本件商標と同一の出所を表示したものとして認識されるものであるから,実質的に本件商標と同一の商標の範囲のものといい得るものである。
したがって,使用商標1及び2は,本件商標と社会通念上同一の商標というべきものであって,本件商標の正当な使用によるものであることは明らかである。
2 結び
以上の乙各号証を総合勘案すれば,被請求人(商標権者)は,本件審判の請求登録日(平成27年6月2日)前3年以内に日本国内において,本件商標の取消請求に係る指定商品中「紳士靴」について,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を使用していたものである。

第4 手続の経緯
当審において,口頭審理に際し,両当事者に送付した平成27年12月15日付けの審理事項通知書の内容は,要旨別掲のとおりであり,これには,合議体の暫定的見解を示し,被請求人に対し,取引の説明や乙第10号証のほかに取引を裏付ける証拠,及び請求人の弁駁に対する意見を求めたところ,被請求人は,平成28年2月1日付けの上申書において,口頭審理を欠席する旨,及び,審判事件答弁書にてその答弁を尽くしており,新たに提出する証拠もない旨を述べている。

第5 当審の判断
1 本件商標の使用について,被請求人が提出した証拠によれば以下のとおりである。
(1)登録商標の使用説明書(1)(乙5の1)は,平成27年7月6日に撮影された,側面に使用商標1とその下に「SHOES」の欧文字が表示された包装箱の写真であり,これらの文字の横には,「3333」,「SIZE.25 1/2」及び「COL.黒/B」と表示されたシールが貼られている。
そして,登録商標の使用説明書(2)(乙5の2)は,同日に撮影された,乙第5号証の1の包装箱及び「紳士靴」と,インソール部分に使用商標2が表示された「紳士靴」の写真であり,登録商標の使用説明書(3)(乙5の3)は,同日に撮影された,「VAN CLUB」の布タグが縫い付けられた「紳士靴」のインソール部分及び「3333 255」の数字が表示された側面部分の拡大写真である。
(2)登録商標の使用説明書(4)(乙6の1)は,平成27年7月6日に撮影された,側面に使用商標1とその下に「SHOES」の欧文字が表示された包装箱の写真であり,これらの文字の横には,「NO.3333」,「SIZE.25 1/2」及び「COL.アドバン/B」と表示されたシールが貼られている。
そして,登録商標の使用説明書(5)(乙6の2)は,同日に撮影された,包装箱及び「紳士靴」と,インソール部分に使用商標1が表示された「紳士靴」の写真であり,登録商標の使用説明書(6)(乙6の3)は,同日に撮影された,「CASUAL MEN’S MODE/VAN CLUB/SHOES」の布タグが縫い付けられた「紳士靴」のインソール部分及び「3333 255」の数字が表示された側面部分の拡大写真である。
(3)登録商標の使用説明書(7)(乙10)は,「納入年月日」を平成24年12月10日とする「納品書(控)」(写し)であり,その左上部分には,図形と「ニューム御中 箕面市船場東・・・」の文字が印刷されており,「取引先名」の欄には,「杉原商事(株)」の文字が押印されている。
そして,「品名」の欄の1行目には「3333 VANCLUB BL」及び「数量」の欄に「3」の記載があり,「品名」の欄の2行目には,上記と同じ内容であることを示す記載と「DBR」及び「数量」の欄に「1」の記載がある。
2 上記1によれば,以下のとおり判断できる。
(1)「VANCLUB」の欧文字からなる使用商標1又は使用商標2は,本件指定商品中の第25類「履物」に含まれる「紳士靴」の包装箱及びインソール部分に表示されたものである(乙5の1ないし3,乙6の1ないし3)。
(2)本件商標は,「VANCLUB」の欧文字と,「バンクラブ」の片仮名とを上下2段に表した構成からなるところ,下段の文字は,上段の欧文字の読みを片仮名で表したものと認められ,構成各文字からは,「バンクラブ」の称呼を生ずるものであり,また,該「VANCLUB」及び「バンクラブ」の各文字は,特定の語義を有しない造語といえるものであるから,特定の観念を生じないものである。
そして,「紳士靴」の包装箱及びインソール部分に表示された「VANCLUB」の欧文字からなる使用商標1及び使用商標2は,本件商標の構成中の「VANCLUB」の欧文字部分と同一のつづりであって,「バンクラブ」の片仮名を欧文字で表したものといえるから,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(3)被請求人は,乙第10号証をもって,乙第5号証及び乙第6号証の「3333」を品番とする「紳士靴」が実際に流通,販売されたことが認められる旨を主張している。
乙第10号証は,「ニューム」に宛てた「取引先名」を本件商標権者とする,「納品書(控)」(写し)であり,これによれば,本件審判の請求登録日前3年以内に含まれる平成24年12月10日に,品名を「3333 VANCLUB BL」とする商品が,数量「3」と,品名を「3333 VANCLUB DBR」とする商品が,数量「1」について,納品したことを内容とする記載があるものということができ,「品名」の横の「3333」及び「VANCLUB」の記載は,乙第5号証及び乙第6号証にいう「紳士靴」及び包装箱に記載された文字と合致するものと認められる。
しかしながら,該「紳士靴」の取引の事実を示す証拠は,同号証のみであって,これには,「納品書」の発行者(発行元,納品書を作成した担当者等)の記載がないことから,いかなる者が発行した納品書の控えであるかが明確ではなく,「受注者」として個人の姓が記載されているが,該者と本件商標権者との関連も確認することができない。
そして,該納品書を,本件商標権者から「ニューム」に宛てて発行したものとしてみた場合,納品先である「ニューム」の記載部分が「印刷」であって,本件商標権者の記載部分が「押印」であること,及び「取引先名」が本件商標権者であることは不自然である。
また,「検収印」の欄を始めいずれにも,納品先である「ニューム」が,該商品を受領した押印がなく,「受領書」等は提出されていないものであるから,ニュームが該商品の納品を受けた事実を確認することもできない。
しかも,上記第3のとおり,当審においては,審理事項通知書において該納品書についての説明や補完すべき証拠の提出を含め意見を求めたが,被請求人は,答弁を尽くしており,新たに提出する証拠もない旨を述べ,これに応じなかった。
したがって,かかる「納品書(控)」のみによっては,本件審判の請求登録日前3年以内に含まれる平成24年12月10日に,本件商標が表示された「紳士靴」が,本件商標権者からニュームに譲渡された事実を証明したものということができない。
その他,本件商標がその指定商品について使用されていることを示す証拠はない。
3 まとめ
以上のとおり,被請求人が提出した証拠からは,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,その指定商品のいずれかについて,本件商標を使用していることを証明したものということができない。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲

1 合議体の暫定的見解
(1)乙第5号証の1及び2は,平成27年7月6日に撮影された「VANCLUB」の欧文字が表示された包装箱及び「VAN CLUB」の欧文字が表示された「紳士靴」の写真であり,さらに,乙第5号証の3は,該「紳士靴」のインソール部分及び「3333 255」の数字が表示された側面部分の拡大写真である。
乙第6号証の1及び2は,同じく「VANCLUB」の欧文字が表示された包装箱及び「VAN CLUB」の欧文字が表示された「紳士靴」の写真であり,さらに,乙第6号証の3は,該「紳士靴」のインソール部分及び「3333 255」の数字が表示された側面部分の拡大写真である。
(2)乙第10号証は,「納入年月日」を平成24年12月10日とする「納品書(控)」(写し)であり,その左上部分には,図形と「ニューム御中 箕面市船場東・・・」の文字が印刷されており,「取引先名」の欄には,「杉原商事(株)」の文字が押印されている。
そして,「品名」の欄に「3333 VANCLUB BL」及び「数量」の欄に「3」の記載,「品名」の欄に「3333 VANCLUB DBR」及び「数量」の欄に「1」の記載がある。
(3)被請求人は,乙第10号証をもって,乙第5号証及び乙第6号証の「3333」を品番とする該「紳士靴」が実際に流通,販売されたことが認められる旨を主張しているが,該取引の事実を示す証拠は,同号証のみであって,これには,作成者(発行元,納品書を作成した担当者)や納品書を受領した担当者の記載がなく,仮に被請求人から「ニューム」に宛てて発行したものであるとしても,納品先である「ニューム」の記載部分が「印刷」であって,被請求人の記載部分が「押印」であること,及び「取引先名」が被請求人であることは不自然であり,かつ,納品先である「ニューム」が商品を受領した押印等がない。
したがって,かかる「納品書(控)」によっては,本件商標が,本件審判の請求の登録前3年以内(平成24年6月2日?平成27年6月1日)に日本国内において,本件商標権者により,本件請求に係る指定商品について使用された事実を証明したということができない。

2 口頭審理陳述要領書について
(1)被請求人
被請求人は,上記1の合議体の暫定的見解につき,「紳士靴」の取引について具体的に説明し,請求人提出の平成27年9月3日付けの審判事件弁駁書の主張に対し,意見があれば述べられたい。
また,「納品書(控)」(乙10)のほかに,該取引についての注文書,請求書,領収書等の取引書類があれば提出されたい。
その他,本件商標の使用をしていることについて,既に提出している乙各号証のほかに,補足の証拠及び新たな証拠があれば提出されたい。
(2)請求人
請求人は,被請求人が提出する口頭審理陳述要領書について,意見があれば述べられたい。


審理終結日 2016-02-29 
結審通知日 2016-03-03 
審決日 2016-03-15 
出願番号 商願昭60-38267 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (X212526)
最終処分 成立  
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 田中 亨子
平澤 芳行
登録日 1987-10-27 
登録番号 商標登録第1994181号(T1994181) 
商標の称呼 バンクラブ 
代理人 藤沢 則昭 
代理人 藤沢 昭太郎 
代理人 鮫島 武信 

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