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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201517145 審決 商標
不服2015650045 審決 商標
不服201520300 審決 商標
不服201519050 審決 商標
不服201511317 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 W16
審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W16
管理番号 1314449 
審判番号 不服2014-7715 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-04-25 
確定日 2016-05-18 
事件の表示 商願2012-66967拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「日米安全保障戦略会議」と「Japan-U.S.Security Strategy Conference」の文字を上下二段に横書きしてなり,第16類「新聞,雑誌」を指定商品とし,平成24年8月20日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,本願商標は,商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第7号に該当する旨の拒絶の理由を通知し,最終的に,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋
当審において,別掲のとおり,平成27年3月27日付けの審尋により,本願商標は,商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第7号に該当するとしてする旨を通知し,請求人に対し意見を求めた。

4 平成28年1月29日付けで提出された上申書
請求人は,平成28年1月29日付けで提出された上申書において,請求人が「日米安全保障戦略会議」に係る名称の会議の後援名義の使用承認について,防衛省及び警察庁の承認書を提出した。

5 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は,「日米安全保障戦略会議」及び「Japan-U.S.Security Strategy Conference」の文字を上下二段に横書きしてなるものである。
そして,本願商標は,別掲の1のとおり,その構成文字の有する語意により,全体として,「日本と米国による外部からの侵略に対して国家及び国民の安全を保障に関する広範な作戦計画を評議する機関(会議)」を意味するものと認められる。
(2)商標法第4条第1項第7号の該当性について
本願商標は,上記(1)のとおり,「日本と米国による外部からの侵略に対して国家及び国民の安全を保障に関する広範な作戦計画を評議する機関(会議)」を意味するところ,このような国家の安全保障に関する会議は,主に政府の関係府省が開催,後援して行われるものである。そして,請求人は,上記4のとおり,請求人が本願商標に係る名称の会議の後援名義の使用承認について,前述の関係府省である防衛省の承諾書を受けているものである。
そうすると,本願商標は,請求人が自己の商標として採択・使用しても,社会公共の利益に反するものということはできない。
また,本願商標は,その構成自体がきょう激,卑わい,差別的若しくは他人に不快な印象を与えるものではなく,これを使用することが社会の一般的道徳観念に反するようなものでもない。
したがって,本願商標は,社会公共の利益に反するものではなく,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものということはできないから,本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するものということはできない。
(3)商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は,上記(1)のとおり,「日本と米国による外部からの侵略に対して国家及び国民の安全を保障に関する広範な作戦計画を評議する機関(会議)」であると認識されるものであるところ,請求人は,上記4のとおり,本願商標に係る名称の会議の後援名義の使用承認について,政府の関係府省である防衛省の承諾を受けているものであって,上記の日米の安全保障に関する会議の一つとして認識されるというのが相当であるから,識別性が無いということはできない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから,本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。また,本願商標は,商標法第4条第1項第7号にも該当するということもできない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 (平成27年3月27日付けで通知した審尋)
1 本願商標
本願商標は,「日米安全保障戦略会議」及び「Japan-U.S.Security Strategy Conference」の文字を上下二段に横書きしてなるものである。
そして,本願商標中の「日米」の文字は「日本と米国」の意味を有し,「安全保障」の文字は「外部からの侵略に対して国家及び国民の安全を保障すること。各国別の施策,友好国同士の同盟,国際機構による集団安全保障など。」の意味を有し,「戦略」の文字は「戦術より広範な作戦計画。各種の戦闘を総合し,戦争を全局的に運用する方法。転じて,政治・社会運動などで,主要な敵とそれに対応すべき味方との配置を定めることをいう。」の意味を有し,及び,「会議」の文字は「会合して評議すること。ある事項を評議する機関。」の意味を有するものである(いずれも,株式会社岩波書店広辞苑第六版)。
また,本願商標の下段の「Japan-U.S.Security Strategy Conference」の欧文字は,上段の「日米安全保障戦略会議」の文字を英訳した表示であると認められる。
そうすると,本願商標は,全体として,「日本と米国による外部からの侵略に対して国家及び国民の安全を保障に関する広範な作戦計画を評議する機関(会議)」を意味するものと認められる。
2 「日米安全保障」について
「株式会社岩波書店広辞苑第六版」の「日米安全保障条約」の項には,「1951年9月サン‐フランシスコにおける講和条約調印と同時に締結された日米間の軍事的関係を規定した条約」との記載があること,また,「現代用語の基礎知識」(自由国民社 2015年1月1日 発行)の同項には,「日本の安全と極東の平和を維持する基本的枠組みがこの条約によって定められている。」との記載が認められることから,本願商標中の「日米安全保障」の文字は,当該条約を容易に想起させ,これに接する取引者,需要者は,当該条約に係る日米間の軍事的関係に関連したものと想起するというのが相当である。
3 「安全保障」に関する「会議」の実情について
我が国,我が国と米国又はその他の地域との安全保障に関係する会議並びに主要各国等の安全保障に関係する会議について,以下の実情が認められる。
(1)「現代用語の基礎知識」(自由国民社 2015年1月1日 発行)の「2プラス2共通戦略目標」の見出しのもと,「日本の外務相と防衛相,アメリカの国務長官と国防長官が参加する日米安全保障協議委員会が『2プラス2』と呼ばれることがある。2005年2月19日に2プラス2は日米同盟を強化するために『共通戦略目標』について共同発表を行った。」との記載がある(65頁)。
(2)同じく「現代用語の基礎知識」の「日本版NSC」の見出しのもと,「2013年5月9日,安倍晋三首相を議長とする国家安全保障会議(日本版NSC)の創設を検討する有識者会議が,関連法案の素案を了承した。首相,官房長官,外務相,防衛相による4大臣会合を新設するとともに改革官房に事務局を設置。」との記載がある(63頁)。
(3)「日米欧総合安全保障議員協議会」の見出しのもと,「2 目的」の項に,「総合安全保障に関する日・米・欧の議員交流を通じて西側諸国との相互理解と協力を増進し,世界の平和と安全に資することを目的にしている。」,及び,「3 組織」の項に,「この目的に賛同する国会議員をもって構成する超党派の議員協議会である。」との記載がある。
(4)「防衛省・自衛隊」のインターネット情報には,「IISSアジア安全保障会議(シャングリラ会合)」の見出しのもと,「IISS(The International Institute for Strategic Studies)(英国国際戦略研究所)が主催するIISSアジア安全保障会議(シャングリラ会合)は,地域安全保障枠組の設立を目的として設置され,毎年シンガポールにおいて,アジア太平洋地域の国防大臣などが多数参加する国際会議であり,地域の課題や防衛協力などが話し合われています。」との記載がある。
(5)「朝日新聞2006年8月25日 東京朝刊 2頁」には,「首相官邸に『国家安全保障会議』,日米同盟の強化が主眼 自民・安倍氏公約」の見出しのもと,「キーワード」の項に,「<米国の国家安全保障会議(NSC)> 国家安全保障法により設置された大統領直属の諮問機関。正副大統領,国務長官,国防長官で構成する。事務局はホワイトハウスにあり,国家安全保障担当の大統領補佐官が統括し,安全保障政策の立案や情報集約,危機管理,関係各省庁間の総合調整を進め,大統領に助言する。」との記載がある。
なお,「国家安全保障会議」とは,「デジタル大辞泉の解説」の項に,「国の安全保障政策について審議・立案・調整・意思決定などを行う機関。米国・英国・ロシア・韓国など各国にある。」との記載がある。
以上よりすれば,「安全保障」に関する「会議」は,国家又は地域の名称を冠して各種の形態で,国家の首脳(首相,大臣,議員等)による公的な会議として多数開催されていることが認められる。
4 商標法第4条第1項第7号の該当性について
(1)本願商標の取引者,需要者の認識について
本願商標は,「日米」の国家及び地域の名称とともに「安全保障」の文字を有し,「会議」と組み合わせたものであって,さらに,「日米安全保障」の文字は,「日米安全保障条約」を容易に想起させるものである。
加えて,「戦略」の文字は,上記3(1)ないし(5)で示した会議が,いずれも,その目的を達成するために一定の戦略を検討するものであることは明らかである。
そうすると,上記3のとおり,国家又は地域の名称とともに「安全保障」の文字を有する会議等が公的な会議として多数開催されていることからすれば,本願商標は,「日米安全保障」に関する公的会議の名称であると誤認させる場合も少なくないというべきである。
そして,本願商標中の「Japan-U.S.Security Strategy Conference」の欧文字は,「日米安全保障戦略会議」の文字を英訳した表示にすぎない。
(2)請求人について
原審の平成25年1月30日付けの拒絶理由のとおり,「日米安全保障戦略会議」は,請求人の旧名称である外務省所管の特例法人「社団法人日米平和・文化交流会」が,他の団体との共催で日米の団体により日米交互に開催されていた会議(2003年-2007年開催)の名称であると認められる。
しかしながら,当時,請求人は,「社団法人日米平和・文化交流会」の名称のもとで外務省所管の特例法人であったことは認められるが,職権により調査するも,現在の請求人が外務省をはじめとして,首相官邸又は他の府省庁の所管団体であるとする事実は認められず,かつ,これらの公的機関等から,「日米安全保障戦略会議」の開催を依頼又は開催することを承認されているとすることは認められない。
(3)小括
してみれば,本願商標は,あたかも「日米安全保障条約の軍事的な事項の作成計画を行う会議」想起させるものであって,公的会議の名称であると誤認させる場合も少なくなく,このようなものを一私人たる請求人が自己の商標として採択・使用することは社会公共の利益に反するものであるから,商標法第4条第1項第7号に該当する。
5 商標法第3条第1項第6号の該当性について
(1)関係府省による「安全保障」に関する「会議」等の内容の掲載について
内閣府,外務省,防衛省・自衛隊の各インターネットの情報ページには,安全保障又は安全保障と密接に関係する平和活動について,以下が掲載されている。
ア 「内閣府」のインターネットの情報ページ中,「国際平和協力研究員制度について」の見出しのもと,「国際平和協力シンポジウムの開催」の項に第1回ないし第6回までの国際平和協力シンポジウムの写真集,プログラム,出席者,及び各セッションの詳細が参照可能なリンクが設けられている。
イ 「外務省」のインターネットの情報ページ中,「アメリカ合衆国 日米安全保障協議委員会(『2+2』)」の見出しのもと,共同発表及び共同記者会見等の詳細が参照可能なリンクが設けられている。
ウ 「外務省」のインターネットの情報ページ中,「日本の安全保障政策」の見出しのもと,「拡大ASEAN国防相会議」,「アジア安全保障会議」及び「ミュンヘン安全保障会議」の項が設けられ,ぞれぞれの会議の目的等が掲載されるとともに,開催された会議の議事概要等が参照可能なリンクが設けられている。
エ 「防衛省・自衛隊」のインターネットの情報ページ中,「多国間の安全保障協力・対話」の見出しのもと,「IISSアジア安全保障会議(シャングリラ会合)」,「IISSアジア安全保障サミット(マナーマ対話)」,「アジア太平洋諸国参謀総長等(CHOD)会議」,「アジア太平洋地域後方補給セミナー(PASOLS)会議」,「アジア太平洋地域情報部長等会議(APICC)」及び「日・ASEAN防衛担当大臣ラウンドテーブル」の項が設けられ,ぞれぞれの会議等の目的等が掲載されるとともに,開催された会議の議事概要等が参照可能なリンクが設けられている。
以上よりすれば,安全保障又は安全保障と密接に関係する平和活動について,それに関連する省庁により会議の名称とともに,その議事概要等が紹介されている事実が認められる。
(2)「安全保障」の「会議」に関する新聞・雑誌記事への掲載について
安全保障の公的会議に関する新聞・雑誌記事への掲載については,例えば,「日米安全保証協議委員会」又は「国家安全保障戦略」については,以下のような記事をはじめとして多数の掲載が認められる。
ア 「読売新聞 2014年10月9日 東京朝刊 12頁」には,「日米防衛指針中間報告の全文=特集その2」の見出しのもと,「1 序文」の項に,「2013年10月3日に東京で開催された『2プラス2』日米安全保障協議委員会(SCC)会合において,日米両国の閣僚は,複雑な地域環境と変化する世界における,より力強い同盟のための戦略的な構想を明らかにした。」との記載とともに,「2 指針及び日米防衛協力の目的」及び「3 基本的な前提及び考え方」等が記載されている。
イ 「毎日新聞 2006年5月2日 東京朝刊 13頁」には,「日米軍再編:日米最終合意 日米安全保障協議委員会『最終報告』」の見出しのもと,「共同発表」及び「日米の共通戦略目標(要旨)」等が記載されている。
ウ 「外務省 外交青書 2014」には,「第3章国益と世界全体の利益を増進する外交 2日米安全保障(安保)体制 (1)日米安保総論」の項に,「日米両国は,2013年10月,日米の外務・防衛四閣僚が東京にそろう初の機会となった日米安全保障協議委員会(『2+2』)を開催し,国際の平和と安全の維持のために両国が果たす不可欠な役割を再確認するとともに,日米同盟の中・長期的な方向性を示した。」との記載とともに,「(2)各分野における日米安保・防衛協力の状況」等が記載されている。
エ 「週刊エコノミスト 2015年3月17日発行 62頁)」には,「ワシントン/新たな『国家安全保障戦略』問われる米国の指導力」の見出しのもと,記事が掲載されている。
(3)小括
本願商標は,上記1のとおり,「日米安全保障戦略会議」及び「Japan-U.S.Security Strategy Conference」の文字を上下二段に横書きしてなるものであって,しかも,上記4(1)のとおり,公的会議の名称であると誤認させる場合も少なくないものである。
そして,上記(1)及び(2)のとおり,安全保障又は平和活動に関連する省庁により会議の名称とともにその議事概要等が紹介されていること,及び,「安全保障」に関する公的会議について新聞・雑誌記事が多数掲載されていることよりすれば,本願商標は,これをその指定商品(第16類「新聞,雑誌」)について使用しても,これに接する需要者・取引者は自他商品の識別標識として看取・把握するというよりはむしろ,当該商品が会議の名称をもとにその内容について記載されたものとして理解,認識するにとどまるというのが相当である。
したがって,本願商標は,これを本願指定商品に使用しても,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものといわなければならないから,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。
6 まとめ
以上よりすると,本願商標は,商標法第3条第1項第6号又は同法第4条第1項第7号に該当する。

審決日 2016-04-22 
出願番号 商願2012-66967(T2012-66967) 
審決分類 T 1 8・ 16- WY (W16)
T 1 8・ 22- WY (W16)
最終処分 成立 
前審関与審査官 野口 智代椎名 実鈴木 斎中山 悦子 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 早川 文宏
小林 裕子
商標の称呼 ニチベーアンゼンホショーセンリャクカイギ、ニチベーアンゼンホショー、アンゼンホショーセンリャクカイギ、ジャパンユウエスセキュリティーストラテジーカンファレンス、ジャパンユウエスセキュリティーストラテジーコンファレンス、ジャパンユウエスセキュリティー、セキュリティーストラテジーカンファレンス、セキュリティーストラテジーコンファレンス 
代理人 川崎 仁 
代理人 三嶋 景治 
代理人 中里 浩一 
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