• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z25
管理番号 1314427 
審判番号 取消2015-300226 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-03-27 
確定日 2016-04-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第4392638号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第4392638号商標の指定商品中「履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」については,その登録は取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4392638号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成11年7月13日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同12年6月16日に設定登録されたものである。
そして,本件審判の請求の登録は,平成27年4月13日にされたものである。

第2 請求人の主張の要点
請求人は,結論同旨の審決を求め,審判請求書において,本件商標は,その指定商品中「履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」について継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれの者によっても使用した事実が存在しないから,その商標登録は,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第2号証を提出した。
なお,請求人は,審判事件答弁書に対して何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張
被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,審判事件答弁書において,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番を含む。)を提出した。
1 被請求人及び「CRU」製品の沿革
被請求人は1988年に設立され,紳士・婦人服,靴,帽子,バッグ類,小物雑貨類の企画,製造及び販売や輸入品衣料の販売を主に業としているアパレル・メーカーである。被請求人は,複数のブランドを取り扱い,大手衣料販売会社である株式会社マックハウスや株式会社ジーンズメイトに卸売を行っている(乙1)。本件商標を大文字で表した「CRU」の商標は,1995年に米国・カリフォルニア州にて誕生した被請求人の取り扱うアパレル・ブランドの一つである。「CRU」商標は,巧みなメディア戦略と有名なプロサーファーのサポートを通して,広く知られることとなった。我が国においても,日本のトッププロライダー今村大介氏との専属契約や業界で認知度の高いプロサーファーの川畑邦宏氏をイメージキャラクターに採用したことにより,サーフィンブームも相まって,本件商標は,サーファー向けアパレル・ブランドとして,広くその名を知られている(乙2)。
2 本件登録商標の「履物」についての使用事実
(1)使用証拠
ア 乙第3号証は,「スニーカー」のカタログの写しである。カタログ左上には,欧文字で「CRU SHOES」(以下「使用商標1」という。)の記載がある。また,上段に記載されたスニーカーの靴底部分及び側面部分には,本件商標が付されている。また,下段に記載されたスニーカーの甲部分にも,本件商標が付されている。さらに,カタログ右側には,本件商標と同態様のロゴ(以下「使用商標2」という。)が表示されている。
イ 乙第4号証は,「サンダル」のカタログの写しである。カタログ左上には,使用商標1の記載がある。また,サンダルの靴底部分及びカタログ右側には,本件商標と同態様のロゴ(使用商標2)が表示されている。
ウ 乙第5号証は,「スニーカー」のカタログの写しである。カタログ左上には,使用商標1の記載がある。また,当該スニーカーの側面部には,CRU(Rの文字が左右反転したもの)」の文字と該文字を囲むように略半円の形状が描かれているロゴ(別掲2を参照。以下「使用商標3」という。)が付されたラベルが縫い付けられ,カタログ右側には,使用商標3が表示されている。
エ 乙第6号証は,「サンダル」のカタログの写しである。カタログ左上には,使用商標1の記載がある。また,上部に表示されたサンダルには,靴底部分に,使用商標3が付されている。また,下部に表示された黒色のサンダルには,靴底部分及びストラップ部分に使用商標3が付されている。さらに,カタログ右側には,使用商標3が表示されている。
オ 乙第7号証の1及び2は,乙第3号証及び乙第4号証に係る「スニーカー」及び「サンダル」がアパレル・メーカーである株式会社マンチェス(以下「マンチェス社」という。)に納品されたことを示す納品書の控えである。納品書は,それぞれ,被請求人からマンチェス社宛に,平成26年8月10日及び同年10月10日付けで発行されている。また,乙第7号証の1には,乙第3号証に記載されたスニーカーの商品番号「14145001」及び「14145002」が記載され,乙第7号証の2には,乙第4号証に記載されたサンダルの商品番号「14145003」及び「14145004」が記載されている。
カ 乙第8号証の1ないし3は,乙第5号証及び乙第6号証に係る「スニーカー」及び「サンダル」がマンチェス社に納品されたことを示す納品書の控えである。納品書は,それぞれ,被請求人からマンチェス社宛に,平成26年4月15日,同年7月24日,同27年2月28日付けで発行されている。また,乙第8号証の1には,乙第5号証に記載されたスニーカーの商品番号「14140001」及び「14140002」が記載され,乙第8号証の2には,乙第6号証に記載されたスニーカーの商品番号「14140003」及び「14140004」が記載され,乙第8号証の3には,上記の4つの商品番号が記されている。
(2)本件商標との社会通念上同一性
本件商標は,赤色の「cru」の欧文字を幅広の筆記体で表し,その文字を黒色で縁取った態様からなる商標である。かかる態様から「クルー」の称呼が生じ,造語商標であるため,何ら特定の意味合いを生じない。
ア 使用商標2について
使用商標2は,「cru」の欧文字を幅広の筆記体で表し,その文字を赤色で縁取った白抜きの文字から構成された態様からなる。かかる使用態様は,本件商標の色彩を変更しただけの態様であるため,商標法第70条第1項に基づき,本件商標の使用に該当する。
イ 使用商標1について
乙第3号証ないし乙第6号証に示すとおり,カタログ左上には,使用商標1「CRU SHOES」が表示されている。使用商標1の構成中の「SHOES」の文字は,英語で,本件商標の指定商品中の「履物」を意味し,自他商品の識別標識としての機能を有さない文字である。したがって,「CRU」の文字部分が,使用商標1の要部というべきであるから,使用商標1からは「クルー」の称呼のみが生じ,特定の観念は生じえない。したがって,使用商標1は,本件登録商標と社会通念上同一といえる。
ウ 使用商標3について
乙第5号証及び乙第6号証のカタログには,被請求人の取扱いに係る商品である「スニーカー,サンダル」が表示されている。当該商品には,使用商標3の表示が付され,カタログ右側には,使用商標3が描かれている。使用商標3の構成中の「R」の文字が左右反転した態様ではあるが,「R」の文字であることが特定できる。したがって,使用商標3からは,「クルー」の称呼が生じ,特定の観念が生じえないことから,使用商標3は,本件商標と社会通念上同一といえる。
(3)小括
以上より,被請求人は,本件審判請求の登録日前3年以内(以下「要証期間」という。)において本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を,被請求人の取扱いに係る「履物」について使用していることは明らかである。
3 結論
以上より,要証期間に,本件商標及び本件録商標と社会通念上同一の商標が,被請求人(商標権者)によって,本件商標の指定商品「履物」について使用されたことは明らかであるから,本件審判の請求は成り立たない。

第4 当審における審尋
被請求人に対し,平成27年10月29日付けで送付した審尋は,以下のとおりである。
1 審尋の内容
(1)乙第3号証ないし乙第6号証について
乙第3号証ないし乙第6号証は,被請求人の商品カタログ(取引書類)の写しとのことであるが,当該カタログには,発行日,発行者及び商品の注文先(問合せ先)等の記載も無く,掲載商品が被請求人の商品であることも確認できない。さらに,当該カタログが,実際に配布された事実(配布先,配布部数,配布時期等)も証明されていない。したがって,当該カタログが具体的にどのように利用されているのかも定かでない(当該カタログを見て,掲載商品の受注がなされているのかどうか疑義がある)。
被請求人は,乙第3号証ないし乙第6号証を補足する証拠として,当該カタログの発行日,発行者及び商品の注文先(問合せ先)等の記載部分又は前記事項を証明できる書面を提出されたい。
(2)乙第7号証及び乙第8号証(枝番を含む。)について
乙第7号証及び乙第8号証は納品書の写しとのことであるが,納品書(控)と納品書とが共にあることから,実際に使用された納品書であるか疑義があるので,被請求人は,この点について釈明されたい。
2 被請求人の回答
上記1の審尋に対して,被請求人は,何ら応答していない。

第5 当審の判断
1 認定事実
証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)被請求人のホームページ
ア 乙第1号証は,被請求人のホームページの写しであるところ,当該写しには,「会社概要」の見出しのもと,「■商号」の項に「株式会社ビィオゥビィ・ウイン」の記載,「■設立」の項に「1988年1月」の記載,「■事業内容」の項に「■メンズニットウェア,キッズウェア,レディスウェア,小物雑貨,シューズ等の企画・生産及び販売,■ライセンス管理」の記載,「■取扱ブランド」の項に「CRU / BROOKLYN INDUSTRIES / …」及び「■取扱商品」の項に「…,シューズ,…」の記載がある。
イ 乙第2号証は,被請求人のホームページの写しであるところ,当該写しには,「ブランド紹介/CRU」の見出しのもと,左肩に使用商標3が表示されるとともにサーフボードらしき商品が掲載された写真及び使用商標3が直接表示されたサーフボードが掲載された写真が複数掲載されている。さらに,「ヒストリー/コンセプト/ターゲット」の項に,「1995年,カリフォルニアにて誕生。発足当初より日本での卓越したメディアミックス戦略や有名なプロサーファーをサポートし,ブランド認知度を広めることに成功した。あるバラエティ番組では,出演者全員がCRU(審決注:「R」の文字は左右反転してなる)ブランドのウェアを着用してサーフィンをしている模様が3ヶ月わたり毎週全国にTV放送され,知名度は,日本でも一気に全国区に登りつめた。」との記載,「コンセプト」の項に「CRU=Cool Rider Utilities CREW(仲間)でもある。仲間,家族,コミュニティーを大切にする姿勢は,ブランド創設時より変わらない一貫したポリシーになっている。」との記載,及び「CRUイメージ=ファミリー。」の記載がある。
(2)カタログ
ア 乙第3号証は,被請求人の商標が掲載された商品カタログとのことであるが,当該カタログには,その左肩に白抜き文字で「CRU SHOES」の商標(使用商標1)が記載,その右肩に白抜きで本件商標と同様の態様の商標(使用商標2)が記載されている。
そして,当該カタログ中には,中敷き部分に赤い輪郭中に白抜きで表された使用商標2が配された青色のシューズの写真,その横には外側の踵部分に青い輪郭中に白抜きで表された使用商標2が表示された青色のシューズの写真及び踵部分の外側に使用商標2が表示された赤色のシューズの写真が掲載され,その下に「14145001」,「DECKS」,使用商標2,「size/Men‘s(30cm)」,「01 ホワイト」及び「■メーカー希望小売価格¥4,800(税抜)」の記載がある。
当該カタログの下段には,靴の足の甲を包む部分に黒地の四角中に使用商標2が配された白色のシューズの写真が掲載され,その横には,「14145002」,「DECKS」,使用商標2,「size/Men‘s(30cm)」,「06 ブラック」及び「■メーカー希望小売価格¥4,800(税抜)」の記載がある。
イ 乙第4号証は,被請求人の商標が掲載された商品カタログとのことであるが,当該カタログには,その左肩に使用商標1が記載,その右肩に使用商標2が記載されている。
そして,踵部分に使用商標2が表示された黒色のサンダルの写真が掲載され,その横には「14145003」,「BEACH SANADL 1」,使用商標2,「size/Men‘s(30cm)」,「15 マロン」及び「■メーカー希望小売価格¥2,800(税抜)」の記載がある。
当該カタログの下段には,踵部分に使用商標2が表示された赤色に白の斑点が配されたサンダルの写真が掲載され,その横には「14145004」,「BEACH SANADL 1」,使用商標2,「size/Men‘s(30cm)」,「06 ブラック」及び「■メーカー希望小売価格¥2,800(税抜)」の記載がある。
ウ 乙第5号証は,被請求人の商標が掲載された商品カタログとのことであるが,当該カタログには,その左肩に使用商標1が記載されている。
そして,靴の左側に青色で「CRU」(「R」の文字を左右対象に反転してなる。)の文字と該文字を囲むように略半円の輪郭が描かれている商標(使用商標3)のタグが配された白色のシューズの写真とともに,その横には「14140001」,「DECKS」,使用商標3とその下に「DESIGNS」の文字を配した商標,「size/Men‘s(30cm)」,「01 ホワイト」及び「■メーカー希望小売価格¥4,800(税抜)」の記載がある。
当該カタログの下段には,靴の左側に使用商標3のタグが配された黒色のシューズの写真とともに,その横には「14140002」,「DECKS」,使用商標3とその下に「DESIGNS」の文字を配した商標,「size/Men‘s(30cm)」,「01 ブラック」及び「■メーカー希望小売価格¥4,800(税抜)」の記載がある。
エ 乙第6号証は,被請求人の商標が掲載された商品カタログとのことであるが,当該カタログには,その左肩に使用商標1が記載されている。
そして,踵部分に使用商標3が表示された黄緑色のサンダルの写真が掲載され,その横には,「14140003」,「BEACH SANADL 1」,使用商標3とその下に「DESIGNS」の文字を配した商標,「size/Men‘s(30cm)」,「15 マロン」及び「■メーカー希望小売価格¥2,800(税抜)」の記載がある。
当該カタログの下段には,踵部分に白色の使用商標3が表示された黒色のサンダルの写真が掲載され,その横には,「14140004」,「BEACH SANADL 1」,使用商標3とその下に「DESIGNS」の文字を配した商標,「size/Men‘s(30cm)」,「06 ブラック」及び「■メーカー希望小売価格¥3,800(税抜)」の記載がある。
オ 上記アないしエの商品カタログには,発行日,発行者及び商品の注文先(問合せ先)等の記載も無く,掲載商品が被請求人の商品であることも確認できない。さらに,当該商品カタログが,実際に配布された事実(配布先,配布部数,配布時期等)も認められない。これらの点につき,被請求人に釈明を求めたが,上記第4のとおり,被請求人は何ら釈明していない。
(3)納品書
ア 乙第7号証の1は,納品書であって上下2段に構成されているところ,当該納品書の上段には,上中央に「納品書(控)」の記載,上左肩に納品先である「株式会社マンチェス」の記載,上右肩には「株式会社ビィオゥビィ・ウイン」の記載及び日付の欄に「2014.10.10」の記載があり,その下の表の3行目の「区分」欄には「売上」,「商品名」欄には「(14145001)CR-DECKS-A-old」,「数量」の欄には「15」,「単価」の欄には「1,680」及び金額の欄には「25,200」の記載,同じく,表の4行目の「区分」欄には「売上」,「商品名」欄には「(14145002)CR-DECKS-B-old」,「数量」の欄には「15」,「単価」の欄には「1,680」及び金額の欄には「25,200」の記載がある。そして,当該納品書の下段には,上中央に「納品書」の記載があるほかは,上段と同じ内容の記載がある。そして,当該納品書の商品名の欄に記載された「14145001」及び「14145002」は,乙第3号証の商品カタログのシューズの写真の下に記載された番号と一致する。
イ 乙第7号証の2は,納品書であって上下2段に構成されているところ,当該納品書の上段には,上中央に「納品書(控)」の記載,上左肩に納品先である「株式会社マンチェス」の記載,上右肩には「株式会社ビィオゥビィ・ウイン」の記載及び日付の欄に「2014.08.10」の記載があり,その下の表の1行目の「区分」欄には「売上」,「商品名」欄には「(14145003)CR-BEACH SANDAL1-A-old」,「数量」の欄には「30」,「単価」の欄には「980」及び金額の欄には「29,400」の記載,同じく,表の2行目の「区分」欄には「売上」,「商品名」欄には「(14145004)CR-BEACH SANDAL1-B-old」,「数量」の欄には「30」,「単価」の欄には「980」及び金額の欄には「29400」の記載がある。そして,当該納品書の下段には,上中央に「納品書」の記載があるほかは,上段と同じ内容の記載がある。さらに,当該納品書の商品名の欄に記載された「14145003」及び「14145004」は,乙第4号証の商品カタログのサンダルの写真の横に記載された番号と一致する。
ウ 乙第8号証の1は,納品書であって上下2段に構成されているところ,当該納品書の上段には,上中央に「納品書(控)」の記載,左肩に納品先である「株式会社マンチェス」の記載,右肩には「株式会社ビィオゥビィ・ウイン」の記載及び日付の欄に「2014.04.15」の記載があり,その下の表の1行目の「区分」欄には「売上」,「商品名」欄には「(14140001)CR-DECKS-A」,「数量」の欄には「10」,「単価」の欄には「1,680」及び金額の欄には「16,800」の記載,同じく,表の2行目の「区分」欄には「売上」,「商品名」欄には「(14140002)CR-DECKS-B」,「数量」の欄には「10」,「単価」の欄には「1,680」及び金額の欄には「16,800」の記載がある。そして,当該納品書の下段には,上段と同じ内容の記載がある。さらに,当該納品書の商品名の欄に記載された「14140001」及び「14140002」は,乙第5号証の商品カタログのシューズの写真の横に記載された番号と一致する。
エ 乙第8号証の2は,納品書であって上下2段に構成されているところ,当該納品書の上段には,中央に「納品書(控)」の記載,左肩に納品先である「株式会社マンチェス」の記載,右肩には「株式会社ビィオゥビィ・ウイン」の記載及び日付の欄に「2014.07.24」の記載があり,その下の表の1行目の「区分」欄には「売上」,「商品名」欄には「(14140003)CR-BEACH SANDAL-A」,「数量」の欄には「10」,「単価」の欄には「980」及び金額の欄には「9,800」の記載,同じく,表の2行目の「区分」欄には「売上」,「商品名」欄には「(14140004)CR-BEACH SANDAL-B」,「数量」の欄には「10」,「単価」の欄には「1,330」及び金額の欄には「13,300」の記載がある。そして,当該納品書の下段には,上中央に「納品書」の記載があるほかは,上段と同じ内容の記載がある。さらに,当該納品書の商品名の欄に記載された「14140003」及び「14140004」は,乙第6号証の商品カタログのサンダルの写真の横に記載された番号と一致する。
オ 乙第8号証の3は,納品書であって上下2段に構成されているところ,当該納品書の上段には,上中央に「納品書(控)」の記載,上左肩に納品先である「株式会社マンチェス」の記載,上右肩には「株式会社ビィオゥビィ・ウイン」の記載及び日付の欄に「2015.02.28」の記載があり,その下の表の1行目の「区分」欄には「返品」,「商品名」欄には「(14140001)CR-DECKS-A」,「数量」の欄には「-10」,「単価」の欄には「-1,680」及び金額の欄には「-16,800」の記載,同じく,表の2行目の「区分」欄には「返品」,「商品名」欄には「(14140002)CR-DECKS-B」,「数量」の欄には「-10」,「単価」の欄には「-1,680」及び金額の欄には「-16,800」の記載,同じく,3行目の「区分」欄には「返品」,「商品名」欄には「(14140003)CR-BEACH SANDAL-A」,「数量」の欄には「-10」,「単価」の欄には「-980」及び金額の欄には「-9,800」の記載,同じく,表の4行目の「区分」欄には「返品」,「商品名」欄には「(14140004)CR-BEACH SANDAL-B」,「数量」の欄には「-10」,「単価」の欄には「-1,330」及び金額の欄には「-13,300」の記載がある。そして,当該納品書の下段には,上中央に「納品書」の記載があるほかは,上段と同じ内容の記載がある。さらに,当該納品書の商品名の欄に記載された「14140001」,「14140002」,「14140003」及び「14140004」は,乙第5号証及び乙第6号証の商品カタログのサンシューズ及びサンダルの写真の横に記載された番号と一致する。
2 本件商標の使用の有無
被請求人は,使用商標1ないし3は,いずれも本件商標と社会通念上同一の商標であって,要証期間に商標権者によって,その取消し請求に指定商品中「履物」について使用されたと主張しているところ,上記1認定のとおり,使用商標1ないし3は,商品カタログにのみ使用されているものであることから,具体的には,〈1〉要証期間に商標権者が商品カタログに掲載されている使用商標2又は3を付した商品「シューズ,サンダル」を株式会社マンチェスに対して販売,納品(譲渡)した(使用行為1),〈2〉要証期間に商標権者が商品「シューズ,サンダル」に係る商品カタログに使用商標1ないし3を付して頒布等した(使用行為2)と主張しているものと解されるので,これらの使用行為があったといえるか否か以下検討する。
(1)本件商標
本件商標は,別掲1のとおり,「cru」の欧文字を赤い太字の筆記体風で表し,全体に黒色の縁取りを配した構成よりなるものである。
(2)本件商標と使用商標1ないし3との同一性について
ア 使用商標1は,「CRU SHOES」の欧文字を書してなるところ,使用商標1の構成中の「SHOES」の語は,商品「シューズ」との関係では,自他商品識別力を有しない語であることから,使用商標1は,「CRU」の文字部分が要部として理解されるものというべきである。そうすると,使用商標1は,その要部である「CRU」の文字部分が本件商標と書体のみに変更を加えた同一の文字からなるものであるから,使用商標1は,本件商標と社会通念上同一の商標といい得るものである。
イ 使用商標2は,本件商標と同様の態様の商標であるから,本件商標と社会通念上同一の商標であることは明かである。
ウ 使用商標3は,別掲2のとおり,「CRU」(「R」の文字を左右対象に反転してなる。以下,同じ。)の文字と当該文字を囲むように略半円の輪郭が描かれ表されてなるところ,左右対象に反転して書された文字も「R」の欧文字をデザイン化したものであると容易に認識されるものであって,そして,その構成中の「CRU」は,本件商標と文字つづりを同一にするものである。しかも,使用商標3の構成中の略半円はありふれた輪郭といい得るものであって,当該輪郭の有無が商品の出所識別力に影響を及ぼすとはいえないから,それらを総合すると,使用商標3は,本件商標と社会通念上同一の商標といい得るものである。
(3)商品カタログについて
商品カタログ(乙3?6)には,上記(2)のとおり,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる使用商標2又は使用商標3が商品「シューズ」及び「サンダル」に付され,また,当該商品カタログにも使用商標1ないし使用商標3が付されているところ,商品「シューズ」及び「サンダル」は,本件審判の請求に係る指定商品中の「履物」に含まれることは明かである。
しかしながら,商品カタログ(乙3?6)は,〈1〉発行日,発行者及び商品の注文先(問合せ先)等の記載も無く,掲載商品が被請求人の商品であることも確認できないこと,〈2〉実際に配布された事実(配布先,配布部数,配布時期等)も証明されていないこと,〈3〉前記〈1〉及び〈2〉が不明であることから,当該商品カタログが具体的にどのように利用されているのかも定かではないため(当該カタログを見て,掲載商品の受注がなされているのかどうか疑義がある。),この点につき,上記第4のとおり,被請求人に対し審尋したが何ら釈明がなかったこと,〈4〉乙第3号証の上段の青色のシューズに対し「ホワイト」の表示及び同号証下段の白色のシューズに対し「ブラック」の表示,並びに,乙第4号証の上段の黒色のサンダルに対し「マロン」の表示及び同号証下段の赤色のサンダルに対し「ブラック」の表示がなされており,それぞれ,実際の商品の色とその色彩表示が異なっている箇所も多いことからすると,当該商品カタログは,一般の商品カタログと比べて,その体裁が不自然であるばかりか,このような体裁のカタログでは,実際の商取引の場において,それ自体が単体で頒布されていたとも考え難く,また,実際にどのように利用されたかすら,明らかにされないものであるから,そもそも,要証期間において,当該商品カタログが存在していたのかどうかも疑わしいといわざるを得ない。
(4)納品書について
被請求人の提出した納品書(乙7,8(枝番を含む。))(以下「被請求人納品書」という。)には,被請求人の名称が記載されていることから,被請求人納品書は,要証期間である平成26年4月から同27年2月にかけて,被請求人がマンチェス社に対して,商品カタログ(乙3?6)に掲載の商品「シューズ」及び「サンダル」を譲渡したことを証明する趣旨のものと解される。
しかしながら,被請求人納品書には,本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)が付されていないところ,その納品書に記載されている商品の内容を立証する証拠は,商品カタログ(乙3?6)のみである。しかるに,上記(3)のとおり,当該商品カタログは,そもそも,要証期間において,その存在自体が疑わしいのであるから,当該商品カタログに記載された商品番号と被請求人納品書に記載された商品番号とが一致するからといって,両者が同一の商品であると推認することはできない。
さらに,被請求人納品書は,本来,納品先に渡して手元には残らないはずの納品書が納品書(控)と対で存在していることから,実際に使用された納品書であるか否かについても疑義がある。そして,上記第4のとおり,被請求人は,この点についても何ら釈明していない。
(5)被請求人のホームページについて
被請求人のホームページ(乙1,2)においても,「CRU」の文字等が使用されていることが認められるので,念のため,この点についても検討する。
被請求人のホームページの会社概要(乙1)には,被請求人の名称とともに,「事業内容」の項に「シューズ等の企画・生産及び販売」,「取扱ブランド」の項に「CRU」及び「取扱商品」の項に「シューズ」の記載が認められる。
しかしながら,当該会社概要は,その掲載時期が明かでない。しかも,当該会社概要の取扱いブランドの中に本件商標と同じつづりからなる「CRU」の文字が認められるが,当該ブランドがどの商品に使用されているのかも明かでない。
また,「CRU」ブランド紹介の記載(乙2)には,使用商標3が直接表示された商品「サーフボード」が表示された写真が掲載されているが,当該商品は運動用具の一であるから,本件審判の請求に係る指定商品に属するものではない。
したがって,被請求人のホームページ(乙1,2)からも,本件商標の使用を認めることはできない。
(6)小括
以上によれば,(ア)商品カタログ(乙3?6)は,その体裁が不自然であるなど,そもそも,要証期間において,その存在自体が疑わしいものであること,(イ)被請求人納品書は,本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。以下同じ。)の記載が無いところ,商品カタログ(乙3?6)の存在自体が疑わしいことから,納品書記載の商品がカタログ記載の商品であるとまでは認められないこと,また,実際に使用された納品書であるか否かについても疑義があること,(ウ)被請求人のホームページ(乙1,2)からも,本件商標の使用を認めることができないこと,からすると,〈1〉要証期間に商標権者が商品カタログに掲載されている使用商標2又は3を付した商品「シューズ,サンダル」を株式会社マンチェスに対して販売,納品(譲渡)したとする使用行為1,〈2〉要証期間に商標権者が商品「シューズ,サンダル」に係る商品カタログに使用商標1ないし3を付して頒布等したとする使用行為2は,いずれも認めることができない。
したがって,被請求人の提出に係る証拠によっては,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求に係る指定商品中「履物」に含まれる商品「シューズ,サンダル」について,本件商標の使用をしていたものと認めることはできない。
その他,本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内にその指定商品のいずれかについて使用されているものと認めるに足る証拠はない。
3 むすび
以上のとおり,被請求人は,本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。
また,被請求人は,本件審判の取消請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,商標法第50条の規定により,本件商標の指定商品中「履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」についての登録を取り消すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本件商標(色彩については原本参照)


2 使用商標3

審理終結日 2016-02-24 
結審通知日 2016-02-26 
審決日 2016-03-08 
出願番号 商願平11-62069 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z25)
最終処分 成立 
前審関与審査官 加園 英明網谷 麻里子 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 田村 正明
早川 文宏
登録日 2000-06-16 
登録番号 商標登録第4392638号(T4392638) 
商標の称呼 シイアアルユウ、シーアールユー、クルー 
代理人 田中 克郎 
代理人 小暮 君平 
復代理人 稲葉 大輔 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 廣中 健 
代理人 工藤 莞司 
代理人 川島 麻衣 
代理人 鳥海 哲郎 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 春田まり子 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ