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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201510960 審決 商標
不服201515071 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W16
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W16
審判 査定不服 観念類似 登録しない W16
管理番号 1314415 
審判番号 不服2015-18851 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-10-19 
確定日 2016-04-14 
事件の表示 商願2015-1137拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「パックン」の文字を標準文字で表してなり,第16類「紙類,文房具類,印刷物」を指定商品として,平成27年1月8日に登録出願されたものであるが,その指定商品については,原審における同年5月27日付け提出の手続補正書により,第16類「文房具類,印刷物」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5398406号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成22年11月12日に登録出願され,第16類「クリアファイル,書類整理用ファイル,その他の事務用ファイル」を指定商品として,同23年3月11日に設定登録され,その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,上記1のとおり,「パックン」の片仮名を標準文字で表してなるから,これよりは「パックン」の称呼が生じる。そして,該「パックン」の片仮名は,辞書類に掲載がないことから,特定の観念を生じないというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は,別掲のとおり,カエルの顔と思しき図形の下に,「ぱっくん」の平仮名と「ファイル」の片仮名とを「☆」を介して,「ぱっくん☆ファイル」と横書きしてなるところ,図形部分と文字部分とは,視覚上分離しているのみならず,両者の間に観念上のつながりもないことから,それぞれが独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
次に,「ぱっくん☆ファイル」の文字部分については,中央の「☆」によって,「ぱっくん」の平仮名と「ファイル」の片仮名とが明確に分離されているところ,「ファイル」の片仮名は,引用商標の指定商品との関係では,商品を指し示すものであるから,商品の出所識別標識としての機能を果たし得ない。
そうすると,引用商標は,その構成の文字部分中,「ぱっくん」の平仮名部分が,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべきであるから,この部分を要部として抽出し,他人の商標(本願商標)と比較して商標の類否を判断することができるといえる。
したがって,本願商標は,その文字部分全体から生じる「パックンファイル」の称呼のほか,「ぱっくん」の平仮名部分に相応して,「パックン」の称呼が生じ,特定の観念を生じないものというのが相当である。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との要部である「ぱっくん」とを比較すると,両者は,観念において比較することができないとしても,外観においては,片仮名と平仮名という文字種を異にするところがあるものの,商標の使用においては,商標の構成文字を同一の称呼を生じる範囲内で平仮名,片仮名及びローマ字を相互に変更したり,デザイン化したりすることが一般に行われている取引の実情があることから,これに接した取引者,需要者に対し,近似した印象を与える場合もあるといえ,かつ,「パックン」の称呼を共通にするものであるから,これらを総合勘案すれば,本願商標と引用商標とは,互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
また,本願商標の指定商品中「文房具類」は,引用商標の指定商品と同一又は類似のものを含むものである。
(4)小括
以上によれば,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標であり,その指定商品も同一又は類似するものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は,引用商標は,カエル図形が外観上の特徴として需要者の記憶に残るから,当該図形の有無で目的の商品か否かを判断し,また,「ぱっくん☆ファイル」は,星印の両側に同じポップ体の「ぱっくん」と「ファイル」がまとまりよく一体的に描かれているから,「ファイル」が文房具のファイルを意味するとしても,カエル図形と「ファイル」の文字部分を捨象して「ぱっくん」の文字だけで商品が取引されるとは考え難い旨主張し,実際に需要者も同様に認識し,「パックンファイル」の称呼で流通している可能性を示す例として参考資料19を提出している。
しかしながら,本願商標の図形部分と文字部分とは,それぞれ独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものであり,また,文字部分については,「☆」があることによって,「ぱっくん」と「ファイル」の文字が明確に分離され,かつ,「ファイル」の文字は,引用商標の指定商品との関係においては,商品の出所識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当であることは上記(2)で述べたとおりである。また,提出した参考資料19のみをもって,需要者が引用商標の全体をもって商品の出所識別標識として認識しているとか,「パックンファイル」一連の称呼のみで流通しているとまでは,認め得ない。
イ 請求人は,当庁において,文字と文字の間に図形等が介在する場合,あるいは,商標の文字中に商品の出所識別標識としての機能を果たさない文字が含まれている場合であっても,全体として不可分一体と認定した審決例があるとし,これらを無視して本願を判断すべきではない旨主張し,参考資料1ないし18を提出している。
しかしながら,請求人が挙げる事例は,いずれも引用商標の構成態様及び指定商品とは異なっている。また,そもそも,商標の類否判断は,登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において,個別具体的に判断されるものであるから,請求人の挙げた商標登録の例などがあるからといって,本願商標も必ず登録されるものであるということにはならない。
ウ 請求人は,本願商標は,文具紙製品の見本市で出品され,請求人のホームページにも掲載しているが,現在まで引用商標と誤認混同が生じている事実は全くない旨主張し,参考資料20を提出している。
しかしながら,上記主張は,単に請求人の認識を述べただけのものであり,何ら客観性はない。また,参考資料20は,自社製品を出品した事実を示すにすぎず,引用商標との関係を表すものではない。
エ したがって,請求人の上記の主張は,いずれも採用できない。
(6)結語
以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似するものであり,その指定商品も同一又は類似のものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(引用商標)




審理終結日 2016-02-15 
結審通知日 2016-02-16 
審決日 2016-02-29 
出願番号 商願2015-1137(T2015-1137) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W16)
T 1 8・ 262- Z (W16)
T 1 8・ 261- Z (W16)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小松 里美 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 前山 るり子
冨澤 武志
商標の称呼 パックン 
代理人 宮崎 栄二 

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