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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X03
管理番号 1313181 
審判番号 取消2015-300229 
総通号数 197 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-05-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-03-31 
確定日 2016-03-22 
事件の表示 上記当事者間の登録第5318172号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5318172号商標(以下「本件商標」という。)は、「MicroBeauty」の欧文字を横書きしてなり、平成21年1月22日に登録出願、第3類「家庭用脱脂剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,合成香料,つや出し布,つけづめ」及び第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同22年4月23日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成27年4月15日である。

2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第3類「せっけん類,化粧品,つけづめ」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、本件審判の請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである旨主張している。

なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
(1)被請求人は、2005年8月より新しい構造繊維として「つや出し布」を開発し、それに伴い、2014年6月より「せっけん類」に該当する液体洗浄剤(乙1)を共にマイクロビューティー(MicroBeauty)とネーミングして、同繊維をクロス、同洗浄剤をクリーナーとして、ブランド名にも用いて第3類の商標登録をし、発売を開始した。それ以来、継続して現在も納品伝票(乙2)のとおり被請求人の代表者を代表とする子会社、株式会社キャンパック(以下「キャンパック」という。)を通して全国販売を行っている。また、営業活動の一環として、双方のセット商品のカタログ(乙3)を作成し、全国の得意先に頒布して同ブランドは広く全国に浸透している。
(2)同商品のセットパケージ(乙4)には商品開発・発売元として被請求人及びキャンパックが総販売元であることを明記して、販売、頒布を継続しており、販売も順調である。マイクロビューティーは当社が長期の期間、試行錯誤を繰り返しながら、手塩にかけて育て上げてきたブランドである。また、被請求人は、現在、つや出し布の関連商品として、2013年より日焼け止めクリームをはじめとする「化粧品」のテスト的な製造・販促も進めている。現在、眼鏡には、クリーニング用のつや出し布及び洗浄スプレーは共に関連アイテムとして必需品であり、切り離すことのできない「トータルセット商品」となっている。そして将来的には、化粧品に類する商品もセットのラインナップに加え、よりお客様にとって効果的なセット商品として「パーフェクトセット商品」を提案できるよう尽力していく。
(3)商標の使用に関する証明書類等におけるキャンパックと被請求人とは、共にAを代表者とする法人である。基本的に被請求人は、企画、開発、生産を主な業務とし、キャンパックは、販売を目的として、平成5年に被請求人の代表取締役であるAが代表として設立した。
したがって、被請求人は、人事・資金・技術・取引等の関係を通じて、キャンパックの財務・営業の方針に対して重要な影響力を持っている。キャンパック及び被請求人の連名の証明書(乙5)に両者の社判及び代表取締役の印を捺印し、キャンパックが被請求人の子会社であることを証明する。また、被請求人の印鑑証明書の写し(乙6)とキャンパックの印鑑証明書の写し(乙7)を提出し、同一人物のAが代表取締役であり、証明書の印が真に正しいものであることを証明する。
(4)よって、被請求人の第3類の商標登録所有は当然であり、請求人のいう「せっけん類、化粧品、つけづめ」についても、被請求人の商標登録所有は当然必要で、妥当である。同類の同系統の商品についても、請求人のマイクロビューティー(MicroBeauty)の利用を求めることは全く不当で、認めることはできない。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る乙各号証及びその主張によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 乙第2号証は、納品・請求書であるところ、「14年10月14日」、「高島眼鏡(有)20120御中」、「(株)キャンパック」の記載、「品番・品名」の欄には「MicroBeauty コスメティック・クリーナー&クロスセット・・・ご来社 ご注文有難うございました。又のご依頼をお待ち致しております。」の記載、「単位」の欄には「セット」、「単価」の欄には「350」などの記載がある。
イ 乙第3号証は、「MicroBeauty コスメティック・クリーナー&クリーニング・クロス」という見出しのカタログであるところ、「このクリーナーは光学レンズ、ガラスに無数にある表面のくぼみに、溜まって固くなった油脂等の汚れを瞬時に浮き上がらせ、除去する新発想の洗浄剤です。」の記載、「MicroBeauty コスメティック・クリーナー」、「MicroBeauty クリーニング・クロス」及び「セット価格 350円」等の記載がある。これらの記載の右側には、袋に入った青色の円筒形の商品及びクロスと思われるチェック模様の商品の写真があり、袋と青色の円筒形の商品にはそれぞれ白色で表された「MicroBeauty」の文字が表示されている。また、下部に「(株)キャンパック」の記載があり、住所、電話番号、FAX番号が記載されている。
ウ 乙第4号証は、透明の袋に入った商品の写真であるところ、左側の写真には、「MicroBeauty コスメティック・クリーナー&クリーニング・クロス」、「この新クリーナーはレンズ(ガラス)に無数にある素子のくぼみの底に、固く溜まった油脂等の汚れを瞬時に浮き上がらせ、除去する新発想の洗浄剤です。」、「商品開発・発売元 (株)BBC」及び「総販売元 (株)キャンパック」等の記載があり、右側の写真には、白色で表された「MicroBeauty」の文字が表示された青色の円筒形の商品及びクロスと思われるチェック模様の商品が写っている。
エ 乙第5号証は、平成27年11月10日付けの乙社を「株式会社ビービーシー」、丙社を「株式会社キャンパック」とする「株式会社キャンパックは株式会社ビービーシーの子会社であることの証明書」であるところ、「乙社及び丙社は共に同一の代表者 Aを有する法人である。」、「丙社は、人事・資金・技術・取引等の関係を通じて、財務・営業の方針に対して乙社より多大な影響を受けている。」の記載があり、両者の名称、代表者の氏名、捺印等がある。また、乙第6号証は、株式会社ビービーシーの印鑑証明書であり、乙第7号証はキャンパックの印鑑証明書であるところ、それぞれ商号、本店の住所、「代表取締役」として「A」の記載及び乙第5号証の印鑑が押印されている。
(2)上記事実によれば、以下のとおり判断できる。
ア 商標の使用の事実について
上記(1)イ及びウによれば、商品開発・発売元を「(株)BBC」とし、総販売元を「(株)キャンパック」とする洗浄剤には、白色で表された「MicroBeauty」の文字(以下「使用商標」という。)が表示されており、上記(1)アによれば、キャンパックは、該洗浄剤を2014年(平成26年)10月14日に、高島眼鏡(株)に譲渡又は引渡したものと推認される。そして、平成26年(2014年)10月14日は、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)に当たるものである。
イ 使用商標について
本件商標は、上記1のとおり、「MicroBeauty」の欧文字からなるものであり、他方、使用商標は、上記アのとおり、白色で表された「MicroBeauty」の欧文字からなるものであるところ、本件商標とは色彩が相違するものの、この色彩の相違が観念に影響を及ぼすものではなく、構成文字を共通にするものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標ということができる。
ウ 使用商品について
使用商標が使用された「洗浄剤」は、本件審判請求に係る商品中の第3類「せっけん類」の範ちゅうに含まれる商品である。
エ 使用者について
上記(1)エによれば、キャンパックと被請求人の代表者は同一の者であり、また、キャンパックは、人事・資金・技術・取引等の関係を通じて、財務・営業の方針に対して、被請求人より多大な影響を受けていることが認められるから、キャンパックは、本件商標の使用について商標権者から黙示の許諾を受けていた通常使用権者であるとみて差し支えないものである。
オ まとめ
以上のことからすると、本件商標の通常使用権であるキャンパックは、要証期間内に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中の第3類「せっけん類」の範ちゅうに含まれる「洗浄剤」に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付し、その商品を譲渡又は引き渡したといえ、これは、商標法第2条第3項第2号にいう行為に該当するものと認められる。
(3) むすび
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において、通常使用権者がその請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用したことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-01-22 
結審通知日 2016-01-26 
審決日 2016-02-09 
出願番号 商願2009-7474(T2009-7474) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 土井 敬子
原田 信彦
登録日 2010-04-23 
登録番号 商標登録第5318172号(T5318172) 
商標の称呼 マイクロビューティー、ミクロビューティー 

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