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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W0916
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W0916
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W0916
管理番号 1313176 
審判番号 不服2015-10784 
総通号数 197 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-08 
確定日 2016-04-18 
事件の表示 商願2014-32140拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「瀬戸内ぐるめぐり」の文字を標準文字で表してなり,第9類「電子出版物」,第16類「印刷物」,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第36類「前払式証票の発行」を指定商品及び指定役務として,平成26年4月24日に登録出願されたが,その後,指定商品及び指定役務については,原審における同年9月12日付け手続補正書及び当審における同27年6月8日付け手続補正書により,最終的に,第9類「電子出版物」及び第16類「印刷物」と補正された。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5698725号商標(以下「引用商標」という。)は,「ぐるめぐり」の平仮名を横書きしてなり,平成26年2月17日に登録出願,第35類「印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む,第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同年8月29日に設定登録され,その商標権は現に有効に存続している。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は,上記1のとおり,「瀬戸内ぐるめぐり」の文字を標準文字により表してなるところ,その構成中の「瀬戸内」の文字は,広辞苑第6版には,「瀬戸内海およびその沿岸地方。」との記載があり,コンサイス日本地名事典(第5版)には,「瀬戸内海沿岸地方」,「瀬戸内海の旧称」,「岡山県南部。瀬戸内海に臨み,岡山平野部を占める都市」の名称及び「鹿児島県南部の町名など」との記載があるとおり,特定の地域を表す名称と理解される語であるから,この語が商品に使用された場合には,一般には,当該商品の産地,販売地を表示する語として需要者に認識されるものであるし,また,ガイドブックやパンフレット等の印刷物及び電子出版物に使用された場合には,それにとどまらず,瀬戸内にまつわる観光やグルメ等の情報といった印刷物の内容(品質)を表示する語としても需要者に認識されるものであるといえるから,本願商標の指定商品との関係においては,商品の出所識別標識としての機能がないか又は極めて弱いというのが相当である。
他方,「ぐるめぐり」の文字は,辞書等に掲載のない造語の一種と認められるが,証拠によれば,例えば,「大阪たべあるき商店街 おもしろ旨いぐるめぐり」(甲2),「ぐるめぐり京都」(甲4),「ぐるめぐり?絵里すぐりの山形三ツ星グルメ」(甲5),「おいしいものを探しに行こう!中伊豆ぐるめぐり」(甲6),「八戸で『グルめぐり』」(青森県八戸市。甲8),「茨城ぐるめぐり」(甲9),「栃木ぐるめぐり」(甲10),「美味しんまちグルめぐり」(群馬県高崎市新町。甲11),「さいたま逸品ぐるめぐり」(甲12),「小平グルめぐり」(東京都小平市。甲13),「稲取温泉ぐるめぐり」(静岡県東伊豆町。甲14),「南信州グルめぐり」(甲15),「小海グルめぐり」(長野県小海町。甲16),「ふくいグルめぐり」(甲19),「SABAE×グルめぐり」(福井県鯖江市。甲21),「嵐山グルメぐり」(京都市嵐山。甲22),「東山グルメぐり」(京都市東山区。甲23),「愛媛のご当地ぐるめぐり」(甲25),「壱岐の島歴史ぐるめぐりツアー」(長崎県壱岐市。甲26),「関西B級グルめぐり」(甲27),「関西ぐるめぐり」(甲28),「デパ地下グルめぐり」(甲29),「地球ぐるめぐり」(甲30),「高雄?台南グルめぐり」(甲35),「東京ぐるめぐり」(甲36),「日光ぐるめぐり」(甲37),「佐野市ぐるめぐり日記」(甲38)及び「熊本グルメグリ」(甲40)のようにして,特定の地域や場所を表す名称とともに,「ぐるめぐり」の文字(同一の「グルメグリ」の称呼を生じる「グルめぐり」及び「グルメぐり」等の文字を含む。)が使用されることが多く,全体として「(その地の)美味探し」又は「(その地を)ぐるっと巡ること」程度の意味合いで,全国的に広く使用されていること,並びに,甲第42号証及び同第43号証によれば,請求人においても,本願商標を瀬戸内海又は瀬戸内海沿岸地方の魚介類,フルーツ等のグルメを扱ったカタログギフトの名称等として使用しているものであって,その構成中の「ぐるめぐり」の文字を上記程度の意味合いで使用しているものと認められることからすれば,「ぐるめぐり」の文字についても,本願商標の指定商品との関係では,商品の出所識別標識としての機能は,殊更強いものということはできない。
そうすると,かかる両文字の結合からなる本願商標にあっては,その構成文字のいずれかが強く支配的な印象を与えるとはいえないことから,構成全体をもって不可分一体のものとして看者に把握されるというべきであって,他に構成中の「ぐるめぐり」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出せない。
してみれば,本願商標は,その構成文字に相応して「セトウチグルメグリ」の一連の称呼のみを生じ,「瀬戸内海及びその沿岸地方の美味探し」又は「瀬戸内海及びその沿岸地方をぐるっと巡ること」の観念を生じるものといわなければならない。
(2)引用商標
引用商標の構成は上記2のとおりであり,その構成文字に相応して「グルメグリ」の称呼が生じ,「美味探し」又は「ぐるっと巡ること」の観念が生じるというべきである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
まず,外観については,本願商標と引用商標の構成は,それぞれ上記のとおりであるから,両者の外観は明らかに相違する。
次に,称呼については,本願商標から生じる「セトウチグルメグリ」の称呼と,引用商標から生じる「グルメグリ」の称呼とを比較すると,両称呼はその音数及び音構成において明らかな差異を有するものであるから,両者は,それぞれを一連に称呼しても,称呼上,互いに聞き誤るおそれはない。
さらに,観念については,本願商標と引用商標から生じる観念は,それぞれ上記のとおりであるから,両者の観念は明らかに相違する。
そうすると,本願商標と引用商標とは,外観,称呼,観念のいずれの点においても相紛れるおそれのないものであるから,非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり,本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決日 2016-04-04 
出願番号 商願2014-32140(T2014-32140) 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (W0916)
T 1 8・ 261- WY (W0916)
T 1 8・ 262- WY (W0916)
最終処分 成立  
前審関与審査官 高橋 謙司 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 冨澤 武志
田村 正明
商標の称呼 セトウチグルメグリ、グルメグリ 
代理人 吉田 親司 
代理人 橋本 良樹 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 小出 俊實 
代理人 幡 茂良 

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