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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W14
審判 一部申立て  登録を維持 W14
審判 一部申立て  登録を維持 W14
管理番号 1312105 
異議申立番号 異議2015-900211 
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-06-23 
確定日 2016-03-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5753615号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5753615号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5753615号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおり,「L.U.K.」の文字を横書きしてなり,平成26年12月2日に登録出願,同27年3月10日に登録査定がされ,第14類「身飾品,カフスボタン,時計,キーホルダー,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品」及び第25類「被服,履物」を指定商品として,同月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は,以下の2件であり,いずれの商標権も現に有効に存続している。
1 国際登録第735428号商標(以下「引用商標1」という。)は,「L.U.C」の文字を横書きしてなり,2000(平成12)年5月26日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2000(平成12)年6月16日に国際商標登録出願,第14類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品(「jewellery; precious stones; horological and chronometric instruments and parts thereof.」を含む。)を指定商品として,平成13年7月6日に設定登録されたものである。
2 国際登録第258707号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,2000(平成12)年7月18日に国際商標登録出願(事後指定),第14類「Watches and their parts.」を指定商品として,平成13年4月6日に設定登録されたものである。
(以下,これらを一括して「引用商標」という場合がある。)

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,指定商品中の第14類「身飾品,カフスボタン,時計,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品」について商標法第4条第1項第11号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その指定商品についての登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 指定商品の類否
本件商標の指定商品中,第14類「身飾品,カフスボタン,時計,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品」は,引用商標1の指定商品とは「jewellery; precious stones; horological and chronometric instruments and parts thereof.」において,また,引用商標2の指定商品とは,「時計」と「Watches and their parts.」において,抵触している。
2 本件商標と引用商標の類否
(1)本件商標は,一字一字区切って称呼されて「エルユウケイ」の称呼が生じるほか,簡易迅速を尊ぶ商取引においては「ピリオド」を省略して称呼され,「ルーク」,「ルック」及び「ラック」といった称呼が生じる。
(2)引用商標1は,一字一字区切って称呼されて「エルユウシイ」の称呼が生じるほか,簡易迅速を尊ぶ商取引においては「ピリオド」を省略して称呼され,「ルーク」,「ルック」及び「ラック」といった称呼が生じる。国際商標公報の【称呼(参考情報)】欄にも,「エルユウシイ」のほかに「ルック」及び「ラック」の称呼が記載されている。
(3)引用商標2は,その枠図形部分からは別段の称呼は生じず,文字部分「L.U.C」からは,一字一字区切って称呼されて「エルユウシイ」の称呼が生じるほか,簡易迅速を尊ぶ商取引においては「ピリオド」を省略して称呼され,「ルーク」,「ルック」及び「ラック」といった称呼が生じる。国際商標公報の【称呼(参考情報)】欄にも,「エルユウシイ」のほかに「ラック」及び「ルック」の称呼が記載されている。
(4)日本人は,子音「C」に基づく「か,き,く,け,こ」のそれぞれの音と子音「k」に基づく「か,き,く,け,こ」のそれぞれの音とを区別することができない。すなわち,子音「C」に基づく「く」の音と子音「k」に基づく「く」の音とは,我が国の需要者・取引者には全く同じ音と認識される。
(5)よって,本件商標から生じる「ルーク」,「ルック」及び「ラック」との称呼と引用商標から生じる「ルーク」,「ルック」及び「ラック」との称呼は同一であり,本件商標と引用商標とは,称呼上,同一の商標である。
3 むすび
以上のとおり,本件商標は,その指定商品中の第14類「身飾品,カフスボタン,時計,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品」については,商標法第4条第1項第11号に該当し,同法第43条の2第1号によって取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は,別掲1のとおり,太字で書された「L」,「U」及び「K」の各文字の後に符号「.」(ピリオド)を付して,「L.U.K.」と横書きしてなるものであるところ,これらの文字及び符号からは,何ら特定の意味合いを看取させるものではないから,特定の観念を生じさせない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
そして,本件商標は,僅か3文字の欧文字からなり,しかも,その一文字一文字を区切るように各文字の後に「.」(ピリオド)が付されているのであるから,通常は,「エル・ユー・ケー」のように文字ごとに区切って発音されるのが自然である。
したがって,本件商標は,「エル・ユー・ケー」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
(2)引用商標
引用商標1は,「L」,「U」及び「C」の各文字の間に符号「.」(ピリオド)を付して,「L.U.C」と横書きしてなるものであるところ,これらの文字及び符号からは,何ら特定の意味合いを看取させるものではないから,特定の観念を生じさせない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
また,引用商標2は,「L」,「U」及び「C」の各文字の間に符号「.」(ピリオド)を付して,「L.U.C」と大きく横書きし,その周りを略H形の枠図形で囲った構成よりなるところ,引用商標1と同様に「L.U.C」部分は,特定の観念を生じさせない一種の造語として認識され,また,図形部分は,直ちに特定の称呼及び観念は生じさせないものであるから,これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどに不可分一体的に結合しているものということはできず,引用商標2において,文字及び符号からなる「L.U.C」部分は,独立して自他商品の識別機能を発揮するものと認めるのが相当である。
そして,引用商標1及び引用商標2の「L.U.C」部分は,僅か3文字の欧文字からなり,しかも,その一文字一文字を区切るように各文字の間に符号「.」(ピリオド)が付されているのであるから,通常は,「エル・ユー・シー」のように文字ごとに区切って発音されるのが自然である。
したがって,引用商標は,「エル・ユー・シー」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 本件商標と引用商標とは,構成中の欧文字3文字中,語尾において「K」と「C」の差異を有するところ,3文字という短い文字構成において最後の文字における差異は,視覚上,大きなものというべきであるから,本件商標と引用商標が外観において類似するということはできない。
イ 本件商標及び引用商標は,それぞれ,その文字ごとに区切って「エル・ユー・ケー」及び「エル・ユー・シー」の称呼を生じるところ,両称呼は,いずれも冗長ではなく,しかも,文字ごとに区切って発音されるものであることとあいまって,語尾部における「ケー」と「シー」という明らかに異なる音構成により,「エル・ユー」部分が共通するとしても互いに聞き誤るおそれはない。
ウ 本件商標及び引用商標は,いずれも特定の観念を生じないものであるから比較できず,観念において相紛れるおそれはない。
エ 以上によれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点よりみても,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)申立人の主張について
申立人は,本件商標及び引用商標は,それぞれ,「ルック」,「ラック」又は「ルーク」の称呼も生ずるから,両商標は,称呼上,同一の商標である旨主張する。
しかしながら,本件商標及び引用商標は,構成中の欧文字は僅か3文字であり,しかも,その一文字一文字を区切るように各文字の間(後)に「.」(ピリオド)が付されているのであるから,通常は,それぞれの文字ごとに区切って発音されるのが自然である。
加えて,取引の実情において,本件商標及び引用商標が,「ルック」,「ラック」又は「ルーク」のように称呼されている事実も認められない。
したがって,申立人の上記主張は,採用できない。
(5)小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標とは非類似の商標であるから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 まとめ
したがって,本件商標の指定商品中の第14類「身飾品,カフスボタン,時計,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品」についての商標登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その商標登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標


別掲2 引用商標2




異議決定日 2016-03-02 
出願番号 商願2014-101604(T2014-101604) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W14)
T 1 652・ 263- Y (W14)
T 1 652・ 262- Y (W14)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小松 孝 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
田中 幸一
登録日 2015-03-27 
登録番号 商標登録第5753615号(T5753615) 
権利者 有限会社ケングロッソインターナショナル
商標の称呼 エルユウケイ 
代理人 吉村 仁 
代理人 特許業務法人コスモス特許事務所 

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