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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2016890024 審決 商標
不服201813662 審決 商標
無効2017890086 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 登録しない W30
管理番号 1312063 
審判番号 不服2015-11193 
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-15 
確定日 2016-03-03 
事件の表示 商願2014-64432拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第30類「シャンパーニュ地方で作られた発泡性ワイン入りのいちごを使用した大福」を指定商品として,平成26年7月31日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『シャンパンいちご大福』の文字と図形からなるところ,『シャンパン』及び『CHANPAGNE』の語は『フランスのシャンパーニュ地方産の発泡性ぶどう酒』を意味し,フランスの原産地統制名称としてその使用が管理・統制されているものとして,我が国においても取引者・需要者の間に広く認識されているものであり,『いちご大福』の文字は,指定商品『いちごを使用した大福』を表す品質表示であって,かつ,全体として親しまれた既成の観念を有する語を表したものともいえず,本願商標を常に一体不可分のものとしてのみ認識し把握されるべき特段の事情は見いだせないので,『シャンパン』の語の周知著名性より『シャンパン』の文字部分が強く看者の印象に残り,原産地統制名称『シャンパン』の表示を含む商標として認識し把握される。そうとすれば,本願商標をその指定商品に使用した場合には,周知著名となっている原産地統制名称である『シャンパン』及び『CHANPAGNE』の表示へのただ乗り(フリーライド)及び該表示の希釈化(ダイリューション)を生じさせるおそれがあり,公正な取引秩序を乱し,ひいては国際信義に反するものといわなければならない。したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,「パ」の文字の半濁点の部分が小さなイチゴの図形よりなる「シャンパンいちご大福」の文字と,その右側にワインクーラー状の容器に瓶を斜めに傾けて入れたとおぼしき図形(以下「ワインクーラー状図形」という。)を配してなり,商標全体をあずき色に,イチゴの図形のヘタの部分のみが黄緑色に着色されているものである。
そして,本願商標の文字部分とワインクーラー状図形部分とは,称呼及び観念上のつながりも見いだせず,これらを分離して観察することが取引上不自然と考えられるほど不可分一体に結合しているということはできない。また,文字部分については,その構成中の「シャンパン」の文字は「発泡性の白葡萄酒。厳密にはフランス北東部シャンパーニュ地方産のものを指す。」(広辞苑第6版)の意味を有する語として一般に親しまれた語であり,「いちご大福」の文字は「大福の中に生のイチゴを入れた創作和菓子。」(「改訂調理用語辞典」平成10年12月25日発行)の意味を有し,本願商標の指定商品との関係では商品の名称を表すものであることから自他商品識別力を有しない語である。
次に,「シャンパン」の文字は,上記のとおり,フランス北東部シャンパーニュ地方産の発泡性の白ぶどう酒として一般に親しまれているものであることに加え,原審説示のとおり,生産地域,製法,生産量など所定の条件を備えたぶどう酒についてだけ使用できるフランスの原産地統制名称であること,シャンパンはフランスの法令によって規定され,その名称の使用も制限されているものであって,フランス国内外で当該名称を保護する活動が行われていることが,別掲2の当審による職権調査によってもうかがえる。
(2)商標法第4条第1項第7号該当性について
以上から,「シャンパン」の語が「フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡性の白ぶどう酒」を意味するものとして我が国の一般需要者の間に広く知られているものであること並びにフランスシャンパーニュ地方のぶどう生産者・ぶどう酒製造者が永年その土地の風土を利用して優れた品質の発泡性ぶどう酒の生産に努めてきたこと及びフランスが国内法令を制定し,INAO等が中心となって原産地名称を統制,保護してきた結果,当該語よりなる表示の著名性が獲得されたものであることをも併せ考慮すれば,本願商標は,上記(1)のとおりの構成よりなるところ,その構成中の「シャンパン」の文字部分が強く看者の印象に残るものと認められる。
これより,「シャンパン」の文字を含む本願商標をその指定商品に使用するときは,著名な「シャンパン」の表示へのただ乗り(フリーライド)及び同表示の希釈化(ダイリューション)を生じさせるおそれがあるばかりでなく,シャンパーニュ地方のぶどう生産者及びぶどう酒製造者はもとより国を挙げてぶどう酒の原産地名称又は原産地表示の保護に努めているフランス国民の感情を害するおそれがあるというべきである。
したがって,本願商標は,公正な取引秩序を乱し,国際信義に反するものであり,公の秩序を害するおそれがあるものと判断するのが相当であるから,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は,本願商標が,実際に原材料としてシャンパンを含む「いちご大福」という指定商品に使用される場合,「シャンパン」の部分は単なる原材料表記であり,また,請求人は,実際に,シャンパンを原材料として使用した商品を販売しているから,本願商標をその指定商品に使用しても,フリーライド及びダイリューションには当たらない旨主張する。
しかしながら,仮に,本願商標の構成中の「シャンパン」が商品の原材料を表示するものと想起する場合があるとしても,上記(2)のとおり,「シャンパン」の語の著名性はフランスによる国を挙げての保護活動によるものであるから,その「シャンパン」の文字を含み,当該文字部分が強く看者の印象に残る本願商標を請求人が自己の商標として独占排他的に採択し使用することは,公正な取引秩序を乱し,国際信義に反するものであり,公の秩序を害するおそれがあるものと判断するのが相当であるから,請求人の主張を採用することはできない。
(4)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当するから,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)

(色彩については原本参照)


別掲2
(1)2008年8月2日付け朝日新聞朝刊10頁において,「(世界発2008)シャンパン,広がる産地 需要増で80年ぶり見直し」の見出しのもと,「『シャンパン』は決められた土地で生産された指定品種のブドウのみを使用する。品質とブランドの維持のために1920年代から農産物ごとに適用されていった原産地統制名称(AOC)と呼ばれる仏の仕組みに基づくものだ。」,「<原産地統制名称(AOC)> ワインではラベルに『ボルドー』などの地方名や『メドック』などの地区名,『マルゴー』などの村名のほか,『ロマネ・コンティ』といった畑の名前が入る場合もある。産地ごとにブドウの品種が定められる。醸造や熟成の方法も細かく定められる。」との記載がある。
(2)1996年11月8日付け日本食糧新聞2頁において,「加州産シャンパン,シャブリ日本での販売中止へ」の見出のもと,「シャンパーニュ委員会日本事務所・・・は,シャンパーニュの呼称保護策の一つとして,フランス本国の国立酒類原産地表示規制機構(INAO)と,シャンパーニュ酒造業者委員会(CIVC)の委嘱を受け,日本におけるカリフォルニア産シャンパンの販売中止を,輸入業者へ要請してきた。」との記載がある。
(3)「山梨県ワイン百科」のホームページにおいて,「世界のワイン 2:フランスのワイン」の項に,「(1)・・・4.AOC(原産地統制名称ワイン) フランスワインの約35%を占めるAOCワインは,原産地名がワインの名称となるわけで,1935年に制定された原産地統制名称法(AOC法)によって規制され,INAO(国立原産地名称研究所)によって管理されています。」,「(2)フランスワインの産地(A.O.C)」中「c)シャンパーニュ」の項に,「シャンパーニュ地方はフランスの産地でも最も北に位置し『シャンパン』の産地として有名です。シャンパンの名称は,このシャンパーニュ地方でワイン法にもとづいて造られたワインのみが名乗ることを認められています。」との記載がある。
(http://www.pref.yamanashi.jp/wine/world_wine02.html)



審理終結日 2015-12-22 
結審通知日 2016-01-05 
審決日 2016-01-18 
出願番号 商願2014-64432(T2014-64432) 
審決分類 T 1 8・ 22- Z (W30)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 前山 るり子
冨澤 武志
商標の称呼 シャンパンイチゴダイフク、シャンパンイチゴ、シャンパン 
代理人 橘 和之 
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