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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201513749 審決 商標
不服201415573 審決 商標
不服20157470 審決 商標
不服20155797 審決 商標
不服201415575 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない(当審拒絶理由) W30
管理番号 1311982 
審判番号 不服2015-10830 
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-09 
確定日 2016-02-24 
事件の表示 商願2014-63223拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標について
本願商標は、「皿そばやの出石そば」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成26年7月29日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同年12月19日付け手続補正書により、第30類「兵庫県豊岡市出石町産のそばめん」と補正されたものである。

2 当審において通知した拒絶の理由
審判長は、請求人に対し、平成27年10月27日付け拒絶理由通知書で、要旨次のとおりの拒絶の理由を通知した。
本願商標は、「皿そばやの出石そば」の文字を書してなるところ、その構成は「皿そばや」と「出石そば」の文字とを格助詞「の」を介して一連に表してなるものである。
そして、その構成中の「皿そばや」の文字は、別掲1に示すとおり、「皿そば」の語が「皿に盛って提供されるそば」を指称するものであり、また、別掲2に示すとおり、「皿そば」を提供する店舗を「皿そば屋」と称している事実が見受けられる。
さらに、本願商標は、「皿そば屋」の「屋」の文字が平仮名で表記されているところ、別掲3に示すとおり、そば店を表示するものとして、「そば屋」のみならず「そばや」と「屋」の文字部分が平仮名を用いて表示される場合があると認められることから、本願商標の構成中の「皿そばや」の文字部分は、「皿そばを提供するそば屋」であることを容易に認識し得るものといえるものである。
他方、「出石そば」の文字は、その指定商品である「兵庫県豊岡市出石町産のそば」であることを認識させるものであり、出石町においては、皿そばを提供するそば店が多数存在しており、当該そば店においては、「皿そば」の提供のみならず、「そばめん」を販売する店舗も存在しており、それらの中には、別掲4に示すとおり、「出石そば」として販売している実情がある。
してみると、本願商標は、全体として「皿そばを提供するそば屋の兵庫県出石町産のそば」ほどの意味合いを認識させるにすぎないものとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、その指定商品に使用しても、需要者が上記意味合いのそばであることを理解するにとどまるものといえるから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

3 当審における拒絶の理由に対する請求人の意見
請求人は、前記2の拒絶の理由に対し、平成27年12月4日付け意見書において、要旨以下のとおりの意見を述べた。
本願商標は、「出石そば」を限定する「皿そばやの」という語頭部の表現に格助詞「の」を加えたことにより商標としては奇抜で、産地、品質等からなる一般的な記述商標とは異なるもので、「皿そば」と「そば」を組み合わせて一連に表した形態で「そば」を指定商品として巧妙であり、需要者の興味を喚起するものである。その結果、これまでの商標にはない異質の商標として請求人(出願人)の業務に係る商品として需要者に認識及び記憶されるものである。さらに、本願商標が他に使用されている事実がないことから、本願商標を使用した商品は、請求人(出願人)の業務に係る商品であると十分認識されるものであり、本願商標が登録されても、商品の出所について混同を生じさせるおそれもなく、第三者に不利益が及ぶ心配も考えられない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「皿そばやの出石そば」の文字を標準文字で表してなるところ、前記2の拒絶の理由のとおり、その指定商品に使用しても、その取引者、需要者には、全体として「皿そばを提供するそば屋の兵庫県出石町産のそば」ほどの意味合いを認識させるにすぎないものといえることから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであり、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、前記3のとおり、「本願商標は、これまでの商標にはない異質の商標として請求人(出願人)の業務に係る商品として需要者に認識及び記憶されるもので、さらに、本願商標が他に使用されている事実がないことから、本願商標を使用した商品は、請求人(出願人)の業務に係る商品であると十分認識されるものである。また、本願商標が登録されても、商品の出所について混同を生じさせるおそれもなく、第三者に不利益が及ぶ心配も考えられないことから、商標法第3条第1項第6号に該当しない。」旨主張する。
しかしながら、本願商標は、別掲の「皿そば」、「皿そばや」、「そばや」及び「出石そば」を巡る実情をも勘案するならば、それを構成する各文字より「皿そばを提供するそば屋の兵庫県出石町産のそば」ほどの意味合いを認識させるにすぎないことは上述のとおりであり、これまでの商標にはない異質の商標として認識されるとはいえないものであり、また、それを構成する文字の組合せがこれまでにないもので、他に使用されていないことをもって、上記意味合いを認識させるとの判断が否定されるものではない。
さらには、前記2の拒絶の理由は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるとし、商標法第3条第1項第6号に該当すると判断したものであるから、商品の出所の混同を生ずるおそれがあることを拒絶すべき理由としているものでもない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 「皿そば」の語が「皿に盛って提供されるそば」を指称する例
(1)日本経済新聞(2003年1月22日 夕刊 13ページ)の「兵庫・出石町、動乱の歴史に思いはせ??応仁の乱・幕末…(タウン・ビート)」の見出しの下、「皿そばは白磁の出石焼の小皿に『挽(ひ)き立て、打ち立て、ゆがき立て』のそばを盛り、そばつゆと山芋、卵など好みの薬味で食べる町の名物だ。」との記載がある。
(2)「ぐるなび」のウェブサイトに「渚庵」の見出しの下、「琵琶湖をイメージした白青の陶製皿5枚にそばは盛られる。口の中で広がる国産そば、創業からの継ぎ足しが生むコクある出汁、山芋、鶏卵、ねぎ、わさびのたっぷりな薬味、この調和が渚庵の皿そばの魅力です。」との記載がある。
(http://r.gnavi.co.jp/9x87j5ba0000/)
(3)「ぐるなび」のウェブサイトに「出石そば大名」の見出しの下、「地元で焼かれた、白いお皿に盛られたそばを、1枚、2枚と重ねていくのが出石流。」との記載がある。
(http://r.gnavi.co.jp/82wkuu4g0000/)
(4)「元祖出石皿そば 南枝(なんし)」のウェブサイトに「出石皿そばの特徴」の見出しの下、「『挽き立て』『打ちたて』『ゆがきたて』の『三たて』にこだわった出石皿そばは、一人前五皿で出石焼の小皿に盛り、4種類の薬味(玉子、山芋、ねぎ、わさび)をつゆに入れていただきます。」との記載がある。
(http://www.nanshi-soba.com/history/index.html#kodawari)

別掲2 「皿そば」を提供する店舗を「皿そば屋」と称している事実
(1)日経流通新聞(1991年10月15日 19ページ)の「流通構造研究所代表川瀬孝二氏(5)伝統を生かす??街の表情、復活(わが商店街論)」の見出しの下、「地場産品を扱う土産物店が四店、以前は秋と冬の夕刻だけ商売していた二軒の皿そば屋が現在では三十四店に増え、『名物出石皿そば』の看板をあげる繁盛ぶりである。観光客を迎え入れる町民は素朴で親切で人情味あふれ、舞台装置が映える街づくりである。」との記載がある。
(2)日本経済新聞(2003年1月22日 夕刊 13ページ)の「兵庫・出石町、動乱の歴史に思いはせ??応仁の乱・幕末…(タウン・ビート)」の見出しの下、「長州藩士、桂小五郎の潜居跡の碑は伝統的な町家が並ぶ通りの一角、出石皿そば屋の横にあった。薩摩藩の西郷隆盛と薩長連合を結んで幕府を倒した立役者だが、彼が出石に入ったのは京都蛤御門(はまぐりごもん)の変で長州勢が敗れた直後の一八六四年七月。」との記載がある。
(3)朝日新聞(2010年6月19日 朝刊 33ページ)の「『出石トリオ』晴れ舞台 元憂歌団・木村充揮さんのライブに来月出演 /兵庫県」の見出しの下、「出石皿そば屋の渋谷朋矢さん(36)、勝林寺住職の西池匡さん(52)、会社員の坂本伸和さん(55)の3人で、バンド名は『出石トリオ』。」との記載がある。
(4)「ぐるなび」のウェブサイトに「渚庵」の見出しの下、「琵琶湖の畔に滋賀では珍しいこだわりの皿そば屋。」との記載がある。
(http://r.gnavi.co.jp/9x87j5ba0000/)
(5)「ふるさと文化の創造的伝承 -歴史文化遺産の活用に関する報告書-(平成16年3月 兵庫県教育委員会)」に「第1章 歴史文化遺産活用フォーラム」の「III ケーススタディ」の見出しの下、「町内には戦前に建設された町屋を活かした皿そば屋が約50件あり、年間約25億円の売り上げを上げています。」との記載がある。
(http://www.hyogo-c.ed.jp/~shabun-bo/gyouseisituhp/top/hurusato.pdf)
(6)「るるぶ.com」のウェブサイトに「出石温泉」の見出しの下、「城下町の面影が残る町並みには、約50店の手打ち皿そば屋が並ぶ関西屈指のそば処として知られる。」との記載がある。
(http://www.rurubu.com/onsen/detail.aspx?ID=SP601340)
(7)「楽天トラベル」のウェブサイトに「久美の浜温泉郷 リゾーピア久美浜 施設紹介 アクティビティ」内に「【蕎麦打ち体験】」の見出しの下、「皿そば屋が軒を連ねる城下町『出石』 ここでは本場ならではのそば打ち体験が楽しめます。」との記載がある。
(http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/106217/CUSTOM/106217100315172250.html)
(8)「じゃらん」のウェブサイトに「出石温泉の温泉・露天風呂」内に「現地スタッフの耳より情報」の見出しの下、「関西屈指のそば処である出石。周辺には40件を超える皿そば屋さんがあります。各お店ごとに特徴があるので、色んなお店を回って食べ歩きするのもおすすめです。」との記載がある。
(http://www.jalan.net/onsen/OSN_50921.html)
(9)「おかきのげんぶ堂」のウェブサイトに「出石店」の見出しの下、「出石は『古事記』『日本書紀』にも登場する古い町です。この歴史ある町並みを散策するも良し、約50軒もある出石皿そば屋めぐりの途中にでもぜひお立ち寄りください。」との記載がある。
(http://www.genbudo.co.jp/original15.html)
(10)「Amebaブログ」の「出石手打皿そば 登城」のウェブサイトに「プロフィール」内に「自己紹介」の見出しの下、「兵庫県豊岡市出石町で石臼挽き自家製粉のこだわりある出石手打皿そば屋をしております。」との記載がある。
(http://profile.ameba.jp/tojousoba/)

別掲3 そば店を「そばや」で表している事実
(1)「新潟県十日町市名ヶ山」でそば店を営業している店舗の名称に「そばや清兵衛」と「そばや」の文字が使用されている。
(http://www.tokamachishikankou.jp/modules/gnavi/index.php?lid=765)
(2)「神奈川県鎌倉市雪の下1-12-7」でそば店を営業している店舗の名称に「そばや繁茂」と「そばや」の文字が使用されている。
(http://hanmo.web.fc2.com/map.html)
(3)「山形県上山市原口527」でそば店を営業している店舗の名称に「原口そばや」と「そばや」の文字が使用されている。
(http://r.gnavi.co.jp/sbk4y2rm0000/)
(4)「東京都大田区北千束1丁目53番10号」でそば店を営業している店舗の名称に「そばや志波田」と「そばや」の文字が使用されている。
(http://enjoy1.bb-east.ne.jp/~ken2/shibata/tenpo_annai/index.html)
(5)「山形県米沢市相生町2-74」でそば店を営業している店舗の名称に「そばや伝右エ門」と「そばや」の文字が使用されている。
(http://yonezawanet.jp/denemon/)

別掲4 「皿そば」を提供する店舗が「出石そば」を販売している事実
(1)「手打ち出石皿そば 家老」のウェブサイトに「店舗紹介」の見出しの下、「お土産にどうぞ」の記載とともに、そばめんを販売する写真が掲載されており、商品のパッケージの表面に「出石そば」と記載されていることが確認できる。
(http://www.karohsoba.com/)
(2)「出石皿そば 如月」のウェブサイトに「お土産用おそば 半生そば」の見出しの下、「如月オリジナルの半生そばです」の記載とともに、そばめんを販売する写真が掲載されており、商品のパッケージの表面に「出石そば」と記載されていることが確認できる。
(http://www.kisaragi.info/shop/index.html)
(3)「出石手打皿そば 輝山」のウェブサイトに「通信販売」の見出しの下、「【おすすめセット】 半生そば 4人前&米粉バームクーヘン(小)」等の記載とともに、そばめんを販売する写真が掲載されており、商品のパッケージの表面に「出石そば」と記載されていることが確認できる。
(http://kizan-soba.com/mart.html)
(4)「出石皿そば 花水木」のウェブサイトの「通信販売」内に「名物手打ち皿そばギフト」の見出しの下、「生麺 (賞味期限 約2ヶ月)」及び「生麺・包丁切り (賞味期限 約2ヶ月)」の記載とともに、そばめんを販売する写真が掲載されており、商品のパッケージの表面に「出石そば」と記載されていることが確認できる。
(http://www.hanamizuki.co.jp/order/gift.html)
(5)「伝統の出石皿そば そば藤」のウェブサイトに「お土産そば」の見出しの下、「半生そば」の記載とともに、そばめんを販売する写真が掲載されており、商品のパッケージの表面に「出石蕎麦」及び「期間限定(3月1日?9月末)石臼挽き」の記載とともに、そばめんを販売する写真が掲載されており、商品のパッケージの表面に「出石そば」と記載されていることが確認できる。
(http://www.sobafuji.com/main/omiyage/index.html)


審理終結日 2015-12-24 
結審通知日 2015-12-28 
審決日 2016-01-13 
出願番号 商願2014-63223(T2014-63223) 
審決分類 T 1 8・ 16- WZ (W30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 原田 信彦
高橋 幸志
商標の称呼 サラソバヤノイズシソバ、サラソバヤノ、サラソバヤ、サラソバ、イズシソバ 
代理人 山本 彰司 
代理人 山本 龍郎 

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