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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
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管理番号 1310890 
異議申立番号 異議2015-900189 
総通号数 195 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-03-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-06-15 
確定日 2016-01-29 
異議申立件数
事件の表示 登録第5748190号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5748190号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5748190号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成26年10月8日に登録出願され、第25類「被服,ベルト,履物」を指定商品として、同27年1月22日に登録査定、同年3月13日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1120437号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和46年8月31日に登録出願、第17類に属する登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和50年5月6日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成18年3月29日に指定商品を第25類「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,靴下,スカーフ,手袋,ネクタイ,バンダナ,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号に該当し、同法第43条の2及び同法第43条の3第2項の規定によりその登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 申立人について
申立人は、ハンバーガーのマクドナルドとして全世界で広く知られているマクドナルド・グループのための商標の取得・維持・管理のために設立されている法人である。日本におけるマクドナルドのハンバーガー・レストラン・ビジネスは、日本マクドナルド株式会社により行なわれている。
2 商標法第4条第1項第11号違反
本件商標と引用商標は、それぞれ類似群コード17A01ないし17A07の商品を指定商品としており、指定商品において抵触している。
また、本件商標を上下逆さにした場合は、その中央部分の文字部分は、「M」の欧文字と全く同一となり、その文字部分が引用商標と類似することは明らかである。
なお、本件商標には横2本の取消線が加えられているが、それらの取消線の存在にもかかわらず、「M」の欧文字部分が明確に認識されるものである。したがって、横2本の取消線の存在は文字部分の類似性の判断に影響を与えるものではない。
そして、店頭においてTシャツ等を販売する場合には、展示場所に水平な状態に広げて展示されることがしばしば存在する。そのような場合には、そのTシャツは前後左右のあらゆる角度から需要者にみられることになり、見る角度により、当該Tシャツに表示されている本件商標が上下逆さの角度から見られる場合もしばしば生じるものである。そして上下逆さの角度から見た本件商標が引用商標と類似することは明らかなところである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
3 商標法第4条第1項第15号違反
申立人の「M」の欧文字からなる商標が、申立人又はそのグループ会社である日本マクドナルド株式会社の商品及び役務を示すものとして日本において著名であることは改めて言うまでもないところである。このような著名商標と類似する本件商標を使用すると、本件商標を使用した商品が申立人又はそのグループ会社である日本マクドナルド株式会社の商品・役務と何らかの関係を有するものであるとの誤認を需要者に与えるおそれがある。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。
4 商標法第4条第1項第7号違反
申立人の「M」の欧文字からなる商標が申立人又はそのグループ会社である日本マクドナルド株式会社の商品及び役務を示すものとして日本において著名であり、本件商標の出願人がこの著名商標をそのまま盗用して、ただし上下逆さまにして、さらに2本の取消線を横に引いて本件商標としたことは、本件商標の構成上からも明らかなところである。本件商標の構成からは、本件商標の出願人が申立人の上記の著名商標のグッドウィルに便乗し、また申立人の上記の著名商標を面白半分に改変しようとしたものであることが明らかであり、このような行為に基づく商標は、商標法第4条第1項第7号の商標に該当すると判断するのが相当である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号の規定に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、その構成は、欧文字の「W」の文字と、その文字の中央に二重線を配してなるものであり、まとまりよく一体に表されてなる本件商標からは、特定の称呼及び観念を生じないとみるのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり「M」の文字をモチーフにしたと思しき図形よりなるところ、これが、申立人及びそのグループ会社である日本マクドナルド株式会社に係る、日本全国に店舗を有し、一般的に広く知られているハンバーガーチェーンの「マクドナルド」を表す著名な標章であることは、顕著な事実といえるものである。
そして、引用商標は、その図形において、特定の称呼は生じないものの、観念においては、著名なハンバーガーチェーンの「マクドナルドのロゴマーク」程の観念を生じるというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標とを比較するに、外観においては、本件商標は、欧文字の「W」の文字と、その文字の中央に二重線を配してなるものであり、引用商標は、「M」の文字をモチーフにしたと思しき図形よりなるものであって、両者は、「W」と「M」の相違する欧文字をモチーフに描かれており、その描出方法には明らかに区別できる差異があることから、両者を対比観察した場合はもちろんのこと、時と所を異にして観察した場合においても、看者に与える印象がかなり相違し、それぞれ異なったものとして記憶されるとみるのが相当であるから、両者は、外観上、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
また、称呼においては、両者から、特定の称呼が生じないものであるから、両商標は、称呼上、比較することができない。
そして、観念においては、本件商標からは、特定の観念が生じないのに対し、引用商標からは、「マクドナルドのロゴマーク」の観念が生じるものであり、両者は、観念上、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
そうすると、本件商標と引用商標とは、称呼においては比較することができないとしても、外観において顕著な差異を有し、観念において非類似であることから、これらの外観、称呼及び観念に基づく印象、記憶、連想等を総合的に判断すると、両商標は、商品の出所の誤認、混同を生ずるおそれのないものであり、全体として非類似の商標とみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標が、ハンバーガーチェーンの「マクドナルド」の著名な商標であるとしても、本件商標と引用商標とは、上記1のとおり、非類似の別異の商標であるから、明らかに相紛れるおそれのないものである。
そして、本件商標の商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者に引用商標を連想、想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第7号該当性について
上記1のとおり、本件商標と引用商標は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、また、上記2のとおり、本件商標は引用商標を連想、想起させるものでもない。
そして、本件商標は、引用商標の名声にただ乗りするなど不正の目的をもって使用をするものと認めることはできないばかりか、その証拠の提出もないから、本件商標が、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものといえない。
4 申立人の主張について
申立人は、本件商標を本件の指定商品中「被服」等に使用する場合、展示場所等により前後左右のあらゆる角度からみられることがあり、本件商標が上下逆さの角度からみられる場合もしばしば生じるものであるから、上下逆さにした本件商標と引用商標とは類似する商標である旨、主張する。
しかしながら、たとえ、本件商標を上下逆さに見たとしても、「M」をモチーフにした図形に、二重線を配した構成からなる図形と看取させるに過ぎず、特定の称呼及び観念を生じるものとはいえない。
他方、引用商標は、上記1(2)のとおり、著名なハンバーガーチェーンの「マクドナルド」を表す標章であるから、両者は、外観、称呼及び観念において、別異の商標と認識されるものであり、上記1(3)の判断に影響を及ぼすものではない。
5 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第7号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1 本件商標


2 引用商標


異議決定日 2016-01-19 
出願番号 商願2014-88616(T2014-88616) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
T 1 651・ 22- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 椎名 実 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
大井手 正雄
登録日 2015-03-13 
登録番号 商標登録第5748190号(T5748190) 
権利者 株式会社WACK
商標の称呼 ダブリュウ 
代理人 又市 義男 

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