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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201515653 審決 商標
不服201511079 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W29
審判 査定不服 観念類似 登録しない W29
審判 査定不服 外観類似 登録しない W29
管理番号 1310879 
審判番号 不服2015-14675 
総通号数 195 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-08-05 
確定日 2016-02-03 
事件の表示 商願2014-104159拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「南アルプスフルーツポーク」の文字を標準文字で表してなり、第29類「豚肉,豚肉を使用した肉製品」を指定商品として、平成26年12月10日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同27年4月1日付け手続補正書により、第29類「山梨県産の豚肉,山梨県産の豚肉を使用した肉製品」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4936561号商標(以下「引用商標という。」)は、別掲のとおりの構成からなり、平成17年7月7日に登録出願、第29類「肉製品」を指定商品として、同18年3月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「南アルプスフルーツポーク」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「南アルプス」の文字は、「日本アルプスを構成する赤石山脈の別称。山梨県中西部、南アルプス山系の北東部とその扇状地から成る市。」(広辞苑第六版)を意味する地名であり、商品の産地又は販売地を表すものというべきであるから、「南アルプス」の文字部分に自他商品の識別力はないと判断するのが相当である。
また、本願商標の構成中の「フルーツ」及び「ポーク」の文字は、それぞれ「くだもの」及び「豚肉」の意味を有する外来語として一般に親しまれている語であるが、「フルーツポーク」の文字部分が、本願の指定商品の品質等を表示するものであるという事情は見いだせない。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標の構成中、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「フルーツポーク」の文字部分をもって取引にあたることも決して少なくないというべきである。
そうとすれば、本願商標は、その構成中の「フルーツポーク」の文字部分より、単に「フルーツポーク」の称呼を生じるものである。また、「フルーツポーク」の文字自体は、特定の観念を生じることのない一種の造語として認識されるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、図形内に「上ノ国産」の文字、「ささなみの」の文字、二段に白抜きで大書した「フルーツポーク」の文字、「Fruit Pork」の文字及び「from Kaminokuni」の文字を配した構成からなるところ、構成中の「上ノ国産」及び「from Kaminokuni」の文字は、商品の産地又は販売地を表すものというべきであるから、これらの文字部分に自他商品の識別力はないと判断するのが相当である。
また、引用商標の構成中の「フルーツ」及び「ポーク」の文字並びにその英語表記である「Fruit」及び「Pork」の文字は、それぞれ「くだもの」及び「豚肉」の意味を有する外来語及び英語として一般に親しまれている語であるが、「フルーツポーク」及び「Fruit Pork」の文字部分が、引用商標の指定商品の品質等を表示するものであるという事情は見いだせない。
さらに、「ささなみの」の文字部分は、商品の生産者又は販売者を表したものと認識されるものである。
そして、「ささなみの」、「フルーツポーク」及び「Fruit Pork」の各構成文字は異なる書体及び大きさの態様で表されており、それぞれの構成文字が不可分一体に認識されるものとはいい難いものであって、視覚上、分離して看取されるものである。
そうすると、引用商標は、他の文字部分と比して大きく顕著に白抜きで表された「フルーツポーク」の文字部分が、独立して自他商品の識別標識として認識されるものとみるのが相当であり、取引者、需要者の注意を惹く該文字部分に相応して「フルーツポーク」の称呼を生じるものである。また、観念については、「フルーツポーク」の文字部分からは、本願商標における場合と同様に、特定の観念を生じることのないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
ア 本願商標と引用商標の外観についてみると、「フルーツポーク」の文字を共通にするものであるから、近似した印象を与えるものである。
また、本願商標と引用商標は、「フルーツポーク」の文字部分において、「フルーツポーク」の称呼を共通にするものであり、いずれも特定の観念を生じるとはいえないことから、観念においては比較することができないものである。
してみれば、本願商標と引用商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、観念においては、比較することができないとしても、「フルーツポーク」の称呼を共通にし、外観において「フルーツポーク」の文字を共通にする両者は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似の商標というのが相当である。
イ そして、本願商標の補正後の指定商品と引用商標の指定商品は、前記1及び2のとおりであるところ、引用商標の指定商品には、本願商標の指定商品が含まれている。
ウ したがって、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似のものといえるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
請求人は、「長年、豚の飼育、豚肉等の卸業・小売り販売業に携わっているが、かかる商品の具体的な取引実情からしても、需要者、取引者が両者を見誤る可能性は皆無であると思料する。」旨主張している。
しかしながら、商標の類否判断に際して考慮される取引の実情は、商品の一般的な取引の実情が参酌されるものと考えられるところ、請求人からは、本願の指定商品の取引の実情を示す証拠は何ら提出されておらず、豚の飼育、豚肉等の卸業・小売り販売業に携わっているからといって、本願商標と引用商標が類似しないということにはならないから、請求人の主張は採用することができない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 引用商標(色彩については原本参照)

審理終結日 2015-11-30 
結審通知日 2015-12-01 
審決日 2015-12-16 
出願番号 商願2014-104159(T2014-104159) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W29)
T 1 8・ 261- Z (W29)
T 1 8・ 263- Z (W29)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内田 直樹 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 大橋 洋子
平澤 芳行
商標の称呼 ミナミアルプスフルーツポーク、フルーツポーク、ミナミアルプスフルーツ、ミナミアルプスポーク 
代理人 田中 正男 

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