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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W32
審判 全部申立て  登録を維持 W32
審判 全部申立て  登録を維持 W32
管理番号 1309801 
異議申立番号 異議2014-900118 
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-04-18 
確定日 2015-12-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第5643721号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5643721号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5643721号商標(以下「本件商標」という。)は、「テーブルタンサン」の文字を標準文字で表してなり、平成25年6月7日に登録出願され、第32類「炭酸入り清涼飲料,炭酸入り果実飲料,炭酸入り飲料用野菜ジュース,炭酸入り乳清飲料」を指定商品として、平成25年11月18日登録査定、平成26年1月17日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「TABLE SODA」の文字を標準文字で表してなる登録第5613772号商標(以下「引用商標」という。)を引用して、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであり、本件商標の登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証(枝番号を含む。)を提出した。
理由要旨
本件商標は、「テーブルタンサン」の文字を標準文字で表してなり、これに対して、引用商標は、「TABLE SODA」の文字を標準文字で表してなるところ、英単語「SODA」には「ソーダ〔炭酸〕水」の意味があり、そして、「ソーダ(水)」は、「水に無機塩類を加え、二酸化炭素ガスを飽和させたもの」の意味を有し(甲3、4)、「炭酸(水)」は、「二酸化炭素(炭酸ガス)の水溶液」の意味を有するものであって(甲4)、いずれも「二酸化炭素(炭酸ガス)の水溶液」という同一の意味を持つ言葉であるから、両語は観念において共通する。
また、商標権者は、「タンサン」が「ソーダ(SODA)」と同一であることを認識していることが窺える(甲5)。
そして、「炭酸(水)」が「ソーダ」と同義語として使用されていることから(甲6?12)、引用商標は、「食事の席でのソーダ、食卓用(食卓向け)のソーダ」の観念を生じるものであり、一方、本件商標は、「食事の席での炭酸水、食卓用(食卓向け)の炭酸水」の観念を生じるものであるから、両者から生じる観念はほぼ同一であるといえる。さらに、本件商標権者と申立人は、いずれも種々の清涼飲料を販売していて競合する製品を販売している状況にあるから、本件商標と引用商標との観念が同一であることを踏まえれば、商品の出所について混同を生じる可能性は高いといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審の判断
本件商標について、平成27年9月18日付けで「取消理由通知書」を発したところ、これに対する同年11月4日付の「意見書」に添付された、乙第1号証ないし乙第8号証によれば、「タンサン」の文字について、本件商標の指定商品との関係において、「炭酸水」をイメージする場合があるとしても、「炭酸(水)」と同義語として一般に使用されてはいないものであって、商標権者の業務に係る商品について使用がほとんどであり(乙1、2)、また、食品に関連する分野において、「テーブル」の文字が「食事用」「食卓用」の意味で一般的に使用されているといえる(乙5?8)。
そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、「テーブルタンサン」の文字を標準文字で表してなり、その構成は、外観上、一体的に表されているものであり、全体から生じる「テーブルタンサン」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであるところ、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、「炭酸水」と「ソーダ」の文字が同義に使用される場合が認められる(甲7?12)が、一方で、「タンサン」の文字が商品の品質を表示するものとして普通に使用されていると認めることはできないから(甲5、乙1、2)、その構成中の「タンサン」の文字部分については、「炭酸」を暗示させるにとどまるものであり、直ちに、商品の品質を表示したものとして認識されるものということはできず、本件商標は、その構成態様から、全体として一体不可分のものとして看取されるとみるのが自然であり、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
一方、引用商標は、「TABLE SODA」の文字を標準文字で表してなり、その構成は、「TABLE」及び「SODA」の文字の間に1文字分の空白が認められることから、平易な英語「Table」及び「Soda」の両語を大文字により表したものと容易に認識し得るものであるから、その構成全体から「食事用又は食卓用の炭酸水」の意味を理解させる。そして、両語はいずれも、引用商標の指定商品との関係において、自他商品の識別力がないか極めて弱いものとみるのが相当であるから、引用商標は、いずれかの文字が強く支配的な印象を与えるということはできないものであり、その構成全体として「食事用又は食卓用のソーダ」の観念及び「テーブルソーダ」の称呼のみを生じるとみるのが相当である。
そして、商標の類否の判断は、商標の有する外観、称呼及び観念のそれぞれの判断要素を総合的に考察すべきであるところ、本件商標と引用商標とは、本件商標から特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできないとしても、両商標の構成は片仮名と欧文字という明らかな相違によって、外観上、紛れるおそれはないものであり、また、本件商標から生じる「テーブルタンサン」の称呼と引用商標から生じる「テーブルソーダ」の称呼は、構成音における前半の「テーブル」の音を共通にするものの、後半を構成する音が明らかに相違することにより、それぞれを一連に称呼するときは、その語調、語感が異なり聞き誤るおそれはない。
なお、申立人が主張するように、本件商標の構成後半から、「炭酸水」を看取し、その構成前半が「テーブル」の文字からなることにより、全体として「食事用又は食卓用の炭酸水」の意味合いを想起する場合において、本件商標と引用商標とは、「食事用又は食卓用の炭酸水」の同一の観念を生じるとしても、上記のとおり、外観及び称呼において明らかに区別し得る商標であるから、これらを総合的に勘案すれば、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標と引用商標とは、その外観、観念及び称呼を総合して全体的に考察すると、取引者、需要者に与える印象、記憶及び連想等が異なるといえるから、両商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれのないものであり、全体として非類似の商標であると判断するのが相当である。
そして、商標の類否の判断において、商標の外観、観念又は称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所を誤認混同するおそれを推測させる一応の基準にすぎず、商標の有する外観、称呼及び観念のそれぞれの判断要素を総合的に考察すべきであるから、本件商標及び引用商標から生じる観念が類似することのみを理由とし、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する旨の申立人の主張は採用できない。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-12-07 
出願番号 商願2013-43551(T2013-43551) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W32)
T 1 651・ 262- Y (W32)
T 1 651・ 263- Y (W32)
最終処分 維持  
前審関与審査官 矢澤 一幸 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 藤田 和美
堀内 仁子
登録日 2014-01-17 
登録番号 商標登録第5643721号(T5643721) 
権利者 アサヒ飲料株式会社
商標の称呼 テーブルタンサン、テーブル 
代理人 片山 礼介 
代理人 柳生 征男 
代理人 青木 博通 
代理人 中村 仁 
代理人 中田 和博 
代理人 土生 真之 

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