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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20157788 審決 商標
不服20158624 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W43
審判 査定不服 外観類似 登録しない W43
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W43
管理番号 1309669 
審判番号 不服2015-14217 
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-07-29 
確定日 2015-12-11 
事件の表示 商願2014-98147拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第43類「飲食物の提供」を指定役務として,平成26年11月20日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5615603号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなるところ,平成25年4月19日に登録出願され,第43類「飲食物の提供」を指定役務として,同年9月13日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は,前記1のとおり,金色で「MIYABICAFE」の欧文字とアンダーラインからなるところ,その構成中の「MIYABI」の欧文字部分は,ややレタリングされており,また,「CAFE」の文字部分はゴシック体で表されているものであるから,前半の「MIYABI」の文字部分と後半の「CAFE」の文字部分とは,字形が異なり視覚的に分断して看取されるものである。
また,後半の「CAFE」の文字は,「コーヒー店,喫茶店」等の意味を有する語であって,本願の指定役務との関係においては,自他役務の識別力がないか若しくは極めて弱い部分であるというのが相当である。
してみれば,本願商標は,前半の「MIYABI」の文字部分が自他役務の識別標識としての要部であると認められるものである。
そうすると,本願商標は,その構成文字全体から「ミヤビカフェ」の称呼を生じ,また,その構成中の「MIYABI」の文字部分に相応して,「ミヤビ」の称呼をも生じるものである。
そして,該「MIYABI」の文字は,「優美で上品なこと」等の意味を有する語として一般に知られている「みやび」又は「雅」の文字をローマ字表記したものとして容易に理解されるものであるから,本願商標は,「優美で上品なこと」の観念を生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は,前記2のとおり,茶色で「みやび珈琲」の文字と「MIYABI COFFEE」の欧文字を上下二段に書してなり,その右側に,大きさの異なる二つの縦長楕円形の図形を小豆色で表示し,大きい楕円内には白抜きで,「みやび」の平仮名を縦書きにし,小さい楕円は,コーヒー豆のような図形であるところ,文字部分と図形部分とは,左右に分けて表してなるものであって,視覚上容易に分離して看取されるものであり,また,これらを常に一体不可分のものとしてのみ看取されなければならない特段の事情は認められない。
また,後半の「珈琲」の文字と「COFFEE」の欧文字は,共に「コーヒー豆を煎って引き粉としたもの。それを湯で浸出した褐色の飲料。」等の意味を有する語であって,引用商標の指定役務との関係においては,自他役務の識別力がないか若しくは極めて弱い部分であるというのが相当である。
してみれば,引用商標は,前半の「みやび」及び「MIYABI」の文字部分が自他役務の識別標識としての要部であると認められるものである。
そうすると,引用商標は,「みやび珈琲」及び「MIYABI COFFEE」の文字から「ミヤビコーヒー」の称呼を生じ,また,その構成中の「みやび」及び「MIYABI」の文字部分に相応して,「ミヤビ」の称呼をも生じるものである。
そして,該「MIYABI」の文字部分は,上記(1)のとおり,「みやび」の文字をローマ字表記したものであり,「みやび」及び「MIYABI」の文字は,共に「優美で上品なこと」等の意味を有するものであるから,引用商標は,「優美で上品なこと」の観念を生じるものである。
加えて,図形中に書されている「みやび」の平仮名からは,「ミヤビ」の称呼と「優美で上品なこと」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否
本願商標と引用商標とを比較するに,外観においては,本願商標と引用商標とは,明らかに区別できるものであるから,両商標は,外観上,相紛れるおそれがないものである。
また,称呼においては,本願商標から生じる「ミヤビ」の称呼と引用商標から生じる「ミヤビ」の称呼は,称呼が同一であり,さらに,観念においては,両商標とも同一の「優美で上品なこと」の観念を生じるものである。
そうすると,本願商標と引用商標とは,外観において相違するとしても,称呼及び観念が同一であることから,これらを総合的に勘案すれば,両者は,互いに相紛らわしい類似の商標といわざるを得ない。
そして,本願の指定役務と引用商標の指定役務は,同一の役務である。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張(要旨)
請求人は,本願商標の構成中「CAFE」の欧文字部分は「主としてコーヒーその他の飲料を供する店。」等を意味する仏語で,「カフェバー」,「インターネットカフェ」,「オープンカフェ」等の総称として使われており,「珈琲店」はその業種の一つであるに過ぎないものである。一方,引用商標の構成中「珈琲/COFFEE」の文字部分は,「コーヒー豆を煎って挽き粉としたもの。それを湯で浸出した褐色の飲料。」等を意味する語であって,「珈琲店」という観念は全く生じないものであり,一般的な日本人にとっては,「CAFE」といえば「店」を,「珈琲/COFFEE」といえば「飲料」を想起するものであるから,両者を誤認混同することは全くないものである旨を主張する。
しかしながら,本願商標は,後半の「CAFE」の文字部分が請求人のいうような業種を意味する場合があるとしても,上記(1)のとおり,「コーヒー店」等の意味を有する語であり,本願の指定役務である「飲食物の提供」との関係から,飲物である「コーヒー」を提供する「コーヒー店」であることを表示することは明らかである。
また,引用商標の構成中,「珈琲」及び「COFFEE」の文字部分は,上記(2)のとおり,「コーヒー豆を煎って引き粉としたもの。それを湯で浸出した褐色の飲料。」等の意味を有する語であり,引用商標の指定役務である「飲食物の提供」との関係から,その役務の提供に係る飲物である「コーヒー」を表示することは明らかである。
そうすると,本願商標中の「CAFE」の文字と,引用商標中の「珈琲」及び「COFFEE」の文字は,文字の意味合いは異なるとしても,両商標の指定役務との関係において,共に「コーヒーの提供」を行う役務であることを,需要者に想起させるものであって,両語は,「コーヒーの提供」に係る役務において,一般に使用されているものである。
してみれば,「CAFE」,「珈琲」及び「COFFEE」の語が本願商標及び引用商標の商標中にあったとしても,これらの語が、両商標の出所の誤認混同を生じさせないというほどに強い出所識別力を有するものではないというべきである。
よって,上記した請求人の主張は,採用することができない。
(5)まとめ
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標

(色彩については,原本を参照。)

2 引用商標

(色彩については,原本を参照。)

審理終結日 2015-10-09 
結審通知日 2015-10-13 
審決日 2015-10-30 
出願番号 商願2014-98147(T2014-98147) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W43)
T 1 8・ 263- Z (W43)
T 1 8・ 261- Z (W43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 清棲 保美
榎本 政実
商標の称呼 ミヤビカフェ、ミヤビ 
代理人 特許業務法人 銀座総合特許事務所 

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