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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W093841
審判 全部申立て  登録を維持 W093841
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審判 全部申立て  登録を維持 W093841
管理番号 1308516 
異議申立番号 異議2015-900260 
総通号数 193 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-01-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-08-04 
確定日 2015-12-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5764615号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5764615号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5764615号商標(以下「本件商標」という。)は,「SONICODE」の欧文字を標準文字で表してなり,平成26年12月12日に登録出願,第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,電子出版物」,第38類「電気通信(「放送」を除く。),放送,移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,電子掲示板通信,電子メール通信,総合デジタル通信,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」及び第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,美術品の展示,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,携帯端末用のオンラインによる画像ファイルの提供,その他のオンラインによる画像ファイルの提供,映画の上映・制作又は配給,携帯端末用のオンラインによる音楽ファイルの提供,その他のオンラインによる音楽ファイルの提供,音楽の演奏,娯楽施設の提供」を指定商品及び指定役務として,同27年4月6日に登録査定され,同年5月15日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由として引用する商標は以下のとおりであり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
1 登録第969493号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「SONI」
登録出願日:昭和42年4月4日
設定登録日:昭和47年6月28日
最新更新登録日:平成24年6月19日
書換登録日:平成14年11月6日
指定商品 :第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電池」
2 登録第1713704号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「SONI」
登録出願日:昭和56年11月9日
設定登録日:昭和59年9月26日
最新更新登録日:平成26年8月19日
書換登録日:平成17年3月30日
指定商品 :第9類「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」
3 登録第491710号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
登録出願日:昭和30年3月1日
設定登録日:昭和31年11月20日
最新更新登録日:平成18年10月24日
書換登録日:平成19年11月14日
指定商品 :第7類「発電機,電動機(陸上の乗物用のもの(その部品を除く。)を除く。)」,第9類「回転変流機,整流機,周波数変換機,電信機,電話機,変圧器,開閉器,電流制限器,電流制御器,抵抗器,電気炉電極,電鈴,真空管,X線管,電気測定器,電池,蓄電器,被覆電線」,第10類「電気医療器(家庭用電気あんま器・家庭用電気マッサージ器を除く。),家庭用電気あんま器,家庭用電気マッサージ器」,第11類「電気炉,電気カーペット,電気がま,電気こんろ,電気暖房器,電気布団,電気湯沸かし器,扇風機,白熱電球,アーク灯,電球類及び照明器具用の炭素棒,懐中電灯」,第12類「陸上の乗物用の電動機(その部品を除く。)」及び第17類「電気絶縁材料,絶縁がい子,絶縁用板,絶縁用布,絶縁用紙,絶縁用ゴム製品,絶縁用コンパウンド」
4 登録第4868121号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成 「ソニー」(標準文字)
登録出願日:平成16年9月15日
設定登録日:平成17年6月3日
最新更新登録日:平成27年5月26日
指定商品及び指定役務:第1類ないし第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
5 登録第4988737号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:「SONY」(標準文字)
登録出願日:平成16年12月7日
設定登録日:平成18年9月22日
指定商品及び指定役務:第1類ないし第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
以下,これらをまとめて「引用商標」という場合がある。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号,同第15号及び同第19号に該当し,同法第43条の2の規定に基づきその登録は取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第46号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標の指定商品及び指定役務は,引用商標の指定商品及び指定役務と同一または類似であることは明らかである。
次に,商標について比較すると,本件商標「SONICODE」は,「SONI」と「CODE」を結合した商標である。
本件商標のような結合商標は,最高裁判決(甲41)によれば,(1)抽出する部分が出所識別力として支配的な印象を与える場合,または,(2)その他の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じない場合には,商標構成の一部を抽出することができることになる。
これを本件についてみると,本件商標の「CODE」の部分は,「暗号,信号,文字基準」を意味する出所識別力のない語である(甲37,甲39,甲40)。これに対して,本件商標の「SONI」の部分は,後述するように日本を含め世界的に著名な商標で,かつ,造語である「ソニー」「SONY」と称呼,外観が類似するから,本件商標の「SONI」の部分が抽出され,「ソニ」または「ソニー」の称呼が生じることは明らかである。
そうすると,本件商標の要部「SONI」は,引用商標と外観,称呼が同一または類似するから,本願商標と引用商標は全体的印象も共通し,商品又は役務の出所の混同の可能性があることは明らかであり,両商標は類似するといえる。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)商標「SONY」等の周知・著名性,名声,顧客吸引力
申立人は,1946年5月に設立された電気機器メーカーであり,1958年1月のソニー株式会社への社名変更以来,申立人,子会社,関連会社により,商標「SONY/ソニー」は,全国的に,電気通信機械器具,電子応用機械器具,カメラ,スマートフォン,ゲーム,映画,金融,音楽など,様々な商品・役務について使用されてきた(甲1,甲9?甲14,甲16?甲19)。
商標「SONY/ソニー」は,造語であり,生来的に出所識別力の強い語である(甲20)。
商標「SONY/ソニー」を使用した商品・役務の日本における売上高は,2009年が約2兆992億円,2013年が約2兆1,990億円に達している(甲23)。
商標「SONY/ソニー」を使用した商品・役務の日本における広告宣伝費は,2009年が約5,040億円,2013年が約4,765億円に達しており,日本企業の中でトップとなっている(甲2,甲3,甲24)。
商標「SONY/ソニー」は発行部数の多い新聞・雑誌の記事でも紹介されている(甲29)。
申立人は,2007年から2014年まで,FIFAの公式スポンサーであったため,商標「SONY/ソニー」は,ワールドカップのロゴとともに活発に使用され競技場における広告も試合の間,テレビで放映された(甲21,甲22)。
また,インターブランド社のブランドランキングでも,日本のグローバルブランドの部で,商標「SONY」は,2010年3位,2012年4位,2013年4位,2015年4位となっている(甲4)。
さらに,商標「SONY/ソニー」はその著名性が認められ,防護標章登録されており,J-PlatPatの周知・著名リストにも掲載されている(甲35,甲36)。
以上により,商標「SONY/ソニー」は,造語であり,生来的に出所識別力の強い語であって,本件商標の登録出願日前から現在にいたるまで,申立人の商標として,日本において周知・著名であることは明らかである。
なお,申立人のテープには,当初,商標「SONI-TAPE」が使用され,トランジスタラジオにも当初「ソニトランジスタラジオ」が使用されるなど,「SONI」「ソニ」も商標として使用されてきた(甲13?甲15)。
(2)商標の類似性
上述したように本件商標と商標「SONY/ソニー」は類似するといえる。
(3)業務関連性
本件商標の指定商品・役務と商標「SONY/ソニー」の使用されている商品・役務は重複するから,業務の関連性が深いことは明らかである(甲11,甲15?甲19)。
(4)取引者または需要者の共通性
上述したように申立人の主な事業は,エレクトロニクス,映画,音楽,金融であるから(甲1,甲27),本件商標の指定商品・役務の取引者及び需要者と申立人の取引者及び需要者は共通する。
(5)出所の混同
レールデュタン最高裁判決(甲44)で示された規範を本件についてみると,引用商標は,ア 辞書には掲載されていない,生来的な出所識別力の強い造語であり,イ 売上高も日本で年間に2兆円を超えており,日本,米国及び世界で周知・著名であり,品質・性能の良さから名声を博し,強力な顧客吸引力を有し,ウ 本件商標と引用商標は類似し,エ 業務も,申立人の業務と指定商品・役務とが一致し,オ 取引者及び需要者の範囲も共通している。
よって,本件商標が指定商品・役務に使用された場合には,当該商品が申立人の商品に係るものであると誤信させるおそれ(狭義の混同),または,当該役務が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(広義の混同)があることは明らかであり,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 商標法第4条第1項第19号について
引用商標が,本件商標の登録出願日前より,日本国内で著名であったことは,上記2(1)より明らかである。このような著名でかつ,辞書に掲載されていない造語からなる商標と同一または類似する商標を出願し,登録することは,当該商標の著名性,名声,顧客吸引力にただ乗りし,また,その出所識別力を稀釈化するものであり,不正の目的があったことは明らかである。
よって,本件商標が,商標法第4条第1項第19号にも該当することは明らかである。

第4 当審の判断
1 引用商標の周知性について
申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,次のとおり判断できる。
(1)引用商標1及び引用商標2について
引用商標1及び引用商標2は,1950年頃にテープレコーダーのテープ及びラジオに使用されたことは認め得る(甲13?甲15)ものの,1958年(昭和33年)の社名変更後の使用は確認できず,すでに相当の期間を経過していることから,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,需要者の間に広く認識されている商標と認めることはできない。
(2)引用商標3について
引用商標3は,上段の「Sony」の文字が,需要者の間に広く認識されている著名商標の「SONY」の文字に通じるため,本件商標の登録出願日前から現在まで継続して,申立人の業務に係る商品(電気通信機器など)等を表示するものとして,需要者の間に広く認識されている商標と認められる。
(3)引用商標4及び引用商標5について
引用商標4及び引用商標5は,これらが著名商標であることは顕著な事実といえるところ,本件商標の登録出願日前から現在まで継続して,申立人の業務に係る商品(電気通信機器など)等を表示するものとして,需要者の間に広く認識されている商標と認められる。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標
本件商標は,上記第1のとおり,「SONICODE」の文字からなるところ,その構成文字は,同書,同大,同間隔で,まとまりよく一体に表され,該文字に相応して生じる「ソニコード」の称呼が生じるものである。
そして,本件商標は,たとえ,その構成中の「CODE」の文字が,「暗号,信号」等の意味を有する語(小学館ランダムハウス英和大辞典「株式会社小学館」)であるとしても,かかる本件商標の構成において,該文字部分が指定商品及び指定役務の品質等を表示したものとして直ちに認識されることなく,むしろ,「SONICODE」の構成文字全体をもって,特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識し,把握されるとみるのが相当である。
さらに,本件商標は,その構成中「SONI」の文字部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足る証拠の提出はない。
そうすると,本件商標は,その構成文字全体が一体不可分のものであって,「ソニコード」の称呼のみを生じるものといわなければならない。
(2)引用商標
引用商標は,上記第2のとおり引用商標1及び引用商標2は「SONI」の文字からなり,「ソニ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
また,引用商標3は,「Sony」の文字と「ソニ」の文字を上下二段に書してなり,「ソニー」又は「ソニ」の称呼を生じ,全体からは特定の観念を生じないものの「Sony」の文字部分から「申立人の著名ブランドとしてのSONY」の観念を生じるものである。
さらに,引用商標4及び引用商標5は,それぞれ「ソニー」及び「SONY」の文字からなり,いずれも「ソニー」の称呼を生じ,「申立人の著名ブランドとしてのSONY(ソニー)」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
そこで,本件商標と引用商標を比較すると,両者は,上記のとおりの外観及び称呼であって,その外観上の構成態様及び称呼上の語調語感が明らかに異なり,観念は比較できないから,両商標は,外観及び称呼の点において,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
3 商標法第4条第1項第15号について
上記2のとおり,本件商標は,引用商標と外観及び称呼において,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。
そうすると,引用商標3ないし引用商標5が,申立人の業務に係る商品等を表示するものとして本件商標の登録出願前から需要者の間に広く認識されていたとしても,本件商標は,これに接する取引者,需要者が,引用商標を連想し,又は想起するものということはできない。
してみれば,本件商標は,商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想し,又は想起させることはなく,その商品及び役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
4 商標法第4条第1項第19号について
上記2のとおり,本件商標と引用商標は相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異のものであり,また,上記3のとおり,本件商標は引用商標を連想し,又は想起させるものでもない。
そうすると,本件商標は,引用商標の名声にただ乗りするなど不正の目的をもって使用をするものと認めることはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当するものといえない。
5 申立人提出の審判決例等について
申立人は本件商標と引用商標が類似する又は出所の混同を生じるおそれがあるとして,商標審査基準の掲載例や多数の審判決例等を提出しているが,それらのほとんどは周知・著名な商標と同一の綴り字を構成中に含む商標に係るものなど本件と事案を異にするものであるから,上記の判断に影響を及ぼすものではない。
6 むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第第11号,同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標3)


異議決定日 2015-12-02 
出願番号 商願2014-105218(T2014-105218) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W093841)
T 1 651・ 262- Y (W093841)
T 1 651・ 222- Y (W093841)
T 1 651・ 261- Y (W093841)
T 1 651・ 263- Y (W093841)
最終処分 維持  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 井出 英一郎
榎本 政実
登録日 2015-05-15 
登録番号 商標登録第5764615号(T5764615) 
権利者 株式会社フィールドシステム
商標の称呼 ソニコード 
代理人 中田 和博 
代理人 窪田 英一郎 
代理人 柳生 征男 
代理人 青木 博通 

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