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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W293031
審判 全部申立て  登録を維持 W293031
審判 全部申立て  登録を維持 W293031
審判 全部申立て  登録を維持 W293031
管理番号 1307572 
異議申立番号 異議2014-685022 
総通号数 192 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-12-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-11-07 
確定日 2015-09-02 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1088091号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1088091号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件国際登録第1088091号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2010年11月10日にEuropean Unionにおいてした商標の登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2011年(平成23年)5月10日に国際商標登録出願、別掲2のとおり、第29類、第30類及び第31類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成26年2月27日に登録査定、同年8月22日に設定登録されたものである。
第2 本件登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1項第1号に基づいてその登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
1 申立人が引用する商標
申立人が引用する登録第4193422号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成8年10月17日に登録出願、第30類「ウースターソース,ケチャップソース,食酢,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,穀物の加工品,サンドイッチ,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと」を指定商品として、同10年10月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
2 商標法第4条第1項第11号違反について
本件商標は、その構成中には「GIUSEPPE GIUSTI」の文字が看者の注意を惹くよう大きく表示されているので、当該文字部分を捉えて「ジュゼッペ ジュスティ」と称呼されるものと認められる。
一方、引用商標は、その構成から「ジュゼッペ ジュスティ」と称呼されることは明らかである。
したがって、本件商標は、引用商標に称呼上類似する。
また、本件商標の指定商品及び引用商標の指定商品は、共に食料品であって、食品メーカーで製造され、食料品店等で販売されるものであり、百貨店・スーパーマーケット等の大規模店舗でも同じ陳列棚で販売されることが多いものであるから、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品に類似すると考えられる。
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといえる。
3 商標法第4条第1項第15号違反について
引用商標は、商品「食酢」について使用され、本件商標の国際商標登録出願日前には著名なものとなっていた。申立人は、該事実を立証するために、取引書類及び宣伝広告資料(甲3及び甲4)を提出する。そして、本件商標は、実際に使用されている引用商標にその構成態様において酷似している。
以上のことに鑑みれば、本件商標をその指定商品に使用した場合には、当該商品が申立人ないしは同人と人的又は資本的に関係のある者の業務に係る商品とその出所の混同を生じるは必定である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものといえる。
4 まとめ
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第43条の2第1項第1号によって取り消されるべきものといえる。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、多数のメダル様の図、十字を表した盾の図、植物様の図等様々な要素を有する図案化された構成からなるものであり、その構成中、上部に「SALUMERIA」の欧文字、中程に筆記体による「Giuseppe Giusti」の欧文字及び「MODENA」の欧文字等が表示された(決定注:本件商標の構成中には上記の文字以外の文字も構成されているが、判読はできない。)ものであるが、本件商標全体が白黒で表さ、該文字部分も多数のメダル様の図、植物様の図と共にその構成中に埋没したかのように表されていることから、文字部分と図形部分が一体のものとして認識されるものといえる。
そして、本件商標の文字部分については、「SALUMERIA」の文字が、「(ハム、ソーセージ、バターなどを売る)食料品店」の意味(株式会社小学館発行 伊和中辞典)を有し、指定商品との関係においては、指定商品を取り扱っている店であることを認識させるにすぎないものといえる。
また、「Modena」の文字は、イタリア国モデナ県の都市名であることから、本件商標の文字部分において、自他商品識別標識としての機能を果たす部分は、本件商標の構成中中央に表された「Giuseppe Giusti」の文字部分にあるといえることから、これより「ジュゼッペジュスティ」の称呼が生じるものであり、該文字は、辞書等に掲載されない造語といえるから、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲3のとおり、多少図案化された「GIUSEPPE GIUSTI」の欧文字と、その下部に「ジュゼッペジュスティ」の片仮名を小さく表してなるものであるから、これより「ジュゼッペジュスティ」の称呼が生じ、該文字は、辞書等に掲載されない造語といえるから、特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標を比較するに、上記(1)及び(2)のとおり、外観においては、明らかに区別できるものであるが、称呼においては、共に「ジュゼッペジュスティ」の称呼を生じるものである。また、観念においては、共に特定の観念を生じないから、比較できないものである。
したがって、本件商標と引用商標は、外観においては区別できるものであるとしても、観念においては比較できず、称呼においては同一の称呼を生じるものであるから、類似の商標というのが相当である。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品について
本件商標の指定商品は、別掲3のとおりであり、第29類、第30類及び第31類に属する、主に、「肉、肉製品、野菜、果実及びその加工品」等の商品(仮訳より)であり、第30類の指定商品においては、酢及びバルサミコ酢を除いた商品を指定しているものである。
他方、引用商標の指定商品は、前記第2の1のとおり、第30類に属する「ウースターソース,ケチャップソース,食酢,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,穀物の加工品,サンドイッチ,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと」の商品である。
そうとすると、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、商品の生産者、販売者、用途等の関連性を有しないものであるから、非類似の商品というべきである。
(5)小括
上記(1)ないし(4)のとおり、本件商標は、引用商標と類似の商標であるとしても、その指定商品は類似しないものであるから、商標法第4条第1項第11号には該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知著名性について
申立人は、引用商標は商品「食酢」について使用されて、本件商標の国際商標登録出願日前には著名なものとなっていたと主張し、取引書類及び宣伝広告資料(甲3及び甲4)を提出しているが、甲第3号証は、申立人から日本の取引者にあてた2012年1月から2014年9月までの取引書類であるところ、該書類が取引書類であることを考えると、これに接する者は実際に申立人と取引を行った者に限られ、需要者が広く目にするとはいえないものであるばかりでなく、その上部に表示された商標も引用商標とはだいぶ印象を異にするものといわざるを得ない。
また、甲第4号証は、宣伝広告資料とのことであるが、いずれも外国語で記載されたものであって、我が国の取引者、需要者に向けての広告宣伝資料であるとは認められないし、我が国における、申立人の商品の具体的な販売量、販売地域等については何ら証明されていないものである。さらに、職権を持って調査するも、それらについての発見はできなかったものである。
そうしてみると、引用商標は、本件商標の国際商標登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されている商標とまでは認めることができない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標は、上記1のとおり、類似する商標といえる。
しかしながら、引用商標は、上記(1)のとおり、我が国における取引者、需要者の間で広く認識されているものと認めることができないものであるし、しかも、本件商標の指定商品は別掲2のとおり、引用商標の指定商品とは類似しない商品を指定しているものであるから、本件商標は、商標権者がこれを本件指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想・想起するものとはいえず、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】

別掲2(本件商標の指定商品)
第29類「Cotechino,prosciutto,zampone with Protected Designation of Origin ”Modena”;meat (except cotechino,prosciutto and zampone),fish,poultry and game;jams made in sour black cherries from Modena (Italy);preserved,dried and cooked fruits (except sour black cherries) and vegetables;preserved fruit,vegetables,fish and meat;jellies,jams,compotes;eggs,milk and milk products;edible fats;all the above goods are of Italy origin.」(仮訳:原産地名称モデナが保護されているコテキーノ・プロシュート・ザンポーネ,食肉(コテキーノ・プロシュート及びザンポーネを除く。),魚,家禽肉及び食用鳥獣肉,モデナ(イタリア)産のサワーブラックチェリーからなるジャム,保存処理・乾燥処理及び調理をした果実(サワーブラックチェリーを除く。)及び野菜,アルコール漬け、その他の保存加工をした果実、漬け物、その他の保存加工をした野菜、保存加工をした魚及び保存加工をした肉製品,ゼリー,ジャム,コンポート,卵,ミルク及び乳製品,食用脂,前述のすべての商品はイタリア産のものである
第30類「Coffee,tea,cocoa,artificial coffee;yeast,baking-powder;salt;ice for refreshment,except vinegar and balsamic vinegar;all the above goods are of Italy origin.」(仮訳:コ-ヒ-,茶,ココア,代用コ-ヒ-,酵母,ベーキングパウダー,食塩,飲食物冷却用氷(酢及びバルサミコ酢を除く。),前述のすべての商品はイタリア産のものである
第31類「Seeds;natural flowers;plants;seedlings;trees;fresh fruits and vegetables;live animals;sour black cherries from Modena (Italy);fresh fruits (except sour black cherries) and vegetables;seeds,natural plants and flowers;foodstuffs for animals,malt;all the above goods are of Italy origin.」(仮訳:種子,生花,植物,苗,木,生鮮の果実及び野菜,動物(生きているものに限る。),モデナ(イタリア)産のサワーブラックチェリー,果実(サワーブラックチェリーを除く。)及び野菜,種子,自然の植物及び花,飼料,麦芽,前述の全ての製品はイタリア産のものである

異議決定日 2015-08-27 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W293031)
T 1 651・ 261- Y (W293031)
T 1 651・ 262- Y (W293031)
T 1 651・ 263- Y (W293031)
最終処分 維持  
前審関与審査官 赤澤 聡美竹之内 正隆杉本 克治 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 中束 としえ
梶原 良子
登録日 2011-05-10 
権利者 MARCHIO DI QUALITA GIUSEPPE GIUSTI 1605 S.R.L.
商標の称呼 サルメリアジュゼッペジュスティモデナ、サルメリア、ジュゼッペジュスティ、カーサフォンダータイチロクゼロゴ 
代理人 青木 博通 
代理人 柳生 征男 
代理人 飯田 遥 
代理人 中田 和博 
代理人 田島 壽 
代理人 青木 篤 

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