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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W25 審判 全部申立て 登録を維持 W25 審判 全部申立て 登録を維持 W25 |
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管理番号 | 1307561 |
異議申立番号 | 異議2015-900136 |
総通号数 | 192 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2015-12-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2015-05-01 |
確定日 | 2015-11-09 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5736761号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5736761号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5736761号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成26年1月16日に登録出願,第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同年10月20日に登録査定され,同27年1月30日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証及び参考資料1ないし7を提出した。 (1)申立人が引用する商標 申立人が引用する登録第4402665号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成11年10月1日に登録出願,第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同12年7月21日に設定登録されたものであり,その商標権は現に有効に存続しているものである(甲2)。 (2)具体的な理由 ア 本件商標について 本件商標は,欧文字「POLS」を左横書きした構成からなり(甲1),これより「ポルス」の称呼が生じる。 イ 引用商標について 引用商標は,別掲2のとおり,円形の図形の上に片仮名「ポルスコレクション」と欧文字「POLESCOLLECTION」(2文字目の「O」にはアクセント記号が付されている。以下同じ。)を上下二段に書した構成からなるものである(甲2)。 引用商標を構成する「コレクション」及び「COLLECTION」の語には,「(オートクチュール)の新作発表会」の意味があり(甲3),「広辞苑」(甲4)にも掲載されているとおり,「有名デザイナーなどの発表する,そのシーズンの一連の新作。また,その発表会。」の意味として我が国において定着している。かかる意味に鑑みると「被服」等ファッション関連の商品について当該語は,自他商品等識別力が極めて弱い。 したがって,引用商標からは「ポルスコレクション」のみならず「ポルス」の称呼が生じるとともに,外観についても,「ポルス」及び「POLES」の部分が,自他商品識別標識として取引者・需要者に強く印象付けられ,記憶されるものである。 ウ 本件商標と引用商標との比較 (ア)外観について 本件商標を構成する「POLS」と引用商標を構成する「POLES」とを比較すると,両者の相違点は,2文字目の「O」の上のアクセント記号の有無及び4文字目の「E」の有無のみである。我が国の需要者等に親しまれている外国語が英語であることに鑑みると,引用商標2文字目の「O」(アクセント記号付き)の文字に接する需要者等は,これを英語風に「O」と同視するであろう。また,本件商標と引用商標は,「E」を除く全てのアルファベットにおいて共通している。したがって,本件商標と引用商標は,その外観において近似し紛らわしい類似の商標であるといえる。 (イ)称呼について 本件商標と引用商標は,「ポルス」という称呼において共通しており,本件商標は引用商標とその称呼において近似し,相紛らわしい類似の商標であることは明らかである。 (ウ)本件商標と引用商標の類否 以上のとおり,本件商標と引用商標は,外観及び称呼において類似しており,両商標は相互に類似する商標である。 (エ)過去の審決例等 特許庁においても,商標中「COLLECTION」の語は,「被服」等のファッション関連の商品について自他商品識別力が極めて弱いという理由で,商標「A+COLLECTION」と商標「A」を類似であると判断している(参考資料1?7) 本件商標と引用商標についても当該審決例等と同様に判断されないのであれば,特許庁における審査に対する信頼が失われることにもなりかねない。 エ 指定商品について 本件商標に係る指定商品が引用商標に係る指定商品と同一又は類似であることは明らかである。 オ むすび 以上より,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 当審の判断 (1)本件商標は,別掲1のとおりの構成からなり,容易に「POLS」の文字をややデザイン化したものと認識されるものであって,該文字に相応し「ポルス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 (2)他方,引用商標は,別掲2のとおり,内側に接する1本の直線と4本の曲線を有する円の図形と「ポルスコレクション」及び「POLESCOLLECTION」の二段の文字とを重ねて表してなり,その構成,態様から当該円の図形と文字とが一体不可分のものと認識されるものであって,該文字に相応し「ポルスコレクション」の称呼のみを生じ,特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。 なお,申立人は,引用商標はその構成中「コレクション」及び「COLLECTION」の語が「新作発表会」などの意味があり(甲3,甲4),「被服」等ファッション関連の商品については自他商品等識別力が極めて弱いから,「ポルス」及び「POLES」の文字部分が要部である旨主張している。 しかしながら,「コレクション」及び「COLLECTION」の語がファッション関連の商品について自他商品識別力が弱いとしても,引用商標は図形と文字とが一体不可分のものとして認識されるものであること上記のとおりであるばかりでなく,あえて「ポルスコレクション」及び「POLESCOLLECTION」の文字をみても,両文字は同書,同大,同間隔でいずれもまとまりよく一体に表され,それから生じる「ポルスコレクション」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであることからしても,申立人のかかる主張は失当である。 なお,申立人が挙げる審決例(参考資料1?7)は,本件とは,図形と文字との一体性,「COLLECTION」と他の文字との間の空白の有無等,その構成態様が異なることから,事案を異にすること明らかである。 (3)そこで,本件商標と引用商標を比較すると,両者の上記のとおりの外観及び称呼はその構成態様及び語調語感が明らかに異なり,観念は比較できないから,両商標はそれらの外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない,非類似の商標というべきものである。 また,その他,本件商標と引用商標とが類似するとすべき理由は見出せない。 してみれば,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。 (4)以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。 よって,結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) (色彩は原本参照) 別掲2(引用商標) |
異議決定日 | 2015-10-29 |
出願番号 | 商願2014-2443(T2014-2443) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(W25)
T 1 651・ 261- Y (W25) T 1 651・ 262- Y (W25) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 今田 尊恵 |
特許庁審判長 |
早川 文宏 |
特許庁審判官 |
田中 幸一 前山 るり子 |
登録日 | 2015-01-30 |
登録番号 | 商標登録第5736761号(T5736761) |
権利者 | 株式会社丸萬 |
商標の称呼 | ポルス |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 青島 恵美 |