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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1307544 
異議申立番号 異議2014-900172 
総通号数 192 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-12-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-06-11 
確定日 2015-11-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5656608号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5656608号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5656608号商標(以下「本件商標」という。)は、「角打ち」の文字を標準文字で表してなり、平成25年10月25日に登録出願され、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成26年2月13日に登録査定、同年3月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立て理由
(1)「角打ち」の語について
「角打ち」の文字は、「酒屋の店頭で酒を飲むこと、またそのスペース・店」を指称する語として、取引者・需要者において広く使用されているものであり(甲2?29)、この「角打ち」の店は、古くから存在するものであるが、最近、特に、人気となっていて、日本酒やビール以外にも、ワイン、シャンパン、ウイスキーなどの「角打ち」もみられる(甲6、11?13、17、19、22?25)。また、普及活動としても、北九州中心の愛好家団体「北九州角打ち文化研究会」が発行したガイドブック「角打ちのすすめ」が人気となっているほか(甲19)、関西の愛好家団体「神戸角打ち学会」が「7月11日」を「角打ちの日」と定めて酒店にポスターを張ったり(甲20)、官民のまちづくり学習グループが北九州市八幡西区・黒崎地区の「角打ち」店舗をめぐるスタンプラリーを行う(甲15)などの活動がみられる。
(2)商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号の該当性について
上記の実情からすれば、「角打ち」の文字からなる本件商標を、本件の指定商品について使用しても、商品の販売場所や、角打ちするための商品であることの用途・品質を表したものと認識されるに止まり、自他商品識別力を有しないといわざるを得ないから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、上記以外の商品について使用する場合は、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(3)商標法第3条第1項第6号の該当性について
「角打ち」の文字が、本件指定商品の販売者である酒販店について、広く使用されている実情があることからすれば、これを本件の指定商品について使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないから、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(4)結び
本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号、又は同法第3条第1項第6号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

3 当審の判断
(1)本件商標は、上記1のとおり、「角打ち」の文字を標準文字で表したものであるところ、申立人が提出した証拠等によれば、該文字は、「酒屋の店頭で酒を飲むこと、また、その場所」の意味を表す語であること(甲2?5)、及び角打ちができる酒販店、飲食店等、又は九州を中心に角打ちを通じて地域活性を目的にした活動が新聞等で紹介されたことを認めることができるものであるから(甲9?29)、「角打ち」の文字は、酒販店、飲食店等における飲酒又はその提供のスタイルを表したものとして使用されているとみるのが相当であり、本件商標の指定商品についての品質等を具体的に表示するものということはできない。
そして、申立人が提出した全証拠をみても、本件商標が、その指定商品について、商品の販売場所、用途及び品質を表した文字として一般に用いられているというべき実情を見いだせず、さらに、職権による調査をするも、上記事実は発見できなかった。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の販売場所、用途、品質等を表示するものとはいえず、さらに、本件商標をその指定商品に使用するときに、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とすべき、格別の理由は見いだせないから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
そうすると、本件商標は、その指定商品に使用しても商標法第3条第1項第3号又は同第6号に該当する商標とは認められない。
(2)本件商標は、上記のとおり、特定の具体的な商品の品質を表したものとして、需要者に認識されるものではないから、これをその指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-10-27 
出願番号 商願2013-83531(T2013-83531) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (W33)
T 1 651・ 13- Y (W33)
T 1 651・ 16- Y (W33)
最終処分 維持  
前審関与審査官 高橋 厚子 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 堀内 仁子
藤田 和美
登録日 2014-03-14 
登録番号 商標登録第5656608号(T5656608) 
権利者 オエノンホールディングス株式会社
商標の称呼 カクウチ、カドウチ、ツノウチ、スミウチ 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 

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