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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W21
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W21
審判 査定不服 外観類似 登録しない W21
管理番号 1306600 
審判番号 不服2014-15437 
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-08-06 
確定日 2015-10-15 
事件の表示 商願2013- 62693拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Kami No Suna」の欧文字を標準文字で表してなり、第21類「愛玩動物用排泄物処理材」を指定商品として、平成25年8月9日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第1914369号商標(以下「引用商標」という。)は、「紙の砂」の文字を表してなり、昭和59年7月24日に商標登録出願、第19類「パルプ製動物糞尿処理材、その他本類に属する商品」を指定商品として、同61年11月27日に設定登録され、その後、平成20年3月12日に指定商品を第21類「パルプ製動物糞尿処理材」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「Kami No Suna」の欧文字を表してなるところ、該文字から「カミノスナ」の称呼を生ずるものである。
そして、本願商標は、英語の成語ではなく、また「Kami」「No」「Suna」の文字が組み合わされて特定の意味合いを生ずるものとはいえず、一種の造語を表したものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「紙の砂」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、該文字から「カミノスナ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、両者は、外観において相違し、観念において比較することができないものの、「カミノスナ」の称呼を同じくするものであり、さらに本願商標及び引用商標の読み仮名を平仮名又は片仮名で表すとした場合には、両者の文字列が同一のものとなることをも併せ考慮すれば、両商標は、それぞれをその指定商品に使用するときは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
また、本願の指定商品「愛玩動物用排泄物処理材」と引用商標の指定商品「パルプ製動物糞尿処理材」は、ともに動物用の排泄物を処理する材料であると認められるから、同一又は類似の商品である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)請求人の主張
請求人は、本願商標の指定商品である「愛玩動物用排泄物処理材」の取引は、専らインターネット販売又は店頭販売を通じて行われていることから、取引実情に照らせば、当該商品は称呼のみで取引されるものではないことから、本願商標と引用商標とが称呼において相紛らわしいとしても、それだけで直ちに出所の誤認混同が生じるとは考えられない。そして、かかる取引の実情の下では、需要者は主に視覚を通じて商標を認識することから、誤認混同のおそれの有無を判断するにあたっては、外観、観念及び称呼の3要素のうち視覚的要素である外観が相対的に重視されるべきである旨述べ、外観及び観念において著しく相違する本願商標と引用商標とは、指定商品の出所について誤認混同が生じるおそれはなく、両商標は非類似である旨主張している。
しかしながら、商標法第4条第1項第11号の適用に関して、「商標が類似するかどうかは、最終的には、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり、具体的にその類否判断をするに当たっては、両商標の外観、観念、称呼を観察し、それらが取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであって、決して上記3要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないが、少なくともその一つが類似している場合には、当該具体的な取引の実情の下では商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められる場合を除いて、出所の混同を生ずるおそれがあると認めるのが相当である。」(東京高裁 平成11年(行ケ)第422号判決 平成12年6月13日言渡)との判示がなされているものである。
そうとすると、前記(1)で述べたように、本願商標と引用商標とは、少なくとも称呼を同じくするものであるから、両商標を、各々、その指定商品について使用した場合に、商品の出所について混同のおそれはないとするべき特別の事情が存在すると認められる場合を除いて、出所の混同を生ずるおそれがあるものと認めるべきであるところ、請求人の主張によっては、上記特別の事情が存在することを認めることができない。
さらに、請求人は、過去の審決例を挙げて、本願商標もこれらと同様に登録されるべきである旨主張しているが、商標の類否判断は、過去の審決例等の判断に拘束されることなく、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品の取引の実情等を考慮し、本件の事案に即して本願商標と引用商標とを対比することにより、個別具体的に判断されるべきものであって、過去の登録例、審決例等の判断に拘束されるものではないから、請求人の主張については採用することができない。
(3)まとめ
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2015-02-02 
結審通知日 2015-02-09 
審決日 2015-02-24 
出願番号 商願2013-62693(T2013-62693) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W21)
T 1 8・ 263- Z (W21)
T 1 8・ 261- Z (W21)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 浦崎 直之 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 網谷 麻里子
前山 るり子
商標の称呼 カミノスナ 
代理人 大坂 憲正 
代理人 松田 純一 
代理人 西村 公芳 

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