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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20156267 審決 商標
不服201421754 審決 商標
不服201417746 審決 商標
不服2015143 審決 商標
不服201426706 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W05
管理番号 1306563 
審判番号 不服2014-6285 
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-04-04 
確定日 2015-09-24 
事件の表示 商願2013-30239拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第5類「グルコサミンとヒアルロン酸を使用した薬剤,グルコサミンとヒアルロン酸を使用した乳幼児用粉乳,グルコサミンとヒアルロン酸を使用したサプリメント,グルコサミンとヒアルロン酸を使用した食餌療法用飲料・食餌療法用食品,グルコサミンとヒアルロン酸を使用した乳幼児用飲料・乳幼児用食品,グルコサミンとヒアルロン酸を使用した栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として、平成25年4月22日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、太さの異なる二重の円輪郭線と、図案化した草花の図柄を帯状に連続反復させ、円形状に表したものとを組み合わせた黄色の図形の内部に、『グルコサミン』及び『ヒアルロン酸+』の文字を赤色で二段に書してなるところ、その構成中の『グルコサミン』の文字は『カニの甲羅などのキチン質から抽出される天然アミノ糖』を、『ヒアルロン酸』の文字は『強い保水力をもつムコ多糖類の一つ』を意味する語として、また『+』の文字は『加えること』の意味合いを認識させる記号として、いずれも広く知られている。そして、『+』の文字は、本願指定商品との関係においては『ある成分を加えていること』を表す際に広く使用されている実情がある。また、植物の図柄を帯状に連続反復させて円形状に表したものは、装飾的な輪郭として一般に用いられているため、本願商標の図形部分は、そのような装飾的な輪郭の一類型として認識されるものというのが相当である。以上のことからすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する需要者・取引者は、『グルコサミンとヒアルロン酸を加えた商品』であるという、商品の特徴を理解するにとどまり、自他商品識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、二重の円に沿って、草花をモチーフにした図柄を連続反復させた黄色の円形図形(以下「草花の円形図形」という。)の内側に、「グルコサミン」の文字と、「ヒアルロン酸+」の文字及び記号を赤色で二段に書してなるものである。
そして、本願商標を構成する「グルコサミン」の文字は「カニの甲羅などのキチン質から抽出される天然アミノ糖」を、同「ヒアルロン酸」の文字は「細胞中に含まれる自身の6000倍の水を吸収して膨張する高粘性ムコ多糖類の1」を意味し(いずれも「コンサイスカタカナ語辞典第4版」株式会社三省堂発行)、それぞれ成分の一つを表すものと認められる。
また、「+」の記号は「加えることを示す記号」(「大辞林第3版」株式会社三省堂発行)であるところ、原審で示した証拠のとおり、指定商品の分野において、この記号が成分名と共に用いられ、その成分を「加えること」を表すために使用されている実情がある。
以上のことから、本願商標を構成する「グルコサミン」、「ヒアルロン酸」及び「+」の文字及び記号部分については、二つの成分名と「加えること」を「+」で表したものと理解されることから、これをその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者において、「グルコサミンとヒアルロン酸を加えたもの」の意味合いを理解、認識させるものであり、商品の品質を表示するものといえるから、自他商品の識別標識としての機能は果たし得ないものというのが相当である。そして、請求人もこれについて認めているものである。
ところで、本願の指定商品を取り扱う業界においては、取引者、需要者がその商品の成分、原材料、それらの効能に着目して商品を選択し、購入することとも相まって、成分名等を商品の包装に顕著に大きく表すことが少なくないといえるところ、原審で示した証拠のほか、別掲2のとおり、商品の包装に、顕著に大きく表された成分名等を囲んで、草花等をモチーフにした円形状の図形が使用されている実情が認められる。
そして、顕著に大きく表された成分名等を囲むこれらの図形は、取引者、需要者がその商品の成分等に着目して購入する実情を考慮すると、取引者、需要者がこれらの図形自体及びそれを構成する円及び細かな図柄部分に着目して、他の商品と識別して取引を行うというよりは、むしろ、単に取引者、需要者の注目を集めるため、内側の商品の成分名等を表した文字や記号部分を装飾し、強調しているにすぎないというべきである。
してみれば、本願商標を構成する草花の円形図形については、取引者、需要者が図形自体及びそれを構成する円及び細かな図柄部分に着目して、他の商品と識別して取引を行うというよりは、単に取引者、需要者の注目を集めるため、内側の商品の成分名等を表した文字及び記号部分を装飾し、強調しているにすぎないというべきである。
そうすると、本願商標は、商品の品質の表示に、それを装飾し、強調するために草花の円形図形を施したものと認識させるにすぎないものといえるから、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別機能を果たし得ず、これに接する需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、植物の図柄を帯状に連続反復させて円形状に表したものは、装飾的な輪郭として一般に用いられることがあるものの、これをもって、該類型からなる図形の全てが自他商品識別標識としての機能を有しないものであるという特段の根拠には全くならず、本願商標は草花とおぼしき各デザインの個々に独自の創作性を有し、加えて、本願商標のようにまとまりよく一体的な構成であれば、図形と文字が相まって、商標全体としての独自性を生ずると主張するとともに、過去の登録例を引用している。
しかしながら、本願商標を構成する草花の円形図形は、上記(1)のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、成分名等を囲んで使用されるときは、単に取引者、需要者の注目を集めるため、その内側の商品の成分名等を表した文字及び記号部分を装飾し、強調しているにすぎず、自他商品の出所を表すものとしての識別性を有するとまではいえないものである。
また、過去の登録例は、いずれも草花がモチーフの図形であるものの、文字の有無、図形の形状、指定商品の相違等、本願商標とは事案を異にするものであるから、本願商標についての判断が該登録例をもって左右されるものではない。
したがって、請求人の主張を採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標
(色彩については原本を参照されたい。)


別掲2 本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の包装に、顕著に大きく表された成分名等を囲んで、草花等をモチーフにした円形状の図形が使用されている事実(色彩については原本を参照されたい。)
(1)ケンコーコム株式会社のウェブサイトにおいて、「グルコサミンプラスアルファコンドロイチン 180粒」の記載とともに、「栄養機能食品」の記載の下に、商品の包装に、「グルコサミン」、「プラスアルファ」及び「コンドロイチン」の文字を囲んで、草花等をモチーフにした円形状の図形が使用されている商品の画像が表示されている。
(http://www.kenko.com/product/item/itm_6936613472.html)

(2)株式会社エスラインのウェブサイトにおいて、「素肌革命コエンザイムQ10プラス」の記載とともに、「健康を維持して若々しさを実感したい方のための美容サプリメント」の記載がされ、商品の包装に、中央の「COENZYME」及び「Q10+」の文字及び記号と、その上下に表された「素肌革命」及び「コエンザイムQ10プラス」の文字を囲んで、草花等をモチーフにした円形状の図形が使用されている商品の画像が表示されている。
(http://suhada.me/product/detail/80)

(3)株式会社エスラインのウェブサイトにおいて、「素肌革命レスベラトロールプラス」の記載とともに、「エイジングケア・健康維持を実感したい方のためのサプリメント」の記載がされ、商品の包装に、中央の「RESVERA」及び「TROL+」の文字及び記号と、その上下に表された「素肌革命」及び「レスベラトロールプラス」の文字を囲んで、草花等をモチーフにした円形状の図形が使用されている商品の画像が表示されている。
(http://suhada.me/product/detail/26)

(4)株式会社世田谷自然食品のウェブサイトにおいて、「コラーゲン+ヒアルロン酸」の記載とともに、商品の包装に、中央の「コラーゲン+」及び「ヒアルロン酸」の文字及び記号と、その上下に表された「健康補助食品」及び「240粒」の文字を囲んで、草花等をモチーフにした円形状の図形が使用されている商品の画像が表示されている。
(http://www.shizensyokuhin.jp/detail/19/)

(5)株式会社世田谷自然食品のウェブサイトにおいて、「グルコサミン+コンドロイチン」の記載とともに、商品の包装に、中央の「グルコサミン」等の文字と、その上下に表された「健康補助食品」及び「240粒」の文字を囲んで、草花等をモチーフにした円形状の図形が使用されている商品の画像が表示されている。
(http://www.shizensyokuhin.jp/detail/12/)

(6)ウエルシア薬局株式会社のウェブサイトにおいて、「ミナミ 贅沢グルコサミン&コンドロイチンプラス」の記載とともに、「栄養補助食品」の記載がされ、商品の包装に、中央に5段に表された「贅沢」、「グルコサミン」、「&」、「コンドロイチン」及び「プラス」の文字を囲んで、草花等をモチーフにした円形状の図形が使用されている商品の画像が表示されている。
(https://www.e-welcia.com/detail/item.php?item_id=d02_4945904017609_06)

(7)株式会社大麦工房ロアのウェブサイトにおいて、「サプリメント」及び「グルコサミン・コンドロイチン&大麦β-グルカン」の記載とともに、商品の包装に、中央に4段に表された「グルコサミン」、「コンドロイチン」、「&」及び「大麦β-グルカン」の文字と、その下に表された「大麦工房ロア」等の文字を囲んで、麦の穂をモチーフにした円形状の図形が使用されている商品の画像が表示されている。
(https://www.oomugi.jp/products/detail.php?product_id=231)


審理終結日 2015-01-14 
結審通知日 2015-01-20 
審決日 2015-08-12 
出願番号 商願2013-30239(T2013-30239) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 裕子 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 大橋 洋子
梶原 良子
商標の称呼 グルコサミンヒアルロンサンプラス、グルコサミンヒアルロンサン、ヒアルロンサンプラス 
代理人 加藤 久 
代理人 久保山 隆 
代理人 遠坂 啓太 
代理人 加藤 久 
代理人 遠坂 啓太 
代理人 久保山 隆 

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