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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない(当審拒絶理由) W03
管理番号 1306526 
審判番号 不服2015-1644 
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-01-28 
確定日 2015-09-16 
事件の表示 商願2013- 88500拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ブースターローション」の片仮名を標準文字で表してなり、第3類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年11月12日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同26年3月13日付け及び当審における同27年6月19日付け手続補正書により、第3類「3種類の粉末状ビタミンC誘導体を使用直前に混ぜて使用する美容化粧水(導入美容液及び導入化粧水を除く。)」に補正されたものである。

2 当審における拒絶理由の通知
当審において、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当すべきものとする新たな拒絶の理由を発見したので、請求人に対し、平成27年4月23日付けで、要旨次による拒絶理由通知書を発し、意見を求めた。
本願商標は、上記1のとおり、「ブースターローション」の片仮名を標準文字で表してなり、その構成中の、「ブースター」の文字が、「『後ろから押すもの』の意」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を、また、「ローション」の文字が、「アルコール分を含む液状のもので、化粧水や頭髪料などの総称。」(株式会社三省堂 コンサイスカタカナ語辞典第4版)の意味をそれぞれ有する語であるところ、化粧品業界においては、別掲(ア)ないし(ク)のとおり、これを一連に表した「ブースターローション」の文字について、ローションの一種であって、化粧品の浸透効果を高める導入的な商品を指称する語として広く一般に使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品「化粧水,美容液,スキンローション,ヘアーローション」について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「化粧品の浸透効果を高める導入的な商品」程の意味合いを容易に理解、認識するといえる。
そして、本願商標は、標準文字で表してなるものであって、何らの特殊なデザイン化等もされているものではないから、普通に用いられる方法で表示するものである。
してみると、本願商標は、その指定商品に使用しても、商品の品質、効能又は用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 請求人の意見
(1)本願商標は、全体として、視覚的にまとまりよく一体のものとして把握し得るものであるところ、その構成中の「ブースター」の文字は、「《後押しするものの意》1 電圧の昇圧器。また、無線機などの送受信用の増幅器。」等複数の意味を有する語であって、全体として漠然とした意味合いを想起させるにとどまるものであり、商品の品質を具体的かつ直接的に表したものと認識、理解させるとまではいい難いものである。
(2)本願は、その指定商品について、前記1のとおり補正をしているところ、補正後の指定商品を取り扱う業界において、「ブースターローション」の文字が、商品の具体的な品質を表示するものとして普通に用いられていると認めるに足る事実を発見することができない。
(3)したがって、本願商標は、その構成全体をもって特定の語義を有することのない一種の造語として認識されるものとみるのが相当であるから、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ブースターローション」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、化粧品を取り扱う業界において、「ブースターローション」の文字は、ローションの一種であって、化粧品の浸透効果を高める導入的な商品を指称する語として広く一般に使用されている実情が認められ、本願商標に接する取引者、需要者は、「化粧品の浸透効果を高める導入的な商品」程の意味合いを容易に理解、認識するものであることは、前記2の当審における拒絶理由通知のとおりである。
そして、本願の指定商品は、前記1のとおり補正されているところ、補正後の指定商品である「3種類の粉末状ビタミンC誘導体を使用直前に混ぜて使用する美容化粧水(導入美容液及び導入化粧水を除く。)」は、ローションの一種といえるものであり、たとえ、その指定商品が「導入美容液及び導入化粧水」を除いたものであるとしても、「ブースターローション」の文字からなる本願商標に接する需要者、取引者は、「化粧品の浸透効果を高める導入的な商品」程の意味合いを表したもの、すなわち商品の品質、効能又は用途を表したものと看取、理解するにとどまるとみるのが相当である。
また、本願商標は、標準文字で表してなるものであって、何らの特殊なデザイン化等もされているものではないから、普通に用いられる方法で表示するものである。
したがって、本願商標は、補正後の指定商品に使用しても、商品の品質、効能又は用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標の構成中「ブースター」の文字が複数の意味を有する語であって、全体として漠然とした意味合いを想起させるにとどまるものであること、さらに、補正後の指定商品を取り扱う業界において、「ブースターローション」の文字が、商品の具体的な品質を表示するものとして普通に用いられていると認めるに足る事実を発見することができないことから、本願商標は、その構成全体をもって特定の語義を有することのない一種の造語として認識されるものであり、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである旨主張する。
しかしながら、「ブースター」の文字が、複数の意味合いを有する語であるとしても、本願商標は、続く「ローション」の語の意味合い、及び化粧品業界における「ブースターローション」の文字の使用の実情からすれば、その全体として、「化粧品の浸透効果を高める導入的な商品」程の意味合いを容易に理解、認識させるものである。
そして、本願商標は、補正後の指定商品との関係においても、取引者、需要者をして、商品の品質、効能又は用途を表すものと看取、理解するにすぎないものであることは、上記(1)に記載のとおりであるから、請求人の主張は採用することはできない。
(3)まとめ。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。


別掲
「ブースターローション」の文字が、化粧品の業界において「化粧品の浸透効果を高める導入的な商品」として使用されている事例
(ア)「Hg8+ブースターローション-自然美のススメ」と題するウェブサイト(http://sizenbi.com/?pid=75959127)には、「導入美容液(ブースターローション)って何?」の見出しの下、「乾燥などで閉じてしまったお肌を柔らかくし美容成分が届くべきところまでの道を作る」、「あとに使う化粧水・乳液・美容液を角質の奥まで届ける!」及び「それがブースターローション」等の記述がされている。
(イ)「ブースターローションで潤い肌[スキンケア]All About」と題するウェブサイト(http://allabout.co.jp/gm/gc/64135/)には、「ブースターローションで潤い肌」の見出しの下、「『ブースターローション』ってご存知ですか?ブースターローションは浸透促進成分を配合して、次に使用するアイテムをより肌に浸透させる働きを持つアイテムです。」と記述され、さらに、「ブースターローションとは?」の見出しの下、「”ブースター”とは後押しするという意味で、その名の通りブースターローションは浸透促進成分が配合されていて、次に使用するアイテムをより肌に浸透させる働きを持っています。」等の記述がされている。
(ウ)「エナリーブースターローション」と題するウェブサイト(http://www.enary.jp/booster.html)には、「スキンケアアイテムを『つける』から『浸透させる』へ。浸透するお肌をつくる。効果的なスキンケアのための『プラスワン導入美容液』ついに登場。」の記述があり、さらに「ブースターローションとは。」の見出しの下、「どんなに優れた美容成分が配合されている化粧水や美容液を使っても、しっかりと浸透しなければ、お肌の上で混ざっているだけ。そう、大切なのはお肌への浸透力。エナリーが着目したのは、『角質層に働きかけ、うるおいが浸透する道筋を整える』ということ。」及び「浸透促進成分がお肌を整え、次に使用するアイテムが浸透しやすいような状態へと導くことで、毎日のスキンケアの質を高めます。」等の記述がされている。
(エ)「導入化粧水ブースターローション【海のブレア公式ショップ】」と題するウェブサイト(http://www.brehat-sea.com/item/booster-lotion/)には、「導入化粧水 海のブレア ブースターローション」の見出しの下、「<美肌の豆知識>ブースターローションの『ブースター』って・・・?」、「『ブースター』とは、『後押しするもの』とか『すでに定まった状態を底上げして助ける』というような意味。化粧品の浸透効果を最大限に高めるために導入的な役割をするもののことを指します。つまり、次のステップの”呼び水”のようなもの。」等の記述がされている。
(オ)「ブースターローション|天真堂ショップ公式サイト」と題するウェブサイト(http://www.antiaging.vc/white_series/booster_lotion.html)には、「ブースターローション」の見出しの下、「素肌力、パワーアップ!新発想の導入美容液でぐんぐん浸透する肌へ」、「1 お肌を柔らかくする ゴワゴワカサカサのお肌ではうまく美容成分が浸透しません。美肌効果のある温泉と同じ、弱アルカリ性にすることで お肌を柔らかくして美容成分を浸透しやすくします。」及び「薬用美白(*)導入美容液 ブースターローション 100ml」等の記述がされている。
(カ)「ブースターローションの使い方いろいろatブースターローションの通販購入サイト|」と題するウェブサイト(http://www.sarsband.com/?p=16)には、「今までにない新発想の導入美容液」の記述があり、さらに「ブースターローションの使い方いろいろ」の見出しの下、「ブースターローションは洗顔後の何もつけていないお肌に一番最初にスプレーすることで、一時的にお肌のphを弱酸性からアルカリ性に変え、その後に使う化粧水などの成分をいっそう浸透しやすくしてくれます。」等の記述がされている。
(キ)「Amazon.co.jp」のウェブサイトにおける「ブースターローション」の検索結果(http://www.amazon.co.jp/s/?ie=UTF8keywords=%E3%83%96%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3tag=googhydr-22index=apsjp-ad-ap=0hvadid=50698500308hvpos=1t2hvexid=hvnetw=ghvrand=11061631054274219419hvpone=hvptwo=hvqmt=ehvdev=cref=pd_sl_11xtqg8wjf_e)によると、「ホワイトシリーズブースターローション」、「エナリーブースターローション」、「Hg8+ブースターローション」、「<導入化粧水>トゥインクル・ビーリバイタライズブースターローション」、「エムディア モイストブースターローション(ローション状美容液)」、「海のブレア ブースターローション」、「タルゴ-タンブースターローション」等の名称の下に各社の商品が写真、価格等と共に多数掲載されている。
(ク)「【楽天市場】ブースターローションの検索結果」(http://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E3%83%96%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/-/?l-id=s_searchl2-id=shop_header_searchx=50)によると、上記(キ)同様、各社の商品が「エニシングホワイト&ブースターローション」、「エムディア モイストブースターローション」、「「Hg8+ブースターローション」、「エナリー ブースターローション」等の表示の下に各社の商品が写真、価格等と共に多数掲載されている。
審理終結日 2015-07-16 
結審通知日 2015-07-21 
審決日 2015-08-03 
出願番号 商願2013-88500(T2013-88500) 
審決分類 T 1 8・ 13- WZ (W03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 中束 としえ
梶原 良子
商標の称呼 ブースターローション、ブースター 
代理人 佐藤 富徳 

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