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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X03
管理番号 1306470 
審判番号 取消2014-300542 
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-07-23 
確定日 2015-09-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第5339798号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5339798号商標(以下「本件商標」という。)は、「YOU&I ATP」の文字を表してなり、平成22年3月1日に登録出願、第3類「化粧品,洗顔料,せっけん類」を指定商品として、同年7月23日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録は、平成26年8月11日である。

2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録は、これを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張している。
なお、請求人は、後記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第56号証を提出した。
(1)YOU&I株式会社が通常使用権者であることの証明について
商標権者とYOU&I株式会社(以下「YOU&I社」という。)は、代表取締役「菅原豊子」と本店の住所「大阪市中央区南船場四丁目7番6号」が同じ法人である。
そして、YOU&I社は主に商品の製造を行い、商標権者はYOU&I社が製造した商品を譲渡(販売)している。
さらに、商標権者は、本件商標をYOU&I社に商品「化粧品,洗顔料,せっけん類」について使用することを許諾している(乙第3号証)。
したがって、YOU&I社は、本件商標の通常使用権者である。
(2)商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム)」の写真について
ア 乙第4号証は、商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 50g(50mL)」及び商品の包装箱を正面から撮影した写真である。
イ 乙第5号証は、乙第4号証に写っている商品と商品の包装箱を背面から撮影した写真である。
ウ 乙第6号証は、商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 30g(30mL)」及び商品の包装箱を正面から撮影した写真である。
エ 乙第7号証は、乙第6号証に写っている商品と商品の包装箱を背面から撮影した写真である。
オ まとめ
乙第5号証及び乙第7号証の商品及び商品の包装箱には、本件商標と社会通念上同一の商標「You&I ATP」が付されている。乙第5号証の商品及び商品の包装箱には、商品の販売元の名称及び住所として名称「YOU&I株式会社」及び住所「大阪市中央区南船場4-7-6」が記載されている。乙第7号証の商品及び商品の包装箱には、商品の製造販売元の名称及び住所として名称「YOU&I株式会社」及び住所「大阪市中央区南船場4-7-6」が記載されている。当該名称及び住所は、通常使用権者であるYOU&I社の名称及び住所と一致している。
(3)「サンスクリーンゲル」等が商品の内容等を表示する語であることについて
ア 乙第5号証には、商品の包装箱の上部に「You&I ATP」、「サンスクリーンゲル」、「SPF50/PA+++」、「ウォータープルーフ」、「(日焼け止めゲルクリーム)」及び「50g」の文字が6段に併記して大きく記載されている。また、商品の上部に「You&I ATP」、「サンスクリーンゲル」、「(日焼け止めゲルクリーム)」及び「50g」の文字が4段に併記して大きく記載されている。
イ 乙第7号証には、商品の包装箱の上部に「You&I ATP」「サンスクリーンゲル」、「SPF50+ PA++++」、「ウォータープルーフ」「(日焼け止めゲルクリーム)」及び「30g」の文字が6段に併記して大きく記載されている。また、商品の上部に「You&I ATP」「サンスクリーンゲル」「(日焼け止めゲルクリーム)」及び「30g」の文字が4段に併記して大きく記載されている。
そして、上記の商品の包装箱又は商品に記載されている「サンスクリーンゲル」、「SPF50/PA+++」、「SPF50+ PA++++」、「ウォータープルーフ」、「(日焼け止めゲルクリーム)」、「50g」及び「30g」の文字は、商品の内容等を表示する語に該当する。
ウ 「サンスクリーンゲル」の文字は、「(日焼け止めゲルクリーム)」の文字が併記されていることを考慮すると、英文字「sunscreen gel」を仮名文字で表記したものとして需要者に認識される。そして、「sunscreen」は、「日焼け止め剤」を意味する英単語である(乙第8号証)。
エ 「サンスクリーン・クリーム(sunscreen cream)」は「日焼け止めクリーム」を意味する語として一般に認知されている(乙第9号証)。
オ 「商品・サービス国際分類表(第10-2014版)」に掲載されている指定商品「日焼け止め用化粧品」の英語訳として「sunscreen preparations」が採用されている(乙第10号証)。
カ 「類似商品・役務審査基準(国際分類第10-2014版対応)」に掲載されている指定商品「日焼け止めクリーム」の英語訳として「Sunscreen creams」が採用されている(乙第10号証)。
その上、「ゲル(Gel)」は、「コロイド溶液が流動性を失い、多少の弾性と固さをもってゼリー状に固化したもの。」(乙第11号証)を意味する語であり、ゲル状の商品を指称する語として一般的に使用されているだけでなく、「特許電子図書館(IPDL)」の「商品・役務名リスト」に「日焼け止め用ゲル状化粧品」が指定商品の採用例として掲載されている(乙第10号証)。
キ 乙第5号証及び乙第7号証の商品及び商品の包装箱に記載されている「サンスクリーンゲル」の文字は「(日焼け止めゲルクリーム)」の文字が併記されていることも考慮すると、「日焼け止めゲルクリーム」又は「日焼け止め用ゲル状化粧品」を意味する語として需要者に認識される。
ク 「SPF50/PA+++」及び「SPF50+ PA++++」を構成する文字「SPF」は「sun protection factor」の略語であり、日焼け止めオイルや化粧品が、UVB(紫外線B波)を防止する効果を示す数値である(乙第12号証)。また、「PA」は「protection grade of UVA」の略語であり、日焼け止め化粧品のUVA(紫外線A波)を防止する効果を示す値である。また、「PA」は+、++、+++、++++の4段階で効果の強さを示す(乙第13号証)。このため、「SPF50/PA+++」及び「SPF50+ PA++++」は、商品「日焼け止めゲルクリーム」の品質を表示する語として需要者に認識される。
ケ 「ウォータープルーフ」は「防水性。耐水性。」を意味する語である(乙第14号証)。そして、水に落ちにくい日焼け止め用化粧品が流通していることを考慮すると、「ウォータープルーフ」も商品「日焼け止めゲルクリーム」又は「日焼け止め用ゲル状化粧品」の品質を表示する語に該当する。
コ 「50g」及び「30g」は、商品「日焼け止めゲルクリーム」又は「日焼け止め用ゲル状化粧品」の内容量を表示する語として需要者に認識される。
(4)商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム)」が本件商標の指定商品に含まれていることについて
「特許電子図書館(IPDL)」の「商品・役務名リスト」において商品「日焼け止め用ゲル状化粧品」が、第3類の類似群コード「04C01」に対応する商品として掲載されている(乙第10号証)。また、「類似商品・役務審査基準(国際分類第10-2014版対応)」において、商品「日焼け止めクリーム」が指定商品「化粧品」に含まれる商品として掲載されている(乙第15号証)。
したがって、乙第4号証ないし乙第7号証の商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム)」は、本件商標の指定商品「化粧品」に該当する。
(5)「You&I ATP」が商標として認識されることについて
商品「日焼け止めゲルクリーム」及び「日焼け止め用ゲル状化粧品」等の化粧品は肌につける商品であるから、商品に含まれている成分等を需要者は注意深く確認してから購入する商品である。
よって、乙第5号証及び乙第7号証の商品及び商品の包装箱の背面を見た需要者は、「You&I ATP」の部分を商標として認識する。
(6)使用商標「You&I ATP」が本件商標と社会通念上同一と認められる商標であることについて
本件商標は、黒色の明朝体の文字で「YOU&I ATP」を横書きに書してなるものである。一方、乙第5号証及び乙第7号証の商品及び商品の包装箱には、ピンク色又は赤色のゴシック体の文字で「You&I ATP」と記載されている。
つまり、本件商標と使用商標は、文字の色、文字の書体及び「OU」の部分の大文字と小文字が相違する。しかしながら、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
したがって、乙第5号証及び乙第7号証の商品及び商品の包装箱に付されている商標「You&I ATP」は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標に該当する。
(7)商品「クリーム」の写真について
ア 乙第17号証は、商品「クリーム」を正面から撮影した写真である。乙第18号証は、乙第17号証に写っている商品を左側面から撮影した写真である。
イ 乙第18号証の商品には、本件商標と社会通念上同一の商標「ユーアンドアイATP」が付されている。また、商品の説明として「弱油性クリーム」と記載されている。さらに、商品の発売元として記載されている名称及び住所は、通常使用権者であるYOU&I社の名称及び住所と一致している。
したがって、乙第18号証の商品に付されている商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標に該当する。
(8)商品「リップグロス」の写真について
ア 乙第19号証は、商品「リップグロス」を正面から撮影した写真である。乙第20号証は、乙第19号証に写っている商品の蓋を開けた状態を撮影した写真である。
イ 乙第21号証は、乙第20号証に写っている商品を背面から撮影した写真である。
乙第21号証の商品には、本件商標と同一の商標「YOU&I ATP」が付されている。また、商品の発売元として記載されている名称及び住所は、通常使用権者であるYOU&I社の名称及び住所と一致している。
乙第21号証の商品には、「YOU&I ATPリップグロス」及び「NET 1.5g」の文字が2段に併記して記載されている。また、商品に記載されている「リップグロス」の文字は、商品の内容を表示する語として需要者に認識される。さらに、「NET 1.5g」は、商品の正味の重量を表示する語として需要者に認識される。
(9)商標権者が頒布しているカタログについて
乙第22号証ないし乙第29号証は、「Beauty Star(ビューティースター)」と称する美容業界専門カタログである。商標権者は、当該カタログを制作して日本全国のエステティックサロンに頒布している。
また、商標権者の営業を担当する従業者が、当該カタログを頒布するとともに、カタログに掲載している商品について、エステティックサロンの経営者等に説明を行なっている。さらに、化粧品等の商品については、商品自体をエステティックサロンの経営者等にお試しとして一定量配布し、効果を体感してもらっている。そして、商品の内容について理解したエステティックサロンの経営者等から、電話又はFAXで当該カタログに掲載されている商品の注文を受けている。
乙第22号証ないし乙第29号証のカタログの表紙には、商標権者の名称及び住所が記載されているとともに、商品の注文先の電話番号及びFAX番号が記載されている。
したがって、乙第22号証ないし乙第29号証のカタログは、商標法第2条第3項第8号の「取引書類」に該当する。また、乙第23号証ないし乙第28号証のカタログの発行日より、乙第23号証ないし乙第28号証は、本件審判の請求の予告登録日前3年以内に日本国内で頒布されていたことが分かる。
(10)商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム)」のカタログにおける記載について
ア 乙第4号証の商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 50g(50mL)」と同じ商品の写真が、乙第22号証(2010年冬発行のカタログの写し)の第4頁、乙第23号証(2011年7月1日発行のカタログの写し)の第20頁、乙第25号証(2012年5月1日発行のカタログの写し)の第3頁、乙第26号証(2012年12月1日発行のカタログの写し)の第9頁及び乙第27号証(2013年5月1日発行のカタログの写し)の第26頁に掲載されている。また、上記の頁には、商品名、容量及びサロン価格として、「ATP サンスクリーンゲル」、「50mL」及び「1,980円」と記載されている。
イ 乙第6号証の商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 30g(30mL)」と同じ商品の写真が、乙第28号証(2013年10月1日発行のカタログの写し)の第25頁及び乙第29号証(2014年4月1日発行のカタログの写し)の第23頁に掲載されている。また、乙第29号証の第23頁には、商品名、容量及びサロン価格として、「ATP サンスクリーンゲル」、「30mL」及び「1,650円」と記載されている。
(11)商品「クリーム」のカタログにおける記載について
乙第17号証の商品「クリーム」と同じ商品の写真が、乙第22号証(2010年冬発行のカタログの写し)の第3頁、乙第23号証(2011年7月1日発行のカタログの写し)の第19頁、乙第24号証(2012年4月1日発行のカタログの写し)の第32頁、乙第25号証(2012年5月1日発行のカタログの写し)の第8頁、乙第26号証(2012年12月1日発行のカタログの写し)の第9頁、乙第27号証(2013年5月1日発行のカタログの写し)の第34頁及び乙第29号証(2014年4月1日発行のカタログの写し)の第17頁に掲載されている。
上記のカタログの各頁に記載されている商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標に該当する。
(12)商品「リップグロス」のカタログにおける記載について
ア 乙第19号証の商品「リップグロス」と同じ商品の写真が、乙第22号証(2010年冬発行のカタログの写し)の第1頁及び乙第26号証(2012年12月1日発行のカタログの写し)の第2頁に掲載されている。また、乙第20号証の商品「リップグロス」と同じ商品の写真が、乙第22号証(2010年冬発行のカタログの写し)の第1頁に掲載されている。
イ 乙第22号証の第1頁には、商品名及びサロン価格として、「セイザオリジナルリップグロス」及び「600円」と記載されている。
(13)通常使用権者の本件商標の使用について
乙第4号証及び乙第5号証の商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 50g(50mL)」、乙第6号証及び乙第7号証の商品「サンスクリーングル(日焼け止めゲルクリーム) 30g(30mL)」、乙第17号証及び乙第18号証の商品「クリーム」並びに乙第19号証ないし乙21号証の商品「リップグロス」には、発売元又は製造販売元の名称及び住所として、本件商標の通常使用権者であるYOU&I社の名称及び住所が記載されている。
また、上記商品には、本件商標と同一又は社会通念上同一の商標が付されている。さらに、上記商品は、本件商標の指定商品「化粧品」に該当する商品である。
その上、本件審判の請求の予告登録日前3年以内に頒布された乙第23号証ないし乙第28号証の商品を販売することを目的としたカタログに上記商品が掲載されている。つまり、本件審判の請求の予告登録日前3年以内に上記商品が日本国内で製造されていたことが分かる。
したがって、本件商標の通常使用権者であるYOU&I社は、本件審判の請求の予告登録日前3年以内に日本国内において本件審判の請求に係る指定商品中「化粧品」について商標法第2条第3項第1号に該当する本件商標の使用をしている。
また、YOU&I社は主に商品の製造を行い、商標権者はYOU&I社が製造した商品を譲渡(販売)している。
したがって、本件商標の通常使用権者であるYOU&I社は、本件審判の請求の予告登録日前3年以内に日本国内において本件審判の請求に係る指定商品中「化粧品」について商標法第2条第3項第2号に該当する本件商標の使用をしている。
(14)商標権者が商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム)」を譲渡したことの証明について
ア 乙第30号証ないし乙第39号証は、商標権者が乙第4号証及び乙第5号証の商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 50g(50mL)」並びに乙第6号証及び乙第7号証の商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 30g(30mL)」を日本国内の需要者に譲渡したことを証明する資料である。
乙第30号証ないし乙第32号証は、商標権者が2013年5月30日に商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 50g(50mL)」を「アイメイク みれーゆ」宛てに発送し、1本あたり1,980円の価格で10本譲渡したことを証明する資料である。
乙第30号証(2013年5月30日付の納品書兼請求書(控)の写し)は、商標法第2条第3項第8号の「取引書類」に該当する。そして、該取引書類の中央部には、商標権者が納品した商品の品名、数量及び単価として、「YOU&I ATPサンスクリーンジェル」、「10」及び「1,980」と記載され、商品の品名を見た需要者は、「YOU&I ATP」の部分を商標として認識する。よって、「取引書類」である乙第30号証には、本件商標と同一の商標が付されている。
乙第4号証の商品の写真と、乙第22号証の第4頁、乙第23号証の第20頁、乙第25号証の第3頁、乙第26号証の第9頁及び乙第27号証の第26頁のカタログの各頁に掲載されている商品の写真は同じである。また、乙第30号証の商品の単価「1,980」と上記カタログに掲載されている商品のサロン価格「1,980円」が同一である。
よって、上記のカタログの各頁に掲載されている商品と乙第30号証に記載されている商品の品名が同一の商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム)50g(50mL)」を示すことは明らかである。
乙第30号証の右下部には、商標権者が納品した商品の総額として「27,090」と記載されている。
イ 乙第31号証(2013年5月31日付の宅急便コレクトの代金引換の発送伝票の発送元控の写し)には、お届け先の氏名として「アイメイク みれーゆ」と記載されている。また、代金引換額として「27090」が記載されている。当該氏名及び代金引換額は、乙第30号証に記載されている宛名及び商標権者が納品した商品の総額と一致している。乙第31号証には、お問い合わせ送り状番号として「3612-2708-6194」と記載されている。
ウ 乙第32号証(ヤマトフィナンシャル株式会社が発行した2013年6月5日が振り込み日となっているご精算書の写し)の第2頁には、原票ナンバー「361227086194」の商品代金として「27090」と記載されている。当該原票ナンバーと商品代金の金額は、乙第31号証のお問い合わせ送り状番号及び代金引換額と一致している。
エ 乙第33号証(商標権者が発行した2014年10月21日付の商品「YOU&I ATPサンスクリーンゲル」の2013年度の売上明細表の写し)の第2頁には、2013年5月30日に「アイメイク みれーゆ」に対して、「YOU&I ATPサンスクリーンジェル50g(50mL)」を1本あたり1,980円の価格で10本譲渡したことが記載されている。
オ 乙第30号証ないし乙第33号証の記載より、商標権者が2013年5月30日に商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 50g(50mL)」を日本国内に所在する「アイメイク みれーゆ」宛てに発送し、1本あたり1,980円の価格で10本譲渡したことが分かる。
カ 乙第33号証ないし乙第36号証の記載より、商標権者が2013年6月18日に商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 50g(50mL)」を日本国内に所在する「美顔メディカルサロン うらら」宛てに発送し、1本あたり1,980円の価格で6本譲渡したことが分かる。
キ 乙第33号証及び乙第37号証ないし乙第39号証の記載より、商標権者が2013年7月3日に商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 50g(50mL)」を日本国内に所在する「コスメティック Kei」宛てに発送し、1本あたり1,980円の価格で5本譲渡したことが分かる。
ク 乙第33号証の記載から、商標権者が乙第4号証及び乙第5号証の商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 50g(50mL)」並びに乙第6号証及び乙第7号証の商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 30g(30mL)」を継続的に譲渡していることが分かる。
(15)商標権者が商品「クリーム(YOU&I ATP 美プラス)」を譲渡したことの証明について
ア 乙第40号証ないし乙第49号証は、商標権者が乙第17号証及び乙第18号証の商品「クリーム(YOU&I ATP 美プラス)」を日本国内の需要者に譲渡したことを証明する資料である。
イ 乙第40号証ないし乙第43号証の記載より、商標権者が2013年7月17日に商品「クリーム(YOU&I ATP 美プラス)」を日本国内に所在する「Re:poser(ルポゼ)」宛てに発送し、1本あたり3,200円の価格で10本譲渡したことが分かる。
ウ 乙第43号証ないし乙第46号証の記載より、商標権者が2013年8月5日に商品「クリーム(YOU&I ATP 美プラス)」を日本国内に所在する「ピュルテ 高間」宛てに発送し、1本あたり3,200円の価格で10本譲渡したことが分かる。
エ 乙第43号証及び乙第47号証ないし乙第49号証の記載より、商標権者が2013年8月28日に商品「クリーム(YOU&I ATP 美プラス)」を日本国内に所在する「アランチャンティック」宛てに発送し、1本あたり3,200円の価格で6本譲渡したことが分かる。
さらに、乙第43号証の記載から、商標権者が乙第17号証及び乙第18号証の商品「クリーム(YOU&I ATP 美プラス)」を継続的に譲渡していることが分かる。
(16)商標権者が商品「リップグロス」を譲渡したことの証明について
ア 乙第50号証ないし乙第56号証は、商標権者が乙第19号証ないし乙第21号証の商品「リップグロス」を日本国内の需要者に譲渡又は配布したことを証明する資料である。
イ 乙第50号証ないし乙第53号証の記載から、商標権者が2011年1月28日に商品「リップグロス」を日本国内に所在する「ローズマリー」宛てに発送し、1個あたり600円の価格で5個譲渡したことが分かる。
ウ 乙第54号証ないし乙第56号証の記載から、商標権者が2013年6月10日に商品「リップグロス」を日本国内に所在する「稲田むつ子」宛てに1個発送したことが分かる。
エ 乙第53号証(商標権者が発行した2014年10月23日付の商品「YOU&I ATPリップグロス」の2011年ないし2013年までの売上明細表の写し)の記載から、商標権者から一定金額以上の商品を購入した需要者に対して、商標権者が商品「リップグロス」を継続的に配布していることが分かる。
オ 乙第50号証「取引書類」及び乙第54号証「納品書兼請求書(控)の写し」には、本件商標と同一の商標が付されている。
(17)商標権者の本件商標の使用について
以上のことから、商標権者は、商品「化粧品」に関する「取引書類」にあたる商品カタログ及び納品書兼請求書(控)に本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を付して、本件審判の請求の予告登録日前3年以内に日本国内で頒布していることが分かる。
したがって、商標権者は、本件審判の請求の予告登録日前3年以内に日本国内において本件審判の請求に係る指定商品中「化粧品」について商標法第2条第3項第8号に該当する本件商標の使用をしている。
また、上記より、商標権者は、商品「化粧品」及び商品「化粧品」の包装箱に本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を付したものを本件審判の請求の予告登録日前3年以内に日本国内で譲渡していることが分かる。
したがって、商標権者は、本件審判の請求の予告登録日前3年以内に日本国内において本件審判の請求に係る指定商品中「化粧品」について商標法第2第3項第2号に該当する本件商標の使用をしている。

4 当審の判断
(1)被請求人が提出した証拠及び主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証及び乙第2号証は、商標権者及びYOU&I社の「履歴事項全部証明書」であるところ、両者は、代表取締役及び本店の住所を同じくするものであり、乙第3号証は、平成22年3月17日付けの「使用許諾書」であるところ、商標権者がYOU&I社に対して、商品「化粧品,洗顔料,せっけん類」について、商標「YOU&I ATP」の使用を許諾する旨の記載がある。なお、本件使用許諾書には、特に有効期限等の記載はない。
イ 乙第4号証及び乙第5号証は、商品「サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム) 50g」(以下「使用商品」という。)の容器及び外箱を並べて撮影した正面及び背面の各写真と認められるところ、当該商品の容器及び外箱の正面(乙第4号証)には、上から順に、「ATP」、「PURDEUXMOR」、「SUN SCREEN GEL」、「NET 50g」、「SPF50」及び「PA+++」等の記載がある。また、当該商品の外箱の背面(乙第5号証)には、上から順に、「You&I ATP」(以下「使用商標」という。)、「サンスクリーンゲル」、「SPF50/PA+++」、「ウォータープルーフ」、「(日焼け止めゲルクリーム)」、「50g」、「3,780円(本体価格3,600円)」及び「発売元 YOU&I株式会社」等の記載がある。
ウ 乙第27号証は、「Beauty Star(ビューティースター)美容業界専門カタログ 2013年5月1日発行第39巻第2号株式会社セイザ」と記載されたカタログと認められるところ、表紙には、「決算(お得)キャンペーン」、「株式会社セイザ 大阪市中央区南船場4-7-6」の記載があり、2葉目の最上部には、「決算キャンペーン」、「お買い上げ合計10,000円(税抜)ごとにダイエットキャンディ1袋プレゼント!全商品対象!!」、「カロット」及び「6月末まで」と並べて横書きされ、その左下に「ATP サンスクリーンゲル(日焼け止めゲルクリーム)」、「10本購入で2本プレゼント!6月末まで」、「50mL」、「希望小売価格3,780円(税込)サロン価格1,980円(税抜)」の記載がある。そして、それらの記載の右側には、乙第4号証と同一の商品の容器(正面)と認められる写真が掲載されている。
エ 乙第30号証は、商標権者「株式会社セイザ」から茨城県石岡市の「アイメイク みれーゆ」に宛てた納品書兼請求書(控)と認められるところ、上部日付欄に「2013年05年30日」、伝票番号欄に「687763」と記載され、納品物の一覧を記載する欄には、No.2の品番・品名、数量、単位、単価及び金額欄には、それぞれ、「YOU&I ATPサンスクリーンジェル」、「10」、「本」、「1,980」及び「19,800」と記載され、また、No.3の品番・品名、数量及び単位欄には、それぞれ、「YOU&I ATPサンスクリーンジェルプレゼント」、「2」及び「本」と記載され、さらに、No.5の品番・品名及び数量欄には、それぞれ、「カロット(ダイエットキャンディ)1袋プレゼント・決算キャンペ-ン〈税抜¥10,000購入ゴトノ場合・’13年6月末マデ〉」及び「2」と記載されており、これら以外の納品物と合算した総額欄には「27,090」(税込)の記載がある。
オ 乙第31号証は、2013年5月31日付けの宅急便コレクトの代金引換の発送伝票と認められるところ、お届け先欄に「茨城県石岡市・・・ アイメイク みれーゆ」、発送元欄に「大阪市中央区南船場4-7-6 (株)セイザ」と記載され、お問い合わせ送り状番号欄に「3612-2708-6194」、届け日希望欄に「5月31日」(時間帯については、「午前中」欄に○(丸印)が付いている。)、品名欄に「日用雑貨(美容材)粘着ロット&サンスクリーンゲルなど在中 荷主伝票No.687763」、代金引換額(税込)欄に「27090円」の記載がある。
カ 乙第32号証は、「ヤマトフィナンシャル株式会社」から商標権者「株式会社セイザ」に宛てた精算書と認められるところ、2葉目の発送日欄に「0530」、原票ナンバー欄に「361227086194」、商品代金欄に「27090」、配達店欄に「石岡東石」,摘要欄に「みれーゆ」の記載がある。
キ 以上によれば、商標権者「株式会社セイザ」は、茨城県石岡市の「アイメイク みれーゆ」に、2013年(平成25年)5月31日の午前中に商品を納品できるようにした上で、使用商品を、サロン価格で販売(譲渡)したものと推認できる。
(2)上記(1)で認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
ア 商標権者は、You&I社に対して、商品「化粧品,洗顔料,せっけん類」について、商標「YOU&I ATP」の使用を許諾していることが認められるから(乙第3号証)、You&I社は、本件商標の通常使用権者であると認めるのが相当である。
イ 使用商品は、本件請求に係る指定商品中「化粧品」の範ちゅうに含まれる商品である。
ウ 乙第5号証の使用商品の外箱には、使用商標「You&I ATP」が付されている。
エ 使用商標と本件商標とは、「ou」と「OU」の文字部分で小文字と大文字といった差異はあるものの、本件商標と同一の綴りからなるものであるから社会通念上同一のものと認められる。
オ 商標権者が茨城県石岡市の「アイメイク みれーゆ」に宅急便コレクトの代金引換で使用商品を発送した2013年(平成25年)5月30日及び同商品が「アイメイク みれーゆ」に代金引換で届けられたものと推認できる同月31日は、いずれも本件審判の請求の登録前3年以内である。
カ 以上のとおり、被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、請求に係る指定商品中「化粧品」に含まれる使用商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認められる。
(3)結び
以上のとおりであるから、被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者がその請求に係る指定商品の範ちゅうに属する商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2015-04-14 
結審通知日 2015-04-17 
審決日 2015-04-30 
出願番号 商願2010-15143(T2010-15143) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村上 照美 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
前山 るり子
登録日 2010-07-23 
登録番号 商標登録第5339798号(T5339798) 
商標の称呼 ユーアンドアイエイテイピイ、ユーアイエイテイピイ、ユーアンドアイ、ユーアイ、エイテイピイ 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 小暮 君平 
代理人 川島 麻衣 
代理人 大槻 聡 
代理人 工藤 莞司 

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