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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20156267 審決 商標
不服201421754 審決 商標
不服201417746 審決 商標
不服2015143 審決 商標
不服201426706 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W2930
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W2930
管理番号 1306469 
審判番号 不服2014-22559 
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-11-05 
確定日 2015-09-10 
事件の表示 商願2013-30982拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「味噌明太子」の文字を標準文字で表してなり、第29類「肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,食用魚介類(生きているものを除く。),カレー・シチュー又はスープのもと」及び第30類「みそ,パスタソース,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,うま味調味料,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」を指定商品として、平成25年4月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『味噌明太子』の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、容易に『味噌を使用した明太子』程の意味合いを看取させるものであり、また、前記意味合いを表す語として普通に用いられていることから、本願商標をその指定商品中、『味噌を使用した明太子』について使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「味噌明太子」の文字からなるところ、その構成中「味噌」の文字は「調味料の一つ。大豆を主原料に、米または大麦、大豆の麹こうじと塩とをまぜて発酵させて製したもの。」を表す語として、また、「明太子」の文字は「スケトウダラの卵巣。一般に、塩とトウガラシで漬けたものをいう。」を表す語として、いずれも、広く使用されている文字であるから、その構成は、「味噌」の語と「明太子」の語を結合したものと容易に認識される。
そして、本願の指定商品を取り扱う食品の分野においては、消費者の嗜好に合わせて、食品に様々な風味や調味料を加え加工して、商品を販売することが普通に行われているところであり、「味噌」は、それ自体が調味料を表す語であるとともに、例えば、「味噌漬け」「味噌ラーメン」「味噌おでん」のように、食品や料理名と結合して一体に表示されて、「味噌を使用した食品」又は「味噌味の食品」を表すものとして使用されている。
一方、「明太子」は、上記のとおり、一般に、塩とトウガラシで漬けたスケトウダラの卵巣をいうが、各種の風味や調味料を使用した明太子が販売されている実情のもとに、例えば、「本生わさび明太子」「昆布明太子」(いずれも、請求人提出に係る平成26年12月25日付け手続補正書に添付の資料。)「柚子明太子」(http://www.k-shop.co.jp/products/mentai/yuzu/)(http://www.akinoya.co.jp/?pid=5939855)「しょうゆ明太子」(http://item.rakuten.co.jp/tarakomentaiko/mentaiko-003/)と表示して、その構成全体として商品の品質を表示するものとして使用されている。
また、「味噌を使用した明太子」又は「味噌味の明太子」について、例えば、別掲のとおり、「味噌(辛子)明太子」の文字により表示されて使用している事実も認められる。
してみると、本願商標は、これに接する取引者、需要者が「味噌明太子」の構成文字全体から「味噌を使用した明太子」又は「味噌味の明太子」の意味合いを容易に認識、理解するとみるのが相当であり、これをその指定商品中「明太子」に使用しても、単に商品の品質を表したものと理解させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
そして、本願商標を、その指定商品中「明太子」以外の商品に使用した場合、これに接した取引者、需要者は、あたかもこれらの商品が「明太子」であるかのように、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
(2)使用による識別力の獲得について
請求人は、「本願商標は、様々な雑誌、テレビ及びラジオにて紹介されており、これらの使用の結果、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる商標であり、その周知性は、日本全国に及んでいるから、商標法第3条第1項第3号には該当しない。」旨主張する。
そこで、請求人の提出に係る証拠をみると、本願商標に係る請求人の使用は、そのほとんどが、明太子の写真及び「(特製)味噌に漬けこんだ」「味噌の深みと柚子の爽やかな風味」「味噌の風味」等の文字が記載された明太子の紹介(広告)記事であり、その内容と「味噌明太子」の文字からは、当該明太子の特徴が「味噌を使用したもの」又は「味噌の風味を有するもの」であることを示す表示として、看者に認識されるといわざるを得ないものであり、しかも、「無着色明太子100g」「昆布明太子100g」の記載と同列に「味噌明太子100g」の記載、また、「スタンダードな辛子明太子のほか、味噌明太子(各100g1050円?)がある。」のように記載されていることからも、本願商標は、「明太子」の品質を説明する記述的な表示として認識されるに止まるものというべきであり、自他商品の識別力を有しているということはできない。
そして、請求人は、その業務に係る「味噌明太子」が、雑誌、テレビ及びラジオで紹介されて、その周知性は、日本全国に及んでいると主張しているが、請求人の提出に係る多くの雑誌の発行は一定の地域に限定されるものである。また、贈答用の商品カタログ及び旅行に関する雑誌(2006年?2012年発行)において紹介されていることが認められるが、それらは、年に1回ないし2回程度の発行のものであり、テレビ及びラジオ等で当該明太子が取り上げられた場合をみても、直ちに本願商標が出所識別標識として認識されるとは限らず、加えて、その放送が地方局を中心とする番組であることから、そのことにより本願商標が請求人の業務を表示する商標として需要者の間に広く認識されているとまではいうことができない。
したがって、「味噌明太子」の文字は、請求人の商品の出所識別標識として、取引者、需要者に広く認識されていると認めることはできないから、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識するに至ったということはできない。
(3)請求人の主張について
請求人は、他の登録例等をあげて、「単に原材料を表した商標であるとしても、その原材料の組み合わせに意外性があれば、他の商品との区別は容易に行えると考えるものであり、本願商標は、全体として一体不可分の造語であるから、十分に識別力を有する。」旨主張する。
しかしながら、上記のとおり、本願商標は、単に商品の品質を表したものと理解されるものであるというべきであり、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、商品の特性を表示、記述する標章は、取引に際し、必要適切な表示として何人も使用を欲するものであるから、特定人による独占的使用を認めるのは公益上適当でなく、また、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないことから、当該商標を不登録としたものであることからしても、本願商標は、これに接する取引者、需要者が「味噌を使用した明太子」又は「味噌味の明太子」の意味合いを容易に理解するものであり、商標としての機能を果たし得ないものというべきであって、食材の組み合わせの意外性が、本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性を左右するものではない。
したがって、本願商標は、その指定商品中「明太子」との関係において、自他商品の識別標識として機能を果たし得ないものである。
また、商標が自他商品の識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、たとえ請求人の挙げる登録例等があるとしても、本願商標は前記(1)のとおり判断するのが相当である。
以上のとおり、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 (別掲)「味噌(辛子)明太子」の文字の使用について
1 ネット通販サイト「和生」において、「味噌明太子」の見出しの下に、「厳選された国産味噌と粒子の大きい明太子の旨味格別!国産の大豆、米から作られた、こだわりの味噌で漬け込まれた濃厚な旨味がクセになる明太子。」の記載。
http://shop.washo-inc.jp/misomen.shtml
2 ネット通販サイト「海千」において、「味噌辛子明太子」の見出しの下に「商品説明・・・特製味噌だれに漬け込みました。」の記載。
http://tarakomentaiko.com/detail/index.php?p_id=10



審理終結日 2015-07-02 
結審通知日 2015-07-07 
審決日 2015-07-30 
出願番号 商願2013-30982(T2013-30982) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (W2930)
T 1 8・ 13- Z (W2930)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 矢澤 一幸鈴木 雅也 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 藤田 和美
堀内 仁子
商標の称呼 ミソメンタイコ 
代理人 梶原 圭太 
代理人 森田 靖之 
代理人 田中 雅敏 
代理人 遠藤 聡子 
代理人 有吉 修一朗 

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