• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y30
審判 全部取消 商標の同一性 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y30
管理番号 1306443 
審判番号 取消2013-300417 
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2013-05-23 
確定日 2015-09-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第4906932号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4906932号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4906932号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成14年11月19日に登録出願、第30類「茶」を指定商品として、同17年11月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判請求の登録は、同25年6月13日にされている。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を「本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。」旨述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

第3 被請求人の主張
被請求人である韓国農協インターナショナル株式会社(以下「韓国農協社」という。)は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、審判事件答弁書及び当審の審尋に対する回答書において、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、もう一人の被請求人である株式会社ビュウ(以下「ビュウ社」という。)は、何ら答弁及び審尋に対する回答をしていない。
1 審判事件答弁書における主張
(1)使用の事実について
韓国農協社による使用事実を、以下のとおり説明する。
ア 韓国農協社は、香味柚子茶なる商品「柚子茶」(以下「本件商品」という。)に「ユジャロン」の片仮名(以下「使用商標」という。)を使用し、本件商品を日本国内で販売している。それを証明するものとして、本件商品の卸先である小林香料株式会社(以下「本件卸先会社」という。)から韓国農協社宛にファクシミリ送信された平成24年(2012年)1月6日付けの注文書(乙第1号証)、同注文書に対応する韓国農協社で管理している出荷指示書(乙第2号証)、韓国農協社と韓国における貿易業者であるNH貿易株式会社(NH TRADING CO.,LTD.)との間で取り交わした本件商品を含む貨物の「OFFER SHEET」(乙第3号証)、本件商品を含む貨物の輸出入業務に必要な平成23年(2011年)12月10日付けの「COMMERCIAL INVOICE」(乙第4号証)及び「PACKING LIST」(乙第5号証)、乙第3号証の輸出入貨物の引き受けを証明する船荷証券(乙第6号証)、韓国農協社から通関業社(関光汽船株式会社)宛の平成23年(2011年)12月9日付けの通関依頼書(乙第7号証)を添付する。
イ 乙第1号証の注文書の商品名欄には、「香味柚子茶」という文字と、「香味柚子茶」に対してスペースを隔てて「ユジャロン」という文字が記載されている。このことから、注文書に記載の商品が「香味柚子茶」なる商品であり、「香味柚子茶」なる商品が本件商品(柚子茶)であることは明らかである。また、本件商品が本件商標の指定商品「茶」に含まれるものであることは説明するまでもなく明らかである。
したがって、乙第1号証から、韓国農協社が平成24年1月6日に本件使用商標を使用して本件商品を販売していたこと、つまり、使用商標を本件商品に使用していたことは明らかである。
ウ 乙第2号証の出荷指示書から、乙第1号証に記載の納期(平成24年2月6日)に8日遅れた平成24年2月14日に韓国農協柚子茶2kgの出荷を本件卸先会社向けに配送希望日2月16日として指示していることが把握できる。乙第2号証には、出荷商品である韓国農協柚子茶2kgが本件使用商標を使用したものであるかどうかは明記されていないが、乙第1号証及び乙第2号証から把握できる注文日、希望納期、実際の納期、商品の数量(240kg)などから、乙第1号証の商品と乙第2号証の商品とが同一物であることを容易に理解できる。これにより、韓国農協社が平成24年1月6日に受けた本件卸先会社からの注文書に応じて、本件使用商標を使用した本件商品を本件卸先会社宛に同年2月14日付けで出荷していた事実が証明された。乙第2号証によると韓国農協柚子茶2kgの出荷数は20箱となっているが、乙第5号証によると1箱に韓国農協柚子茶2kgが6個入っていることから、実際の出荷量は240kgであり、乙第1号証の注文書に記載の数量(240kg)と一致する。さらに、乙第3号証ないし乙第7号証は、韓国農協社が本件商品を含む貨物(輸入商品)を韓国から輸入する手続きをしたことを証明するものである。
エ これら乙第1号証ないし乙第7号証から、韓国農協社の本件商品の輸入販売行為の事実、すなわち、本件商品を韓国から輸入し、これを韓国農協社の指定倉庫に一旦保管し、本件卸先会社からの平成24年1月6日付けの注文に応じて本件使用商標を使用して本件商品を本件卸先会社へ販売している事実が証明された。
(2)本件商標と使用商標との同一性について
本件商標は、「YUJARON」の欧文字と「ユジャロン」の片仮名とハングル文字(別掲の3段目に記載されたもの。以下、本件商標の3段目を「本件ハングル文字」という場合がある。)が三段に表記されたものである。また、本件商標は、その欧文字と片仮名とハングル文字とを概ね同じ大きさ、明朝体ないしこれと同等の書体で、三段に横書きしてなる外観を有するものであり、これら欧文字部分、片仮名部分及びハングル文字部分との間で格別の体裁の差は存在していない。ここで、本件商標の本件ハングル文字の部分は、日本語の「ユジャロン」をハングル文字で表したものであり、「ユジャロン」と読むものである。
本件商標は、既存の用語ではなく造語であり、詳細には、「柚子茶」の原料となる「柚子」が日本語で「ユズ」と呼称され、韓国語で「ユジャ」と呼称され、英語で「CITRON」と翻訳され「シトロン」と呼称されることから、日本語と韓国語で共通する「ユ(YU)」と韓国語の「ジャ(JA)」と英語の「ロン(RON)」の3カ国のそれぞれの称呼の一部を組み合わせて創作されたものである。
本件商標は上述のとおり造語であるから、「YUJARON」の欧文字、「ユジャロン」の片仮名及び本件ハングル文字は、日本において特定の意味合いをもって知られた語ではない。
一方、使用商標は、前掲の乙号証のとおり、「ユジャロン」の片仮名のみからなる商標を横書きにしてなるものである。一見して明らかなように、使用商標は、特定の意味を生じず、しかも「ユジャロン」と称呼されるものであるので、本件商標と使用商標とは社会通念上同一の商標である。
すなわち、韓国等の文化や食品等の我が国における知名度が向上しているとはいえ、我が国の「茶」の消費者一般にとっては未だ韓国語ないしハングル文字の理解力が一般人にまで十分であるとはいい難い社会情勢ではあるものの、本件商標に含まれる本件ハングル文字が図形ではなくハングル文字であること自体は、我が国の需要者の間だけでなく、「茶」の消費者を含め一般的認識となっていると推測される。そうすると、本件商標の本件ハングル文字の部分を独立の図形として商標の構成を評価するのではなく、この部分も、称呼は判然としないものの、何らかの文字を表すものとして認識されるべきであり、さらに、本件商標が造語ではなく外観においても三段ともに同様の体裁で表されていることからすると、本件商標からは、ハングル文字を含め「YUJARON」と「ユジャロン」の部分の3部分の全てを合わせて一体として、「ユジャロン」の称呼が生じると解される。
一方、本件商標は、上述のとおり、造語であるから、特段の観念は生じない。
したがって、使用商標からは、「ユジャロン」の称呼が生じることが明らかであるし、本件商標の本件ハングル文字の部分は本件商標の欧文字部分又は片仮名部分の一方又は双方と同一の文字列をその構成部分としているものであるから、使用商標と本件商標とは社会通念上同一の商標である。
なお、本件商標の取消について争われた商標登録取消審判事件の審決取消訴訟の判決(平成22年(行ケ)第10336号 平成23年1月25日判決言渡)(以下「平成23年本件商標判決」という。)においても同旨の内容の判決がされている。
(3)むすび
以上のとおりであるから、本件商標は、本件審判の請求前3年以内に、日本国内において、その指定商品である第30類「茶」について、商標権者及び通常使用権者により使用されていたことから、本件商標の登録は取り消されるべきではない。
2 審尋に対する回答書における主張
(1)取引書類について
本件卸先会社から韓国農協社に渡した注文書の控えを乙第8号証として提出する。
顧客と商品の取引をするに当たり、注文内容の転記ミスを避けるため、一般には商品名や注文数などを転記した新たな応答書を作成して送付することは行われず、受け取った注文書を用いて、それに手書きなどで応答文を記載してファクシミリなどで返信することが商取引において一般に行われている。
したがって、応答文の内容、返信日付、発送元の名称などが記載された乙第8号証それぞれの注文書の控えは韓国農協社が本件卸先会社に送った取引書類であって、乙第8号証があれば、注文を受任したことに加えて、その注文内容をお互いに確認したことが明確に残されていることから、納品書が確実に存在しているといえる。
なお、乙第1号証は、最終の返信日付として2013年6月27日11時14分が上書きされたものであるが、この日付は韓国農協社から被請求人代理人あてに乙第1号証をファクシミリ送信した日付が上書きされたものであり、乙第8号証の存在から韓国農協社と本件卸先会社との最終の取引日が2013年6月27日11時14分でないことは明らかである。
(2)使用時期について
乙第8号証には、右上に注文書の日付として「平成23年12月16日」が記載されており、上部に「再23.12.16FAX」と記載されており、更に、「大丈夫ですよろしくお願いします。」の後ろに「12/16高杉」と記載されており、また、ファクシミリ送信の日付として2011年12月16日午後12時58分を示す「11-12-16;12:58PM」が記載されている。これらの日付と手書きの応答内容から、本件卸先会社から韓国農協社に2011年12月16日に注文書がファクシミリ送信され、同日に韓国農協社から本件卸先会社に応答文が記載された注文書がファクシミリ送信されたことが明らかである。
したがって、乙第8号証は、2011年12月16日に韓国農協社から本件卸先会社に送付された取引書類であり、この日付は要証期間内である。
(3)使用商標の本件商標との同一性について
乙第8号証の注文書の商品名欄には、「香味柚子茶 ユジャロン」と記載されている。平成23年本件商標判決では、欧文字、片仮名及びハングルの3段からなる本件商標に対して、欧文字及び片仮名の部分の使用のみで本件商標の社会通念上の使用と認める判決があった。同判決では、ハングル部分について、称呼は判然としないが、図形ではなく、文字を表すものであるとして認識されると判断している。称呼は判然としない文字を含む本件商標のうちの残り2つ(欧文字及び片仮名の部分)は明らかに称呼が判然としている。欧文字及び片仮名(又は平仮名あるいは漢字を含む日本語)の2段からなる登録商標については、少なくとも一つを使用していれば社会通念上の使用に該当するとする審決も存在する。
したがって、称呼が判然としない文字を含む本件商標のうち、称呼が判然とする欧文字及び片仮名の部分からなる2段の部分の一方(具体的には「ユジャロン」)を使用していることは、社会通念上の本件商標の使用といえるものである。

第4 審尋
当審においては、平成26年10月2日付けをもって、被請求人に審尋を行ったところ、その要旨は、以下のとおりである。
商標法第50条第1項に規定する商標登録の取消しの審判においては、同条第2項の規定により、登録商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを被請求人が明らかにしたときを除き、要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その指定商品にかかる商標登録の取消しを免れないとされているところ、韓国農協社は、本件商標について「要証期間内に日本国内において、その指定商品『第30類 茶』について、権利者及び通常使用権者により使用されていたことから、本件商標の登録は取り消されるべきでない。」旨答弁し、その証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出している(なお、本件審判の請求に対し、もう一人の被請求人のビュウ社は、何ら答弁していない。)。
しかしながら、韓国農協社提出の乙号証をもっては、以下の(1)ないし(4)の理由により、本件審判の要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしているとは認められない旨の暫定的見解を得るに至った。
したがって、その暫定的見解に対する意見を述べるとともに、商標法第50条第2項に規定する登録商標の使用を証明するための新たな証拠がある場合はその証拠を添付した回答書を提出されたい。
(1)乙第1号証は、以下のとおりであるから、これをもって、商標権者が要証期間内に本件商標の使用をしていたということができない。
ア 韓国農協社が商品を卸している本件卸先会社から韓国農協社に宛てたファクシミリによる注文書の写しとされているところ、該書類は、商標権者の顧客が商標権者に渡したものであって、商標権者が需要者である顧客に頒布したものということはできないから、これをもって、商標権者が商標法第2条第3項に規定する「使用」をしていたということができない。
なお、乙第1号証には、「ご注文ありがとうございます」及び「毎度納期守れず申し訳ありません」の手書きの文字が記され、韓国農協社の名称の後ろに記された「御中」の文字も取消し線が引かれている状況を踏まえると、本件卸先会社から韓国農協社に宛てた書面をもって、韓国農協社が本件卸先会社に返信した可能性もうかがわせるが、それをもって、商標権者が登録商標を付した取引書類を需要者である顧客に頒布したとまでもいい難い。
イ 乙第1号証の本件卸先会社の住所の記載の上部に「平成24年1月6日」の記載があるが、一方で、乙第1号証の右下には、ファクシミリの送信日と思しき「2013年6月27日11時14分」の記載がある。
そして、商標法第2条第3項第8号に規定する「取引書類」は需要者に頒布等がされて初めて「使用」したことになるところ、該日時が、本件卸先会社から韓国農協社にファクシミリ送信した日時であるのか、それとも、上記アのとおり、韓国農協社が本件卸先会社に返信した日時であるのかは定かでないが、いずれにしても、2013年6月27日11時14分は要証期間内に該当しない。
ウ 乙第1号証の商品名の欄には「香味柚子茶」の文字とともに「ユジャロン」の片仮名が記載されているが、本件商標は、「YUJARON」の欧文字と「ユジャロン」の片仮名と本件ハングル文字が三段に記載されたものであって、社会通念上同一の商標ということができないものである。
なお、韓国農協社は、平成23年本件商標判決を引用し、上記片仮名と本件商標とは社会通念上同一の商標である旨主張しているが、そもそも、同事件における商標法第50条第2項に規定する登録商標の使用を証明するための証拠と本件審判事件において韓国農協社が提出した乙号証とは、その内容が異なっているものであるから、同判決をもって、両者を社会通念上同一の商標ということはできない。
(2)上記(1)に加え、乙第2号証ないし乙第7号証にも、本件商標と社会通念上同一といえる商標の記載は認められない。
(3)乙第3号証ないし乙第6号証(乙第5号証の2を除く。)の「Description of Goods」の欄には、いずれも、「KOREAN FOODSTUFFS」(参考訳:韓国食品)及び「DETAILS ARE AS PER ATTACHED」(参考訳:詳細は添付シートのとおり)と記載されているのみであり、詳細を記したとされる添付シートの提出もないところ、これらの記載によれば、輸入されたのが韓国の食品である程度のことは把握し得るとしても、それが、本件商標を使用した柚子茶であることは把握することができない。
また、乙第5号証の2においては、「ITEM」の欄には「Citron tea 2kg」の文字が、「Description of Goods」の欄には「2,000g×6」の文字とハングル文字が記載されているところ、該ハングル文字も本件商標の構成中のハングル文字とは異なるものであり、その商品が本件商標を使用した柚子茶であることは把握することができない。
(4)乙第3号証ないし乙第6号証(乙第5号証の2を除く。)には、当事者の名称として英語名による法人名の表記と思しき「N.A.C.F.INTERNATIONAL CO.,LTD.」の文字が記載されているところ、たとえ、その住所が韓国農協社の住所と合致していたとしても、これが韓国農協社であることが明らかになっていない。

第5 当審の判断
1 本件商標の使用に関する被請求人の主張について
被請求人に宛てた平成26年10月2日付け審尋(1)ないし(4)を理由として、韓国農協社提出の乙号証をもって、要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしているとは認められないとの見解は、妥当なものといえる。
当該審尋に対して、被請求人は、本件卸先会社から韓国農協社に宛てた注文書である乙第8号証を提出し、本件卸先会社から韓国農協社に2011年12月16日に同注文書がファクシミリ送信され、同日に韓国農協社から本件卸先会社に応答文が記載された注文書がファクシミリ送信されたことが明らかであり、応答文が記載された注文書は取引書類に該当し、その日付は要証期間内であると主張している。
しかしながら、商標権者の顧客が商標権者に宛てた注文書の「商品名」の欄に「香味柚子茶 ユジャロン」の文字が記載されているとしても、顧客が如何なる状態で該「ユジャロン」の文字に接したのか(当該商標は、商品、商品の包装、広告などのいずれに如何なる態様で表示されていたのか。)は明らかになっていない。しかも、同注文書が商標権者の顧客が商標権者に宛てたファクシミリ送信への応答に用いられたとしても、顧客が記載した「香味柚子茶 ユジャロン」の文字について、商標権者が取引書類に係る商品の出所を顧客に表示したものということはできないから、これが商標法第2条第3項第8号に規定する商品に関する取引書類に商標を付して頒布する行為に該当するということもできない。その他、同項に規定する「使用」をしていたというべき証拠の提出もない。
加えて、前記第4の審尋においては、乙第1号証の商品名の欄に記載された「香味柚子茶」及び「ユジャロン」の文字について、本件商標と社会通念上同一の商標ということができない旨指摘したところ、被請求人は、称呼が判然としない文字を含む本件商標のうち、称呼が判然とする欧文字及び片仮名の部分からなる2段の部分の一方(具体的には「ユジャロン」)を使用していれば、社会通念上、本件商標の使用といえると主張している。しかしながら、本件商標が欧文字、片仮名及びハングル文字の3種の言語による文字で構成されているのに対し、請求人が使用していると主張しているのは片仮名の1種の文字にとどまり、両者では、称呼が判然としない本件ハングル文字の有無を含め、表示されている文字の種類が異なっているのであって、片仮名だけと複数の言語の文字の称呼及び観念が同視し得るとはいい難いといわざるを得ないから、乙第8号証を勘案しても、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していることを証明するに十分ということはできない。
韓国農協社は、平成23年本件商標判決を引用し、上記片仮名と本件商標とは社会通念上同一の商標である旨主張しているが、そもそも、同事件における商標法第50条第2項に規定する登録商標の使用を証明するための証拠と本件審判事件において韓国農協社が提出した乙号証とは、その内容が異なっているものであるから、同判決をもって、両者を社会通念上同一の商標ということはできない。
そして、審尋の(2)のとおり、乙第2号証ないし乙第7号証にも本件商標と社会通念上同一といえる商標の記載は認められない。
したがって、被請求人提出の乙各号証をもっては、被請求人が本件審判の請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標と社会通念上同一の商標を使用しているとは認めることができない。
2 被請求人のその他の主張について
(1)乙第2号証ないし乙第7号証について
被請求人に宛てた平成26年10月2日付け審尋(3)及び(4)を理由として、韓国農協社提出の乙号証をもって、要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしているとは認められないとの見解は、妥当なものといえる。
そして、審尋に対する韓国農協社の回答書においても、審尋(3)及び(4)に対しては回答するところがない。
(2)ビュウ社について
韓国農協社は、本件商標について、ビュウ社が使用実績を有しているので、本件商標の使用を証明できると主張しているが、ビュウ社は、何ら答弁も、審尋に対する回答もしていない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明し得なかったのみならず、使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていないものであるから、本件商標の登録は、その指定商品について、商標法第50条第1項の規定に基づき、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)



審理終結日 2015-03-16 
結審通知日 2015-03-19 
審決日 2015-03-31 
出願番号 商願2002-97512(T2002-97512) 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (Y30)
T 1 31・ 11- Z (Y30)
最終処分 成立 
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 中束 としえ
林 栄二
登録日 2005-11-11 
登録番号 商標登録第4906932号(T4906932) 
商標の称呼 ユジャロン 
代理人 華山 浩伸 
代理人 種村 一幸 
代理人 大槻 聡 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ