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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W4145 審判 全部申立て 登録を維持 W4145 審判 全部申立て 登録を維持 W4145 審判 全部申立て 登録を維持 W4145 審判 全部申立て 登録を維持 W4145 審判 全部申立て 登録を維持 W4145 審判 全部申立て 登録を維持 W4145 |
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管理番号 | 1305211 |
異議申立番号 | 異議2015-900122 |
総通号数 | 190 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2015-10-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2015-04-13 |
確定日 | 2015-09-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5732910号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5732910号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5732910号商標(以下「本件商標」という。)は、「ことだま鑑定」の文字を標準文字で表してなり、平成26年6月18日に登録出願、第41類「ことだまに関する知識又は技芸の教授及びこれらに関する情報の提供,ことだまに関するセミナーの企画・運営又は開催,ことだまに関する資格試験の実施又は認定,ことだまに関する書籍・ビデオ教材(映画・放送番組・広告用のものを除く。)の企画・制作,ことだまに関する電子出版物の企画・制作又は提供」及び第45類「姓名鑑定・家相鑑定・運命鑑定・相性診断又は開運指導及びこれらに関する情報の提供,命名に関する相談及びこれに関する情報の提供,占い及び易,身の上相談・人生相談及びこれらに関する情報の提供,身の上相談の斡旋・媒介又は取次ぎ,インターネットによる個人の紹介,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介に関する指導・助言又は相談」を指定役務として、同年12月1日に登録査定され、平成27年1月16日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は、以下のとおりである。 (1)登録第5287064号商標は、「名前のことだま」の文字を横書きしてなり、平成21年6月25日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を指定役務として、平成21年12月11日に設定登録されたものである。 (2)登録第5613838号商標は、「名前のことだま」の文字を標準文字で表してなり、平成25年6月10日に登録出願、第45類「姓名鑑定,名前による相性判断,命名に関する相談,命名に関する情報の提供,運命鑑定,家相鑑定,占い及び易,印相に関する鑑定・相談,開運指導,身の上相談・人生相談及びこれに関する情報の提供,身の上相談の斡旋・媒介又は取次ぎ,個人の身元又は行動に関する調査,系図の調査,著名人又は芸能人に関する情報の提供,インターネットによる個人の紹介,インターネットによる友人探し及び紹介のための情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介又はこれらに関する情報の提供,結婚に関する指導・助言,養子の斡旋,ファッションに関する指導・助言又は相談」を指定役務として、平成25年9月6日に設定登録されたものである。 なお、上記(1)及び(2)の登録商標をまとめていうときは、以下「引用商標」という。 3 登録異議の申立ての理由 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性 本件商標は、「ことだま鑑定」の文字を書してなるところ、その構成中「ことだま」の文字は「古代日本で、言葉に宿っていると信じられていた不思議な力。」を意味し、「鑑定」は「専門的な知識を持つ者が、科学的、統計学的、感覚的な分析に基づいて行う、評価・判断」を意味することから、全体として「言葉に宿る不思議な力である言霊についての専門的な評価・判断」といった観念を生じる。 そうすると、本件商標は、これをその指定役務中、「ことだま(言霊)に関する専門的な評価・判断」に係る役務に使用するときには、単に役務の質を表示するにすぎないものである。 また、本件商標の指定役務に係る分野において、「ことだま(言霊)に関する専門的な評価・判断」を表すものとして「ことだま鑑定(言霊鑑定)」の語を使用している実情が認められる。 これらの「ことだま鑑定(言霊鑑定)」の語は、通常、役務を取引過程におく場合に必要な表示であるから何人も使用をする必要があり、かつ何人もその使用を欲するものであるから、一私人に独占を認めるのは妥当ではない。また、現時点ではもちろん、将来的にも一般的に使用されるものであるから、これらのものに自他役務の識別力を認めることはできない。 以上より、本件商標「ことだま鑑定」は、前記役務に使用したときは商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性 ア 本件商標と引用商標との類似性 本件商標と引用商標は、「ことだま」の文字を共通にするから、両商標を離隔観察した場合は、外観上相紛らわしい商標である。 また、引用商標は、「人の氏名や姓名、事物の名称に関する言霊」の観念を有するから、本件商標とは、「言霊についての先生」の観念において相紛らわしい商標である。 したがって、本件商標は、引用商標と外観及び観念において類似する商標である。 また、本件商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務である。 イ 以上のとおり、本件商標は、引用商標と外観及び観念において類似するものであって、その指定役務も引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第10号該当性 ア 引用商標の周知著名性 (ア)申立人による使用 申立人は、長年の言霊研究の成果をもとに、2001年に、名前の音が持つ不思議な力や意味合いに着目して人生の使命や役割を解き明かす「名前のことだま」を独自に開発し、「名前の言霊」により人の使命や役割を伝達する人を育て、資格認定をする「言霊師養成講座」などを開催した。2003年頃には、「名前の言霊」、「言霊師」は、広い地域で知られるようになり始めた。2004年?2005年には、「命名言霊学協会」を設立し、「名前の言霊」の普及活動が本格化した(甲17?甲25)。この頃から、漢字の「言霊」に変わり平仮名「ことだま」を使用した(甲26?甲28)。2009年には、「命名言霊学協会」のホームページを開設した(甲29)。また、2009年7月に、「人生が100倍楽しくなる、名前セラピー」を出版し、翌2010年には、出版記念講演会が開催された(甲31?甲33)。2011年には、携帯電話サイト「名前のことだま占い」のサービス、2012年に、同サイトにおける「名前のことだま」のアプリケーションソフトの提供サービスの開始をし、その他、多数の講演等を行った(甲34?甲39)。現在は、ことだまの鑑定を行う「名前のことだま鑑定」、ことだまの知識を学ぶ「ことだま入門講座」などの講座、「ことだま教室」等を行っている(甲40?甲43)。 (イ)通常使用権者による使用 資格認定を受け引用商標の使用を許諾された会員は、2014年8月31日現在、103名に上り(甲46)、かかる通常使用権者により、引用商標が全国的に使用されている(甲47?甲56)。 (ウ)以上のように、さまざまな活動を通じて、引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている。 イ 商標及び指定役務の類否 (ア)前記(2)のとおり、本件商標と引用商標は類似する商標である。 (イ)本件商標の指定役務は、引用商標が使用される役務と同一又は類似の役務である。 ウ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第15号該当性 仮に本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同第10号に該当しないとしても、本件商標は、著名な引用商標に類似する商標であるから、これをその指定役務について使用するときは、申立人又は申立人より使用許諾を受けた者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (5)商標法第4条第1項第19号該当性 本件商標は、日本国内における需要者の間に広く認識されている引用商標と類似の商標である。 また、本件商標の商標権者は、過去に申立人の講座をたびたび受講し、認定の「ことだま師」として「名前のことだま」鑑定をしていたこともある(甲59)にもかかわらず、申立人の「命名言霊学協会」認定の登録を更新せずに、独自の活動と称して申立人と類似の活動を、周知著名な引用商標の使用を一部継続する一方で、これに類似する本件商標を使用して行っており、不正の利益を得る目的が推認されるから、本件商標は、不正な目的をもって使用するものである(甲57、甲58、甲60?甲64、甲67)。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 (6)商標法第4条第1項第7号該当性 日本において周知著名な引用商標に類似する本件商標の登録を受けることは、申立人の名声をせん用して不正な利益を得るために使用する目的、その他不正な意図をもってなされたものと認められるため、商取引の秩序を乱すものであり、ひいては国際信義に反するものとして、公序良俗を害する行為というべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 (7)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号、並びに商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第19号及び同第7号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当について 本件商標は、「ことだま鑑定」の文字からなるところ、その構成は、「言葉に宿っている不思議な霊威。古代、その力が働いて言葉通りの事象がもたらされると信じられた。」の意味を有する「ことだま」、及び「物の真偽・良否などを見定めること。めきき。」の意味を有する「鑑定」の語からなり(それぞれ「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)、その構成全体として、「言葉に宿っている不思議な霊威の鑑定」ほどの意味合いを認識させるものであり、また、申立人提出に係る証拠(甲4?甲15)によれば、個人のブログ等において、「ことだま鑑定」や「言霊鑑定」の文字が使用されていることが窺えるものであり、また、申立人が「名前のことだま(言霊)」、「言霊鑑定」等の文字を使用して、講座や講演、鑑定、書籍の著作等を行っている事実(甲16?甲31等)が認められるところであるとしても、例えば、「姓名判断」、「運勢判断」などの用語のように一般的に知られている言葉というまでには至っていないものというのが相当であって、本件商標の申立てに係る指定役務について、役務の質を具体的に表しているとはいい難いものである。 また、当審において職権をもって調査するも、「ことだま鑑定」の文字が、本件商標の申立てに係る指定役務を取り扱う業界において、役務の質を表すものとして普通に用いられているという事実を発見することはできなかった。 よって、申立人の提出に係る全証拠をみても、本件商標の指定役務を取り扱う業界において、「ことだま鑑定」の文字が、申立人のいう「言葉に宿る不思議な力である言霊についての専門的な評価・判断」という意味合いの語として、役務の質等を具体的に表示するために普通に使用されている事実は見出せないから、申立人の主張を採用することができない。 してみれば、本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、役務の具体的な質等を表示するものとして認識していたということはできないから、結局、本件商標は、一種の造語として把握、認識されるといえるものであって、自他役務の識別標識として機能し得ないとまではいうことができないとみるが相当である。 また、本件商標は、その指定役務について使用しても、役務の質について誤認を生じさせるおそれもない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第11号該当について ア 本件商標 本件商標は、「ことだま鑑定」の文字からなるところ、該文字は、同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で表してなるものであるから、外観上まとまりよく一体的なものとして看取されるばかりでなく、これより生ずると認められる「コトダマカンテイ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。また、本件商標は、これを構成する「ことだま」の文字部分は、「言葉に宿っている不思議な霊威。古代、その力が働いて言葉通りの事象がもたらされると信じられた。」を意味する語であり、「鑑定」の文字部分は、「物の真偽・良否などを見定めること。めきき。」の意味合いを表したと理解されるものであって、いずれの語も一般的な語であるといえるから、全体として、「ことだま(言葉に宿っている不思議な霊威)の鑑定」なる意味合いを表したと優に認識されるものである。 してみると、本件商標は、外観、称呼及び観念の点からみて、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと把握・認識されるものといえる。 したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「コトダマカンテイ」の称呼及び「ことだま(言葉に宿っている不思議な霊威)の鑑定」の観念を生ずるものである。 イ 引用商標 引用商標は、「名前のことだま」の文字からなるところ、該文字は、同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で表してなるものであるから、外観上まとまりよく一体的なものとして看取されるばかりでなく、これより生ずると認められる「ナマエノコトダマ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。また、引用商標は、これを構成する「名前」の文字部分は、「氏名」などを意味する語であり、「ことだま」の文字部分は、「言葉に宿っている不思議な霊威。古代、その力が働いて言葉通りの事象がもたらされると信じられた。」を意味する語であって、いずれの語も一般的な語であるといえるから、全体として、「名前に関することだま(言葉に宿っている不思議な霊威)」なる意味合いを表したと優に認識されるものである。 してみると、引用商標は、外観、称呼及び観念の点からみて、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと把握、認識されるものといえる。 したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「ナマエノコトダマ」の称呼及び「名前に関することだま(言葉に宿っている不思議な霊威)」の観念を生ずるものである。 ウ 本件商標と引用商標との対比 本件商標と引用商標は、それぞれ前記構成よりなるものであって、本件商標における「鑑定」の文字及び引用商標における「名前の」の文字の差異を有するものであるから、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上、明らかに区別し得るものである。 また、本件商標より生ずる「コトダマカンテイ」の称呼と引用商標より生ずる「ナマエノコトダマ」の称呼は、本件商標における「カンテイ」の音、及び引用商標における「ナマエノ」の音に差異を有するものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、明瞭に聴別し得るものであって、両商標は、称呼上、互いに紛れるおそれはないものである。 さらに、本件商標より生ずる「ことだま(言葉に宿っている不思議な霊威)の鑑定」の観念と引用商標より生ずる「名前に関することだま(言葉に宿っている不思議な霊威)」の観念は、同一又は類似のものとはいえない。 したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 エ 以上によれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号該当について ア 引用商標の周知・著名性 申立人の提出した証拠(括弧内に掲記。ただし、本件商標の登録出願前に掲載又は発行されたものに限る。)を総合すると、申立人は、2002年(平成14年)頃から、「言霊師養成講座」(甲19、甲22、甲23等)、「人生の意味、役割、才能、人間関係があなたの名前の言霊の中に秘められています。」(甲20)、「あなたの名前の秘密を解き明かす『名前の言霊』」(甲26)、「名前のことだま講座受講表」、「ことだま師認定試験」(以上、甲27)、「ことだま師の皆様へ」(甲28)、「名前のことだま占い」(甲35)などのように、言霊の知識の教授や命名に関する鑑定等の役務について、引用商標を使用している事実を認めることができ、また、申立人が代表を務める「命名言霊学協会」により“ことだま師”の資格認定を受けた会員(申立人と併せていうときは、以下「申立人ら」という。)によっても、同様の役務に引用商標が使用されてきた事実を認めることができる。 しかし、申立人の提出した証拠は、その多数のものがインターネット検索情報であり、これらは、「名前のことだま」等をキーワードにして意識的にインターネット検索をして得られたものと優に推認することができ、そのような操作の結果得られた情報である上記証拠をもって、我が国の取引者、需要者が「名前のことだま」等を認識し、又は認識し得ることの直接の根拠とすることはできないというべきである。 一方で、申立人が引用商標を表示してその業務に係る役務について、新聞や雑誌等を介して積極的に広告をしたという事実を明らかにする証拠の提出は極めて少ないといえるばかりか、前記のとおり、引用商標を構成する「名前のことだま」の文字は、いずれも一般的な語である「ことだま」の語と「名前の」の語を結合したものであり、引用商標は、申立人らの業務である言霊の知識の教授や命名に関する鑑定等の役務との関係からみると、その程度はともかく、自他役務の識別機能を有することは否定できないが、格別顕著なものとはいえず、申立人らにより、様々な講座、相談、鑑定などにおいて、「名前のことだま」等の語が使用されてきたとしても、「ことだま師を養成する講座」、「名前に関することだまの解説、相談、鑑定」などの業務をしていることが知られるに至ったことを意味するにすぎないとみるのが相当である。それ故に、申立人らによる使用の事実をもって、「名前のことだま」の語が、その有する意味を越えて、申立人らの業務に係る役務を表示するものとして、周知性を獲得したとか、あるいは、著名性を獲得したということはできない。 したがって、引用商標は、申立人らの業務を表示するものとして、本件商標の登録出願日(平成26年6月18日)及び登録査定日(平成26年12月1日)の時点において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。また、引用商標が外国の需要者の間に広く認識されていた事実を明らかにする証拠の提出はない。 イ さらに、前記(2)認定のとおり、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点についても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 ウ 以上によれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号にいう「他人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標」には該当しない商標であり、また、同第15号にいう「他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標」、同第19号にいう「他人の業務に係る役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標」のいずれにも該当しない商標というべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号に該当しないものと認める。 (4)商標法第4条第1項第7号該当について 前記(3)認定のとおり、引用商標は、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標とは認めることができないものであり、加えて、本件商標は、引用商標とは商標それ自体非類似の商標である。 してみれば、本件商標は、引用商標を盗用するなど不正な利益を得るために使用する目的、その他不正な意図をもって登録されたものとはいえないから、公序良俗を害する商標ということはできない。その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標であると認めるに足りる証拠の提出はない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しないものと認める。 (5)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号、並びに商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第19号及び同第7号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2015-08-28 |
出願番号 | 商願2014-54964(T2014-54964) |
審決分類 |
T
1
651・
272-
Y
(W4145)
T 1 651・ 25- Y (W4145) T 1 651・ 13- Y (W4145) T 1 651・ 222- Y (W4145) T 1 651・ 26- Y (W4145) T 1 651・ 22- Y (W4145) T 1 651・ 271- Y (W4145) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 日向野 浩志 |
特許庁審判長 |
金子 尚人 |
特許庁審判官 |
榎本 政実 井出 英一郎 |
登録日 | 2015-01-16 |
登録番号 | 商標登録第5732910号(T5732910) |
権利者 | 伊藤 亜矢子 |
商標の称呼 | コトダマカンテー |
代理人 | 特許業務法人アイ・ピー・ウィン |