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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W30
審判 一部申立て  登録を維持 W30
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管理番号 1304222 
異議申立番号 異議2014-900255 
総通号数 189 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-09-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-09-12 
確定日 2015-08-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第5676894号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5676894号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5676894号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、平成25年12月10日に登録出願、第30類「菓子及びパン,穀物の加工品,スパゲッティのめん,マカロニ,パン粉,うどんのめん,ぎょうざの皮,そうめんのめん,即席うどんのめん,即席そばのめん,そばのめん,中華そばのめん,春雨,ビーフン,もち,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,サンドイッチ,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,うま味調理料,食用粉類」及び第43類「飲食物の提供,西洋料理を主とする飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供,茶・コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同26年4月7日登録査定、同年6月13日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は、以下の3件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)
1 登録第5460414号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、平成23年7月19日に登録出願、第30類「コーヒー,茶,砂糖,ペストリー(生地),菓子,ビスケット,ケーキ,洋菓子,チョコレート,チョコレート製品,ココア,ココア製品,ココア飲料,はちみつ,クッキー,ココアベースの飲料,チョコレートベースの飲料,コーヒーベースの飲料,紅茶ベースの飲料,パン」を指定商品として、同年12月22日に設定登録されたものである。

2 登録第5445627号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、2010年9月30日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基いてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成23年3月30日に登録出願、第30類「コーヒー,茶,砂糖,ペストリー(生地),菓子,ビスケット,洋菓子,チョコレート,棒状のチョコレート菓子,チョコレートを加味したキャンディ,チョコレートを用いた菓子,トリュフチョコレート,トッピング用チョコレート,ココア,ココア製品,ココア飲料,チョコレート飲料,ミルク入りココア飲料,コーヒー飲料,紅茶飲料,パン,調味料,チョコレートを加味してなる穀物加工品,チョコレートソース,製菓用チョコレート,チョコレートを使用する即席菓子のもと」を指定商品として、同年10月21日に設定登録されたものである。

3 国際登録第1073357号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、2010年9月13日にFranceにおいてした商標登録出願に基いてパリ条約第4条による優先権を主張し、2011年(平成23年)3月8日に国際商標登録出願、第30類「Coffee, tea, cocoa and cocoa products,sugar, rice, artificial coffee; flour and preparations made from cereals,bread, pastry and confectionery, ices; honey, treacle; mustard; vinegar,sauces (condiments); spices; ice for refreshment; pancakes; cookies; cakes; rusks; sugar confectionery; chocolate and chocolate products; beverages made with cocoa, coffee, chocolate or tea.」を指定商品として、平成24年3月9日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号に該当する理由
(1)本件商標と引用商標との比較
ア 引用商標が本件商標の先願及び先登録商標であることは明らかである。また、本件商標の第30類の指定商品と引用商標の指定商品とが抵触することは明らかである。
本件商標はその図形と「KIKI」(決定注:「Mme KIKI」の誤りと思われる。)の文字が常に一体のものと認識されず、識別標識としては両者が分離されてそれぞれ単独に捉えられることがある。
一方、引用商標2及び同3からはその図形部分のみが取り出されて認識されることがあるといえる。
そこで、引用商標1、同2及び同3の図形(以下「引用図形」という場合がある。)と本件商標の図形(以下「本件図形」という場合がある。)を比較すると、両図形とも大文字の「M」をその上部を下側に向かったなだらかに湾曲されてなるものである。
したがって、本件図形と引用図形とはモチーフ及び基本構成を共通にしている。
イ 大文字の「M」の上部は本来「V」字形になっているが、本件図形と引用図形の構成は上部が下側に向かったなだらかに湾曲されてなるものという極めて特徴的なものであって、この部分は需要者の注目を惹くものとなる。
すなわち、本件商標と引用商標とは需要者の注目を惹く部分の構成を共通にしている。しかも、本件商標と引用商標が抵触する菓子は小さい商品であるため、これに付される商標も必然的に小さいものとならざるを得ない。
引用商標2は図形が商品の包装の表面に付された状態を示すものであり、また、申立人の商品にはリボンがかけられるが、このリボンの上に引用商標が付された状態を示すものが引用商標3である。
これら商標からその図形が商品との関係で極めて小さく表示されるものであることが判る。
そのため、本件商標と引用商標が抵触する商品にこれら商標が使用された場合には、その細かい相違が認識し難くなり、認識にあたってはその相違が捨象されるものとならざるを得ない。
ウ 以上のとおり、本件商標と引用商標とは時と処を異にして離隔的に観察した場合、外観印象において近似し、混同されるものといえる。
したがって、本件商標は引用商標とは外観上紛らわしい類似のものである。
(2)引用図形の著名性
申立人は1977年にパリで創業し、1990年には初の海外店をニューヨークに出店、1998年には東京に進出、ロンドン、香港にも店を構えており、現在、日本を含めて世界で計32店舗がある。
引用図形は、申立人の製造・販売するチョコレートに必ず使用されてきた。その結果、引用図形は本件商標の出願前に日本の需要者の間でも著名なものとなった。
提出した証拠方法のほぼすべてのものが本件商標の出願前の引用図形の使用を示すものであることは明らかである。そして、その量及び紹介した媒体並びにその記述からすれば、取引の経験則上、本件商標の出願前にわが国の需要者の間で引用図形が著名となっていたことは明らかである。
(3)引用図形の著名性故の本件商標との混同
引用図形が著名であるが故に、需要者にはその存在が強く印象付けられている。そのため、需要者は本件商標に接した場合には、引用図形に引きずられるものとなって、当該商標を引用図形と混同するものとなる。
(4)以上述べたように、本件商標は先願先登録である引用商標と類似するので、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

2 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当する理由
(1)引用図形は本件商標の出願前にチョコレート等について著名なものであったから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(2)引用図形は本件商標の出願前にチョコレート等について著名であった以上、本件商標がその出願日に当該商標の指定商品ないし指定役務に使用された場合には、当該商品が申立人ないし同人と資本的関係のある者の業務に係るものであるとその出所の混同を生じるは必定である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲(1)に示すとおり、二本の短い縦線の先端を下方に向かってなだらかに湾曲した線で結んで左右対称に表された図形と、該図形の右下部にやや離れて「Mme KIKI」の文字を配してなるところ、その構成上、それぞれ独立して看取される場合があるものといえる。
そして、該図形部分からは、特定の称呼及び特定の観念は生じないものというべきであり、また、「Mme KIKI」の文字部分中、「Mme」の文字は、フランス語で既婚女性に対する敬称を表す「madame」(マダム)の略記であって、「?夫人」の意味を有することから、該文字部分は「マダムキキ」の称呼を生じ、「キキ婦人」程の観念を生じるものというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標1は、別掲(2)に示すとおり、左側が右側の二倍ほどの長さの二本の太い縦線状の図形をやや内側に傾けて配し、それぞれの先端を下方に向かってなだらかに湾曲した太い線で右下がりに結び、その湾曲した線の右上に黒丸を配した図形からなり、引用商標2は、別掲(3)に示すとおり、焦げ茶色の枠線を有する茶色の横長矩形内に焦げ茶色の引用商標1と同じ図形を配してなり、引用商標3は、別掲(4)に示すとおり、黒色の横長矩形内に、白抜きで引用商標1と同じ図形と「チョコレートの家」程の意味を有するフランス語「LA MAISON DU CHOCOLAT」の文字を繰り返して配してなるところ、引用商標2の図形部分及び同3の図形部分と文字部分とは、その構成上、それぞれ独立して看取される場合があるものといえる。
そして、引用商標1ないし同3の図形部分からは、特定の称呼及び特定の観念は生じないものというべきであり、また、引用商標3の「LA MAISON DU CHOCOLAT」の文字部分から「ラメゾンデュショコラ」の称呼を生じ、「チョコレートの家」程の観念を生じるものというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標との類否について
ア 本件商標の文字部分と引用商標3の文字部分の類否について検討すると、本件商標の文字部分は、「マダムキキ」の称呼を生じるものであるのに対して、引用商標3の文字部分は、「ラメゾンデュショコラ」の称呼を生じるものであるから、音構成、構成音数において著しい差異を有するものであり、称呼上相紛れるおそれはないものである。
また、外観において、両者は、それぞれ上記のとおりの文字構成からなるものであるから、外観上、区別し得る差異を有するものである。
さらに、両者は、上記のとおり異なる観念を有するものであり、観念上相紛れるおそれはないものである。
してみれば、本件商標の文字部分と引用商標3の文字部分とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似しないといえるものである。
イ 本件商標の図形部分と引用商標の図形部分の類否について検討すると、上記(1)及び(2)のとおり、本件商標の図形部分は、二本の短い縦線の先端を下方に向かってなだらかに湾曲した線で結んで左右対称に表されているのに対し、引用商標の図形部分は、やや内側に傾けて配された太い縦線状の図形は、左側が右側の二倍ほどの長さであり、湾曲線も、右下がりに結び、その湾曲線の右上に黒丸を配している点において両者は相違する。
そして、これらの相違点により、両者は、全体から受ける印象が著しく異なるものであって、それぞれを時と処を異にして観察した場合、外観上相紛れることなく別異のものとして認識し把握されるというべきである。
また、両者は、いずれも特定の称呼及び特定の観念を生じないから、称呼及び観念において類似するものとはいえない。
ウ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

2 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人は、引用商標の図形部分(以下「使用商標」という。)が申立人の製造・販売するチョコレートに使用され、世界的に周知著名であると主張し、証拠を提出している。
申立人は、1977年にパリで創業されたチョコレートメーカーであり、我が国及び世界に店舗を有し、その業務に係る商品「チョコレート」について使用商標を使用していること及び申立人のチョコレートが我が国に輸入され販売されていることは認め得るものの、本件商標の登録出願前までの我が国における使用商標を使用した商品の販売数量、売上高、市場占有率(シェア)等使用商標に係る商品の取引実績やその使用地域の範囲などを具体的に把握し得る証拠の提出もなく、また、申立人が本件商標の登録出願日前より、我が国において宣伝広告を積極的に行ったと認めるに足りる証拠の提出もない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠のみをもってしては、使用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の出願時及び査定時に、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていた商標ということはできない。
そして、本件商標は、上記1と同様に使用商標と類似する商標ではないから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が使用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものではない。

3 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1) 本件商標


別掲(2) 引用商標1


別掲(3) 引用商標2(色彩は原本参照)


別掲(4) 引用商標3



異議決定日 2015-08-03 
出願番号 商願2013-96953(T2013-96953) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W30)
T 1 652・ 25- Y (W30)
T 1 652・ 261- Y (W30)
T 1 652・ 262- Y (W30)
T 1 652・ 263- Y (W30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 高橋 厚子 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 原田 信彦
大森 健司
登録日 2014-06-13 
登録番号 商標登録第5676894号(T5676894) 
権利者 株式会社トルチェジョーヌ
商標の称呼 エム、エムエムイイキキ、エムエムイイ、キキ 
代理人 青木 篤 
代理人 田島 壽 

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