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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X09182528
管理番号 1304154 
審判番号 取消2014-300132 
総通号数 189 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-09-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-02-21 
確定日 2015-08-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第5321827号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5321827号商標(以下「本件商標」という。)は、「erima」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年11月4日に登録出願、第9類「サングラス,ゴーグル,その他の眼鏡,ウエイトベルト,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「運動用具,スキーワックス,おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具」を指定商品として、同22年5月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成26年3月12日である。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中、第9類「ウエイトベルト,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「運動用具,スキーワックス,おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具」(以下「取消請求に係る商品」という。)については、その登録は取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証(枝番を含む。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、取消請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。
2 弁駁の理由
(1)請求人について
請求人は、1900年に設立された100年以上の歴史を有するドイツのスポーツ用品メーカーであって、その製造・販売にかかるスポーツウェア、サッカー・テニス・バレー等様々なスポーツ用のアイテムについて、長年にわたり商標「erima」を使用している(甲3ないし甲7)。また、請求人は商標「erima」について、多数の国際登録を有している(甲8ないし甲10)。
(2)乙第1号証について
乙第1号証は、被請求人(商標権者)がその製品と主張する灰色のパーカー(以下「使用商品1」という。)に関する写真であり、1葉目及び2葉目の写真によれば、パーカーの左胸元に「erima」の文字(以下「使用商標」という。)が表示されている。
3葉目の商品タグには、使用商品1が商標権者の製品であって、「日本製」と表示されていることから、被請求人は、使用商品1を日本で製造販売しているものと主張するが、商標権者のウェブサイトには、「erima」というブランドを展開しているという事実は認められない(甲11,甲12)。
4葉目の写真(上)には、「S」と表示された黒色タグの下に黒色の襟ネーム布片がある。洋服の襟ネームであれば、通常、そこに洋服のブランドが表示されるところ、本布片にはブランド表示は見当たらず、この襟ネーム布片が何のために取り付けられているのか不明である。そして、黒布片の下に、使用商標が表示された別の襟ネームが付け足しのように付され、不自然である。また、4葉目の写真(下)は、商品に付けられた品質表示タグだが、使用商品1に付されているものか不明である。
そして、これらの写真は、撮影した日付、場所、撮影者等が一切不明である。
(3)乙第2号証について
乙第2号証は、商標権者の会社の納品書の写しであり、使用商品1に付されたとされる商品コードについては、「CC0000PK0000」「PARKA」の文字が記載されているところ、同納品書に記載されている他の商品コードは、「6R752672300」のようにアルファベットと複数の数字の組み合わせからなるのに対し、本商品コードのみが、アルファベットの文字以外すべて数字の「0」からなるものであって、商品コードとして極めて不自然である。アパレルメーカーは、相当な数のアイテムを同時に取り扱うのが普通であり、各商品にコードを割り当てる必要から番号がすべて「0」となるようなことは当然ありえない。
次に、サイズ欄の記載に関し、たとえば、乙第2号証の3枚目・6枚目等の「CC0000PK0000」「PARKA」のサイズ欄には、「L、M、S、XL」と表示されているが、これ以外の商品はすべて、サイズの順にしたがって規則正しい順番で表示されており、「CC0000PK0000」「PARKA」に係るサイズ欄の記載だけ不自然である。
また、使用商品1の納品先として表示されている「LINEA LUXE」は、商標権者が運営する、世界の有名ブランド・高価格・高品質なハイエンドファッションを取り扱うショップである(甲13ないし甲15)と解されるところ、このような店舗で、「日本製」の「9800円」の綿製パーカーが陳列・販売されたとは到底考えられない。
上記のとおり、被請求人が「erima」というブランドを展開している事実は認められないこと、納品先である「LINEA LUXE」は、商標権者の経営するセレクトショップであって納品書の作成等は簡単であること等を考慮すれば、乙号証は、本件取消審判による取消を免れるためだけに急遽作成されたものと解するのが自然である。
なお、納品書の「神戸三田プレミアムアウトレット」のウェブサイトによれば、納品書の宛先である「区画2230」は、現在は別の店舗であって(甲16,甲17)、被請求人が使用商品1を卸した店舗が本当に存在したのかも極めて疑わしい。
(4)乙号証全体について
乙号証を総合的に考慮しても、商標権者の製品のブランド名として「erima」が使用されている客観的事実は認められず、また、乙第1号証の撮影日・撮影者等は、不明であることに加えて、乙第1号証に示された洋服が、商標権者のコントロールが及ばない小売業者などに卸され、実際に販売されたというような事実を示す資料も一切ない。
以上より、乙第1号証および同第2号証は、いずれも被請求人が本件審判請求の後に作成したものと考えるのが客観的に合理的であり、このような資料は、証拠価値を欠き、本件審判請求の予告登録前3年以内(以下「要証期間」ということがある。)に使用した事実を示すものとはいえない。したがって、要証期間に、被請求人が使用商品1を製造・販売していたとは到底措信しがたく、乙第1号証および同第2号証は、商標法50条2項所定の「証明」の証拠とはなり得ない。
(5)以上詳述したとおり、本件商標が取消請求に係る商品について要証期間に使用されたことを立証する証拠はなく、答弁書における被請求人の主張・立証も不自然かつ疑わしいものであるから、被請求人は、要証期間に本件商標が取消請求に係る商品に使用されたとの事実を証明していない。
3 審判体は、審理事項通知書により両当事者に暫定的見解を示し、これに対して被請求人から提出された口頭審理陳述要領書副本を請求人に送付したところ、請求人から、口頭審理については対応しない旨の連絡があった。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を審判事件答弁書及び口頭審理陳述要領書において、要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
1 答弁の理由
本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者により、本件商標に係る指定商品中、第25類「被服」に属する商品「パーカー」(商品コード:CC0000PK0000)について本件商標を使用した事実がある(乙1)。
商標権者は、2013年12月から2014年2月にかけて、本件商標を使用した商品「パーカー」を三田、名古屋、大阪等において販売した(乙2)。商標権者が使用している商標「erima」(使用商標)は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
2 弁駁に対する答弁
(1)乙第1号証について
請求人は乙第1号証にかかる写真の撮影日、場所、撮影者等の情報の有無を理由に当該写真の証拠としての適格性について述べているが、妥当ではない。つまり、通常、被服などの製品を販売する際に将来の不使用取消審判に備えて販売の事実を証明するために事前に証拠を準備することはない。本件についても、商標権者は過去の納品書により過去の使用事実を証明しており、かかる納品書に記載された販売済みの製品の品番と実際の製品とを関連付けるために当該写真を事後的に撮影し(平成26年4月中旬)、提出したものである。
次に、請求人は襟ネームが2つ付されていること等をあげ、不自然であると主張するが、デザイン上の理由によりそのような襟ネームを使用しており、襟ネームの態様が本件商標が使用されたか否かとは関係がない。
また、請求人は商標権者のウェブサイトに「erima」というブランドを展開している事実を記載していないことを述べているが、販売している全てのブランドを掲載しているわけではなく、また、そのようにしなければならない理由はない。
さらに、請求人は使用商品1が日本で製造されたことを示す証拠は一切ないと主張しているが、そのような主張は全く根拠がない。
(2)乙第2号証について
請求人は使用商品1の商品コードを不自然としているが、何をもって不自然と主張するかの根拠がなく、独自の観点に立つものであって妥当ではない。また、請求人は使用商品1の価格設定について種々述べているが、いずれも理由がない。商品コードや使用商品1の価格設定は、本件商標が使用されたか否かとは何ら関係がない。
(3)乙号証全体について
請求人は本件商標が使用された事実を証明する証拠を憶測のみで否定するが、その主張は誹謗中傷の域を出ない。
(4)結論
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録日前3年以内に、取消請求に係る商品中の「パーカー」について使用されていたものであり、請求人の主張は失当である。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきではない。
3 口頭審理陳述要領書
乙第3号証は、左胸部に使用商標が表された灰色のパーカー(以下「使用商品2」という。)の写真であり、使用商標が本件商標と同一又は類似であることが確認できる。また、品質表示タグが使用商品2に縫い付けられたものであることや、襟ネームに記載された表示も明らかである。
そして、乙第4号証ないし乙第6号証により、使用商標が付された商品「パーカー」が株式会社富樫縫製により製造され、商標権者に納品されたことが、明らかである。
以上により、乙第1号証ないし乙第6号証を総合的に考慮すれば、商標権者により、日本国内で、要証期間に、本件商標と同一又は類似の商標が商品「パーカー」について使用された事実が明らかである。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は、使用商品1の全体写真並びに同商品に付された下げ札、織りネーム及び品質表示タグの拡大写真である。
使用商品1の左胸部分には、「erima」の欧文字(使用商標)が表示されている。また、使用商品1には2つの織りネームが付されているところ、下部の織りネームに使用商標が表示されている。また、下げ札には、「No.」として「CC0000PK0000」の記号、「SIZE」として「S」の記号、また、下方に「IBEX Co.,LTD.」の文字が表示されており、品質表示タグには、「CC0000PK0000」の記号及び「S」の記号が表示されている。
(2)乙第2号証は、商標権者から「神戸三田プレミアムアウトレット」、「LINEA LUXE名古屋店」及び「LINEA LUXEロイヤル」に対して発行された納品書(控)の写しであり、いずれの納品書(控)においても、「商品コード」として「CC0000PK0000」の記号及び「PARKA」の文字が記載され、ほかに、サイズ、数量、総数量、単価、金額等が記載されている。
乙第2号証の3葉目は、「神戸三田プレミアムアウトレット」に対する2014年1月2日付け、6葉目は同月5日付け、7葉目及び9葉目は同月13日付け、11葉目及び13葉目は同月17日付け、17葉目及び20葉目は同月18日付け、21葉目、25葉目及び26葉目は同月19日付け、28葉目は同月20日付け、33葉目は同月23日付け、34葉目は同月6日付け納品書(控)であって、商品コードとして「CC0000PK0000」の記号及び「PARKA」の文字が記載されている。
また、乙第2号証の37葉目は、「LINEA LUXE名古屋店」に対する2013年12月22日付け、39葉目は同月29日付け、41葉目は20014年1年13日付け納品書(控)であって、商品コードとして「CC0000PK0000」の記号及び「PARKA」の文字が記載されている。
さらに、乙第2号証の43葉目は、「LINEA LUXEロイヤル」に対する2014年2月8日付け、45葉目は同年1月2日付け、47葉目は同月12日付け、48葉目は同月22日付け納品書(控)であって、商品コードとして「CC0000PK0000」の記号及び「PARKA」の文字が記載されている。
(3)乙第3号証は、使用商品2の全体写真、左胸部分の拡大写真並びに2種類の下げ札の表裏、2種類の織りネーム及び品質表示タグの拡大写真である。
これによれば、使用商品2は、その左胸部分に使用商標が表示されているものである。また、2種類の織りネームのうち、下部の織りネームに使用商標が表示されている。
乙第3号証の5葉目は、上記の2種類の下げ札の拡大写真であり、上部の写真の下げ札に「Counter.C/ERIMA」の欧文字、「style」として「CC0000PK0000」の記号、「size」として「L」の記号が表示されているものであり、下部の写真の下げ札には、「No.」として「CC0000PK0000」の記号、「SIZE」として「L」の記号が表示され、また、下方に「IBEX Co.,LTD.」の文字が表示されている。
そして、10葉目の品質表示タグには、「CC0000PK0000」の記号及び「L」の記号が表され、また、裏に、商標権者の名称である「株式会社IBEX」の文字が表示されている。
(4)乙第5号証は、株式会社富樫縫製から商標権者に対する2013年11月26日付け電子メールの写し及びこれに添付された出荷数に関する資料であり、「パーカー」として「CC0000PK0000」の記号が記載され、また、サイズごとの出荷数が記載されている。
(5)乙第6号証は、株式会社富樫縫製から商標権者に対して発行された平成25年(2013年)11月28日付け納品書及び請求書の写しであり、「品名」として「CC0000PK0000」の記号が記載され、また、サイズごとの数量が記載されている。
2 前記1の認定事実から、以下のとおり判断する。
使用商品1及び2の左胸部分には、「erima」の欧文字(使用商標)が表示されており、該文字態様は、本件商標と社会通念上同一の商標といえるものである。
そして、乙第1号証及び乙第3号証によれば、使用商品1及び2に付された下げ札及び品質表示タグには「CC0000PK0000」の記号が表示されており、これは、乙第2号証の納品書(控)における商品コード(品名)欄に記載された記号、乙第5号証の出荷数に係る資料における「パーカー」欄に記載された記号、及び乙第6号証の納品書の品名欄に記載された記号と符合している。また、乙第6号証の納品書のサイズごとの数量は、乙第5号証の出荷数に関する資料に記載されたサイズごとの数量と一致している。
そうすると、商標権者は、商品「パーカー」について、株式会社富樫縫製に製造を依頼し、納品された商品を、要証期間に国内の小売店舗に販売したことが推認されるものである。
そして、商標権者の使用に係る商品「パーカー」は、その取消請求に係る商品中の「被服」に含まれるものである。
したがって、商標権者は、要証期間に、その取消請求に係る商品中の「被服」に含まれる「パーカー」について、本件商標と社会通念上同一といえる商標を使用したものと認められる。
3 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る商品中の「被服」に含まれる「パーカー」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものというべきである。
したがって、本件商標の登録は、取消請求に係る商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2015-03-18 
結審通知日 2015-03-19 
審決日 2015-03-31 
出願番号 商願2009-83489(T2009-83489) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X09182528)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 橋本 浩子 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 手塚 義明
浦辺 淑絵
登録日 2010-05-14 
登録番号 商標登録第5321827号(T5321827) 
商標の称呼 エリマ 
代理人 大島 厚 
代理人 竹内 耕三 
代理人 森田 俊雄 
代理人 向口 浩二 
代理人 高橋 孝仁 
代理人 柴田 泰子 
代理人 深見 久郎 
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