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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W05
管理番号 1304149 
審判番号 不服2014-19707 
総通号数 189 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-10-01 
確定日 2015-08-06 
事件の表示 商願2013-102559拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、上段に「ロキソプロフェン」の文字を、下段に「クイック」の文字を書してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年12月28日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、原審において、同26年6月19日付け手続補正書により、第5類「ロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した薬剤」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『ロキソプロフェン』及び『クイック』の文字を普通に用いられる書体で二段に表してなるところ、薬剤を取り扱う分野において、構成中の『ロキソプロフェン』の文字部分は鎮痛・抗炎症・解熱剤として用いられる『ロキソプロフェンナトリウム水和物』を意味するものであり、『クイック』の文字部分は『迅速な。速い。即座に。』を意味する英語『QUICK』の表音表示と認められるものであるから、本願商標全体からは『迅速なロキソプロフェンナトリウム水和物』程の意味合いを容易に理解させる。そうすると、本願商標をその指定商品中、上記文字に照応する商品(例えば『即効性のあるロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した薬剤』)に使用するときは、これに接する取引者・需要者をして、単に商品の品質、効能等を普通に用いられる方法で表示したものと理解されるにとどまり、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、『迅速なロキソプロフェンナトリウム水和物』に照応しない指定商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ロキソプロフェン」の文字を上段に、「クイック」の文字を下段に、普通に用いられる方法で書してなるものである。
そして、「ロキソプロフェン」の文字は、別掲1のとおり、世界保健機構(WHO:World Health Organization)が定める医薬品の国際一般的名称 (INN:International Nonproprietary Names)に登録されている、「loxoprofen」の表音と理解させるものである。
そうすると、本願商標の構成中、上段の「ロキソプロフェン」の文字部分は、本願商標の指定商品との関係において、医薬品の名称を表したものと認識させるというのが相当である。
次に、「クイック」の文字は、「迅速な、すばやい」を意味する英語「quick」の表音として一般に知られているところ、別掲2のとおり、指定商品を取り扱う分野において、「quick」及び「クイック」の各文字が「即効」「速く効く」等の意味合いを認識させるものとして、使用されている事実が認められる。
また、本願商標の指定商品である「ロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した薬剤」について、別掲3のとおり、「速効性」「速く効く」等の効能がある旨の記載がされている事実も認められるものである。
そうすると、本願商標の構成中、下段の「クイック」の文字部分は、本願商標の指定商品との関係において、「速効性がある」程の意味合いを理解、認識させるものである。
以上のことから、本願商標は、これをその指定商品に使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、「ロキソプロフェンを配合した、速効性がある薬剤」であることを表したものと認識するにとどまるとみるのが相当であって、商品の品質、効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標は、成分名に「クイック」の文字を結合してなる独特な態様であり、補正後の指定商品との関係で、品質・効能表示として用いられている事例を見いだせない旨を主張しているが、本願商標は、「ロキソプロフェン」の文字及び「クイック」の文字を二段に表したものであり、上記のとおり、指定商品の分野においては、「quick」及び「クイック」の文字が「即効」「速く効く」等の意味合いを認識させるものとして使用され、かつ、本願商標の指定商品である「ロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した薬剤」に「速効性」「速く効く」等の効能があるという事情をも考慮すれば、取引者、需要者においては、単に商品の品質、効能を表したものと認識するとしかいえないものである。
したがって、請求人の主張を採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 「ロキソプロフェン」について(下線は合議体による。以下同じ。)
(1)WHOのウェブサイトにおいて、1984年に発行された「International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances」において、「Recommended International Nonproprietary Names(Rec. INN):List 24」の見出しの下、「loxoprofen」が掲載されている。(http://www.who.int/medicines/publications/druginformation/innlists/RL24.pdf?ua=1)
(2)公益社団法人日本薬学会のウェブサイトにおいて、「薬学用語解説」の見出しの下、「国際一般的名称」について、「International Nonproprietary Name、INN」、「医薬品の一般名称を国際的に定めたもの。各国からの申請に基づいてWHOが審査、統括し、英語、フランス語、スペイン語、ラテン語、ロシア語で命名される。INN原薬の活性本体の名称であり、その誘導体(塩(塩酸塩、硫酸塩他)、水和物、プロドラッグなど)の名称をINNM(mINN:modified INN)という。」と記載されている。(http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?国際一般的名称)

別掲2 薬剤の分野において、「quick」及び「クイック」の文字が「即効」「速く効く」等の意味合いを認識させるものとして、使用されている事実
(1)「研究社 新和英大辞典 第5版」(株式会社研究社発行)において、「そっこう【即効】」の項目に、「即効薬 quick remedy」と記載されている。
(2)エスエス製薬株式会社のウェブサイトにおいて、「イブクイック頭痛薬」について、「頭痛に速く効いて、胃にもやさしい。」、「酸化マグネシウムが、胃酸を中和し鎮痛成分の吸収を促進、同時に胃粘膜を保護することで、頭痛に対して素早い効果と胃へのやさしさの両立を可能にしました。」と記載されている。(http://www.ssp.co.jp/product/all/eveq/)
(3)ロート製薬株式会社のウェブサイトにおいて、「メディクイックH GOLD」について、商品の画像に「頭皮湿疹などの治療薬」と記載されるとともに、「だから、すばやく、しっかり効きます!!」と記載されている。(http://jp.rohto.com/mediquick-h/promotion/p_gold/)
(4)大正製薬株式会社のウェブサイトにおいて、「パブロン点鼻クイック」について、「●パブロン点鼻クイックは、抗アレルギー薬ケトチフェンフマル酸塩と、血管収縮薬ナファゾリン塩酸塩を配合した点鼻薬です。」、「●ナファゾリン塩酸塩による血管収縮作用により、鼻アレルギーによる鼻づまりを素早く改善します。」と記載されている。(http://www.catalog-taisho.com/04716.php)
(5)ライオン株式会社のウェブサイトにおいて、「BUFFERIN EXかぜ薬」について、「バファリンかぜEXの特徴=速く溶ける」として、「バファリンかぜEXは『つらい風邪』『頭痛』『発熱』『のどの痛み』『せき』『鼻水』『くしゃみ』などの症状にすぐれた効き目を発揮する3つの承認基準※外成分(イブプロフェン、クレマスチンフマル酸塩、ブロムヘキシン塩酸塩)を含む7種の有効成分を配合した風邪(かぜ)薬です。イブプロフェンを速く溶かす独自技術『クイックメルト製法』を採用。※一般用かぜ薬製造販売承認基準」と記載されている。(http://www.bufferin.net/ex/why/index.htm)
(6)山田薬品株式会社の「COSMETICS AND MEDICAL」のウェブサイトにおいて、「シオノギ クイックロコ錠のお取扱いしております」の見出しの下、「つらい腰痛・関節痛・肩こり(四十肩・五十肩)・神経痛など 日常の生活をする上での不快な痛みに ACE処方と生薬成分シャクヤクカンゾウ、胃保護成分を配合した やさしく早くよく効く内服薬の痛み止め」と記載されている。(http://cosmetics-medical.com/main/health-topics/シオノギ クイックロコ錠)
(7)興和新薬株式会社のウェブサイトにおいて、「OTC(一般用)医薬品とは」の見出しの下、「興和のOTC医薬品には、大まかに分けて二つのタイプの薬があります。早く対処したい症状に、しっかり対応していく『クイック メディケーション』という考えの薬群と、身体の調子を整えながら治していく『コンディショニング メディケーション』という考えに基づく薬群です。」と記載されている。(http://www.kowa-shinyaku.co.jp/otc/)

別掲3 本願商標の指定商品について、「速効性」「速く効く」等の効能がある旨の記載がされている事実
(1)第一三共ヘルスケア株式会社のウェブサイトにおいて、「ロキソニンSとは」の見出しの下、「『ロキソニンS』は、解熱鎮痛成分ロキソプロフェン※を配合した、速効性とすぐれた効き目が特徴のお薬です。」、「※ロキソプロフェンナトリウム水和物」と記載されている。(http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/about/about02.html)
(2)同ウェブサイトにおいて、「効きめの速いロキソニンS」の見出しの下、「痛みに速く効く」、「〔ロキソプロフェンナトリウム水和物〕」の文字が記載されている商品の写真が表示されている。(http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/)
(3)2011年1月18日付け化学工業日報には、「第一三共ヘルスケア、解熱鎮痛剤『ロキソニン』のスイッチOTC発売」の見出しの下、「第一三共ヘルスケアは、医療用解熱鎮痛剤トップブランド『ロキソニン』(一般名・ロキソプロフェンナトリウム水和物)のスイッチOTC(一般用医薬品)販売に乗り出す。」、「同鎮痛剤は第一三共が開発した非ステロイド性消炎鎮痛成分で、速効性を持つのが特徴。」と記載されている。
(4)2015年2月18日付け薬事日報には、「【新製品】『エキセドリン』から第1類の解熱鎮痛薬 ライオン」の見出しの下、「ライオンは、解熱鎮痛薬『エキセドリン』ブランドから、腰痛や肩こり痛など“体の痛み”に優れた効き目の解熱鎮痛成分ロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した、内服タイプの『エキセドリンLOX』(第1類医薬品)を新発売した。飲みやすい小型の錠剤で、眠くなる成分(鎮静催眠成分)を含まず、1回1錠の服用で速く効くのが特徴。」、「速効性と優れた効き目が特徴の解熱鎮痛成分ロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した第1類医薬品としては、第一三共ヘルスケアの『ロキソニンS』のほか、小林薬品工業の『ユニペインL』、皇漢堂製薬の『ロキソプロフェン錠『クニヒロ』がある。」と記載されている。(http://www.yakuji.co.jp/entry41706.html)
(5)株式会社ニッドの「ドラッグストアで買えるブランド NID PB」のウェブサイトにおいて、「ロキソプロフェン錠『AX』 12錠」の見出しの下、「頭痛や月経痛などに、1回1錠で速く効く解熱鎮痛薬。炎症や痛みを抑える効果にすぐれたロキソプロフェンナトリウム水和物を配合しています。」と記載されるとともに、「LOXOPROFEN」、「痛みに速く効く」、「ロキソプロフェンナトリウム水和物」の文字が記載されている商品の写真が表示されている。(http://pb.nidrug.co.jp/goods/sku/?productId=743958)
(6)独立行政法人医薬品医療機器総合機構のウェブサイトにおいて、「ハリー解熱鎮痛薬L」の見出しの下、「ハリー解熱鎮痛薬Lは、胃への刺激が少ないロキソプロフェンナトリウム水和物が主成分の解熱鎮痛薬です。熱や痛みの元となる成分(プロスタグランジン)の生成を抑え、解熱・鎮痛に速く効きます。」と記載されるとともに、製造販売元として「小林薬品工業株式会社」と記載されている。(http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/K1411000013_01_A.pdf)
(7)同ウェブサイトにおいて、「ピタリノールLX」の見出しの下、「ピタリノールLXは、有効成分がロキソプロフェンナトリウム水和物の解熱鎮痛薬です。胃への刺激が少なく、眠くなる成分(鎮静催眠成分)は含みません。熱や痛みの元(プロスタグランジン)を抑え、解熱・鎮痛に速く効きます。」と記載されるとともに、製造販売元として「ワキ製薬株式会社」と記載されている。(http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J1501000061_01_A.pdf)
(8)同ウェブサイトにおいて、「ロキベール」の見出しの下、「ロキベールは、痛みや熱の原因物質をすばやく抑える『ロキソプロフェンナトリウム水和物』を配合した、痛みに速く効く解熱鎮痛薬です。」と記載されるとともに、発売元として「日邦薬品工業株式会社」、製造販売元として「興亜製薬株式会社」と記載されている。(http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/K1504000026_01_A.pdf)

審理終結日 2015-06-01 
結審通知日 2015-06-02 
審決日 2015-06-23 
出願番号 商願2013-102559(T2013-102559) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W05)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 鴨田 里果 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 梶原 良子
大橋 洋子
商標の称呼 ロキソプロフェンクイック、クイック 
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