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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W16 審判 全部申立て 登録を維持 W16 審判 全部申立て 登録を維持 W16 審判 全部申立て 登録を維持 W16 |
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管理番号 | 1303174 |
異議申立番号 | 異議2014-900353 |
総通号数 | 188 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2015-08-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2014-12-22 |
確定日 | 2015-06-17 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5703942号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5703942号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5703942号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成26年5月7日に登録出願,第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同年9月19日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録第4793758号商標(以下「引用商標」という。)は,「SCOOBY-DOO」の文字を横書きしてなり,平成14年9月13日に登録出願,第9類,第16類,第25類,第28類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同16年8月13日に設定登録され,その後,同26年9月16日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。 3 登録異議申立ての理由 (1)商標法第4条第1項第11号該当性 本件商標は,「SCOOBY」と「TIMES」の各文字が二段に書されているばかりでなく,上段の「SCOOBY」の文字部分は,下段の「TIMES」の文字部分に比べ,その文字が太く,かつ,大きく書されていることから,これに接する者は,「SCOOBY」の文字部分に強く印象づけられる。 したがって,本件商標は,「スクービータイムス」の一連の称呼のほか,「スクービー」の称呼をも生ずるものである。 一方,引用商標は,「SCOOBY」と「DOO」の各文字の間に「-」(ハイフン)があるため,「スクービードゥー」の一連の称呼のほか,「スクービー」の称呼をも生ずるものである。 してみると,本件商標と引用商標は,称呼を同じくするものであり,また,共通する「SCOOBY」の文字において外観上類似するものである。 また,両商標の指定商品は互いに抵触するものである。 よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性 引用商標は,1969年に申立人が制作した米国のテレビアニメ番組とその実写映画のタイトルであり,かつ,これに登場する犬の名前である。日本では,テレビアニメ版が1970年2月から同年5月までNHK総合で放映された(甲5)。また,上記犬のフィギュアも日本で販売され(甲6),過去には,同じタイトルのコミック版も入手できたようである(甲7)。また,インターネットからダウンロードできる「iTunes」のラインナップで上記実写映画の音楽が紹介されている(甲8)。 してみれば,本件商標に接する者は,本件商標を使用した商品について,申立人のアニメ番組「スクービー・ドゥー」と関連のある商品のように誤認するおそれがある。 よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。 (3)むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから,取り消されるべきものである。 4 当審の判断 (1)引用商標の著名性 申立人の提出に係る甲第5号証ないし甲第8号証及び甲第12号証によれば,以下の事実が認められる。 ア 引用商標は,1969年に申立人によって制作された米国のテレビアニメ番組及び実写映画の題号並びにこれに登場する犬の名前であること。 イ そのうちのテレビアニメ版は,日本においては,「弱虫クルッパー」の名称で,1970年2月から同年5月までNHK総合で放映されたこと,その再放送にあたっては,日本版「弱虫クルッパー」と,「スクービードゥー」としてオリジナルのキャラクター名で再吹き返したものが,1970年代から80年代に繰り返し放映されたが,日本ではその知名度は高くないこと(甲5)。 ウ 上記犬のフィギュアも日本で販売されたことは推測することができるものの,当該フィギュアがいつの時点において,どのくらいの数量が販売されたのか等は一切不明であること(甲6)。 エ 引用商標を付したコミック誌もインターネット上で販売されていたものと推測することができるが,犬のフィギュアと同様に,いつの時点において,どのくらいの数量が販売されたのか等は一切不明であること(甲7)。 オ インターネットからダウンロードできる「iTunes」のラインナップで上記実写映画の音楽が紹介されているが,これとても,インターネット上に掲載された日付が本件商標の登録出願日(平成26年5月7日)前のものであるかは不明であること(甲8)。 カ 平成27年3月27日時点において,「スクービードゥー」の続編である「スクービー&スクラッピードゥ」がカートゥーンネットワーク(有料のアニメ専用チャンネル)において放映されていることが認められるものの,当該アニメ番組の題号は,引用商標とは異なるばかりか,どの程度の回数で放映されているかなどは明らかではないこと(甲12)。 してみると,申立人が数々のアニメ番組やアニメ映画を制作していること(甲9?甲11)は認め得るとしても,引用商標が,申立人の制作に係るアニメ番組及び実写映画の題号を表示するものとして,本件商標の登録出願日(平成26年5月7日)及びその登録査定日(同年9月1日)の時点において,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。また,引用商標が「SCOOBY」(スクービー)と略称されて,申立人の制作に係るアニメ番組及び実写映画の題号を表示するものとして,本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたものと認めるに足りる証拠の提出もない。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は,別掲のとおり,「SCOOBY」の文字を大きく横書きし,当該文字中の末尾の「BY」の下に小さな文字で「TIMES」の文字を横書きしてなるところ,その構成中の「SCOOBY」の文字が大きく記載され,強く支配的な印象を与えるものと認められるから,その構成全体から生ずる「スクービータイムズ」の称呼のほか,「スクービー」の称呼をも生ずるものである。 そして,本件商標は,その構成中の「SCOOBY」の文字が,辞書類に載録されている既成の語とは認められず,その構成全体としても,特定の意味を有することのない一種の造語として看取,理解され得るものであるから,特定の観念を生じないものというのが相当である。 他方,引用商標は,前記2のとおり,「SCOOBY-DOO」の文字を横書きしてなるものであるところ,その構成中の「SCOOBY」の文字部分と「DOO」の文字部分は,ハイフンを介して外観上まとまりよく一体的に表されているばかりでなく,その構成文字全体より生ずると認められる「スクービードゥー」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。 してみると,引用商標の外観及び称呼上の一体性からみると,これに接する取引者,需要者は,引用商標の構成全体をもって一つの商標を表したと認識するとみるのが相当であり,その他,引用商標において,その構成中の「SCOOBY」の文字部分のみを分離,抽出して称呼,観念しなければならない特段の事情は存在しない。 したがって,引用商標は,その構成文字に相応して,「スクービードゥー」の一連の称呼のみを生ずるものであって,単に「スクービー」の称呼は生じないものというべきである。また,引用商標は,特定の意味合いを想起し得ない造語を表したと理解されるものといえる。 そうとすれば,引用商標より「SCOOBY」の文字部分を分離,抽出し,これを前提として,本件商標と引用商標とが「スクービー」の称呼を同じくし,かつ,外観において類似する商標であるとする申立人の主張は,前提において誤りがあるというべきであり,採用することができない。他に本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由は見いだせない。 したがって,本件商標と引用商標とは,称呼,観念及び外観のいずれの点についても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものと認めることはできない。 (3)商標法第4条第1項第15号について 前記(1)認定のとおり,引用商標ないしこれが「SCOOBY」(スクービー)と略称されて,申立人の制作に係るアニメ番組及び実写映画の題号を表示するものとして,本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 また,前記(2)認定のとおり,本件商標は,引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点についても相紛れるおそれのない非類似の商標である。 してみると,本件商標に接する取引者,需要者が,引用商標を想起又は連想することはないというのが相当であるから,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,当該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものと認めることはできない。 (4)むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 |
異議決定日 | 2015-06-10 |
出願番号 | 商願2014-35784(T2014-35784) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(W16)
T 1 651・ 262- Y (W16) T 1 651・ 261- Y (W16) T 1 651・ 263- Y (W16) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 吉野 晃弘 |
特許庁審判長 |
田中 幸一 |
特許庁審判官 |
早川 文宏 前山 るり子 |
登録日 | 2014-09-19 |
登録番号 | 商標登録第5703942号(T5703942) |
権利者 | モーター イメージ エンタープライゼズ ピーティーイー エルティディ |
商標の称呼 | スクービータイムズ、スクーバイタイムズ、スクービー、スクーバイ、タイムズ |
代理人 | 特許業務法人 松原・村木国際特許事務所 |